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第15話 デュアルルル!! 作:氷色
「先攻はボクだ!」
遊緋が初手の5枚の内3枚を抜き出して全てデュエルディスクに挿入した。
「モンスターを裏側守備表示でセット。カードを2枚伏せてターンエンド」
遊緋の初動は実に簡潔なものだ。
フィールドには3枚の裏側カードが浮かび上がる。
遊緋/LP4000・手札2
モンスター
セットモンスター×1
魔法・罠
伏せカード×2
「まずは守備固めか?」
城之内にターンが移る。
「そんじゃ切り崩していきますか!俺のターン!ドロー!」
城之内が勢いよくデッキからカードをドローする。
さて城之内は一体どんな戦術を見せてくれるのだろう。
面白いデッキならいい。遊緋はウズウズする心根を抑えながら、その挙動に注目する。
「まずはこいつを発動するぜ!魔法カード《アームズ・ホール》!」
†
《アームズ・ホール》
通常魔法
このカードを発動するターン、自分は通常召喚できない。
(1):デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を選んで手札に加える。
†
城之内が魔法カードを発動すると、上空に次元の穴が開く。
「《アームズ・ホール》はデッキの1番上のカードを墓地に送り、デッキから装備魔法をサーチする魔法カードだ!こいつを発動すると、そのターンは通常召喚できなくなっちまうがな!」
城之内が言った通りデッキの一番上のカードを墓地に送ると、上空の穴から代わりのようにカードが1枚降ってきた。城之内がそれをキャッチすると、役目を終えた《アームズ・ホール》は消える。
「俺が手札に加えたのは、装備魔法《スーペルヴィス》だ」
城之内は手にしたカードを遊緋に見えるよう翳す。
この辺りのマナーも心得ている。やはり噂に聞く悪い人物とは思えない。
それにしても通常召喚不可というデメリットを負いながらも《アームズ・ホール》で装備魔法をサーチするということは、もしかしたら彼のデッキは装備魔法を主体とした戦術を取るのかもしれない。
城之内は更に手札に手を伸ばす。
「そして手札の《フェニックス・ギア・フリード》を墓地に送り、このカードを特殊召喚するぜ!」
城之内のフィールドに片手斧を武器として携えた屈強そうな戦士が現れた。
†
《強襲するアックス・レイダー》(オリジナル)
デュアル・効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1700/守1150
(1):相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、手札を1枚墓地に送ることでこのカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。
(3):フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
● このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、 その守備力を攻撃力が超えた分の2倍の戦闘ダメージを相手に与える。
†
「《強襲するアックス・レイダー》は、相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に手札1枚を墓地に送ることで手札から特殊召喚できるデュアルモンスターだ!」
「デュアルーーー!」
未知のモンスターの登場に遊緋が目を輝かせた。警戒心と好奇心が同時に膨らんでいく。
デュアルモンスター自体は知識としては知っている。しかしその使い手には、デュエルモンスターズ時代には巡り会ったことがない。
それを体感できるのだ、これは貴重な体験となるだろう。
遊緋は笑う。
最初はどうなることかと身構えていたが、二人は普通に良い人だし、デュエルも今までにない戦術を見せてもらえそうだ。このデュエルを受けて良かったとそう思った。
《強襲するアックス・レイダー》の攻撃力は1700。残念ながら遊緋の守備モンスターではその攻撃に耐えることはできないだろう。
しかしデュアルモンスターである《強襲するアックス・レイダー》は、まだこのターンは何の効果も持たない通常モンスター扱い。守備モンスターを撃破されても被害はないはずだった。
「悪いな、俺のモンスターは寝坊助でよ、普通に召喚されただけじゃ全力は出せねぇんだ。ちょっと待っててくれな。今、叩き起こすからよ!」
手札から魔法カードを発動する。
「装備魔法《スーペルヴィス》!」
†
《スーペルヴィス》
装備魔法
デュアルモンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターはもう1度召喚された状態として扱う。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを特殊召喚する。
†
フィールドの《強襲するアックス・レイダー》が赤いオーラに包まれる。
「《スーペルヴィス》はデュアルモンスターにのみ装備できる装備魔法だ!こいつを装備したデュアルモンスターはその真の力を解放するぜ!」
確かに《強襲するアックス・レイダー》から感じられるプレッシャーが増した気がする。
「バトルだ!《強襲するアックス・レイダー》でお前の守備モンスターに攻撃ッ!」
《強襲するアックス・レイダー》が斧を振りかざし遊緋の守備モンスターに突進する。
それに反応して、守備モンスターがリバースした。
現れたのは地属性のM・HEROだ。
†
《M・HERO バソール》(未OCG)
星3/地属性/戦士族/攻1000/守700
「M・HERO バソール」の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。墓地から速攻魔法カード1枚を選択して手札に加える。
(2):このカードがフィールドから離れた場合、自分のフィールドの地属性の「HERO」融合モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターは以下の効果を得る。
⚫1ターンに1度、相手フィールドの表側表示のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力は700ポイントダウンする。
†
強襲するアックス・レイダー/攻1700○
↓
バソール/守700×
《バソール》の守備力は僅か700。攻撃力1700の《強襲するアックス・レイダー》の攻撃を防ぐことはできない。
「“疾風斬り”!!」
《バソール》は《強襲するアックス・レイダー》の斧に一刀両断されてしまった。
「まだだぜ!再度召喚された《強襲するアックス・レイダー》には貫通効果がある!しかも与えるダメージは2倍だッ!」
貫通効果とは守備モンスターを攻撃した際、その守備力を攻撃力が上回った分、相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える効果だ。この効果を持つモンスターには、守備モンスターでダメージを抑え時間稼ぎをすることはできない。
しかも《強襲するアックス・レイダー》はその際のダメージを2倍にする効果まであった。
攻撃名の通り《強襲するアックス・レイダー》の素早い攻撃が疾風の余波を生み、遊緋の身体を叩く。
「ぐぅうう……」
遊緋/LP4000→2000
一瞬にして遊緋のLPの半分が持っていかれてしまった。ファーストバトルにしては破格のダメージだ。
ーーーこれがデュアルモンスターの真の力か。
デュエルモンスターズ時代は正直デュアルモンスターはスロースターター過ぎると舐めていた。
しかしD・ゲームのデュアルは性能が桁違いだ。
それともこの城之内がその真価を引き出しているのか。
「楽しいデュエルだ!」
LPを大きく削られた側の遊緋がにやりと笑う。
だが、やられっぱなしでは終わらない。
「この瞬間、フィールドの伏せカードが発動するよ!罠カード《アージャント・ライン》!!」
†
《アージャント・ライン》(未OCG)
通常罠
自分フィールドの「M・HERO」モンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキからレベル4以下の「M・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
†
《アージャント・ライン》は戦闘で「M・HERO」が破壊された時に、その代わりとなる「M・HERO」をフィールドに補給する罠カード。この効果によりフィールドの「M・HERO」を切らさずに闘うことができる。
「ボクはデッキから《M・HERO ガスト》を特殊召喚するよ!」
《バソール》が消える代わりに、遊緋のフィールドに《ガスト》が現れる。
ガスト/攻1500
そして《ガスト》の効果も同時に発動した。
「特殊召喚した《M・HERO ガスト》のモンスター効果!デッキから《融合》を手札に加える!」
《M・HERO ガスト》には召喚・特殊召喚した場合にデッキから《融合》をサーチする効果がある。
現時点ではまだ《融合》を活かせる状況にはないが、手札に加えておいて損はないはずだ。
「ただじゃ終わらないってか。まぁいい、俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
城之内/LP4000・手札2
モンスター
強襲するアックス・レイダー/攻1700
魔法・罠
スーペルヴィス/装備(強襲するアックス・レイダー)
伏せカード×1
遊緋/LP2000・手札3
モンスター
ガスト/攻1500
魔法・罠
伏せカード×1
「ボクのターン!ドロー!」
引いたカードを確認して、遊緋は口の端を上げる。
正直、絶好のカードだった。
城之内の伏せカード如何では断言はできないが、このターンでこのデュエルを終わらせることができるかもしれない。
城之内は中々面白いデュエリストだ。
遊緋自身、もっとこのデュエルを楽しみたい。しかしそのために手を抜くのは違う気がする。全力の相手には全力を以て挑む。それが遊緋の美学であり、対戦相手に自分を選んでくれた城之内への礼儀というものだ。
「これで終わっちゃったら、ゴメンーーー」
遊緋が言うと、城之内はきょとんとした顔をした。
デュエル中に謝られたのは初めてだった。
城之内はこのデュエルを自分の力を試すためのデュエルだと思って挑んでいる。遊緋にはそれに付き合ってもらっているのだと考えていた。
つまり、城之内にしてみれば遊緋の胸を借りているのであって、現時点での実力的には遊緋の方が上だと分かっているのだ。
だからこそ城之内は全力で挑んでいるつもりだし、遊緋にも全力で応えて欲しい。
その遊緋が「終わらせる」と頭を下げたということは、城之内を「全力で叩き潰す」と宣言したも同然だ。
普通なら恐れおののくのかもしれないが、城之内はそれを嬉しく感じた。
だからこそーーー
「ああ、いいぜ!来いーーー遊緋!!」
城之内は両手を広げて叫んだ。
その瞬間、遊緋は不思議な共鳴を感じた。
何故かは分からないが、城之内と自分はきっと『同じ類いの生き物』だと感じたのだ。
龍から遊緋は『ゲームの怪物』と呼ばれた。
自分でもそう思う。遊緋自身、自分がゲームに依存した存在だと自覚している。
或いはこのD・ゲームに参加したことによって、その依存度は更に深まったかもしれない。これほど生の喜びと死の恐怖を体感できるゲームなどない。このギリギリのスリルが遊緋に生きる力を与えてくれるのだ。
もしかしたら城之内も同じなのかもしれない。
城之内が全力を以て遊緋の攻撃を受けようとしてくれているのも、彼がこのD・ゲームに全てを賭けているからなのかもしれない。
ギリギリのスリルを味わいたいと願う遊緋とは理由も目的もきっと違うのだろう。だが、実際の闘いを通して城之内から感じるのは『強くなりたい』という意思。彼にとっては、誰かと全力同士で闘うことこそが強くなるための試練なのだ。
ならば遊緋はその想いに応えなければならない。
今できる全力で彼の想いにぶつかるのみだ。
「ボクは手札から速攻魔法《スピリット・マスク・チェンジ》を発動!!」
†
《スピリット・マスク・チェンジ》(オリジナル)
速攻魔法
「スピリット・マスク・チェンジ」は1ターンに1枚しか発動できない。
このカードを発動するターン、自分は通常召喚できない。
(1):墓地のレベル4以下の「M・HERO」モンスター1体を除外して発動できる。そのモンスターと同じ属性でレベル6の「M・HERO」モンスター1体を「マスク・チェンジ」による特殊召喚扱いで、エクストラデッキから特殊召喚する。
†
「《スピリット・マスク・チェンジ》は墓地にいるレベル4以下の「M・HERO」をレベル6の「M・HERO」に変身させる魔法カード!!このカードの効果で、ボクは墓地の《M・HERO バソール》を変身させる!!」
「墓地のモンスターを変身させるだって!?」
遊緋の求めに応じて、墓地の《バソール》が霊魂となって現れた。そしてそのマスクが輝く。
「世界に暗夜訪れる時、幻惑の蝶が舞い踊る!変身召喚!!レベル6《M・HERO タイタニア》!!」
《バソール》が遊緋の名乗りを受けて変身した。
現れたのは女性と見紛うフォルムの美しいHERO。蝶のような羽根を持ち、妖艶な微笑みのみを浮かび上がらせる目深なシルバーのマスク。一見ではまるで妖精のようだ。
†
《M・HERO タイタニア》
融合・効果モンスター
レベル6/地属性/戦士族/攻撃力2000/守備力2300
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
「M・HERO タイタニア」の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):手札を1枚墓地に送り、相手フィールドのこのカードよりも攻撃力の低いモンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターのコントロールを得る。
(2):このカードが戦闘で相手プレイヤーにダメージを与えた時に発動できる。デッキからカードを1枚ドローする。
†
「手札の《M・HERO イージス》を墓地に送り、《M・HERO タイタニア》のモンスター効果発動!《M・HERO タイタニア》は手札を1枚墓地に送ることで、自身より攻撃力の低い相手モンスター1体のコントロールを奪う!」
「んだとッ!?」
《タイタニア》が両手を広げて妖しい光を放ち始めた。その光はまるで燐粉のように《強襲するアックス・レイダー》に降り注ぐ。
「“タイタス・テンプテーション”!」
その光の瞬きを目にした《強襲するアックス・レイダー》は、正気を失ったようになりフラフラと遊緋のフィールドに歩み寄り、そちら側に着いた。
これで城之内のフィールドにモンスターはいなくなり、遊緋のフィールドには3体のモンスターが揃った。
「バトルだッ!」
遊緋のフィールドに並ぶモンスター3体の総攻撃力は、まだノーダメージの城之内のLPでも受けきれないものになっている。
このバトルで総攻撃をかけられたら城之内は終わりだ。
「まずは《M・HERO ガスト》でダイレクトアタック!」
遊緋の命令に応じて《ガスト》が飛び出す。
硬質化したマフラーがその武器。それで城之内を突き刺すつもりだ。
「んなもん喰らってられるかよッ!リバースカード発動!永続罠《モンスターBOX》!!」
まともに喰らえば身体に穴が空く痛みを実際に受けることになるばかりか、即敗北に直結する攻撃だ。これは何がなんでも防がなければならない。
城之内が虎の子の伏せカードを発動する。
現れたのはもぐら叩きのような穴のいくつも空いた箱だった。
†
《モンスターBOX》
永続罠
相手モンスターの攻撃宣言時、コイントスを1回行い裏表を当てる。当たった場合、その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで0になる。
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。または、500ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。
†
「《モンスターBOX》は相手モンスターの攻撃宣言時にコイントスを行い、その裏表を当てればその攻撃モンスターの攻撃力を0にできる!」
《モンスターBOX》は効果が機能するかどうかをコイントスに委ねる必要があり確実性には欠けるものの、攻撃モンスターの攻撃力を0にしてしまう効果はかなり強力だ。
「出た!城之内のギャンブルカード!!」
本田がそう歓声を上げる。
どうやら城之内のデッキにはこの手のギャンブル性の高いカードが少なくない割合で盛り込まれているらしい。
しかし今の状況下では、この《モンスターBOX》発動は単にギャンブルというわけでもない。
遊緋の攻撃モンスターは計3体。つまり《モンスターBOX》の効果を発動させるチャンスは3回あるわけだ。城之内はその3回の内、1回でもコイントスを成功させれば、このターンで負けることはなくなる。逆に3回とも成功させれば、遊緋の全てのモンスターを無力化することもできる。分という意味では悪くない勝負だ。
「コイツでお前のモンスターを張り子の虎にしてやるぜ!」
しかし、それでも遊緋は笑む。
「そうはさせないよッ!ボクは手札から速攻魔法《ツイスター》を発動!《モンスターBOX》を破壊する!」
「なっ!?」
攻撃体勢に入っていた《ガスト》がくるくると回転を始める。
やがてその回りに風が生まれ、それが竜巻となって《モンスターBOX》を襲った。
†
《ツイスター》
速攻魔法
500ライフポイントを払って発動できる。フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。
†
《ツイスター》はLP500を支払うことでフィールドの表側の魔法・罠カードを1枚破壊できる速攻魔法カードだ。
遊緋/LP2000→1500
遊緋のLPから決して少なくない割合でLPが削られる。
しかしここはこのデュエルを決める正念場。出し惜しみに意味はない。
竜巻の直撃を受けて《モンスターBOX》がバラバラに吹き飛ばされた。
永続罠である《モンスターBOX》は、発動にチェーンされる形で破壊されたら効果そのものが不発になってしまう。
砕け散って宙を舞う《モンスターBOX》の残骸を見ながら、城之内は「マジかよ……」と苦笑する。
今更ながら遊緋の強さに脱帽した、という感じだ。
しかし遊緋は手を止めたりはしない。
「これで邪魔するものはない。《ガスト》の攻撃を続行!」
竜巻から再び姿を現した《ガスト》がマフラーで城之内を斬りつける。
今度はそれを阻むものは何もない。
「ぐあッ!」
城之内/LP4000→2500
「次、《強襲するアックス・レイダー》で攻撃」
《強襲するアックス・レイダー》も遊緋の命令に従い、その斧を城之内に振り下ろす。
「ぐはッ!」
城之内/LP2500→800
「最後、《M・HERO タイタニア》で攻撃」
残った《タイタニア》が蝶の羽根で砂嵐を巻き起こし、それに飲まれた城之内を吹き飛ばした。
「ぐぁああああッ……!!」
城之内/LP800→0
裕に数メートルは飛ばされ、城之内はデュエルフィールドの壁に叩きつけられてしまった。
遊緋が初手の5枚の内3枚を抜き出して全てデュエルディスクに挿入した。
「モンスターを裏側守備表示でセット。カードを2枚伏せてターンエンド」
遊緋の初動は実に簡潔なものだ。
フィールドには3枚の裏側カードが浮かび上がる。
遊緋/LP4000・手札2
モンスター
セットモンスター×1
魔法・罠
伏せカード×2
「まずは守備固めか?」
城之内にターンが移る。
「そんじゃ切り崩していきますか!俺のターン!ドロー!」
城之内が勢いよくデッキからカードをドローする。
さて城之内は一体どんな戦術を見せてくれるのだろう。
面白いデッキならいい。遊緋はウズウズする心根を抑えながら、その挙動に注目する。
「まずはこいつを発動するぜ!魔法カード《アームズ・ホール》!」
†
《アームズ・ホール》
通常魔法
このカードを発動するターン、自分は通常召喚できない。
(1):デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を選んで手札に加える。
†
城之内が魔法カードを発動すると、上空に次元の穴が開く。
「《アームズ・ホール》はデッキの1番上のカードを墓地に送り、デッキから装備魔法をサーチする魔法カードだ!こいつを発動すると、そのターンは通常召喚できなくなっちまうがな!」
城之内が言った通りデッキの一番上のカードを墓地に送ると、上空の穴から代わりのようにカードが1枚降ってきた。城之内がそれをキャッチすると、役目を終えた《アームズ・ホール》は消える。
「俺が手札に加えたのは、装備魔法《スーペルヴィス》だ」
城之内は手にしたカードを遊緋に見えるよう翳す。
この辺りのマナーも心得ている。やはり噂に聞く悪い人物とは思えない。
それにしても通常召喚不可というデメリットを負いながらも《アームズ・ホール》で装備魔法をサーチするということは、もしかしたら彼のデッキは装備魔法を主体とした戦術を取るのかもしれない。
城之内は更に手札に手を伸ばす。
「そして手札の《フェニックス・ギア・フリード》を墓地に送り、このカードを特殊召喚するぜ!」
城之内のフィールドに片手斧を武器として携えた屈強そうな戦士が現れた。
†
《強襲するアックス・レイダー》(オリジナル)
デュアル・効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1700/守1150
(1):相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、手札を1枚墓地に送ることでこのカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。
(3):フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
● このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、 その守備力を攻撃力が超えた分の2倍の戦闘ダメージを相手に与える。
†
「《強襲するアックス・レイダー》は、相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に手札1枚を墓地に送ることで手札から特殊召喚できるデュアルモンスターだ!」
「デュアルーーー!」
未知のモンスターの登場に遊緋が目を輝かせた。警戒心と好奇心が同時に膨らんでいく。
デュアルモンスター自体は知識としては知っている。しかしその使い手には、デュエルモンスターズ時代には巡り会ったことがない。
それを体感できるのだ、これは貴重な体験となるだろう。
遊緋は笑う。
最初はどうなることかと身構えていたが、二人は普通に良い人だし、デュエルも今までにない戦術を見せてもらえそうだ。このデュエルを受けて良かったとそう思った。
《強襲するアックス・レイダー》の攻撃力は1700。残念ながら遊緋の守備モンスターではその攻撃に耐えることはできないだろう。
しかしデュアルモンスターである《強襲するアックス・レイダー》は、まだこのターンは何の効果も持たない通常モンスター扱い。守備モンスターを撃破されても被害はないはずだった。
「悪いな、俺のモンスターは寝坊助でよ、普通に召喚されただけじゃ全力は出せねぇんだ。ちょっと待っててくれな。今、叩き起こすからよ!」
手札から魔法カードを発動する。
「装備魔法《スーペルヴィス》!」
†
《スーペルヴィス》
装備魔法
デュアルモンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターはもう1度召喚された状態として扱う。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを特殊召喚する。
†
フィールドの《強襲するアックス・レイダー》が赤いオーラに包まれる。
「《スーペルヴィス》はデュアルモンスターにのみ装備できる装備魔法だ!こいつを装備したデュアルモンスターはその真の力を解放するぜ!」
確かに《強襲するアックス・レイダー》から感じられるプレッシャーが増した気がする。
「バトルだ!《強襲するアックス・レイダー》でお前の守備モンスターに攻撃ッ!」
《強襲するアックス・レイダー》が斧を振りかざし遊緋の守備モンスターに突進する。
それに反応して、守備モンスターがリバースした。
現れたのは地属性のM・HEROだ。
†
《M・HERO バソール》(未OCG)
星3/地属性/戦士族/攻1000/守700
「M・HERO バソール」の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。墓地から速攻魔法カード1枚を選択して手札に加える。
(2):このカードがフィールドから離れた場合、自分のフィールドの地属性の「HERO」融合モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターは以下の効果を得る。
⚫1ターンに1度、相手フィールドの表側表示のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力は700ポイントダウンする。
†
強襲するアックス・レイダー/攻1700○
↓
バソール/守700×
《バソール》の守備力は僅か700。攻撃力1700の《強襲するアックス・レイダー》の攻撃を防ぐことはできない。
「“疾風斬り”!!」
《バソール》は《強襲するアックス・レイダー》の斧に一刀両断されてしまった。
「まだだぜ!再度召喚された《強襲するアックス・レイダー》には貫通効果がある!しかも与えるダメージは2倍だッ!」
貫通効果とは守備モンスターを攻撃した際、その守備力を攻撃力が上回った分、相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える効果だ。この効果を持つモンスターには、守備モンスターでダメージを抑え時間稼ぎをすることはできない。
しかも《強襲するアックス・レイダー》はその際のダメージを2倍にする効果まであった。
攻撃名の通り《強襲するアックス・レイダー》の素早い攻撃が疾風の余波を生み、遊緋の身体を叩く。
「ぐぅうう……」
遊緋/LP4000→2000
一瞬にして遊緋のLPの半分が持っていかれてしまった。ファーストバトルにしては破格のダメージだ。
ーーーこれがデュアルモンスターの真の力か。
デュエルモンスターズ時代は正直デュアルモンスターはスロースターター過ぎると舐めていた。
しかしD・ゲームのデュアルは性能が桁違いだ。
それともこの城之内がその真価を引き出しているのか。
「楽しいデュエルだ!」
LPを大きく削られた側の遊緋がにやりと笑う。
だが、やられっぱなしでは終わらない。
「この瞬間、フィールドの伏せカードが発動するよ!罠カード《アージャント・ライン》!!」
†
《アージャント・ライン》(未OCG)
通常罠
自分フィールドの「M・HERO」モンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキからレベル4以下の「M・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
†
《アージャント・ライン》は戦闘で「M・HERO」が破壊された時に、その代わりとなる「M・HERO」をフィールドに補給する罠カード。この効果によりフィールドの「M・HERO」を切らさずに闘うことができる。
「ボクはデッキから《M・HERO ガスト》を特殊召喚するよ!」
《バソール》が消える代わりに、遊緋のフィールドに《ガスト》が現れる。
ガスト/攻1500
そして《ガスト》の効果も同時に発動した。
「特殊召喚した《M・HERO ガスト》のモンスター効果!デッキから《融合》を手札に加える!」
《M・HERO ガスト》には召喚・特殊召喚した場合にデッキから《融合》をサーチする効果がある。
現時点ではまだ《融合》を活かせる状況にはないが、手札に加えておいて損はないはずだ。
「ただじゃ終わらないってか。まぁいい、俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
城之内/LP4000・手札2
モンスター
強襲するアックス・レイダー/攻1700
魔法・罠
スーペルヴィス/装備(強襲するアックス・レイダー)
伏せカード×1
遊緋/LP2000・手札3
モンスター
ガスト/攻1500
魔法・罠
伏せカード×1
「ボクのターン!ドロー!」
引いたカードを確認して、遊緋は口の端を上げる。
正直、絶好のカードだった。
城之内の伏せカード如何では断言はできないが、このターンでこのデュエルを終わらせることができるかもしれない。
城之内は中々面白いデュエリストだ。
遊緋自身、もっとこのデュエルを楽しみたい。しかしそのために手を抜くのは違う気がする。全力の相手には全力を以て挑む。それが遊緋の美学であり、対戦相手に自分を選んでくれた城之内への礼儀というものだ。
「これで終わっちゃったら、ゴメンーーー」
遊緋が言うと、城之内はきょとんとした顔をした。
デュエル中に謝られたのは初めてだった。
城之内はこのデュエルを自分の力を試すためのデュエルだと思って挑んでいる。遊緋にはそれに付き合ってもらっているのだと考えていた。
つまり、城之内にしてみれば遊緋の胸を借りているのであって、現時点での実力的には遊緋の方が上だと分かっているのだ。
だからこそ城之内は全力で挑んでいるつもりだし、遊緋にも全力で応えて欲しい。
その遊緋が「終わらせる」と頭を下げたということは、城之内を「全力で叩き潰す」と宣言したも同然だ。
普通なら恐れおののくのかもしれないが、城之内はそれを嬉しく感じた。
だからこそーーー
「ああ、いいぜ!来いーーー遊緋!!」
城之内は両手を広げて叫んだ。
その瞬間、遊緋は不思議な共鳴を感じた。
何故かは分からないが、城之内と自分はきっと『同じ類いの生き物』だと感じたのだ。
龍から遊緋は『ゲームの怪物』と呼ばれた。
自分でもそう思う。遊緋自身、自分がゲームに依存した存在だと自覚している。
或いはこのD・ゲームに参加したことによって、その依存度は更に深まったかもしれない。これほど生の喜びと死の恐怖を体感できるゲームなどない。このギリギリのスリルが遊緋に生きる力を与えてくれるのだ。
もしかしたら城之内も同じなのかもしれない。
城之内が全力を以て遊緋の攻撃を受けようとしてくれているのも、彼がこのD・ゲームに全てを賭けているからなのかもしれない。
ギリギリのスリルを味わいたいと願う遊緋とは理由も目的もきっと違うのだろう。だが、実際の闘いを通して城之内から感じるのは『強くなりたい』という意思。彼にとっては、誰かと全力同士で闘うことこそが強くなるための試練なのだ。
ならば遊緋はその想いに応えなければならない。
今できる全力で彼の想いにぶつかるのみだ。
「ボクは手札から速攻魔法《スピリット・マスク・チェンジ》を発動!!」
†
《スピリット・マスク・チェンジ》(オリジナル)
速攻魔法
「スピリット・マスク・チェンジ」は1ターンに1枚しか発動できない。
このカードを発動するターン、自分は通常召喚できない。
(1):墓地のレベル4以下の「M・HERO」モンスター1体を除外して発動できる。そのモンスターと同じ属性でレベル6の「M・HERO」モンスター1体を「マスク・チェンジ」による特殊召喚扱いで、エクストラデッキから特殊召喚する。
†
「《スピリット・マスク・チェンジ》は墓地にいるレベル4以下の「M・HERO」をレベル6の「M・HERO」に変身させる魔法カード!!このカードの効果で、ボクは墓地の《M・HERO バソール》を変身させる!!」
「墓地のモンスターを変身させるだって!?」
遊緋の求めに応じて、墓地の《バソール》が霊魂となって現れた。そしてそのマスクが輝く。
「世界に暗夜訪れる時、幻惑の蝶が舞い踊る!変身召喚!!レベル6《M・HERO タイタニア》!!」
《バソール》が遊緋の名乗りを受けて変身した。
現れたのは女性と見紛うフォルムの美しいHERO。蝶のような羽根を持ち、妖艶な微笑みのみを浮かび上がらせる目深なシルバーのマスク。一見ではまるで妖精のようだ。
†
《M・HERO タイタニア》
融合・効果モンスター
レベル6/地属性/戦士族/攻撃力2000/守備力2300
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
「M・HERO タイタニア」の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):手札を1枚墓地に送り、相手フィールドのこのカードよりも攻撃力の低いモンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターのコントロールを得る。
(2):このカードが戦闘で相手プレイヤーにダメージを与えた時に発動できる。デッキからカードを1枚ドローする。
†
「手札の《M・HERO イージス》を墓地に送り、《M・HERO タイタニア》のモンスター効果発動!《M・HERO タイタニア》は手札を1枚墓地に送ることで、自身より攻撃力の低い相手モンスター1体のコントロールを奪う!」
「んだとッ!?」
《タイタニア》が両手を広げて妖しい光を放ち始めた。その光はまるで燐粉のように《強襲するアックス・レイダー》に降り注ぐ。
「“タイタス・テンプテーション”!」
その光の瞬きを目にした《強襲するアックス・レイダー》は、正気を失ったようになりフラフラと遊緋のフィールドに歩み寄り、そちら側に着いた。
これで城之内のフィールドにモンスターはいなくなり、遊緋のフィールドには3体のモンスターが揃った。
「バトルだッ!」
遊緋のフィールドに並ぶモンスター3体の総攻撃力は、まだノーダメージの城之内のLPでも受けきれないものになっている。
このバトルで総攻撃をかけられたら城之内は終わりだ。
「まずは《M・HERO ガスト》でダイレクトアタック!」
遊緋の命令に応じて《ガスト》が飛び出す。
硬質化したマフラーがその武器。それで城之内を突き刺すつもりだ。
「んなもん喰らってられるかよッ!リバースカード発動!永続罠《モンスターBOX》!!」
まともに喰らえば身体に穴が空く痛みを実際に受けることになるばかりか、即敗北に直結する攻撃だ。これは何がなんでも防がなければならない。
城之内が虎の子の伏せカードを発動する。
現れたのはもぐら叩きのような穴のいくつも空いた箱だった。
†
《モンスターBOX》
永続罠
相手モンスターの攻撃宣言時、コイントスを1回行い裏表を当てる。当たった場合、その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで0になる。
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。または、500ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。
†
「《モンスターBOX》は相手モンスターの攻撃宣言時にコイントスを行い、その裏表を当てればその攻撃モンスターの攻撃力を0にできる!」
《モンスターBOX》は効果が機能するかどうかをコイントスに委ねる必要があり確実性には欠けるものの、攻撃モンスターの攻撃力を0にしてしまう効果はかなり強力だ。
「出た!城之内のギャンブルカード!!」
本田がそう歓声を上げる。
どうやら城之内のデッキにはこの手のギャンブル性の高いカードが少なくない割合で盛り込まれているらしい。
しかし今の状況下では、この《モンスターBOX》発動は単にギャンブルというわけでもない。
遊緋の攻撃モンスターは計3体。つまり《モンスターBOX》の効果を発動させるチャンスは3回あるわけだ。城之内はその3回の内、1回でもコイントスを成功させれば、このターンで負けることはなくなる。逆に3回とも成功させれば、遊緋の全てのモンスターを無力化することもできる。分という意味では悪くない勝負だ。
「コイツでお前のモンスターを張り子の虎にしてやるぜ!」
しかし、それでも遊緋は笑む。
「そうはさせないよッ!ボクは手札から速攻魔法《ツイスター》を発動!《モンスターBOX》を破壊する!」
「なっ!?」
攻撃体勢に入っていた《ガスト》がくるくると回転を始める。
やがてその回りに風が生まれ、それが竜巻となって《モンスターBOX》を襲った。
†
《ツイスター》
速攻魔法
500ライフポイントを払って発動できる。フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。
†
《ツイスター》はLP500を支払うことでフィールドの表側の魔法・罠カードを1枚破壊できる速攻魔法カードだ。
遊緋/LP2000→1500
遊緋のLPから決して少なくない割合でLPが削られる。
しかしここはこのデュエルを決める正念場。出し惜しみに意味はない。
竜巻の直撃を受けて《モンスターBOX》がバラバラに吹き飛ばされた。
永続罠である《モンスターBOX》は、発動にチェーンされる形で破壊されたら効果そのものが不発になってしまう。
砕け散って宙を舞う《モンスターBOX》の残骸を見ながら、城之内は「マジかよ……」と苦笑する。
今更ながら遊緋の強さに脱帽した、という感じだ。
しかし遊緋は手を止めたりはしない。
「これで邪魔するものはない。《ガスト》の攻撃を続行!」
竜巻から再び姿を現した《ガスト》がマフラーで城之内を斬りつける。
今度はそれを阻むものは何もない。
「ぐあッ!」
城之内/LP4000→2500
「次、《強襲するアックス・レイダー》で攻撃」
《強襲するアックス・レイダー》も遊緋の命令に従い、その斧を城之内に振り下ろす。
「ぐはッ!」
城之内/LP2500→800
「最後、《M・HERO タイタニア》で攻撃」
残った《タイタニア》が蝶の羽根で砂嵐を巻き起こし、それに飲まれた城之内を吹き飛ばした。
「ぐぁああああッ……!!」
城之内/LP800→0
裕に数メートルは飛ばされ、城之内はデュエルフィールドの壁に叩きつけられてしまった。
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更新情報 - NEW -
- 2024/03/23 新商品 QUARTER CENTURY CHRONICLE side:PRIDE カードリスト 追加。
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Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
ボクはどうもああいったものを考えるセンスに乏しくて困っているので、できるだけ多くの方に助けて頂きたいです。
「M・HERO」は融合モンスターをお願いします。本作オリジナルの「M・HERO」融合モンスターも今回登場したので、そちらもよろしくお願いします。
また《フェネクス》はまだ謎な部分もありますが、『不死鳥』をイメージしていただければ結構です。
カッコいい口上を考えていただき、本作を盛り上げる一助になっていただけたら幸いです。カッコいいのは本当にすぐ採用します。
どうぞよろしくお願い致します。
(2017-03-05 16:23)
「永遠(とわ)に爆ぜる煉獄の業火よ、渦巻く爆風と1つとなりて、我が思いに応え転生せよ!」
本編の感想ですが、こっちの城之内くんもギャンブルカードを使ってきましたね。しかしツイスターを前にしてあえなく撃沈...ドンマイ!
このデュエルを機に、遊緋と城之内に友情が芽生えてくれると嬉しいです。 (2017-03-05 23:22)
・口上
「英雄に宿りし決意の火種よ、今こそ風の加護を受け、熱く激しく燃え上がれ!融合召喚!《DNo.37ーC・HERO フェネクス》!」
「世界に暗夜訪れる時、幻惑の蝶が舞い踊る!変身召喚!《M・HERO タイタニア》!」
あっ、これ遊緋言いそうだなーって言葉を選ぶのがすごく大変でした… (2017-03-05 23:42)
カッコいいです!《フェネクス》の召喚口上として早速採用させて頂きます!
城之内は実はまだフェードアウトしません。次回にご期待下さい!
〉ポン・カン・チーさん
初コメありがとうございます!!
やはり新しく繋がりができると嬉しいものです。これからもドシドシ、コメント期待しています!
《タイタニア》の召喚口上を採用させて頂きます!!再登場の機会にご期待下さい!!
また《フェネクス》用の召喚口上は、別のモンスターに流用させて頂きます。その際、細部に手を加えるかもしれませんがご了承下さい。
他の既存「M・HERO」の召喚口上は引き続き募集させて頂きます。奮ってご投稿お願い致します。 (2017-03-06 08:33)