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第03話:燃え盛る炎! 作:ポン・カン・チー
竜胆「財団Dの怪人を探知できるシステム?」
竜胆は朝食のトーストを頬張りながら作業机に置いてあるパソコンを見ながら話す。
霧灯「ああ、財団Dの指令通達システムの技術を応用して作ってみたんだ。これさえあれば、怪人をすぐに見つけることができる!」
竜胆「へえ…あれ?何か画面に出てきましたよ?」
竜胆がパソコンの画面を指差す。確かに丸で囲んだDの文字が表示されている。
霧灯「早速来たか!ここから見て北西の方角だ!」
竜胆「何だって!?じゃあ、早速行って来ます!」
竜胆は目的地までにある事を考えていた。
竜胆「あの場所は確か山岳地帯だったはず…財団Dめ、何を狙っているんだ…?」
おおよそ30分程度バイクを走らせ、目的地にたどり着いた。そして竜胆は驚きの事態に遭遇した!
竜胆「これはっ!?山が、山全体が燃えているっ!?」
竜胆は目的地の山をよく知っていた。緑豊かな観光名所にもなっていた山で、自分自身子供の頃によく連れて行ってもらった。その山が燃えているのだ。
竜胆「オーストラリアのユーカリ森林じゃあるまいし、たったの数十分でここまで燃え広がるとは考えにくい。だとすればこれも…」
竜胆「考えている時間は無いっ!こうしてる間にも、観光客、動物、そして木々の命が脅かされているっ!」
竜胆「ならばやるべきことは一つ!変身!カイバーマン!」
カイバーマンに変身した竜胆は、一人で山の中へと入って行く。
見渡すかぎりの炎。そこから発生する熱はとても人体では耐えきれない。例えカイバーマンでも、長くいることは難しいだろう。
竜胆「限界を迎える前に何とかしなければ…!」
『よく来たなカイバーマン!』
竜胆「…いたか!どこだ!姿を見せろ!」
「言われなくとも!」
周囲の炎が竜胆の目の前に集まり、人の形になっていく。
怪人「俺は怪人スティング!俺のテリトリーにようこそ、カイバーマン!」
竜胆「ふざけるな!ここら一帯の炎はお前の仕業だな!?一体何が目的でこんなことを!」
怪人「新しく財団Dの研究所を作ることが決まってなぁ!それにはここの木は邪魔だったんで燃やさせてもらうってワケだ!」
竜胆「…どこまでも非道な連中のようだな!覚悟しろ!カイバーパンチ!」
竜胆は一気に距離を詰め必殺のパンチを放った!
だが!
パンチは確かに当たった。ところがまるで手応えがない。それどころか殴った右手に竜胆は異常な熱さを感じた。
竜胆「ぐああっ!」
竜胆はあまりの熱さに右手を抑え込んで悶絶する。
怪人「ヒッヒッヒ…今何かしたかカイバーマン?俺にそんなものは効かないぞ?なぜなら俺は炎そのものなんだからな!」
竜胆「くっ…」
竜胆は素早く距離を取り、何か反撃の手立てはないか考える。
怪人「ぼうっとしてていいのかカイバーマンッ!」
怪人がそう言った矢先に、竜胆の背後で燃えていた杉の木がメキメキメキッ!と音を立てながら竜胆の方に倒れてきた。
竜胆「はっ!しまった!」
竜胆は避けきることができずそのまま押しつぶされてしまう。大木の重量と炎の熱で二重苦を味わうこととなってしまった。
怪人「哀れだなカイバーマン!ここで灰になるがいい!」
怪人は炎のでできた弾をカイバーマンに向けて放つ。カイバーマンを包む炎はさらに強くなっていく。
このままカイバーマンは、燃やし尽くされてしまうのだろうか。
竜胆は何かないかと辺りを見回す。すると何かの黒焦げになった物体が見つかった。
その体格からしてまだ生まれて何日も経っていない鹿の子供だったのだろう。走って逃げることも叶わず逃げ遅れてしまったのだろう。
その時竜胆は心の底から怒った。自分達の利益の為ならば他の者がどうなろうと関係無いといった財団Dの考えに。そして尊い命を守ることができなかった自分自身に。竜胆は並々ならぬ怒りを感じていた。
竜胆「うおおー!!」
竜胆は雄叫びと同時に自分を押しつぶしていた木を吹き飛ばした。竜胆の怒りが成した奇跡だ。
怪人「なにっ!?だがいくら攻撃力があろうと、俺にパンチやキックは通用しない!どうするカイバーマンっ!?」
竜胆は何も答えず右手の拳を前に突き出し、左手で右腕を抑える。
するとその時、ふしぎなことが起こった!
なんと、周りの炎が竜胆の右手に収束していくのだ!
怪人「ばっ、バカな!一体どうやって!?」
さすがの怪人もあまりの事態に動揺している。
竜胆「どうやら、俺の怒りに、自然が、動物が!応えてくれたらしい。」
怪人「バカなことを!」
竜胆「そう言っていられるのも今のうちだ!くらえっ!カイバー!フレイムパンチ!」
カイバーマンは炎が宿る右手でパンチを放つ。
怪人「言ったはずだ!俺にパンチやキックは効かないとな!」
竜胆「確かにそうだな。だがっ、これならどうだっ!!」
竜胆が右手にさらに力を込める。するとどうだろう、みるみるうちに怪人の炎が竜胆の右手に吸収されていくではないか!
怪人「そっ、そんなっ!?このまま吸収され続ければ俺が消えてしまうっ!」
怪人は焦った。それもそうだろう。自分自身を吸収して倒すなんて聞いたことも無い。対処法なんて考えられるはずもなかった。
怪人「なっ、なあ!俺は心を入れ替えた!だからもうこんなことはしない!」
怪人は命乞いを始めた。さっきの態度とは打って変わって見苦しいものだ。
竜胆「……」
怪人「だっ、だから!もう、やめてくれ!このままでは俺は死んでしまう!」
竜胆「そうやって命乞いをする間も無く、動物たちは死んでいったんだろうな。」
怪人「へ…?」
竜胆「そうやって命乞いをする術もなく!木々は燃やされていったのだろうな!」
竜胆「お前の、そして財団Dやったことは絶対に許されないことだ!だから!俺が!今ここで!倒す!」
怪人「やっ、やめろー!!」
怪人の悲痛な叫びも虚しく、炎は完全に吸収され、怪人スティングは消え去った。
竜胆「……」
竜胆は辺りを見回した。炎は確かに消えていた。
だが、多くの動物達の命が、木々の命が、失われていった。
竜胆「財団D…絶対に…」
竜胆「絶対に許さない!」
竜胆は再び誓った。この事件で失われていった多くのものに対して。
竜胆は朝食のトーストを頬張りながら作業机に置いてあるパソコンを見ながら話す。
霧灯「ああ、財団Dの指令通達システムの技術を応用して作ってみたんだ。これさえあれば、怪人をすぐに見つけることができる!」
竜胆「へえ…あれ?何か画面に出てきましたよ?」
竜胆がパソコンの画面を指差す。確かに丸で囲んだDの文字が表示されている。
霧灯「早速来たか!ここから見て北西の方角だ!」
竜胆「何だって!?じゃあ、早速行って来ます!」
竜胆は目的地までにある事を考えていた。
竜胆「あの場所は確か山岳地帯だったはず…財団Dめ、何を狙っているんだ…?」
おおよそ30分程度バイクを走らせ、目的地にたどり着いた。そして竜胆は驚きの事態に遭遇した!
竜胆「これはっ!?山が、山全体が燃えているっ!?」
竜胆は目的地の山をよく知っていた。緑豊かな観光名所にもなっていた山で、自分自身子供の頃によく連れて行ってもらった。その山が燃えているのだ。
竜胆「オーストラリアのユーカリ森林じゃあるまいし、たったの数十分でここまで燃え広がるとは考えにくい。だとすればこれも…」
竜胆「考えている時間は無いっ!こうしてる間にも、観光客、動物、そして木々の命が脅かされているっ!」
竜胆「ならばやるべきことは一つ!変身!カイバーマン!」
カイバーマンに変身した竜胆は、一人で山の中へと入って行く。
見渡すかぎりの炎。そこから発生する熱はとても人体では耐えきれない。例えカイバーマンでも、長くいることは難しいだろう。
竜胆「限界を迎える前に何とかしなければ…!」
『よく来たなカイバーマン!』
竜胆「…いたか!どこだ!姿を見せろ!」
「言われなくとも!」
周囲の炎が竜胆の目の前に集まり、人の形になっていく。
怪人「俺は怪人スティング!俺のテリトリーにようこそ、カイバーマン!」
竜胆「ふざけるな!ここら一帯の炎はお前の仕業だな!?一体何が目的でこんなことを!」
怪人「新しく財団Dの研究所を作ることが決まってなぁ!それにはここの木は邪魔だったんで燃やさせてもらうってワケだ!」
竜胆「…どこまでも非道な連中のようだな!覚悟しろ!カイバーパンチ!」
竜胆は一気に距離を詰め必殺のパンチを放った!
だが!
パンチは確かに当たった。ところがまるで手応えがない。それどころか殴った右手に竜胆は異常な熱さを感じた。
竜胆「ぐああっ!」
竜胆はあまりの熱さに右手を抑え込んで悶絶する。
怪人「ヒッヒッヒ…今何かしたかカイバーマン?俺にそんなものは効かないぞ?なぜなら俺は炎そのものなんだからな!」
竜胆「くっ…」
竜胆は素早く距離を取り、何か反撃の手立てはないか考える。
怪人「ぼうっとしてていいのかカイバーマンッ!」
怪人がそう言った矢先に、竜胆の背後で燃えていた杉の木がメキメキメキッ!と音を立てながら竜胆の方に倒れてきた。
竜胆「はっ!しまった!」
竜胆は避けきることができずそのまま押しつぶされてしまう。大木の重量と炎の熱で二重苦を味わうこととなってしまった。
怪人「哀れだなカイバーマン!ここで灰になるがいい!」
怪人は炎のでできた弾をカイバーマンに向けて放つ。カイバーマンを包む炎はさらに強くなっていく。
このままカイバーマンは、燃やし尽くされてしまうのだろうか。
竜胆は何かないかと辺りを見回す。すると何かの黒焦げになった物体が見つかった。
その体格からしてまだ生まれて何日も経っていない鹿の子供だったのだろう。走って逃げることも叶わず逃げ遅れてしまったのだろう。
その時竜胆は心の底から怒った。自分達の利益の為ならば他の者がどうなろうと関係無いといった財団Dの考えに。そして尊い命を守ることができなかった自分自身に。竜胆は並々ならぬ怒りを感じていた。
竜胆「うおおー!!」
竜胆は雄叫びと同時に自分を押しつぶしていた木を吹き飛ばした。竜胆の怒りが成した奇跡だ。
怪人「なにっ!?だがいくら攻撃力があろうと、俺にパンチやキックは通用しない!どうするカイバーマンっ!?」
竜胆は何も答えず右手の拳を前に突き出し、左手で右腕を抑える。
するとその時、ふしぎなことが起こった!
なんと、周りの炎が竜胆の右手に収束していくのだ!
怪人「ばっ、バカな!一体どうやって!?」
さすがの怪人もあまりの事態に動揺している。
竜胆「どうやら、俺の怒りに、自然が、動物が!応えてくれたらしい。」
怪人「バカなことを!」
竜胆「そう言っていられるのも今のうちだ!くらえっ!カイバー!フレイムパンチ!」
カイバーマンは炎が宿る右手でパンチを放つ。
怪人「言ったはずだ!俺にパンチやキックは効かないとな!」
竜胆「確かにそうだな。だがっ、これならどうだっ!!」
竜胆が右手にさらに力を込める。するとどうだろう、みるみるうちに怪人の炎が竜胆の右手に吸収されていくではないか!
怪人「そっ、そんなっ!?このまま吸収され続ければ俺が消えてしまうっ!」
怪人は焦った。それもそうだろう。自分自身を吸収して倒すなんて聞いたことも無い。対処法なんて考えられるはずもなかった。
怪人「なっ、なあ!俺は心を入れ替えた!だからもうこんなことはしない!」
怪人は命乞いを始めた。さっきの態度とは打って変わって見苦しいものだ。
竜胆「……」
怪人「だっ、だから!もう、やめてくれ!このままでは俺は死んでしまう!」
竜胆「そうやって命乞いをする間も無く、動物たちは死んでいったんだろうな。」
怪人「へ…?」
竜胆「そうやって命乞いをする術もなく!木々は燃やされていったのだろうな!」
竜胆「お前の、そして財団Dやったことは絶対に許されないことだ!だから!俺が!今ここで!倒す!」
怪人「やっ、やめろー!!」
怪人の悲痛な叫びも虚しく、炎は完全に吸収され、怪人スティングは消え去った。
竜胆「……」
竜胆は辺りを見回した。炎は確かに消えていた。
だが、多くの動物達の命が、木々の命が、失われていった。
竜胆「財団D…絶対に…」
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