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第02話:怪奇ハンター・スパイダー! 作:ポン・カン・チー
〜前回のあらすじ〜
竜胆遊士は海馬コーポレーションに勤める優秀なサラリーマンであった。だがある日突然、ソリッドビジョンシステムの力を悪用し、世界征服を目論む財団Dによってその身体を改造されてしまった!
財団Dを裏切った科学者、霧灯修二と共に、襲いかかって来た怪人電動刃虫を倒し、見事研究所を脱出することに成功した。
………
研究所を脱出してから5日経った。竜胆の家は築20年はゆうに越している和風建築の二階建て。竜胆の両親が亡くなってから竜胆は一人でこの家に暮らしていた。
だが、最近同居人が増えた。
霧灯「うーむ、あとちょっとで完成なんだがなぁ…」
竜胆「なんだか大変そうですね。コーヒー、淹れますけど、飲みますか?」
そう、竜胆を助けてくれた科学者の霧灯修二だ。
霧灯「いいねえ。じゃあブラックで頼むよ。」
今も、竜胆の為に何か発明しているようだ…道具はどこから持って来たのだろうか?
竜胆「そうだ、砂糖は何個入れます?」
霧灯「8個で。」
竜胆「8個!?そんなに入れたらブラックの意味がなくなりますよ!」
霧灯「おいおい、私はブラックの可能性を探求しているのだよ?探求心というものは科学者には必要不可欠!だからほら、つべこべ言わずに入れる入れる!」
竜胆「わかりました…」
霧灯「さて、何かニュースはやっていないものか…」
竜胆はコーヒーに角砂糖を一つ一つ入れていく。8個も入れるとなるともうコーヒーどころか砂糖の塊を飲んでる気分になるんじゃないか?とも思ったが。
竜胆「まあ、本人の注文なんだからいいか…」
竜胆が8個目の角砂糖を入れたその時。
霧灯「竜胆くん!大変だっ!テレビっ!テレビを見るんだ!」
突然霧灯が叫んだ。竜胆が言葉通りにテレビを見る。ニュース番組だ。画面右上辺りに速報の文字が浮かび上がっている。
キャスター『マルバツ市全域に突然現れた巨大な蜘蛛の巣によって市全体が混乱しています。周辺の交通状況は…』
霧灯「これはどう考えても…」
竜胆「財団Dの怪人の仕業…?俺、行って来ます!あ、コーヒーは台所にありますので!」
竜胆は車庫のバイクを駆り、現場へと急行する。
霧灯「コーヒーは台所に、コーヒーは台所に……おっ、あったあった。ゴクッ…うげぇ、砂糖の塊を飲んでるみたいだ…これは失敗だったな…」
一方で、マルバツ市。
竜胆「これはひどい…蜘蛛の巣が街中を覆っている。人が全くいないな…まあ、こんな時に外出する気にはならないか…」
竜胆「それにしてもこの蜘蛛の巣…!大きさもすごいが、粘着性も並みのモンじゃない…運転しづらいな…」
仕方無い、と竜胆はバイクを降り、徒歩でこの事件の犯人を捜すことにした。
その時!
『よくぞきたな!裏切り者の怪人ブルーアイズ!』
竜胆「だっ、誰だ!?どこにいる!」
『ここだここ!お前の上にある蜘蛛の巣だ!』
竜胆が顔を見上げると、たしかに蜘蛛のような顔、4本もある腕の怪人がいるではないか。
竜胆「お前は何者だ!?」
怪人「おれは怪人ハンター・スパイダー!見ての通り、蜘蛛の怪人だ!」
竜胆「一体、なんの為にこんなことを!」
怪人「知れたことよ!我らが財団Dの世界征服の一環だ!」
竜胆「聞くだけムダだったな…!財団Dの怪人、覚悟しろ!」
竜胆が右手を突き上げる。
竜胆「変身!カイバーマン!」
竜胆がカイバーマンに変身した。
怪人「ぐっふっふ…怪人ブルーアイズとしての姿になったな!」
竜胆「……違う!俺は人々の為に戦う、カイバーマンだ!」
怪人「屁理屈を!このままここで眺めているのも良いが、
ここは怪人同士フェアに行こうではないか!とあっ!」
怪人が蜘蛛の巣から飛び降りる。戦いの始まりだ。竜胆はすかさず距離を詰め、パンチを放つ。怪人も負けてはいない。すぐさまガードし、竜胆に向けてパンチを放つ。
攻撃とガードの応酬。このままでは双方互角で拉致があかない。
怪人「おのれ…なかなかやるではないか…だがこれならどうだっ!」
怪人は四本ある腕の内、二本の腕で竜胆の顔に向けてパンチを繰り出す。避ける間もない、竜胆は両腕を使ってガードするが…
怪人「フンッ!」
残り二本の腕を使ってがら空きの腹にパンチを打つ怪人。それによって竜胆の態勢が崩れてしまった。怪人はそれを見逃さず、追撃を加える。
怪人「くらうがいいっ!」
怪人のフィニッシュブローが決まった。10メートル吹っ飛ぶ竜胆。
竜胆「くっ…くそっ!」
戦闘経験の差。それが顕著に出ている。竜胆はなんとか反撃策を考えるが…
怪人「とっておきを使ってやる!怪人ブルーアイズ!」
そう言うと怪人は口から糸を吐き出した。糸はあっと言う間に竜胆を拘束してしまった。
竜胆「なっ、しまった!」
怪人「はっはっは!動けんだろう!一気に倒してやろうと思ったが、それではつまらん!じっくりといたぶってやる!みじめに死ぬがいい!怪人ブルーアイズ!」
じりじりと距離を詰めてくる怪人。一歩、二歩とその距離は縮まっていく。
ついに、三歩程度の距離になったその時!
竜胆「うおおーっ!」
竜胆が蜘蛛の糸による拘束を振りほどいた!
怪人「な、何ぃー!!おれの糸をほどいただとぉー!?」
突然の事態に、怪人は立ちつくしてしまっていた!その一方で、戦闘本能を全開で滾らせている竜胆、今の彼は、たとえ0.1秒の隙であろうと見逃さない!
竜胆「さっきのお返しだ!カイバー!パンチ!」
渾身の一撃。今度は怪人が吹っ飛ばされた。
怪人「ぬおお〜〜!!お、おのれぇ…これが怪人ブルーアイズの…ちからなのかぁ〜!」
竜胆「………!!覚えておけ……!俺の名は!」
竜胆「正義の味方!」
竜胆「カイバーマンだっ!!」
竜胆は、先日怪人電動刃虫にやってみせたように、助走をつけ、高く飛び上がり一回転。
必殺の蹴りを炸裂させる!
竜胆「カイバー!キック!!」
蹴りは見事に命中し、怪人をさらに吹っ飛ばした!
怪人「ぐぁあ〜!!おのれ…カ…カイバー…マン……めぇ………!!ぬぅおおお〜!!」
怪人が限界を迎え、爆発した。それと同時に、周りに張っていた蜘蛛の巣も消えていく。
竜胆「よかった…これでこの街も元通りだ…」
竜胆はバイクにまたがりながら、先ほど怪人が言っていた言葉を思い出した。
竜胆「怪人ブルーアイズ…か」
竜胆は一人、走り去った。
竜胆遊士は海馬コーポレーションに勤める優秀なサラリーマンであった。だがある日突然、ソリッドビジョンシステムの力を悪用し、世界征服を目論む財団Dによってその身体を改造されてしまった!
財団Dを裏切った科学者、霧灯修二と共に、襲いかかって来た怪人電動刃虫を倒し、見事研究所を脱出することに成功した。
………
研究所を脱出してから5日経った。竜胆の家は築20年はゆうに越している和風建築の二階建て。竜胆の両親が亡くなってから竜胆は一人でこの家に暮らしていた。
だが、最近同居人が増えた。
霧灯「うーむ、あとちょっとで完成なんだがなぁ…」
竜胆「なんだか大変そうですね。コーヒー、淹れますけど、飲みますか?」
そう、竜胆を助けてくれた科学者の霧灯修二だ。
霧灯「いいねえ。じゃあブラックで頼むよ。」
今も、竜胆の為に何か発明しているようだ…道具はどこから持って来たのだろうか?
竜胆「そうだ、砂糖は何個入れます?」
霧灯「8個で。」
竜胆「8個!?そんなに入れたらブラックの意味がなくなりますよ!」
霧灯「おいおい、私はブラックの可能性を探求しているのだよ?探求心というものは科学者には必要不可欠!だからほら、つべこべ言わずに入れる入れる!」
竜胆「わかりました…」
霧灯「さて、何かニュースはやっていないものか…」
竜胆はコーヒーに角砂糖を一つ一つ入れていく。8個も入れるとなるともうコーヒーどころか砂糖の塊を飲んでる気分になるんじゃないか?とも思ったが。
竜胆「まあ、本人の注文なんだからいいか…」
竜胆が8個目の角砂糖を入れたその時。
霧灯「竜胆くん!大変だっ!テレビっ!テレビを見るんだ!」
突然霧灯が叫んだ。竜胆が言葉通りにテレビを見る。ニュース番組だ。画面右上辺りに速報の文字が浮かび上がっている。
キャスター『マルバツ市全域に突然現れた巨大な蜘蛛の巣によって市全体が混乱しています。周辺の交通状況は…』
霧灯「これはどう考えても…」
竜胆「財団Dの怪人の仕業…?俺、行って来ます!あ、コーヒーは台所にありますので!」
竜胆は車庫のバイクを駆り、現場へと急行する。
霧灯「コーヒーは台所に、コーヒーは台所に……おっ、あったあった。ゴクッ…うげぇ、砂糖の塊を飲んでるみたいだ…これは失敗だったな…」
一方で、マルバツ市。
竜胆「これはひどい…蜘蛛の巣が街中を覆っている。人が全くいないな…まあ、こんな時に外出する気にはならないか…」
竜胆「それにしてもこの蜘蛛の巣…!大きさもすごいが、粘着性も並みのモンじゃない…運転しづらいな…」
仕方無い、と竜胆はバイクを降り、徒歩でこの事件の犯人を捜すことにした。
その時!
『よくぞきたな!裏切り者の怪人ブルーアイズ!』
竜胆「だっ、誰だ!?どこにいる!」
『ここだここ!お前の上にある蜘蛛の巣だ!』
竜胆が顔を見上げると、たしかに蜘蛛のような顔、4本もある腕の怪人がいるではないか。
竜胆「お前は何者だ!?」
怪人「おれは怪人ハンター・スパイダー!見ての通り、蜘蛛の怪人だ!」
竜胆「一体、なんの為にこんなことを!」
怪人「知れたことよ!我らが財団Dの世界征服の一環だ!」
竜胆「聞くだけムダだったな…!財団Dの怪人、覚悟しろ!」
竜胆が右手を突き上げる。
竜胆「変身!カイバーマン!」
竜胆がカイバーマンに変身した。
怪人「ぐっふっふ…怪人ブルーアイズとしての姿になったな!」
竜胆「……違う!俺は人々の為に戦う、カイバーマンだ!」
怪人「屁理屈を!このままここで眺めているのも良いが、
ここは怪人同士フェアに行こうではないか!とあっ!」
怪人が蜘蛛の巣から飛び降りる。戦いの始まりだ。竜胆はすかさず距離を詰め、パンチを放つ。怪人も負けてはいない。すぐさまガードし、竜胆に向けてパンチを放つ。
攻撃とガードの応酬。このままでは双方互角で拉致があかない。
怪人「おのれ…なかなかやるではないか…だがこれならどうだっ!」
怪人は四本ある腕の内、二本の腕で竜胆の顔に向けてパンチを繰り出す。避ける間もない、竜胆は両腕を使ってガードするが…
怪人「フンッ!」
残り二本の腕を使ってがら空きの腹にパンチを打つ怪人。それによって竜胆の態勢が崩れてしまった。怪人はそれを見逃さず、追撃を加える。
怪人「くらうがいいっ!」
怪人のフィニッシュブローが決まった。10メートル吹っ飛ぶ竜胆。
竜胆「くっ…くそっ!」
戦闘経験の差。それが顕著に出ている。竜胆はなんとか反撃策を考えるが…
怪人「とっておきを使ってやる!怪人ブルーアイズ!」
そう言うと怪人は口から糸を吐き出した。糸はあっと言う間に竜胆を拘束してしまった。
竜胆「なっ、しまった!」
怪人「はっはっは!動けんだろう!一気に倒してやろうと思ったが、それではつまらん!じっくりといたぶってやる!みじめに死ぬがいい!怪人ブルーアイズ!」
じりじりと距離を詰めてくる怪人。一歩、二歩とその距離は縮まっていく。
ついに、三歩程度の距離になったその時!
竜胆「うおおーっ!」
竜胆が蜘蛛の糸による拘束を振りほどいた!
怪人「な、何ぃー!!おれの糸をほどいただとぉー!?」
突然の事態に、怪人は立ちつくしてしまっていた!その一方で、戦闘本能を全開で滾らせている竜胆、今の彼は、たとえ0.1秒の隙であろうと見逃さない!
竜胆「さっきのお返しだ!カイバー!パンチ!」
渾身の一撃。今度は怪人が吹っ飛ばされた。
怪人「ぬおお〜〜!!お、おのれぇ…これが怪人ブルーアイズの…ちからなのかぁ〜!」
竜胆「………!!覚えておけ……!俺の名は!」
竜胆「正義の味方!」
竜胆「カイバーマンだっ!!」
竜胆は、先日怪人電動刃虫にやってみせたように、助走をつけ、高く飛び上がり一回転。
必殺の蹴りを炸裂させる!
竜胆「カイバー!キック!!」
蹴りは見事に命中し、怪人をさらに吹っ飛ばした!
怪人「ぐぁあ〜!!おのれ…カ…カイバー…マン……めぇ………!!ぬぅおおお〜!!」
怪人が限界を迎え、爆発した。それと同時に、周りに張っていた蜘蛛の巣も消えていく。
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某東映シリーズを彷彿とさせるお話の流れがたまりませんなぁ。
私的にはこういうお話が大好きなのでこれからも頑張ってください♪
敵役で昔懐かしのモンスターが出てくるのもいいですね。ハンター・スパイダーは私は昔お世話になっておりましたのん。 (2017-02-25 13:35)
コメントありがとうございます。正直言ってデュエル要素が無いこの小説が本当に受け入れられるか不安だったのでホントにありがたいです。
ちなみに今回の怪人の元ネタに、『ハンター・スパイダー』を選んだのは、初代仮面ライダー第1話の蜘蛛男のオマージュです。
余談ですが遊戯王カードwikiで蜘蛛関連のカードを調べていたら、モロに『蜘蛛男』っていうカードがあってビックリしました。偶然ってあるもんなんですね… (2017-02-25 23:25)