第187話：星龍皇覚醒・5　作：光芒

「ねえ、あの時のこと覚えてる？」

　デュエルの直前、対峙した綾香が問いかけた。

「……あの時？」
「入学試験、そして入学式の時よ。ここでデュエルしたわよね」
「ああ……そんなこともあったわね」

　天都 遊希と星乃 綾香。2人の出会いは決して良いものとは言えなかった。彼女たちが初めて出会ったのはデュエルアカデミア・ジャパンの入学実技試験の時である。自分の受験番号「62」が来るまで待合室で待つのが退屈であった遊希が試験会場を覗いた時、実技試験に臨んでいた綾香は“輝竜星-ショウフク”や“邪竜星-ガイザー”といった【竜星】の強力なシンクロモンスターを駆使して試験官相手に見事勝利を収めていた。
　日本を代表するプロデュエリストであり、海馬コーポレーションから特別に【青眼の白龍】デッキを使うことを許されていた星乃 竜司の娘として、それにふさわしいデュエルをしようと意気込んでいたものの、その試験では自分の思い描くようなデュエルをすることはできなかった。
　そんな彼女の前に姿を現したのが遊希である。綾香たちにとって遊希はまさに同世代の星であり、そのデュエルは伝説と化していた。しかし、綾香はそんな伝説のデュエリストのことを快く思っていなかった。
　遊希が自分より遥かに格上のデュエリストであることもそうだが、家族を失って孤独であった遊希を竜司が気遣うようになってから、綾香は遊希を「憧れの父を自分から奪い取る存在」なのではないか、と警戒もしていた。

「あの時は……大変だったわね。どっちも倒れちゃって」
「そうそう。私が吹っ飛ばされたと思ったらあんたは意識を失っちゃうし。でも、あのデュエルが私たちの始まりだったよね」

　デュエルの後、意識を失い保健室に運び込まれた遊希を綾香はずっと傍で見守っていた。そして綾香は遊希の過去を知った。
　デュエリストであると同時に同じ歳の少女である。彼女たちが仲良くなるまでそう時間は要さず、ルームメイトとなり、千夏や詩織、エヴァとの友情を深めこの1年で様々なことを学び体験してきた。そして2人の少女は無二の親友となった。

「いろんなことがあったわよね」
「今となっては……いい思い出、じゃないか」
「良くも悪くも色んなことがあったわ。でもね、私思うの」
「……？」
「この1年体験してきたことは全部、この日を迎えるためにやってきたことだってね！」

　そう言って綾香はデュエルディスクを展開した。1年前とは違う、決意と自信に満ちた表情で。

「そうね。こっちも今持てる力を全部発揮して、あなたに挑む！！」

　一番の親友であり、一番のライバル。そんな2人のデュエルの火蓋が切って落とされた。


「「デュエル！！」」


綾香　LP8000　手札：5
デッキ：38　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：0　除外：0
遊希　LP8000　手札：5
デッキ：41　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：0　除外：0


☆TURN01


「先攻後攻の決定権は私にある。私は貰うわ。私のターン！」

　先攻後攻の決定権を与えられた綾香は先攻を取った。彼女の使う【竜星】モンスターは破壊されて墓地に送られることを条件にデッキから他の竜星1体を特殊召喚する効果を持っている。
　倒されても倒されてもなおフィールドにモンスターを絶やさず、フィールドに竜星を溜めることで大型シンクロモンスターを狙うのが綾香のデッキのコンセプトであった。

「私はモンスターをセット。カードを2枚セットしてターンエンドよ」

　普段とは違うデュエル。しかし、綾香は自分にできることをするだけであり、いつも通り自分を見失うことないように振る舞うだけであった。


綾香　LP8000　手札：2
デッキ：38　モンスター：1　魔法・罠：2　墓地：0　除外：0
遊希　LP8000　手札：5
デッキ：41　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：0　除外：0


☆TURN02


「私のターン、ドローよ。私は手札から星龍皇の覚醒を発動。デッキから星龍皇モンスター1体を手札に加えるわ。私が手札に加えるのは星龍皇 ウィルムアンサル」
「ウィルムアンサル……確かリリースなしで召喚できるモンスターだっけ？」
「ええ。相手フィールドにのみモンスターが存在する場合にだけど。だからこのモンスターの妥協召喚条件は満たしてるわ。ウィルムアンサルをリリースなしで通常召喚！」

星龍皇 ウィルムアンサル ATK2800/DEF2400→ATK1400/DEF1200

「そして自分フィールド上に同名以外の星龍皇モンスターが存在する時、このカードは手札から特殊召喚できる。来なさい、星龍皇 ウィルムダシク！」

星龍皇 ウィルムダシク ATK2400/DEF2800→ATK1200/DEF1400

「攻撃力は下級モンスター程度……だけどレベル8のモンスターが2体」
「私はレベル8のウィルムアンサルとウィルムダシクでオーバーレイ！ 2体の星龍皇モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築！ エクシーズ召喚！！“遥かなる天空において輝く星々よ。今その輝きを1つに繋ぎ、誇り高き蒼炎の龍皇となりてこの地に降臨せよ！！”ランク8、真星龍皇 ドラコニスウィルム！！」

　高いステータスを持ち、効果で自身を含むフィールドの全ての星龍皇を破壊および相手のカードの効果から守ることのできるドラコニスウィルム。その強さを綾香は遊希とエヴァのデュエルでまじまじと思い知らされていた。
　あらゆる効果に耐性を与えられるその龍皇を攻略できるカードは綾香のデッキには全くないわけではないが手段は多くない。ただ、そんな難敵を最初の1ターン目から惜しげもなく召喚してきたことに綾香は喜びを感じていた。
　遊希のデッキの一角を担うであろうカードを最初から使う。それは遊希のこのデュエルに関する思いの強さを表わしており、彼女がこのデュエルに全力でかかってきてくれていることの現れであったのだ。

（セットカードが2枚あるけど、ドラコニスウィルムの召喚時に発動しなかったということは召喚反応じゃないし、攻撃反応ならドラコニスウィルムで防げる。綾香のデッキから考えると……）
「バトル！ 真星龍皇 ドラコニスウィルムでセットモンスターを攻撃するわ！“ドラコニス・バースト・ブレイズ”！！」
「リバースカードオープン！ 永続罠、竜星の具象化を発動！」
「やっぱり、そのカードなのね」

真星龍皇 ドラコニスウィルム ATK3000 VS 地竜星-ヘイカン DEF0

「破壊されて墓地に送られた地竜星-ヘイカンの効果、そして竜星の具象化の効果を発動！」


チェーン2（綾香）：竜星の具象化
チェーン1（綾香）：地竜星-ヘイカン


「チェーン2の竜星の具象化の効果で炎竜星-シュンゲイを攻撃表示で、チェーン1のヘイカンの効果で水竜星-ビシキを守備表示で特殊召喚するわ！」

　1を潰せば2に増える。綾香の【竜星】デッキの強みはそこにあるのだ。藪をつついて蛇を出す、というわけではないが考えなしに突っ込めば竜星の効果によって強化された強力なシンクロモンスターにおける反撃が待っている。

（綾香のデッキでドラコニスウィルムを倒せるモンスターは2体くらいしかいない。双方ともに簡単に出せるモンスター、というわけではないけど……）
「私はカードを2枚セットしてターンエンド」


綾香　LP8000　手札：2
デッキ：36　モンスター：2（炎竜星-シュンゲイ、水竜星-ビシキ）魔法・罠：2（竜星の具象化）墓地：1　除外：0
遊希　LP8000　手札：2
デッキ：39　モンスター：1（真星龍皇 ドラコニスウィルム ORU:2）魔法・罠：2　墓地：1　除外：0


☆TURN03


「私のターン、ドロー！ ねえ、遊希。あんたの考えてること当ててあげようか？」
「……何よ突然。いいわ、当ててみてよ」
「綾香のデッキでドラコニスウィルムを倒せるカードは2体いる。そのカードを綾香がすぐに出せるかどうか……」
「……うわぁ、なんでわかるのよ」
「へへっ、当たり。でもあんたも少しは嘘つきなさいよね。正直なのはいいことだけど、デュエリストには騙し合いも大事よ？ 私は手札からチューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚！」

　綾香のフィールドにはレベル4、レベル3、レベル2のモンスターが揃う。そのうち1体はチューナーであり、綾香得意のシンクロ召喚に繋げられる布陣が完成した。
　熟練のデュエリストならではの勘というものがあるのかどうかはわからないが、遊希と綾香のように幾度となくデュエルをしてきた相手同士であればこれから相手がどのような手を取るかが図らずともわかってしまうものなのだ。

「行くわ。私はレベル4の炎竜星-シュンゲイとレベル2の水竜星-ビシキにレベル3のチューナーモンスター、ジャンク・シンクロンをチューニング！“天空に輝く星々の光、今その力を集わせ鳳を為して雄大なる世界に舞い踊れ！！”シンクロ召喚！！ 飛翔せよ、幻竜星-チョウホウ！！」

幻竜星-チョウホウ ATK2800/DEF2200→ATK3300/DEF2700

「チョウホウ……本当に出してきた」
「シンクロ召喚に成功したチョウホウがフィールドに存在する限り、相手はこのカードのシンクロ素材にした竜星と同じ属性のモンスターの効果を発動できない。チョウホウの素材になったのは炎属性のシュンゲイと水属性のビシキ。よって炎属性のドラコニスウィルムは効果を発動できない！」
「っ……」
「バトルよ！ 幻竜星-チョウホウで真星龍皇 ドラコニスウィルムを攻撃！“竜星幻鳳波”！！」

幻竜星-チョウホウ ATK3300 VS 真星龍皇 ドラコニスウィルム ATK3000

遊希 LP8000→7700

　チョウホウの放った波動を受けて光の粒子となってドラコニスウィルムが消滅する。ドラコニスウィルムは相手によってフィールドを離れた場合にエクストラデッキからドラコニスウィルム以外の真星龍皇1体を特殊召喚できる効果があるのだが、その効果すらもチョウホウによって封じられてしまった。
　これまでのデュエルでは仮にモンスターを撃破されてもカードとカードの組み合わせでそれを巧みにかわしてきた遊希であったが、流石に連戦の疲労が祟ったのかこの時ばかりは精彩をやや欠いた様子であった。

「チョウホウの3つ目の効果！ 破壊された相手モンスターと同じ属性の竜星1体をデッキから特殊召喚するわ！ 来て、炎竜星-シュンゲイ！ そしてシュンゲイでダイレクトアタック！」

炎竜星-シュンゲイ ATK1900

遊希 LP7700→5800

「やるわね……！」
「1年前とは違うのよ。あんたが強くなっているように私だって強くなってるんだからね。バトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移るわ」
「だったらそのメインフェイズ2の開始時にこっちもリバースカードを発動するわ。永続罠、星龍皇翔破。墓地の星龍皇 ウィルムアンサルを手札に戻すわ」

　星龍皇翔破の効果は水属性の真星龍皇である儀式モンスター、真星龍皇 トゥーヴァウィルムとのコンボが取り分け強力なカードである。しかし、チョウホウの素材に水属性のビシキが使用されている以上トゥーヴァウィルムもまたバニラモンスターと大差なくなってしまう。
　そのため、ここでこのカードを使うということはあくまで墓地の星龍皇を手札に戻すことが狙いと思われる。遊希のウィルムアンサル以外の手札2枚は手札コストを要求するものなのだろうか。そう考えると綾香はチョウホウで圧倒的に優位なフィールドを作り上げていたとしても決して安心できる状態ではなかった。

「……私はこれでターンエンドよ」


綾香　LP8000　手札：2
デッキ：34　モンスター：1（幻竜星-チョウホウ、炎竜星-シュンゲイ）魔法・罠：2（竜星の具象化）墓地：4　除外：0
遊希　LP5800　手札：3
デッキ：39　モンスター：0　魔法・罠：2（星龍皇翔破）墓地：3　除外：0


☆TURN04


「私のターン、ドロー！ メインフェイズ1、星龍皇翔破の効果を発動し、墓地のウィルムダシクを手札に戻すわ」
「これであんたの手札は5枚……ハンドアドバンテージを獲得する力は凄まじいわね」
「単にハンドアドバンテージを獲得するだけじゃないわ。私は手札・フィールド・墓地、全てを見ているの。墓地の魔法カード、星龍皇の覚醒の2つ目の効果を発動！」
「墓地から魔法カード！？」
「このカードをゲームから除外することで、融合モンスターカードによって決められた融合素材を手札・フィールドから墓地に送ることでその融合モンスターをエクストラデッキから融合召喚扱いとして特殊召喚できる！ 私は手札のウィルムアンサルとウィルムダシクを墓地に送り、エクストラデッキから真星龍皇 ヘスペリウィルムを融合召喚扱いとして特殊召喚するわ！」

　融合召喚扱いとして特殊召喚されたヘスペリウィルムは風属性モンスター。風属性の竜星である風竜星-ホロウをシンクロ素材にしていないため、ヘスペリウィルムの効果をチョウホウでは封じることはできない。
　しかし、ヘスペリウィルムの攻撃力は2900であるため、シュンゲイによって強化されたチョウホウの攻撃力には届かない。そのためここでヘスペリウィルムを単独で召喚する意味はないと思われた。

「まだよ。私は手札から魔法カード、星龍皇の煌めきを発動。手札の星龍皇 ウィルムゼクンドをゲームから除外し、2枚ドロー。そして星龍皇の効果でゲームから除外されたウィルムゼクンドの効果を発動！ フィールドに表側表示で存在するモンスター1体を裏側守備表示にするわ！」

　除外されたウィルムゼクンドの姿がうっすらと現れると、その鋭く立派な角を向けてチョウホウに突撃した。チョウホウはその勢いに押される形で裏側守備表示へと表示形式を強制変更されてしまった。

「チョウホウ！！」
「これでチョウホウの無効効果は失われたわ！ 私は手札からチューナーモンスター、星龍皇 ウィルムヴァインを召喚！ 召喚成功時の効果で除外されている星龍皇モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚するわ！ 戻りなさい、ウィルムゼクンド！」
「チューナーと非チューナーを揃えてきたわね……見せてくれるのかしら？」
「もちろん！ 私はレベル4の星龍皇 ウィルムゼクンドにレベル4のチューナーモンスター、星龍皇 ウィルムヴァインをチューニング！“星の力与えられし龍皇よ、天上に座する女神に傅き、神々の果実を守りし守護者となりて生まれ変われ！”シンクロ召喚！！ 目覚めなさい、真星龍皇 ラードゥウィルム！！」

　強固な耐性を持つドラコニスウィルムを除去し、デュエルを優位に進めるかと思われた綾香であったが、遊希はフィールドに1体のモンスターも存在しない状況でありながら融合、シンクロの真星龍皇2体を召喚してみせた。やはり遊希には培ったデュエルタクティクスと天性の才能がある。綾香はそれを改めて思い知らされる形となった。

「シンクロ召喚に成功したラードゥウィルムの効果を発動！ デッキから星龍皇モンスター2体をゲームから除外し、相手の手札2枚をランダムに墓地に送るわ。除外するのは星龍皇 エルタウィルムと星龍皇 ウィルムサーフィ！」

　ラードゥウィルムの2つの狼の首が綾香の手札を獲物の肉を噛み砕くかのように墓地へと送る。この時点で綾香の手札はちょうど2枚だったため、綾香の手札は0枚。文字通り手を奪われる形となってしまった。

「除外されているモンスターを墓地に戻すことで特殊召喚できるエルタウィルムと除外されることでドローできるウィルムサーフィ……こっちの手札を削りながら自分の手札を補強するってセコいわよ！」
「……」
「あっ、いや。別に遊希のことを悪く言ってるわけじゃないからね！？」
「わかってるわ、そんなこと。ウィルムサーフィの効果で1枚ドロー。そして真星龍皇 ラードゥウィルムの2つ目の効果を発動！ 1ターンに1度、除外されている幻竜族モンスターを墓地に戻し、フィールドに存在するカード1枚を破壊するわ！ 除外されているウィルムサーフィを墓地に戻し、竜星の具象化を破壊するわ！」

　そして中心の雄山羊の首が放った火炎弾によって綾香のデッキの常套戦術を支えるカードの1枚、竜星の具象化が破壊されてしまった。このターンはまだ竜星モンスターの能力で大打撃を受けることは避けれるのだが、竜星の継戦能力を支えるこのカードを失うこともまた今後を考えると綾香にとっては痛手であると言えた。

「メインフェイズ1を終えてバトルよ！ 真星龍皇 ラードゥウィルムで裏側守備表示の幻竜星-チョウホウを攻撃！“ラードーン・アース・ブレス”！！」

真星龍皇 ラードゥウィルム ATK2800 VS 幻竜星-チョウホウ DEF2200

「シンクロ召喚されたチョウホウが破壊されて墓地に送られたことでチョウホウの2つ目の効果、デッキからチューナー1体を手札に加えるわ！ 私はカメンレオンを手札に加える！」
「カメンレオン……真星龍皇 ヘスペリウィルムで炎竜星-シュンゲイを攻撃！“ヘスペリス・ブレイドダンス”！！」

真星龍皇 ヘスペリウィルム ATK2900 VS 炎竜星-シュンゲイ ATK1900

綾香 LP8000→7000

「破壊されて墓地に送られたシュンゲイの効果を発動！ デッキから竜星モンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ！」
「だったらその効果にチェーンして真星龍皇 ヘスペリウィルムの効果を発動！」


チェーン2（遊希）：真星龍皇 ヘスペリウィルム
チェーン1（綾香）：炎竜星-シュンゲイ


「デッキから星龍皇 ラスタウィルムを攻撃表示で特殊召喚する！」
「デッキから風竜星-ホロウを守備表示で特殊召喚よ！」
「特殊召喚に成功したラスタウィルムの効果を発動！ 相手フィールドのカードの効果を無効にし、このターンの終了時まで相手のあらゆるカードの発動を封じる！」
「しまった、これじゃ……」
「ホロウの効果で後続を呼ぶことはできなくなるわね。星龍皇 ラスタウィルムで風竜星-ホロウを攻撃！ “ラスタバン・スーパーセル”！！」

星龍皇 ラスタウィルム ATK2500 VS 風竜星-ホロウ DEF1800

「っ……！」
「これでフィールドから竜星は消えた。まあ、その1枚の手札……カメンレオンがあるから安全とは言えないけど。私はこれでターンエンドよ！」


綾香　LP7000　手札：1
デッキ：32　モンスター：0魔法・罠：1　墓地：10　除外：0
遊希　LP5800　手札：2
デッキ：33　モンスター：3（真星龍皇 ヘスペリウィルム、真星龍皇 ラードゥウィルム、星龍皇 ラスタウィルム）魔法・罠：2（星龍皇翔破）墓地：7　除外：2


☆TURN05


「私のターン、ドロー！ これに賭けるわ。私は手札から魔法カード、竜星の輝跡を発動！」
「手札補充か……やっぱり引きの強さはあるわね」
「墓地のチョウホウ、シュンゲイ、ヘイカンの3体をデッキに戻して2枚ドロー！ そして手札からチューナーモンスター、カメンレオンを召喚！ カメンレオンの召喚に成功したことで効果発動！ 墓地の守備力0のモンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ！ 帰ってきて、炎竜星-シュンゲイ！」
「カメンレオンのために2体目のシュンゲイは残していたのよね。レベルの合計は8。シンクロ素材の合計は2体……」
「私はレベル4の炎竜星-シュンゲイにレベル4のチューナーモンスター、カメンレオンをチューニング！」





―――“暗黒に染まる空を切り裂く一筋の閃光よ！ 今その姿を白き竜と変え、未来へ繋がる道を切り拓く！ 魂を、命を震わし、世界へ！ 親友の心へ届け！！”―――





―――シンクロ召喚！！―――





　天都 遊希が銀河眼の光子竜を、エヴァ・ジムリアがレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトを持っていたように。星乃 綾香にも「精霊」が存在していた。共に過ごした時間は短いが、その間には確かな絆が結ばれた。白き星屑のように輝く竜が綾香のフィールドに舞い降りる。





―――閃珖竜 スターダスト！！―――