第161話：決戦　作：光芒

「先攻後攻の決定権だけどさ、あなたにあげるよ」

　デュエルが始まるにあたって綾香は遊望にそう言い放った。デュエルモンスターズのルールではドローこそできないが、基本的には先攻有利のゲームである。
　しかし、以前先攻を取った結果綾香はブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンによるワンショットキルを許す結果になってしまった。あの時は初見殺しということもあったのだが、先攻を取ったところであの時と同じ轍を意図せず踏んでしまえば元も子もない。
　それを警戒した綾香は敢えて遊望に先攻後攻の決定権を譲ったのである。遊望は少し意外そうに首を傾げながらも貰えたことに素直に喜んで先攻を取った。

「言っておきますが、先攻後攻の決定権を私に譲渡したのはあなたですからね？ それを負けの言い訳にしないでくださいよ」
「……わかってるわよ、そんなこと」

　星乃 綾香と天都 遊望。2人のデュエリストによる宿命の決戦の火蓋が切って落とされた。


☆TURN01


「では私が先攻で行きます。魔法カード、トレード・イン発動。手札のレベル8モンスター・白き霊龍を墓地に送り、デッキから2枚ドロー。そして手札からドラゴン・目覚めの旋律を発動。手札を1枚捨ててデッキから攻撃力3000以上、守備力2500以下のドラゴン族モンスター2体を手札に加えます」

　遊望のデッキはナンバーズである銀河眼の時空竜こそがエースモンスターだが、デッキの内容は時空竜と同じステータスを持つ【青眼の白龍】デッキである。攻撃力3000であり、守備力2500である青眼の白龍とドラゴン・目覚めの旋律はこれ以上ないほどの相性の良さを発揮していた。

「デッキからサーチするのは攻撃力4000、守備力0のブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンと攻撃力3000、守備力2500の青眼の亜白龍です」
「いきなりその2体を……」
「ドラゴン・目覚めの旋律の発動コストとして墓地に送られた伝説の白石の効果も発動します。デッキから青眼の白龍1体を手札に加えます」
「青眼の亜白龍の特殊召喚条件は……」
「お忘れではないですよね？ 手札の青眼の白龍のカード1枚を相手に見せることで青眼の亜白龍は手札から特殊召喚できます。出でよ、青眼の亜白龍」

　白い身体に青い血管のような刻印が浮き上がる竜が遊望のフィールドに舞い降りる。破壊の力を宿した亜白龍が低く唸りながら何もない綾香のフィールドを睨みつけていた。

「更に手札から儀式魔法、カオス・フォームを発動します」
「カオス・フォーム……初手に引いていたなんて」
「だからカオス・MAX・ドラゴンをサーチしたんですよ？ 私は手札のレベル8モンスター、青眼の白龍を儀式の生贄に捧げ、ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを儀式召喚します。“禁忌の儀式により目覚めるは闇に堕ちし美しくも残虐な白龍。混沌の力を振りかざし全てを滅せ”儀式召喚！ 降臨せよ、ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン！！」

　カオス・MAX・ドラゴンの姿が顕現した瞬間、綾香の身体には冷や汗が流れ、ぶるりと震えが走る。心では克服した、と思っていても身体はそうではなかった。一度あのような敗れ方をしている以上、仕方のないことではあるのだが、このモンスターに対する恐怖心を克服しない限り、このデュエルの勝ちはない。

―――綾香……
（……大丈夫、大丈夫だから）

　彼女の心理状態を気遣ってスターダストが声をかけるが、綾香はそれを悟られまいと気丈に振る舞う。本当は怖い。しかし、綾香は今はそう言い続けることしかできなかった。

「カオス・MAX・ドラゴンに恐れを抱いているようですね。まあ、無理もないでしょう。ですが恐怖はまだ終わりませんよ？ 私はチューナーモンスター、太古の白石を召喚」
「チューナー……！」
「亜白龍は強いモンスターですが、先行で出すだけではバニラと大差ないですからね。ある程度の警戒はしておきます。私はレベル8の青眼の亜白龍にレベル1のチューナーモンスター、太古の白石をチューニング。“伝説の白き龍よ、美しきその翼広げ天地を守る精霊へと昇華せよ！” シンクロ召喚！ 目覚めなさい。青眼の精霊龍」

　シンクロモンスターである青眼の精霊龍は攻守の値が青眼の白龍と逆転しており、攻撃には不向きであるがその分堅い守りを誇っている。また自身の効果で光属性・ドラゴン族のシンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できるため、そう易々と除去することのできないモンスターであった。
　また、精霊龍には1ターンに1度墓地のカードの発動を無効にする効果がある。綾香の【竜星】は破壊をトリガーに“墓地”で発動する効果であるため、精霊龍が遊望のフィールドに存在する限り確実に1度は竜星の効果を止められてしまう。その点を鑑みるとカオス・MAX・ドラゴンに匹敵するレベルで厄介な相手であるとも言えた。

「私はカードを1枚セット。これでターンエンドです。そうそう、ターン終了時に墓地に送られた太古の白石の効果を発動します。自身の効果でデッキから青眼の白龍を特殊召喚しますね」
「っ……！」


遊望　LP8000　手札0枚
デッキ：31　モンスター：3（ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン、青眼の精霊龍、青眼の白龍）魔法・罠：1　墓地：6　除外：0
綾香　LP8000　手札5枚
デッキ：38　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：0　除外：0


☆TURN02


「私のターン、ドロー！！」
―――凄い……先攻1ターン目で最上級モンスターが3体も……

　遊望のデュエルを初めて見るスターダストは素直に感嘆の言葉を漏らす。強く完成度の高いデッキを腕利きのデュエリストが手にした時の強さはやはり計り知れないものとなっていた。
　個々のカードパワーが強く、デッキとしての完成度の高い【青眼】。それを遊希の妹であり姉譲りのプレイングを見せる遊望が使ったのだからその強さは十二分に発揮されていると言ってもいい。

―――だが、そんなデッキが相手であっても我々は敗れるわけにはいかない。
（うん。今の私には光子竜もいるしスターダストもいる。あの時の私とは違うんだから！）
「私は手札を1枚捨てて速攻魔法、ツインツイスターを発動するわ！ フィールドの魔法・罠カードを2枚まで破壊する！」
「フィールドの魔法・罠ゾーンにあるカードは私の1枚だけ。それなのにツインツイスターを使うとは勿体ないことをするんですね」

　綾香の発動したツインツイスターによって、遊望のフィールドにセットされていたカードが破壊される。セットされていたのは罠カードのブレイクスルー・スキルであった。

（ブレイクスルー・スキル……ツインツイスターを無駄遣いして正解だったわね）
「手札から魔法カード、調律を発動。デッキから「シンクロン」1体を手札に加えてその後にデッキトップを墓地に送るわ。加えるのはジャンク・シンクロンよ。そしてジャンク・シンクロンを召喚！ 効果で墓地のレベル2以下のモンスター1体を蘇生するわ。蘇りなさい、水竜星-ビシキ！」

　ジャンク・シンクロンの効果で墓地の水竜星-ビシキがフィールドに特殊召喚される。綾香は無闇やたらにツインツイスターを発動したわけではなく、ビシキを予め墓地に送っておくことでサーチしたジャンク・シンクロンの効果で蘇生し、即座にシンクロ召喚に繋げられるように考えた上での行動だった。

「なるほど、考えがあったのですね。ですが、たかがレベル5のシンクロモンスターで何かを変えられるとでも？」
「変えられるわ。これがその答えよ！ 私はレベル2の水竜星-ビシキに、レベル3のチューナーモンスター、ジャンク・シンクロンをチューニング！ “美しい輝きを放つ2つの水晶よ、今機巧の力で高貴なる輝きを放て！”シンクロ召喚！ 起動しなさい！“水晶機巧-アメトリクス”！」


※水晶機巧-アメトリクス
シンクロ・効果モンスター
星5/水属性/機械族/攻2500/守1500
チューナー＋チューナー以外のモンスター1体以上
(1)：このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚された表側表示モンスターを全て守備表示にする。
(2)：S召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、Sモンスター以外の自分の墓地の「クリストロン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。


「水晶機巧-アメトリクス……なるほど、そう来ましたか」
「シンクロ召喚に成功したアメトリクスの効果を発動するわ！ 相手フィールドの特殊召喚された表側表示モンスターを全て守備表示にするわ！“アメジスト・フォース”！」

　アメトリクスの放つ紫色の光を浴びた遊望のフィールドの攻撃表示の青眼たちは全て守備表示になる。元々守備表示であった青眼の精霊龍はその効果の影響が薄いが残りの2体、とりわけブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンにはその効果が及ぼす影響は大きかった。

「青眼の白龍の守備力は2500。アメトリクスの攻撃力と同じためアメトリクスの攻撃では破壊されない。しかし、ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンの守備力は0」
「そう。どんなに攻撃力が高くても、守備表示にされちゃ無意味ってことよ！ バトル！ 水晶機巧-アメトリクスでブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを攻撃！“アメトリクス・ブライト”！」

水晶機巧-アメトリクス ATK2500 VS ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン DEF0

　紫水晶の光を浴びたカオス・MAX・ドラゴンの身体は光とともに消えていく。綾香がかつて自分を一撃で葬り去った仇敵を打ち破った瞬間だった。

「カオス・MAX・ドラゴン、撃破！ バトルフェイズを終えてメインフェイズ2に移るわ。私はカードを2枚セットしてターンエンドよ！」


遊望　LP8000　手札0枚
デッキ：31　モンスター：2（青眼の精霊龍、青眼の白龍）魔法・罠：0　墓地：8　除外：0
綾香　LP8000　手札1枚
デッキ：35　モンスター：1（水晶機巧-アメトリクス）魔法・罠：2　墓地：4　除外：0


☆TURN03


「私のターン、ドロー。カオス・MAX・ドラゴンを倒しましたか。確かに成長はしているのでしょう……ですが、カオス・MAX・ドラゴン1体を倒した程度で勝った気になられては困ります。青眼の白龍を攻撃表示に変更します」

　遊望の言うことは事実であった。攻撃力4000のカオス・MAX・ドラゴンを撃破したことは確かだったが、それでも遊望のフィールドにはまだアメトリクスの攻撃力を上回る攻撃力3000の青眼の白龍が存在するのだから。

「青眼の精霊龍の効果を発動します。このカードをリリースし、エクストラデッキから光属性・ドラゴン族のシンクロモンスター1体を特殊召喚します」
「精霊龍をリリース？ 竜星に刺さっているのに？」
「守りだけ、というのもつまらないですからね。エクストラデッキから特殊召喚するのはレベル7のライトロード・アーク ミカエルです。そしてミカエルの効果を発動」

遊望　LP8000→7000

「ライフを1000支払いフィールドに存在するカード1枚を選択してゲームから除外します。除外するのは当然アメトリクスです」
「っ……」
「さて、精霊龍の効果で特殊召喚したモンスターはターン終了時に破壊されてしまいます。それだと勿体ないので、次へつなぎます。手札からチューナーモンスター、青き眼の賢士を召喚。召喚時の効果でデッキから光属性・レベル1のチューナー1体を手札に加えますね。そうですね……2枚目の太古の白石にでもしますか。そしてレベル7のシンクロモンスター、ライトロード・アーク ミカエルにレベル1のチューナーモンスター、青き眼の賢士をチューニング！」

　シンクロモンスターであるライトロード・アーク ミカエルに青き眼の賢士がチューニングされる。白い竜を駆る光の戦士の命は新たなる力を得て水晶のような美しい翼を持った荒々しい竜を呼び覚ました。

「“神聖なる光放つ翼を閃かせ天を舞う竜よ。美しく、そして鮮やかに我が敵を蹂躙せよ！” シンクロ召喚！ 光来せよ！“クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン”！！」


※クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
チューナー＋チューナー以外のSモンスター1体以上
(1)：1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(2)：このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。


「クリスタルウィング……」

　かつて千夏を洗脳し、遊希を苦しめたクリアウィング・シンクロ・ドラゴンの正統進化形にあたるモンスター、それがクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンだ。
　綾香たちが精霊界にやってくる直前に発売された拡張パックで登場したこのカードは非チューナーにシンクロモンスターを指定しているなど、出せるデッキは限られているものの、シンクロモンスターを多用するデッキなら十分にその力を活用できるモンスターだ。

「シンクロモンスターを使うあなたならこのカードの強さはわかるはずです。メインフェイズ1を終えてバトルフェイズに移ります！ まずは青眼の白龍でダイレクトアタック！ “滅びの爆裂疾風弾”！！」

青眼の白龍 ATK3000

―――綾香！
「2枚のリバースカードオープン！ 永続罠、竜魂の幻泉と竜星の具象化を発動！ 墓地のビシキを守備表示で特殊召喚するわ！」
「壁を作りましたか……ではビシキに攻撃対象を移して攻撃を続行します。消えなさい、脆弱なモンスターよ」

青眼の白龍 ATK3000 VS 水竜星-ビシキ DEF2000

「破壊されたビシキの効果を発動するわ！ デッキから竜星モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する！ そしてビシキの効果にチェーンして永続罠、竜星の具象化も発動！ モンスターが破壊されたことでデッキから1体竜星モンスターを特殊召喚するわ！」


チェーン2（綾香）：水竜星-ビシキ
チェーン1（綾香）：竜星の具象化


「なるほど、ビシキの効果に竜星の具象化を絡めることでクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの無効効果のタイミングを逃させるということですね。まあビシキを破壊したところでクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの攻撃力は変化しないので今無理に発動する必要はありませんね」
「ビシキの効果および竜星の具象化の効果で炎竜星-シュンゲイを2体を特殊召喚するわ！」
「ではクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで攻撃表示の方の炎竜星-シュンゲイを攻撃。“烈風のクリスタロス・エッジ”！」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000 VS 炎竜星-シュンゲイ ATK1900

綾香　LP8000→6900

「くっ……！ 破壊された炎竜星-シュンゲイの効果を発動！ デッキから竜星モンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ」
「でしたらその効果にクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果を発動することにしましょう」


チェーン2（遊望）：クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン→炎竜星-シュンゲイ
チェーン1（綾香）：炎竜星-シュンゲイ


「シュンゲイの効果の発動を無効にして破壊、そしてクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの攻撃力をターン終了時までこの効果で無効にしたモンスターの攻撃力分アップさせます」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→4900

「攻撃力4900……」
「あら、カオス・MAX・ドラゴンどころか青眼の究極竜まで上回ってしまいましたね。さてどうしましょうか。バトルフェイズを終えてメインフェイズ2に移りますが……この手札1枚ではどうしようもないですね。ターンエンドです」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK4900→3000

　一時的とはいえ、攻撃力が4900まで上昇したクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを見てまるで傍観者のように振る舞う遊望。人を喰ったようなこの態度がこのデュエルにおける彼女の余裕を表していた。


遊望　LP7000　手札1枚
デッキ：29　モンスター：2（クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン、青眼の白龍）魔法・罠：0　墓地：11　除外：0
綾香　LP6900　手札1枚
デッキ：33　モンスター：1（炎竜星-シュンゲイ）魔法・罠：1（竜星の具象化）墓地：6　除外：1


☆TURN04


「私のターン、ドロー！ クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンは確かに強力だけど、倒せないモンスターじゃないわ」
「……既にクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを倒す手段は持っていると？」
「チューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚！ そしてジャンク・シンクロンの効果で墓地の水竜星-ビシキを特殊召喚するわ！」
「またジャンク・シンクロンですか。ですが前のようにアメトリクスを出すだけでは倒せませんよ？」
「誰がレベル5のシンクロ召喚って言ったかしら？ 私はレベル4の炎竜星-シュンゲイにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング！ ！“天空に輝く星々の光よ、今その力を集わせ邪なる闇の竜を呼び覚ませ！”シンクロ召喚！ 来なさい、邪竜星-ガイザー！」

邪竜星-ガイザー ATK2600/DEF2100→ATK3100/DEF2600

「邪竜星-ガイザーの効果を発動！ 自分フィールドの幻竜族モンスター1体と相手フィールドのカード1枚を選択して破壊するわ！ 対象はガイザー自身とクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンよ！」
「ガイザーの効果にチェーンしてクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果を発動します！ ガイザーの効果を無効にして破壊し、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの攻撃力はこのターンの終了時までガイザーの攻撃力ぶんアップします！」


チェーン2（遊望）：クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン→邪竜星-ガイザー
チェーン1（綾香）：邪竜星-ガイザー→邪竜星-ガイザー、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン


クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5600

「破壊されたガイザー、そして竜星の具象化の効果発動！」


チェーン2（綾香）：竜星の具象化
チェーン1（綾香）：邪竜星-ガイザー


「2枚のカードの効果でデッキから竜星2体を特殊召喚するわ！ 来て、3体目のシュンゲイ！ 闇竜星-ジョクト！」
「3体のレベルの合計は8……そういうことですか」
「レベル4の炎竜星-シュンゲイとレベル2の水竜星-ビシキに、レベル2の闇竜星-ジョクトをチューニング！“天空に輝く星々の光、今その力を集わせ高貴なる光の竜を呼び覚ませ！”シンクロ召喚！ 降臨せよ、輝竜星-ショウフク！」

輝竜星-ショウフク ATK2300/DEF2600→ATK2800/DEF3100

「シンクロ召喚に成功したショウフクの効果を発動！ このカードの素材にした幻竜族モンスターの元々の属性の数だけフィールドのカードを持ち主のデッキに戻すわ！ あなたのフィールドのクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン、青眼の白龍の2枚をデッキに戻す！」

　クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンはこのターン既に効果を発動している。そのためこのシュンゲイの効果は防ぐことができないため、遊望のフィールドは文字通りがら空きになってしまった。

「バトル！ 輝竜星-ショウフクでダイレクトアタックよ！“竜星昇天波”！」

輝竜星-ショウフク ATK2800

遊望　LP7000→4200

「っ……！！」

　ショウフクの攻撃を受けた遊望の顔が歪む。薄ら笑いが途絶えたことからもわかるように、じっくりとそして着実に綾香は遊望を追い込み始めていた。