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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第13話:少女はあの子に……

第13話:少女はあの子に…… 作:ドクダミ2号

「本番……!良いよ、やってみなよ!!私の場にはマテリアルドラゴンがいる!この子がいる限り、ブラストクローの効果は怖くない!」

少女の言う通り、確かにマテリアルドラゴンがいるならば効果ダメージは怖くない。しかし………

「そうだね、確かにそうだよ。でもね……ブラストクローは戦闘ダメージを与えられないだけで、戦闘は行えるんだよ。」
「え………?」

少女は一瞬なんの事か分からなかった。彼女が言葉の意味を気づく頃には最早手遅れだった。

「バトル!爆炎竜 ブラストクロー、マテリアルドラゴンに攻撃!!竜牙竜爪!!」

ブラストクローは手足を使い、マテリアルドラゴンを連続で攻め立てる。耐えきれなくなったマテリアルドラゴンは遂に倒れた。

「そんな………!?」
「戦闘ダメージはない……でも、戦闘は行える。つまり戦闘で相手を破壊する事ぐらいできるんだよ。………キミの負けだね。メインフェイズ2!ブラストクローの効果発動!!ボクはデッキからカードを5枚捨てるよ、そして………キミのライフポイントに2500ダメージを与える!」

ブラストクローはその場で宙返りすると、四つん這いになって着地した。

「いけ!ブラストクロー!ブラスティングゾーン!!!」

ブラストクローは口を大きく開く。大気からエネルギーを集め、一気に放出した。

「い……いやあああぁぁぁ!!」

少女LP600→0

凛WIN!

「やった!」

ーーー

「おー!凛ちゃんが勝った!」

当の本人の緊張とは裏腹に、気の抜ける声で凛の勝利を確認するのは、榊原六花。

「……マテリアルドラゴンが鬼門だったわね。見事な突破よ。」

六花とは対照的に冷静に、そして正確にデュエルを分析するのは、榊原櫻。双子の姉妹は今日ものん気である。

「………。」
「お父さん?どうしたの?」

彼女達の父親……翔は、不思議そうに凛達の方向を向いていた。

「……まさか………いや、でも……ありえない。」
「?」

翔の言葉は理解できなかったが、取り敢えず凛の元に向かう櫻と六花。

「やったね!凛ちゃん!」
「あ!六花さん!それに櫻さんも!見てたんですね!」

嬉しそうな声を出し、2人に駆け寄る凛。その後ろで悔しそうな表情を見せる少女。次の瞬間だった。

「ふざけないで………何で……私が……負けるのよ!!」

少女が突然、大きな声を出す。驚いた3人は少女の方を向く。その少女の様子を見てただ事ではない事を悟る。

「危ない!」

櫻が叫ぶが、凛には聞こえていなかった。少女が凛に向かって走り出していた。その手には何か光るものがあった。

「えっ………。」

少女は凛に近づくとそれを突き刺そうとした。しかし。

「おっと、危ない危ない。」
「何!?」

直ぐそこには翔がいた。

「お父さん!?」
「ははは………なんとなーく思い当たるものがあって近づいてみれば………。」

翔の言葉を聴き、少女が首をかしげる。3人も首を傾げる。

「いや、何か似てたんだよ。昔いなくなっちゃった女の子に。」
「いなくなった……?」
「ん。色々あってね。いなくなっちまったんだよ。」

少女の顔をまじまじと見て、そういう翔の顔にはまるで長い間会ってなかった友人と再会したかのような……涙交じりの表情をしていた。

ーーー

「それで?私がそのいなくなった女の子に似てるからって……どこに連れて行くっていうの?」

翔の車の中で少女が不満気な声を上げる。

「知り合いのとこさ。……まぁ平気だろ。お前は自分のことを完全に思い出すまでそこにいた方がいい。」

翔の言葉には重みがあった。櫻と六花には分かっていた。彼女もまたフライと同じ様な境遇なのだろうと。

「ふーん。私の事……ね。」
「お前、自分の事で思い出せる事ないか?」

翔が尋ねる。少女は頭を抱え、必死に思い出そうとするが……結局何も出てこなかった。

「うーん……家族の事とか、覚えてない?」

気になった六花が、そう尋ねる。すると、意外な答えが返ってきた。

「……ひとつだけ………親なのか、姉妹なのか、兄妹なのか分からないけど。私の家族でなんか……変な呼ばれ方してた人いる。」

それを聞いた翔が間髪入れずにこう尋ねた。

「そいつ、何て呼ばれてた!?」

いきなりの大声に驚くも、少女は質問に答えた。

「確か………。そう、アリス。書き方はALICEだったかな?」

少女が言い終わると、翔はガッツポーズをした。

「やっと……やっとだ。あのまま………終わらせたくはないからな………。」

翔の「終わらせたくはない。」と言う言葉はよく分からなかったが、何となく翔の目的が達成された様に感じた、櫻と六花だった。



一方その頃、交流会会場ではと言うと………

「はは……誰もいない。」

寝坊した雷が……そこにはいた。

次回に続く
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