第107話 猛け朽ちる龍　作：こんにゃく

シャウロン
LP4000
手札4

アイアンメイデン
攻撃力2000


ベクト
LP2800
手札1

ヘヴィ・ヘンジ

ヘヴィ・タワー

セット1

デス・アダー
攻撃力3200


アイヴィス「これが…処刑王シャウロンのデッキ…！」

シャウロン「俺様は儀式の素材としてい墓地に送られたヘッドクラッシャーのモンスター効果を発動！『デッキから拷問悪魔(トーチャーズデーモン)儀式モンスター１体を手札に加える』」

シャウロン「俺が手札に加えるのは『拷問悪魔(トーチャーズデーモン) ガローテ』そしてアイアンメイデンの効果発動！！」

シャウロン「『１ターンに1度、相手モンスター１体を選択しそのモンスターをこのモンスターの装備カードとして装備する』」

ｷﾞｭﾙﾙｯ！ｶﾞｼﾝｯ‼

アイアンメイデンが開きそこから触手が伸びる、それはデス・アダーを吸収しアイアンメイデンの内部に入れられる

ベクト「な、なに！？」

シャウロン「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」

ベクト「なにっ！？何故攻撃してこない！！」

シャウロン「まぁそう死に急ぐんじゃあねぇよ…アイアンメイデンはこの効果を使用したターン攻撃することができねぇ…それにこのままデュエルを早く終わらせても面白くねぇ」

ベクト「なに？」

シャウロン「言っただろう？楽に逝けると思うなってなぁ」

ベクト「ふ…ふざけるなよ！！シャウロン！！そうやってメーアの志も踏みにじったんだなぁ！！」

アイヴィス「…この二人…真逆っ！真逆なんだ！性格が！！ベクトさんはいついかなる時も手を抜かないし全力だ！だがシャウロンは違う！」

アイヴィス「絶対的な自信…それが奴の手を抜く理由…だが…それだけではない…何か…あるっ！」

ベクト「メーアの無念は俺が晴らすぜ！！俺のターン！！」

手札2

ベクト「俺は手札からマジックカード『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) ホール』発動！」

ベクト「『自分フィールドにモンスターが存在しなく相手フィールドにのみモンスターが存在する時、自分の墓地のレベル4以下の時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)チューナーモンスターと時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)モンスターをそれぞれ１体ずつ特殊召喚する！！』」

ベクト「俺は！ライトヴァイパーとファルデランスを特殊召喚！！」

ライトヴァイパー
攻撃力1400

ファルデランス
攻撃力1000

ベクト「そして！ライトヴァイパーの効果により永続魔法の数だけデッキからライトヴァイパーを特殊召喚する！！」

ライトヴァイパー
攻撃力1400

ベクト「まだだぜ！！フィールドに時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)モンスターが特殊召喚された事により手札から『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)サイドワンダー』を特殊召喚する！」


サイドワンダー
レベル2/光属性/爬虫類族/チューナー
攻撃力200/守備力300

ベクト「サイドワンダーは『この効果で特殊召喚に成功した時、墓地からレベル4以下の時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)１体を特殊召喚する』」

ライトヴァイパー
攻撃力1400

アイヴィス「す、すごい…一気にモンスターを展開したっ！！」

ベクト「そして！永続魔法 ヘヴィ・タワーのもう一つの効果を発動！『自分フィールドにヘヴィ・ヘンジが存在する時！このカードを破壊しフィールドの時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)モンスターの数だけヘヴィ・ヘンジにカウンターを乗せる』！！」

ベクト「俺のフィールドには5体のモンスター…よって5つ乗せる！」

ヘヴィ・ヘンジ
カウンター 3→8

ベクト「俺はレベル2のライトヴァイパー３体にレベル2のサイドワンダー、ファルデランスをダブルチューニング！」

アイヴィス「ダブルチューニングっ！！？」

ベクト「亜空を両断し我が身を焦がす堕ちた蛇よ、その猛る思いはその姿を変え、進化する龍へとならん！！シンクロ召喚！！現れよ！！レベル10！！！『時空間龍(タイムスペースドラッヘ) ヴェノム・キーヴル』！！」


ヴェノム・キーヴル
レベル10/闇属性/爬虫類族/シンクロ
攻撃力3000/守備力3000

ﾄﾞｼﾝｯ!!巨大な蛇、しかしそれはもはや龍へと昇華していた

猛る瞳に強靭な鱗、巨大な翼に小さな腕や足

蛇から龍への進化の途中とも言えるその者は毒を吐きながら前進する

ベクト「そして！ヘヴィ・ヘンジの効果発動！！カウンターを8つ取り除き！デッキから『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) デスヒルドワインダー』を特殊召喚する！」

ヘヴィ・ヘンジ
カウンター
8→0

ベクト「現れろ！！デスヒルドワインダー！！」


デスヒルドワインダー
レベル12/光属性/爬虫類族
攻撃力3000/守備力2000


アイヴィス「光と闇の…最上級のモンスター…これがベクトさんの全力っ！！」

シャウロン「ほう…減らず口を叩いた割には確かにやるようだな」

ベクト「勝負は一瞬！！てめぇのその面を前も見れない程ぐしゃぐしゃにしてやる！！デスヒルドワインダー！！アイアンメイデンを攻撃しろ！！」

ベクト「デスヒルド・アベンジ！！！」

ｶﾞｶﾞｶﾞｯ!! 地面砕き粉砕しながら進むエネルギー

デスヒルドワインダー
攻撃力3000

↓

アイアンメイデン
攻撃力2000

シャウロン「…アイアンメイデンの効果を発動し『装備したモンスターを墓地に送り、相手モンスターの攻撃を無効にする』」

ﾐｼﾐｼ…アイアンメイデンが動くそして

ﾊﾞﾝｯ!! アイアンメイデンがデス・アダーの入った棺桶の扉を閉める

アイアンメイデンの棺桶の内側にはびっしりと針がついておりそれがデス・アダーに突き刺さる

アイヴィス「な…なんて酷い…っ！！」

シャウロン「そして『この効果を使用した場合相手に500ポイントのダメージを与える』」

ベクト「だったら！ヴェノム・キーヴルの効果発動！！『１ターンに1度！相手がカードの効果を発動した時！その発動を無効にし！墓地の爬虫類族１体に付き300ポイントのダメージを相手に与える！！』」

ベクト「俺の墓地には！5体の爬虫類族モンスター！！よって1500ポイントのダメージだ！！」

ｽﾞｷﾞｬﾝｯ!! 墓地の爬虫類達が幻影となりシャウロンを襲う

シャウロン「ちっ！」
LP4000→2500

アイヴィス「それに！これでアイアンメイデンの効果は無効になった！」

ベクト「戦闘は続行！！デスヒルドワインダーでアイアンメイデンを攻撃！！」

シャウロン「ぐっ…！」
LP2500→1500

アイアンメイデンを粉々に粉砕すると

ベクト「ヴェノム・キーヴル！！シャウロンにダイレクトアタックだ！！ 」

ベクト「メーアの無念の思い…この一撃で晴らしてやる！！」

ベクト「アンライトメント・ヴェノム！！！」

ﾄﾞｺﾞﾝｯ!!溶解液を噴射する

アイヴィス「だがっ！」

シャウロン「おもしれぇ…だが…ソイツを食らうほど俺様は甘くねぇんだよなぁ！！アイアンメイデンの効果発動！『このカードが破壊された時！墓地に存在する拷問悪魔(トーチャーズデーモン)１体を効果を無効にして攻撃力、守備力を0にして特殊召喚する！』」

シャウロン「俺が特殊召喚するのはヘッドクラッシャー！！」

ヘッドクラッシャー
攻撃力0

ベクト「それがどうした！！所詮は攻撃力0！！防ぐことなどできねぇ！！」

アイヴィス「いや！ベクトさん！！これは！！」

シャウロン「トラップ『拷問悪魔(トーチャーズデーモン) クラッシュイグニエーション』発動！」

シャウロン「『相手の攻撃宣言時、自分フィールド拷問悪魔(トーチャーズデーモン)１体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを自身が受けることで破壊したモンスターのレベル以下またはそのレベルの条件にあう『拷問悪魔(トーチャーズデーモン)』儀式モンスターが手札に存在する場合、そのモンスターを手札から儀式召喚する！』」

ベクト「な、なに！？」

シャウロン「俺様はヘッドクラッシャーをリリースする…そしてヘッドクラッシャーの今の攻撃力は0！！よって俺にダメージはねぇ！！」

アイヴィス「まさかっ！これさえも奴は考えていたというのかっ！？」

シャウロン「業火に焼かれし鉄の牛よ、我が身焦がし終演の鎮静歌を歌え！儀式召喚！レベル8！『拷問悪魔(トーチャーズデーモン) ブローズン・ブル』！！」


ブローズン・ブル
レベル8/炎属性/悪魔族/儀式
攻撃力2000/守備力3000


燃え盛る赤く光る金属の雄牛がアイアンメイデンが現れた鉄の箱から出現する

アイヴィス「守備力…3000っ！！」

シャウロン「俺様はヘッドクラッシャーの効果により儀式素材としてい墓地に送られた時、デッキから拷問悪魔(トーチャーズデーモン)１体を手札に加える…俺は拷問悪魔(トーチャーズデーモン)ヘッドクラッシャーを手札に加える」

シャウロン「これでてめぇのヴェノム・キーヴルが俺様に攻撃することはできねぇ…だろ？」

ベクト「くっ…俺はこれで…ターンエンド…だがヴェノム・キーヴルは！自分のエンドフェイズ時に相手モンスター全ての攻撃力、守備力を1000下げる効果がある！！」

手札0

ブローズン・ブル
守備力3000→2000

シャウロン「は…その程度のダウンで俺様を止められると思うなよ…カスが」

アイヴィス「くっ…このターンで勝負をつけられなかったのはかなり痛手だ…シャウロン…何かしてくるっ！！」

シャウロン「それじゃあ… 俺のターン！！」

手札5

シャウロン「俺様は墓地の拷問悪魔(トーチャーズデーモン)降誕製作の効果を発動し『墓地のこのカードと拷問悪魔(トーチャーズデーモン)１体を除外することで手札から拷問悪魔(トーチャーズデーモン)儀式モンスターを儀式召喚する』」

シャウロン「俺様は墓地のアイアンメイデンと降誕製作を除外する…」

シャウロン「痛み、苦しみ、首を締め付ける破壊の縄よ、魂の叫びすらも締め付け摘み取れ！！儀式召喚！レベル4！『拷問悪魔(トーチャーズデーモン) ガローテ』！！」


ガローテ
レベル4/闇属性/悪魔族/儀式
攻撃力2000/守備力0


ｶﾞｼｯｶﾞｶﾞｶﾞｯ 椅子の形をした何か、悪魔の骨で形成されたそれは

やはりそれはアイアンメイデンやブローズン・ブルと同じく鉄の箱から表れる

ベクト「くっ…！！」

アイヴィス「そうかっ！デスヒルドワインダーの効果…特殊召喚したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える効果…それが発動していない！！」

アイヴィス「一体どうして…！」

シャウロン「どうやらてめぇのそのクソ蛇にはそんな効果があるらしいな…だがよぉ俺のブローズン・ブルが『表側表示で存在する限り俺への効果ダメージは全て0になる』」

シャウロン「それに…ヘッドクラッシャーの場合は特殊召喚時、攻撃力が0だったからなぁ…ダメージは発生しなかったってわけだ」

アイヴィス「それでダメージが無いっていうわけかっ！」

シャウロン「それじゃあよぉ…俺の地獄の拷問ショーを始めようぜ！！俺はブローズン・ブルの更なるモンスター効果を発動！『１ターンに1度！墓地の拷問悪魔(トーチャーズデーモン)儀式モンスター１体を除外し手札から拷問悪魔(トーチャーズデーモン)儀式モンスターを攻撃力、守備力を半分にして特殊召喚する』」

シャウロン「現れよ！！無垢なる人の頭蓋を砕き、数ねく思考を断絶せよ！！儀式召喚！！レベル8！拷問悪魔(トーチャーズデーモン) ヘッドクラッシャー！！」


ヘッドクラッシャー
レベル8/闇属性/悪魔族/儀式
攻撃力2800→1400/守備力2000→1000

シャウロン「更に！！手札から『拷問悪魔(トーチャーズデーモン) ディザスターボルト』を召喚！！」


ディザスターボルト
レベル4/闇属性/悪魔族
攻撃力1000/守備力1500


シャウロン「ケケケッ」

ベクト「儀式モンスターを大量展開…だとっ！！？」

シャウロン「行くぜ人間…てめぇが泣き叫び…悲痛の声を上げるまで俺の攻撃はやまねぇからなぁ！！俺は！ガローテのモンスター効果発動！！『１ターンに1度、相手モンスター１体を選択し、そのモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、相手はお互いのメインフェイズ時に500ポイントのダメージを受ける！！』」

ベクト「なに！？」

シャウロン「食らいなっ！！」

ﾊﾞｼｭｯ ﾊﾞｷﾝｯ!!

ベクトはガローテから伸びる縄により腕を縛られるそして

ｸﾞｼｯ

ベクト「っつぅ！？」

腕に異様な音が響く

アイヴィス「こ、この音は！！腕にヒビの入った音だ！！」

そして

その瞬間電撃がベクトを襲う

ベクト「うぐぁぁっ！！？」
LP2800→2300

アイヴィス「ベクトさぁぁん！！」

シャウロン「…そして『相手はそのモンスターが存在する限り、フィールドでモンスター効果を発動することはできない』」

アイヴィス「何だって！？」

シャウロン「それだけじゃあねぇ…ヘッドクラッシャーの効果発動！！『1ターンに1度相手モンスターを１体選択する、そのモンスターはエンドフェイズ時まで攻撃力が０になり、戦闘、カードの効果では破壊されない』」

シャウロン「俺様はヴェノム・キーヴルを選択！」


ヴェノム・キーヴル
攻撃力3000→0

アイヴィス「なっ！！これでは！！いくら攻撃力3000のデスヒルドワインダーがいるとしてもそれを無視してヴェノム・キーヴルを攻撃される！！」

シャウロン「そして…永続魔法『拷問悪魔(トーチャーズデーモン)の嗜み』を発動『このカードが存在する限りお互いに発生する戦闘ダメージは全て0となりお互い相手モンスターと戦闘する時相手に500ポイントのダメージを与える』」

アイヴィス「なっ！？まてよ…ブローズン・ブルはフィールドに存在する限り自身への効果ダメージを0にする…それじゃあ効果ダメージを受けるのはベクトさんだけ…？」

シャウロン「まぁ…それでもてめぇが俺様を攻撃できればの話だがなぁ…」

アイヴィス「なんだと！？」

シャウロン「そこの人間は俺様にはもう二度と攻撃できねぇって事だよカスが！」

シャウロン「俺はブローズン・ブルを攻撃表示に変更し！ヴェノム・キーヴルを攻撃！！」

シャウロン「そして拷問悪魔(トーチャーズデーモン)の嗜みの効果で戦闘ダメージは0！だがてめぇに500ポイントのダメージを与える！！」

ｷﾞｭﾙﾙｯ‼ﾊﾞｷﾝｯ!!

ベクトの体が後方へ吹き飛ぶ

ベクト「ぐぁぁぅ！！！」
LP2300→1800

シャウロン「まだ始まったばかりだぜ！！ガローテでヴェノム・キーヴルを攻撃！！」

ｽﾞﾄﾞﾝｯ!!

ベクト「う…ぐぁぁぁっ！！」
LP1800→1300

アイヴィス「ベクトさん！！っ！！シャウロン！貴様！！何故こんな回りくどいことを！！貴様のヘッドクラッシャーの効果を使用すればモンスターの攻撃でデュエルを終わらせることが出来るはずっ！！何故…！！」

シャウロン「言っただろう…？俺は人が悲痛に叫ぶ声が好きなんだ…」ﾆﾔｯ

アイヴィス「っ！！」ｿﾞｸｯ

シャウロン「俺様はデュエルを簡単に終わらせる気はねぇ…だが負けるつもりも毛頭ねぇ…ならどうするか？痛め付けりゃあいいんだよ…俺のデッキは俺様の拷問悪魔(トーチャーズデーモン)はそういう奴らさ」

シャウロン「敵が苦しみ、泣き叫び…『許してください』と叫んでもなぶり続ける…それこそが俺様の生きる喜び！！てめぇらグズ供をボロボロになるまで磨り潰すことこそが俺の『美学』！！」

アイヴィス「く、狂ってやがる…」

シャウロン「だからよぉ！人間！！そろそろ苦痛で叫べよ！！『助けてください』ってなぁ！！」

ベクト「…断る」

シャウロン「あ？」

アイヴィス「…ベクトさん」

ベクト「断ると言っているんだ！！このクソ野郎！！俺は諦めないし折れもしない！！それが！！」

ﾄﾞﾝｯ ベクトは己の胸を叩くそして折れてしまったであろう右手には一騎とお揃いのお守りが握りしめられていた

ベクト「俺の『誇り』だからだ！！『覚悟』だからだ！！人は『覚悟』を捨てた時『誇り』が無くなる！！俺はそんな事はしない！！それが俺の『美学』だ！！」

シャウロン「…てめぇ…てめぇもあの女のように諦めてねぇうざってぇ目をしてやがる…だったらよぉ…こいつはどうだぁ！！！ディザスターボルトでヴェノム・キーヴルを攻撃！！」

ｷﾞｬｨｨﾝｯ!!

ﾌﾞﾂﾝｯ!! ベクトの右腕が吹き飛ぶ 鮮血が吹き出しベクトが苦悶の表情を浮かべる

ベクト「ぐぅっ…ぬぅっ！！」
LP1300→800

アイヴィス「ベクトさん！！？」

ﾌﾞｼｭｩｩ…切断面から血が吹き出る

ベクト「っ！！」

シャウロン「ひゃっひゃっひゃっ！！流石に顔が歪んでんじゃねぇか！！いいねぇ！いいねぇー！！そういう顔が見たかったんだよ…あん？」

ベクト「…」ｷﾞﾗｯ

ベクトの目は死んでいない、諦めていない

むしろ逆に燃えたぎるようにシャウロンを睨み付ける

シャウロン「…ちっ…なんだてめぇは…なんだってんだよ！てめぇ！！」

ベクト「この程度…どうということはないっ！…腕が無くなることで俺の心が折れるということはないっ！！」

シャウロン「おもしれぇ…だったら試してやるよぉ！！やれ！！ヘッドクラッシャー！！」

ｽﾞｷﾞｬﾝｯ!!

ベクトの左胸に大きな風穴ができる程の威力

そしてそのままベクトは後ろへ吹き飛んだ

ベクト「がっ…はっ…！！」
LP800→300

シャウロン「どうだぁ！？こいつで呼吸も危うくなってんだろおぉ！？」

ベクト「ｺﾋｭ…ｺﾋｭ…あ…ああ…そのようだな…だが…」ｸﾞｯ

シャウロン「っ…な、なにっ！？」

ベクトは立ち上がる、そして血を流し鋭い眼光だけシャウロンを貫く

アイヴィス「ベクトさん！！！もういい！よせ！！それ以上はっ！！」

ベクト「っ…く…ぐぅ…諦めねぇよ…絶対によぉ…こ…こで…諦める訳には…いかねぇ」

シャウロン「て…てめぇ…」

シャウロン(こいつ…さっきの女以上だっ！なんて執念だっ！！ムカつくぜ野郎！！)

シャウロン「だがよぉ！てめぇ分かってんのか！？次のてめぇのメインフェイズ！てめぇはガローテの効果によりてめぇは500ポイントのダメージを受ける！！どのみちてめぇは終わりなんだよぉ！！」

ベクト「…なぁ…シャウロン…お前はこの遺跡…なんだと思う？」

シャウロン「あ？」

ベクト「最初…俺はこの遺跡をお前を祀る場所だと聞いた…そう思っただが実際は罠が仕掛けてあったり無駄に長い道のりだったり」

シャウロン「…だからどうした…」

ベクト「エナ・リゾナンス…その人物はファラリスを…いや『お前』を警戒してこの場所を作ったとしたら？俺はそう考えた」

アイヴィス「…なんだって？」

ベクト「つまり…ここはシャウロン…お前を逃さないための物…そして」

ｺﾞｺﾞｺﾞｯ 突如遺跡全体が震え始める

シャウロン「な、なんだ！！？」

ベクト「この場所はソロモンズが奪われた瞬間…この遺跡は崩れ去る…シャウロン…お前を逃さないためになっ！！」

シャウロン「何だと！？」

アイヴィス「くっ…！！どんどん崩れていくぞ！！…ベクトさん！」

ベクト「…アイヴィス…伝えてくれ…」

アイヴィス「な、何を言って…！」

ベクト「…もうこの場所は持たない…だから…一騎…クーデリカに伝えてくれ…始まりのソロモンズは絶対に揃わせない…と」

アイヴィス「べ…ベクトさん！！そんなっ！！」

ベクト「だからっ！！はやくいけっ！！もう！！ここは持たねぇ！！俺の体ももうだめだ！！だからっ！！」

ｽﾞｶﾞｶﾞｧﾝ!!

ベクトとアイヴィスの間に岩盤が落ちてきて遮られる

アイヴィス「ベクトさんっ！！く…くそ…分かりました！何としても逃げきって見せます！！」

ベクト「…」

その声を聞いて安堵する

シャウロン「っざけんじゃねぇ！！俺はこんなところで消えてたまるかよ！！俺様の計画の邪魔はさせねぇ！」

ﾊﾞｯ シャウロンがデュエルを放棄しこの場から逃げ出そうとしたその時

ｶﾞｼｯ

シャウロン「なっ！？」

ヴェノム・キーヴルの尾がシャウロンの腕に巻き付く

ベクト「逃がすわけねぇだろ…シャウロン」

シャウロン「て、てめぇ！！！」

ベクト「…」

ベクトはメーアの片腕を拾い上げる

ベクト(…悪いなメーア…デュエルでコイツに一矢報いる事は出来ねぇ…だが…)

ベクト「てめぇの敗因は…俺をすぐに始末しなかった事だ…さっさと始末していればこれに巻き込まれずに済んだのによぉ」

シャウロン「く…くそがぁぁぁっ！！！」

ベクト「俺の…ターンっ！！」

手札1

ベクト「俺は…ガローテの効果によりフィールドにヴェノム・キーヴルが存在するため…500ポイントのダメージを受ける」
LP300→0

ベクト「…ヴェノム・キーヴル」

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗｯ…ヴェノム・キーヴルの肌が…体全体が朽ちていく

そして

ベクト「…てめぇもここで終わりだぜ…シャウロン！」

ｷｨｨﾝｯ

シャウロン「ふざけやがってぇぇぇ！！」

ｽﾞｶﾞｶﾞｧｧｧﾝｯ!!

朽ちたヴェノム・キーヴルが炸裂する

それは巨大な爆発となり辺りを吹き飛ばす。

ｺﾞｵｫｫﾝｯ…その音はその場から離れていたアイヴィスの耳にも届いていた

アイヴィス「っ！！ベクトさん…！！」

…

ﾋﾟｷｯ

一騎「…！」

クーデリカ「一騎？」

一騎「…これ」

一騎が握っていたお守りにヒビが入る

クーデリカ「それ…ベクトからもらったやつ？」

一騎「ああ…貰ったばかりなのに…ヒビが…」

一騎の表情が曇る

クーデリカ「…一騎？」

一騎「ベクト…」


…


ピラミッド遺跡は完全に崩壊していた、無惨にも瓦礫だらけとなったその場所に１つの人影があった

シャウロン「はぁ…はぁ…くそっ！！あの野郎…！最後の最後に面倒なことをっ！お陰で死にかけたぜっ！！」

そこにはボロボロのシャウロンの姿

シャウロン「…だがまぁいい…始まりのソロモンズは手に入った…ケケケッ後は他の奴等だけだな…」


…

ヴァイス「おい、お前」

ライト「俺はライトだ」

ヴァイス「…ライト、お前は怪盗をやっていたんだよな？」

ライト「ああ、そうだ」

ヴァイス「だったらこの遺跡のどこに始まりのソロモンズがあるか分かるか？」

ライト「すまないが俺の怪盗家業をトレジャーハンターと同じにしないでくれたまえ…分かるわけないだろう」

ヴァイス「…だよなぁ」

ライト「だが探さねばなるまいだろう…一騎達のために」

ヴァイス「…それもそうだ…いっちょやるか」

ライト「ああ！」

…

続く

次回


一騎「ライトとヴァイス…彼らの前に現れたのは七賢者シリウス…シリウスの過去を見た二人はシリウスにデュエルを挑む」

ヴァイス「てめぇが七賢者か！！おもしれぇ！ぶったおしてやるぜ！！」

ライト「ソロモンズは渡さないよ！！」

一騎「次回『軍神の戦い』一気に駆け上がれ！」