第106話 処刑王の闇　作：こんにゃく

鎧の男「貴様は知る必要があるのだ」
手札1

LP4000

マルバストロス
攻撃力3000

セットカード1枚


ベクト「ああ！知ってやるよ！そして始まりのソロモンズは俺達が受け取る！！」
LP2800

手札1

メーア「い、今のは一体…」

アイヴィス「彼が…処刑王シャウロン」

ベクト「っ！お前達にも見えたのか！？」

メーア「あ、ああ…だが…何故やつの記憶を…？」

アイヴィス「俺達…もとおいベクトさんは知らなければないとは…一体何故…」

メーア「だが…奴を倒さなければ始まりのソロモンズは手に入らない…やるべこことはただひとつ…デュエルで奴を倒すのみ」

ベクト「いくぜっ！俺のターン！」
手札2

ベクト「俺は墓地に送られたベルフェルト・ヴァイパーの効果を発動！『シンクロ召喚したこのモンスターが破壊され墓地に存在する時、このモンスターを除外することでエクストラデッキからこのモンスター以外のレベル8以下の時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)モンスター１体を特殊召喚する！』 」

ベクト「俺が特殊召喚するのは『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) デス・アダー』！！」


デス・アダー
レベル6/光属性/爬虫類族/シンクロ
攻2000/守1500

ベクト「時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)を特殊召喚した事によりヘヴィ・レインにカウンターが１つ乗る！」

ヘヴィ・レイン
カウンター 4→5

ベクト「そして手札から『時空間蛇(タイムスペースシュラン スパーク・サーペント』を召喚！」


スパーク・サーペント
レベル2/光属性/爬虫類族/チューナー
攻撃力1000/守備力600


ベクト「俺はヘヴィ・ヘンジの効果により200ポイントのダメージを受けてカウンターを１つ乗せる！」
LP2800→2600

ベクト「俺は！レベル6のデス・アダーにレベル2のスパーク・サーペントをチューニング！！」

ベクト「空間絶後の波及から、流れに抗う、反逆の瞳！今現れよ！！シンクロ召喚！！レベル8！！『時空間蛇（タイムスペースシュランゲ）ドルフ・ランス』！」


時空間蛇（タイムスペースシュランゲ）ドルフ・ランス
レベル8/光属性/爬虫類族/シンクロ
攻2500/守2000


ｶﾞｼｯ‼地面がその握力で砕け散る。

ベクト「ドルフ・ランスのシンクロ召喚によりヘヴィ・レインに更にカウンターが乗り！そして！ドルフ・ランスの効果発動！『フィールド全ての表側表示のカードにシュランゲカウンターを乗せる！』」

ヘヴィ・レイン5→7

ヘヴィ・ヘンジ 1→2

マルバストロス 0→1

ベクト「そして！ドルフ・ランスは『相手フィールドのシュランゲカウンターを持つモンスター全てのこうげを半分にする効果を持つ！』」

マルバストロス
攻撃力3000→1500

ベクト「それだけじゃない！ヘヴィ・レインの効果でヘヴィ・レインを破壊しヘヴィ・レインのカウンターを全てのヘヴィ・ヘンジに移す！」

ヘヴィ・レイン 破壊

ヘヴィ・ヘンジ 2→9

メーア「ヘヴィ・ヘンジは効果による移動でカウンターが乗った場合自身にダメージを与える効果は発動しない…これで」

ベクト「俺は！ヘヴィ・ヘンジの効果を発動！『シュランゲカウンターを8つ取り除きデッキから『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) デスヒルドワインダー』を特殊召喚する』！！」

ベクト「時空を裂き空間を飲み込み君臨する蛇の王…今こそ現れよ！！時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)デスヒルドワインダー！！」


デスヒルドワインダー
レベル12/光属性/爬虫類族
攻撃力3000/守備力2000


アイヴィス「で、でかいっ！！」

その言葉通り巨大な蛇が降臨する。

ベクト「バトルだ！！ドルフ・ランスでマルバストロスを攻撃！！」

ベクト「ランス・サーペント！！」

ｷﾝｯ!!槍状となった光の束がマルバストロスに向かう

ドルフ・ランス
攻撃力2500
↓
マルバストロス
攻撃力1500

鎧の男「…むぅ」
LP4000→3000

ベクト「行け！！デスヒルドワインダーでダイレクトアタックだ！！」

ベクト「デスヒルド・アベンジ！！」

ﾄﾞﾝｯ!!

鎧の男「我はトラップを発動する…『ソロモンズ ダークリフレクト』このカードは『自分の墓地に存在する一桁ナンバーのソロモンズを１体選択し特殊召喚する』」

マルバストロス
攻撃力2500

ベクト「デスヒルドワインダーの更なる効果！！『相手がモンスターの特殊召喚をした時！そのモンスターを破壊しその攻撃力分のダメージを与える！！』」

鎧の男「ほう…だが特殊召喚されたソロモンズモンスターは『戦闘、効果で破壊されず、デッキからソロモンと名のつくカードを1枚手札に加える』」

ベクト「くっ！！」

鎧の男「我は『ソロモンズ エクスキューショナー』を手札に加える」

ベクト「だが！特殊召喚されたマルバストロスを俺は攻撃するぜ！！戦闘破壊できずともダメージは受けてもらう！！」

鎧の男「むぅ…」
LP3000→2500

ベクト「俺はカードを1枚セット！これでターンエンド！」
手札0

鎧の男「…」

ベクト「どうだ！！」

鎧の男「…」ﾌﾞﾜﾝｯ!!

ベクト「うおっ！？」

ベクトそしてメーア達は鎧の男から発せられたモヤに包まれる

メーア「くっ！！またかっ！！」

ベクト「記憶…シャウロンの記憶かっ！！！」

…


シャウロン「おい、リタ」

リタ「なぁに？シャウロン」

そこには再び１２歳程度のシャウロンとリタの姿があった

シャウロン「お前はこの国をどう思っている」

リタ「…どうって何？」

シャウロン「…だよなぁ…お前は…いや…ここに元々住んでる野郎共も皆…もうとっくに疑問なんか持っちゃいねぇ…」

リタ「シャウロンは…嫌なの？…この国が…」

シャウロン「嫌だね、最低の国に最低の人間共が集まってくる最低の場所だ」

リタ「…そっか」

シャウロン「…だけどよ…お前は違う」

リタ「え？」

シャウロン「…お前だけは変わるんじゃねぇ…例えあの糞ジジイに何を言われてもな」

リタ「だ、ダメだよシャウロン！実のお父さんを糞ジジイだなんて！」

シャウロン「…はっ俺は別に糞ジジイを『父さん』と言った覚えはないぞ？」

リタ「あっ…」

そしてシャウロンとリタは笑った

ベクト「…アイツらは仲が良かったのか…関係上は幼馴染みと言った所か」

そしてベクトの視界が真っ白になり場面が変わる

シャウロン「…！」バッ

シャウロンがベッドから飛び起きる

シャウロン「…夢…か」

アビス『…ほう…未だにその女に未練があるか』

シャウロン「…別に…てかてめぇは何時まで俺様に取り付いてるつもりだぁ？」

アビス『…貴様の力は我を経由して力を与えている…それが無くなっても良いというのならな』

シャウロン「ちっ…気に入らねぇな…だが…今は従ってやるよ…てめぇによぉ」

アビス『…そうか』

シャウロン「さてと…どうすっかなぁ…ジジイは死んでからこの国の実権は俺が持っていたわけだ…そろそろ囚人殺しにも飽きてきた頃だしなぁ」

シャウロン「いや…待てよ…ケケケッ良いことを思い付いたぞ…アビス」

アビス『なんだ』

シャウロン「おもしれぇ事を考えた…てめぇも協力しろ」

…

ベクト「！！…これは…」

鎧の男「…そうだ、シャウロンはアビスと結託をしそしてこの世界…デキレストに混沌をもたらすこととなる」

アイヴィス「混沌を…！！まさか…このデキレストの文明が1度滅びかけたあの出来事に何か関係がっ！！？」

鎧の男「そしてこのソロモンズこそシャウロンが使っていたソロモンズ！よってこのカードを突破することが出来ねば貴様はソロモンズの力に飲まれ精神が破壊されるだろう」

メーア「そのための番人と言ったところか」

鎧の男「そしてこの遺跡は再び復活した七賢者に対抗できる者を見つけ出すためにエナ・リゾナンスが作り出した遺跡だ」

ベクト「エナ・リゾナンスっ！？」

メーア「リゾナンスだと！！？」

アイヴィス「リゾナンスと言えばシンクリスの王の姓…まさか…そのエナという人物は…！！」

ベクト「シンクリス王…アレクサンダーの子孫って事だな…」

メーア「だがしかしっ！エナは何故この遺跡をっ！そしてファラリスが現れる事を知っていたのだっ！？」

鎧の男「それは我を打ち破ってからだ…我のターン！」

手札3

鎧の男「我は手札からソロモンズ エクスキューショナーを召喚」


ソロモンズエクスキューショナー
レベル4/闇属性/悪魔族
攻撃力400/守備力1800


鎧の男「エクスキューショナーの効果を発動し『フィールドのエクスキューショナーをリリースし自分フィールドのソロモンズモンスター１体を選択しそのモンスターに１ターンに1度、相手モンスターを破壊しそのモンスターの攻撃力分このモンスターの攻撃力をアップさせる効果を与える』」

鎧の男「そしてマルバストロスの効果となったため発動、相手モンスターを破壊しそしてそのモンスターの攻撃力をマルバストロスに加える」

鎧の男「破壊するのはデスヒルドワインダー」

デスヒルドワインダーは無惨にも破裂して消える

マルバストロス
攻撃力2500→5500

鎧の男「そしてマルバストロス自身の効果を発動１ターンに1度、相手モンスター１体を選択しそのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える、我が選択するのはドルフ・ランス」

ｷﾞｬﾝｯ!!

青い雷がベクトを貫く

ベクト「うぐぁぁっ！！！」
LP2800→300

メーア「ベクトっ！！」

鎧の男「…残念だベクトよ…貴様は惜しかった…ソロモンズを渡すにはいかない」

鎧の男「マルバストロスでドルフ・ランスを攻撃！ 」

マルバストロス
攻撃力5500

↓

ドルフ・ランス
攻撃力2500

鎧の男「止めだ！」

ベクト「トラップ発動！『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) スアロウ』発動！」

ベクト「このカードは『自分フィールドに時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)シンクロモンスターが存在する時、相手の攻撃を無効にし、無効にしたモンスターの攻撃力以下の自分墓地の時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)１体を選択し特殊召喚する』」

ベクト「俺が特殊召喚するのはデスヒルドワインダー！」


デスヒルドワインダー
攻撃力3000

鎧の男「…これを防ぐか」

ベクト「当たり前だ！ここで終われるわけがねぇ！！」

メーア「これで奴の攻撃を防ぎ次の攻撃への布石となった！」

アイヴィス「いや…だが…」

鎧の男「我はカードを2枚セットしてターンを終了」

手札0

鎧の男「流石だ…貴様ならば…」

ベクト「やってやる！！俺がこの手で必ずソロモンズを手にいれて見せる！！俺のターン！！」

手札1

ベクト「来たぜ…俺はデスヒルドワインダーの効果発動！『自身のライフが1000以下の時、このモンスターの攻撃力を墓地の爬虫類族の数だけ1000ポイントアップする！』」

デスヒルドワインダーに蛇の幻影が現れ取り込まれていく

ﾋﾟｷﾋﾟｷｯデスヒルドワインダーの頭が増えていく

デスヒルドワインダー
攻撃力3000→9000

ベクト「行くぜ！！バトルだ！！デスヒルドワインダーでマルバストロスを攻撃！！ 」

ベクト「デスヒルド・アベンジ！！」

デスヒルドワインダー
攻撃力9000

↓

マルバストロス
攻撃力5500

鎧の男「トラップ発動！『ソロモンズライトリフレクター』を発動『フィールドの一桁ナンバーのソロモンズ１体を選択しそのモンスターは相手の攻撃またはモンスター効果対象となった時相手モンスターを破壊し相手に500ポイントのダメージを与える』」

鎧の男「今度こそこれで終わりだなベクトよ」

ベクト「いいや終わりじゃねぇぜ…一騎なら諦めねぇし…その為の策を打っている…俺もソイツにやられたんでな…！！」

ベクト「そして！ソイツを俺は学んだ！！対策も諦めない心もな！！俺は手札の『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) トラップ・イーター』の効果発動！！ 」

ベクト「こいつは『相手がマジック・トラップを発動した時、その発動を無効にし破壊！そして手札のコイツを特殊召喚する』」


トラップ・イーター
レベル2/光属性/爬虫類族/チューナー
攻撃力200/守備力500


ﾊﾞｸﾝｯ トラップイーターが巨大な口を開きトラップを丸ごと食らう

鎧の男「ならばもう一つのトラップ『ソロモンズブラックレイ』を発動『自分フィールドのソロモンズモンスターが存在する時、墓地のソロモンズと名のつくマジック・トラップカードを1枚選択しそのカードの効果を発動する』」

鎧の男「我が発動するのはライトリフレクター…よってもう一度デスヒルドワインダーを破壊し500ポイントのダメージをベクト…貴様に与える」

アイヴィス「これでは…！！ベクトさんは！結局！！」

ベクト「俺はトラップ・イーターの効果発動！！『このカードがこの効果で特殊召喚に成功した時！このカードを使用してシンクロ召喚を行うことができる！！』」

アイヴィス「バトルフェイズにシンクロ召喚！！？」

ベクト「俺は！レベル8のドルフ・ランスにレベル2のトラップ・イーターをチューニング！！」

ベクト「空間を震わす大蛇よ、その二色の眼で敵を貫き圧殺せよ！！シンクロ召喚！！レベル10！！『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) アンブリッツ・サーペント』！！」


アンブリッツ・サーペント
レベル10/光属性/爬虫類族/シンクロ
攻撃力2000/守備力1500


ｷﾞｭｫｫﾝｯ!!空間と空間がいくつも裂けてそこから胴体や頭が裂け目から現れる

ベクト「そして！アンブリッツ・サーペントが『表側表示で存在する限りこのモンスターのコントローラーにダメージを与える効果が発動した時、そのダメージは全て相手に与える！』」

ﾊﾞｷﾝｯ!!

デスヒルドワインダーは破壊される、しかし

鎧の男「むぅ！？」
LP2000

メーア「よしっ！奴のトラップを全て乗り切った！！」

アイヴィス「しかしっ！！まだ奴のフィールドには始まりのソロモンズ！マルバストロスが！！」

ベクト「ソイツを越えてこそ！真のデュエリストだぜ！！『アンブリッツ・ーサーペントは時空間蛇(タイムスペースシュランゲ)シンクロモンスターを素材としている場合、相手モンスターと戦闘を行うときこのカードの攻撃力は戦闘を行うモンスターの攻撃力分アップする！』」

ベクト「よって！アンブリッツ・サーペントはマルバストロスの攻撃力5500ポイント分アップする！」

アンブリッツ・サーペント
攻撃力2000→7500

ベクト「行け！！アンブリッツ・サーペント！！」

ベクト「ブリッツ・ショック・ヴァイパー！！！」

ﾊﾞﾝｯ!! アンブリッツ・サーペント光速の噛みつきでマルバストロスを砕く

鎧の男「むぉぉぉっ！！？」
LP2000→0

鎧の男は後方へと吹き飛ぶ

ｽﾞｽﾞﾝｯ…

ベクト「…よし、俺の勝ちだ」

鎧の男「…よくぞ我を打ち倒した」

ﾎﾜｧ… 1つのカードがベクト達の前にフワリと降り立つ

鎧の男「それが始まりのソロモンズだ」

メーアが始まりのソロモンズを手に取る

メーア「ベクト！よくやったな！」

ベクト「俺もこれで一騎達の役に立った…ようだな…ところで番人…さっきの話なんだが…どうしてエナ・リゾナンスは始まりのソロモンズを…？」

鎧の男「そうであったな…それは…」

アイヴィス「！！」ﾊﾞｯ

その時だった、一瞬で鎧の男が何かで切断される

鎧の男「むぅっ！？…ぐぅ…」

ｽﾞｶﾞﾝｯ…

そのまま鎧の男が崩れ去る

そして

シャウロン「おい、てめぇら…始まりのソロモンズを渡してもらおうか」

ベクト「お前は…シャウロン！！」

シャウロン「…なるほどな…」

ジロリとシャウロンが三人を見る

鎧の男「ぐ…シャウロン…よ…」ｸﾞｼｬｯ

鎧の男の頭をシャウロンが叩き潰す

シャウロン「俺様…実はこの遺跡で面白いものを見つけてよぉ…」

ﾋﾞｭﾝｯ!! 瞬間シャウロンから尖ったナイフが放たれる

メーア「ベクト！！アイヴィス！！」ﾄﾞｯ

メーアが二人を吹き飛ばす

ﾄﾞｽｯﾄﾞｽｯとメーアにナイフが突き刺さる

メーア「ぐっ！！」

ベクト「メーア！！」

シャウロン「へ…かかったな…」ﾆﾔｯ

ｶﾞｺﾝｯシャウロンが何やらスイッチを押すとベクトとアイヴィスの足下が突然開く

アイヴィス「なっ！？」

ベクト「なにっ！！？」

そのままベクトとアイヴィスはその穴に落ちていく

ベクト「め、メーアァァ！！！」

メーア「っ！！貴様っ！！」

シャウロン「…てめぇが始まりのソロモンズを持っているんだろう？女…」

メーア「だったらどうしたというのだ！！」

シャウロン「…ソイツを渡して貰おうか」

メーア「…嫌だと言ったら？」

シャウロン「ケケケッ良いねぇ…俺はそういう強気な女、子供が好きでねぇ…そういうやつが泣き叫ぶ所を…見るのがよぉ本当に好きでねぇ！！」ﾌﾞﾜｯ

メーア「っ！！」

凄まじいオーラがシャウロンから迸る

シャウロン「来いよ、相手してやる…」

メーア「…このソロモンズは絶対に渡さんぞ…ファラリスっ！！」

…

ベクト「うぉぉぉっ！！？」

アイヴィス「ぐぁっ！？」

ﾄﾞﾎﾞﾝｯ!! 地下の水が溜まった場所へと落とされた二人

ベクト「くっ！！なんだ！！ここは！！」ｻﾞﾊﾞﾝｯ

アイヴィス「罠…と言っても簡易的だ…俺達を殺すような物ではないな…」ｻﾞﾊﾞﾝｯ

ベクト「それじゃあ出られるのか！？」

アイヴィス「ああ…だが…メーアさんの元へと戻るとなると…」

ベクト「くっ！！のんびりしてられねぇ！！相手はファラリス！！それに…」

アイヴィス「処刑王…シャウロン」

ベクト「急がねぇと…メーアがあぶねぇ！！」

アイヴィス「ベクトさん！こっちから出られそうです！」

ベクト「！よくやった！！急ぐぞ！」

…


その頃

一騎「…」

一騎は窓の外を見ていた

クーデリカ「一騎…どうしたの？」

一騎「いや…なんだろう…」ｷﾞｭｯ

一騎がベクトから貰ったお守りを握る

一騎「…何か嫌な予感がする」


…

ベクト「はぁ…はぁ…くそっ！！」

アイヴィス「落ち着いてください！…もうすぐ着きますから！」

そしてベクト達の視界が狭苦しい通路から一気に広くなる

そして

ベクト「はぁ…はぁ…」

そこには

シャウロン「あ？随分と早かったじゃねぇか」

ベクト「お…おい…メーアは何処だ」

シャウロン「あ？メーア？…ああ『こいつ』の事か」ﾎﾟｲｯ

ﾎﾞﾄｯ

それは手、手首より上の部分

元は女性の手であったであろうそれはもはや人ではなく物体となっていた

シャウロン「ったくよぉ俺様は悲鳴や苦痛に歪む顔が見たかったのによぉこの女はシラけちまったぜ…全くそんな顔すらしなかった…逆に死ぬ間際までその目に闘志を灯していた…くそイラつく女だったぜ」

ベクト「…」

ベクトはその手を持つ

シャウロン「まぁ…俺様はこの始まりのソロモンズが手に入ったからもうその物はどうでもいいぜ…てめぇにやるよ」

ﾌﾟｯﾂﾝ

ベクト「…シャウロン…てめぇ」

シャウロン「あ？」

ベクト「…この遺跡でてめぇの過去を見たぜ…てめぇもてめぇで壮絶な過去があったようだな…」

シャウロン「…」

ベクト「…だがよぉ…もう『同情』なんて言葉は必要ねぇよなぁ…！！『情け』だとか『共感』だとかそんなもんてめぇに掛ける必要ねぇよなぁ！！！」

ベクト「今の俺はそれくらいキレてるぜ！！てめぇをこの手でぶっ飛ばさねぇと気がすまねぇ！！！」

シャウロン「『情け』…？『同情』…？舐めてんのかてめぇはよぉ！！この俺様にそんなものを掛けるなんてバカなんじゃねぇのかてめぇは！？」

ベクト「だったら話しは早ぇ！！この俺とデュエルしろぉ！！シャウロン！！！」

アイヴィス「ベクトさん！？」

ベクト「てめぇは黙ってろアイヴィス…俺は今頭にきてるんだぜ…それに奴に始まりのソロモンズを奪われてる…だったらここで叩きのめしても文句は言われねぇだろ」

アイヴィス「しかしっ！！」

ベクト「手出しは無用だぜアイヴィス…こいつの相手はこの俺だ」

シャウロン「はっ…良いぜ…てめぇのその面を叩きのめしたくなってきた…このデュエル…受けてやるよカスが…！！」

ベクト・シャウロン「デュエル！！」
LP4000

シャウロン「俺様は優しいからなてめぇにターンを譲ってやるよ」

ベクト「その余裕…何時まで持つか！！！俺のターン！！」

手札5

ベクト「俺は！手札から永続魔法『ヘヴィ・タワー』を発動！」

ｽﾞｶﾞﾝｯ!蛇の形をした細長い物体が地中から出現する

ベクト「俺はフィールドに永続魔法が存在するとき手札から『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) ライトヴァイパー』を特殊召喚！！」


ライトヴァイパー
レベル2/光属性/爬虫類族
攻撃力1400/守備力700


ベクト「ライトヴァイパーが特殊召喚に成功した時、デッキからフィールドの永続魔法の数だけライトヴァイパーを特殊召喚する！」

ライトヴァイパー
レベル2/光属性/爬虫類族
攻撃力1400/守備力700


ベクト「更に！永続魔法、ヘヴィ・タワーの効果発動！『フィールドの爬虫類族モンスター1体につき500ポイントライフを払うことでデッキからヘヴィ・ヘンジをフィールドに発動しシュランゲカウンターを１体に付き1つ乗せる！』」

ヘヴィ・ヘンジ
カウンター 0→2

ベクト「ぐぉぉっ！！！」
LP4000→3000

ベクトに電撃が走る

ベクト「っ！！」

シャウロン「おいおい…自分で自分を痛め付けるなよ…俺様の楽しみがなくなるぜ…」

ｼﾞｭﾙﾘと舌舐めずりをして相手を挑発する

ベクト「お前の趣味嗜好なんてどうでもいい…俺は手札から『時空間蛇(タイムスペースシュランゲ) ファルデランス』を召喚！」


ファルデランス
レベル2/光属性/爬虫類族/チューナー
攻撃力1600/守備力800


ベクト「通常召喚に成功したことによりヘヴィ・ヘンジの効果により俺は200のダメージを受けてシュランゲカウンターを１つ乗せる！」
LP3000→2800

ヘヴィ・ヘンジ
カウンター 2→3

ベクト「俺は！レベル2のライトヴァイパー2体にレベル2のファルデランスをチューニング！！」

ベクト「時空を這い廻る毒持つ大蛇よ、裂け目から這い出て全てを喰らえ！シンクロ召喚！！現れよ！！『時空間蛇（タイムスペースシュランゲ）デス・アダー』！！」


デス・アダー
レベル6/光属性/爬虫類族/シンクロ
攻撃力2000/守備力1000


ベクト「デス・アダーは『自身のライフが相手よりも低い時、その攻撃力をその数値だけアップさせる！』」

デス・アダー
攻撃力2000→3200

シャウロン「ほう…その為のダメージって事か」

ベクト「俺は！カードを1枚セット！これでターンエンド！」
手札1

ベクト「さぁ…てめぇのターンだぜ…シャウロン！！」

シャウロン「言われなくてもやらせてもらうぜ…俺様のターン！ 」
手札6

シャウロン「ケケッ俺様手札から『拷問悪魔(トーチャーズデーモン)の技師』を召喚！」


技師
レベル4/悪魔族/闇属性
攻撃力1500/守備力1700


ｶﾝｯ ハンマーやノコギリなど様々な工具をもった悪魔が現れる

シャウロン「そしてコイツの効果で『コイツ自身をリリースし…デッキから拷問悪魔(トーチャーズデーモン)儀式魔法カードを1枚手札に加える』」

シャウロン「俺は『拷問悪魔(トーチャーズデーモン)の降誕製作』を手札に加え…発動！」

シャウロン「俺は手札のレベル8『拷問悪魔(トーチャーズデーモン) ヘッドクラッシャー』を墓地に送り…」

ｶﾞｶﾞｶﾞｯ!! 巨大な鉄の箱が出現する

そして

ﾎﾞｯﾎﾞｯﾎﾞﾎﾞﾎﾞ

炎が周囲に出現する

シャウロン「儀式を執り行う！！」

シャウロン「相手を閉じ込め、血塗られた歴史を持つ鋼鉄の仮面を持つ者よ…今この場を赤く染め魂を食らえ！！儀式召喚！レベル7！！『拷問悪魔(トーチャーズデーモン) アイアンメイデン』！！！」


アイアンメイデン
レベル7/闇属性/悪魔族/儀式
攻撃力2000/守備力1500


ｶﾞｺﾝｯ 鉄の箱の前方が倒れる、そして中から鉄の棺桶のような物が出現する

ベクト「これが…シャウロンの…デッキっ！！」

アイヴィス「儀式主体のデッキかっ！！」

シャウロン「さぁて…人間…楽に逝けると思うなよ…？」



続く

次回

ベクト「俺はっ…どんな事があっても…諦めないっ！！」

シャウロン「その余裕何時まで持つかなぁ！！！あっひゃっひゃっひゃ！！」

ベクト「一騎…クーデリカ…皆…俺が…必ずソロモンズをっ！！」

一騎「次回『猛け朽ちる龍』一気に駆け上がれ！！」