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遊☆戯☆王V☆S(ファイブスター)/Episode47:刻まれた記憶の欠片 作:カズ

*TURN01
「私から先攻でいくわ!まずは魔法カード『テラ・フォーミング』を発動し、デッキから『希望卿-オノマトピア-』を手札に加え、そのまま発動!そして『ガガガマジシャン』を召喚!さらに、自分フィールドに『ガガガ』と名のついたモンスターが存在することで、手札から『ガガガキッド』を特殊召喚できるの!」


○希望卿-オノマトピア- (フィールド魔法)
①:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分フィールドに「希望皇ホープ」モンスターが特殊召喚される度に、このカードにかっとビングカウンターを1つ置く。②:自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、このカードのかっとビングカウンターの数×200ポイントアップする。③:1ターンに1度、このカードのかっとビングカウンターを2つ取り除いて発動できる。デッキから「ズババ」、「ガガガ」、「ゴゴゴ」、「ドドド」
モンスターの内いずれか1体を特殊召喚する。

〇ガガガキッド(Lv2 闇)
魔法使い族/効果
攻 800/守1200
自分フィールド上に「ガガガキッド」以外の「ガガガ」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。この方法で特殊召喚に成功した時、自分フィールド上の「ガガガ」と名のついたモンスター1体を選択し、このカードのレベルを選択したモンスターと同じレベルにする事ができる。この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

 希のデッキには「ガガガ」の他に「ゴゴゴ」をカード名に含むモンスターを多く入れており、それらをうまく使いランク4のエクシーズモンスターを特殊召喚することに特化している。現在の環境ではランク4のモンスターは召喚条件の緩さと反比例するほどに強力なものが揃っているが、彼女は「ある1体」に拘っており、エクストラデッキのランク4もその1種類しか入れていない。

「『ガガガキッド』は、自身の効果によって『ガガガマジシャン』と同じレベル4になっているの!そして、この2体でオーバーレイ!私の戦いは、今ここから始まる。真白き翼に望みを乗せて!エクシーズ召喚!!ランク4『No.39 希望皇ホープ』!!」


 「ホープ」。それは彼女自身の象徴であり、彼女と親友を繋げるキーである。幼少期からこのカードを使い続けていた彼女にとって、このカードは皆との思い出でもあるのだ。

(皆はよく分からない力に操られていても、このカードのことは覚えているはず。だったら、皆が元に戻るまで、このカードを使うしかない!)
「ホープが特殊召喚されたことで、オノマトピアにかっとビングカウンターを1つ置くよ。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」

NOZOMI→LP:8000 手札:1 デッキ:34 Mゾーン:1 M・Tゾーン:1 Fゾーン:1 Pゾーン:0



*TURN02
(やはり最初に出したモンスターはホープでしたか。過去の黒羽凛との対戦データを基にすれば想定内の範囲ですが、今の彼女にはSNo.があります。その分だけ、こちらには情報がありませんが問題はありません)
「私のターン!手札から『ゴブリンドバーグ』を召喚。そして効果を使い、手札から『ゴゴゴゴーレム』を特殊召喚!」

 Zの使用しているデッキはこれだけでは判断材料が少ないが、希と同様にランク4のモンスターを呼び出すことに秀でたものになっているだろう。

「私は、レベル4のモンスター2体でオーバーレイ!絶望を呼び起こし、世界を闇へと引きずり込め!エクシーズ召喚!!ランク4『No.98 絶望皇ホープレス』!!」

 白を基調とするカラーリングのホープとは対照的に黒を基調としているホープレスは、この世界に残されている希望を根こそぎ奪い尽くすかのように翼を広げ、希の前に立ちふさがった。

「やっぱり来た。けど、守備表示なら私にダメージを与えることは出来ない!臆病者の使うカードなんか、すぐに破壊してあげる!」
「威勢だけはいいようで。私はこれでターンを終了します」

Z→LP:8000 手札:4 デッキ:34 Mゾーン:1 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0


*TURN03
「うららちゃん、小町ちゃん、カレンちゃん!私のホープを見て!このカードは、私がデュエルを始めてから一番大切にしてきたカード。皆は分かっていると思うけど、このカードを使わなかったデュエルをしたことは一度も無いの!」

 洗脳された3人の親友に呼びかけるように訴えるも、彼女らは一向に耳を傾けようとはせずZのフィールドだけを見つめている。今の希のデュエルでは彼女らに想いが届いていないとでも言うのだろうか。

(さすがにまだ届かないか。けど、諦めなければ絶対に届く!)
「私はフィールドのホープ1体で、オーバーレイネットワークを再構築!混沌を光に変える使者よ、今こそ現れよ!カオスエクシーズ・チェンジ!!『CNo.39 希望皇ホープレイ』!」

 このカードも、希がピンチの時になると必ずと言ってもいいほどの頻度で召喚されるモンスターだ。当然、うらら、小町、カレンも昔、そのパターンを何度も経験していた。しかし今回は話が違う。ホープレイの真価が発揮されるのはライフポイントが1000以下になった場合のみであり、こんな序盤から展開するようなカードではない。むしろ重要なのはこの次だ。

「私はランク4のホープレイで、オーバーレイネットワークを再構築!暗闇の中でも煌めく一筋の光。希望と希望が重なり合い、真なる輝きを世に放つ!シャイニングエクシーズ・チェンジ!降誕せよ!ランク5!『SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング』!!」

 ホープレイを先に召喚したのは、このカードへの布石。一度ホープレイを経由してこのカードを呼び出せば、ライトニングはオーバーレイユニットを4つ所持した状態で相手に勝負を仕掛けることが出来るのだ。しかもフィールド魔法にカウンターをより多く蓄積させることも可能となり、モンスターの攻撃力と守備力の底上げも助けてくれるのだ。
 ライトニングが召喚された途端、うらら達は一斉に希のフィールドを凝視した。このカードならびに『SNo.39 希望皇ホープONE』は、凛とのアクションデュエルのあとに初めて創られたもの。それ以降に希とデュエルをしなかったうらら達は当然このカードを見るのも初めてであり、効果も知らない。その様子を見ていたZは感嘆の声を漏らした。

「ほう。まさかあなたのフィールドに彼女たちが目を奪われるとは。これもSNo.の力でしょうか」
「かもしれない。けど、皆を取り戻すまで戦い抜くって決めたの!!『希望卿-オノマトピア-』の効果発動!かっとビングカウンターを2つ使い、デッキから『ゴゴゴゴーレム』を守備表示で特殊召喚!」
(ホープレスの効果はさっぱり分からないけど、ライトニングなら効果を発動させずに突破できる!)
「バトル!ホープ・ザ・ライトニングでホープレスを攻撃!ホープ剣ライトニング・スラッシュ!!この瞬間、ライトニングの効果発動!」

 現在のライトニングとホープレスの攻撃力と守備力は2500で互角だが、ライトニングは自らのオーバーレイユニットを2つ使うことで攻撃力を5000に変化させる効果を持っている。しかもライトニングの攻撃が終了するまで、相手は一切のカード効果を封じられる。
 Zはホープレスを破壊されたにもかかわらず、泰然とした態度を取っている。それが希には引っかかったのか、思いっきり顔をしかめた。

「私はこれでターンエンド!」
(ホープレスを破壊されてもあの余裕。何を企んでいるの?)

NOZOMI→LP:8000 手札:2 デッキ:32 Mゾーン:2 M・Tゾーン:1 Fゾーン:1 Pゾーン:0



*TURN04
「では、絶望の真の力を見せてあげましょう!私のターン、ドロー!墓地から『No.98 絶望皇ホープレス』の効果発動!」
「墓地からのモンスター効果?!」
「そうです。ホープレスは墓地に存在することで初めて真価を発揮します。特に、貴方が相手なら尚更にね」

 するとどうしたことか、戦闘に於いて無敵に近い効果を持つライトニングが無数の黒い触手に絡みつかれ、そのまま地面に引きずり込まれてしまった。そして、絶望の皇は再びZの下に舞い戻った。
 ホープレスの効果は「自らを墓地から復活させ、フィールドの『希望皇ホープ』モンスターをオーバーレイユニットにする」もの。対象とする『希望皇ホープ』モンスターは相手フィールドのものでも問題なく、希のように【希望皇ホープ】を扱うデュエリストにはかなり痛手となる。ホープ・ザ・ライトニングは戦闘に関しては最強クラスのシンクロモンスター、『シューティング・クェーサー・ドラゴン』であっても効果を発動できずに倒すことが出来る。仮にクェーサー・ドラゴンがライトニングに破壊された場合、『シューティング・スター・ドラゴン』を召喚できずに終わってしまう。これほど強力なモンスターだが、破壊耐性などは皆無なので、ホープレスの効果には引っかかってしまうのだ。


〇シューティング・クェーサー・ドラゴン(Lv12 光)
ドラゴン族/シンクロ/効果
攻4000/守4000
シンクロモンスターのチューナー1体+チューナー以外のシンクロモンスター2体以上
このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。このカードはこのカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にし、破壊する事ができる。このカードがフィールド上から離れた時、「シューティング・スター・ドラゴン」1体をエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。

〇シューティング・スター・ドラゴン(Lv10 風)
ドラゴン族/シンクロ/効果
攻3300/守2500
シンクロモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」
以下の効果をそれぞれ1ターンに1度ずつ使用できる。●自分のデッキの上からカードを5枚めくる。このターンこのカードはその中のチューナーの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。●フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、その効果を無効にし破壊する事ができる。●相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。


「そんな!ライトニングが奪われちゃった!これが、ホープレスの効果なの?!」
「そう。エクストラデッキをほぼ全てホープで固めてある貴方には、ホープレスをいくら倒しても無意味なのです」

 希のエクストラデッキには『No.39 希望皇ホープ』『CNo.39 希望皇ホープレイ』が3枚、『CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』『No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ』が2枚、『SNo.39 希望皇ホープONE』『SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング』が1枚、そして『No.99 希望皇龍ホープドラグーン』が1枚入っている。これだけでも13枚だが、実を言うと、希のエクストラデッキはあと1枚だけ、『希望皇ホープ』ではないカードが入っている。だがそれは単なる数合わせにすぎず、彼女が過去にそのモンスターを召喚した試しは1度もない。それに、そのカードを含めてもエクストラデッキは14枚であり、あと1枚足りないのだ。
 Zはその情報も得ているのかは定かではないが、しっかりと希に対しての対策を立てていたのだ。

「私は手札から『ゴゴゴジャイアント』を召喚し、墓地から『ゴゴゴゴーレム』を特殊召喚します。そして、この2体でオーバーレイ!岩石の巨兵よ、絶望の砦となりて全ての希望を潰えさせよ!エクシーズ召喚!『No.55 ゴゴゴゴライアス』!!」


〇ゴゴゴジャイアント(Lv4 地)
岩石族/効果
攻2000/守0
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の「ゴゴゴ」と名のついたモンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。その後、このカードは守備表示になる。また、このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる

〇No.55 ゴゴゴゴライアス(ランク4 地)
岩石族/エクシーズ/効果
攻2400/守1200
レベル4モンスター×2
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。自分の墓地から岩石族・地属性・レベル4モンスター1体を選択して手札に加える。「No.55 ゴゴゴゴライアス」の効果は1ターンに1度しか使用できない。また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の全てのモンスターの守備力は800ポイントアップする。


 たった今Zが召喚したモンスターに希は驚いた。何を隠そう、これは岩石族デッキの【コアキメイル】を操る小町が使用していたカードなのだ。

「どうしてあなたがそのカードを持っているの?!それは小町ちゃんのNo.だよ!あなたなんかが使わないでよ!」
「何故ですか?使用してよいと彼女から直々に了承を得ているのですが。そうですよね、小野寺小町さん?」

 そう言うと小町は無言で首を縦に振った。どうやら本当のようだ。しかし、その真実を受け入れることが出来ない希は、小町に問いかけた。

「小町ちゃん!嘘だよね?あんな奴にお気に入りのカードを渡したなんて、ホントは違うんでしょ?無理矢理言わされてるんだよね?」
「違う。私は自分の意思でZ様にこのカードを授けたの。神谷希、あなたを倒すために、私はZ様の右腕となった」

 しかし、返ってきた答えはあまりにも非情だった。希は初めて絶望に打ちひしがれ、その様子を黙視していたうららとカレンは小町に寄り添った。今この場には、希の味方は誰一人として存在しない。

「友情というものは脆い。それ故に少しでも亀裂が入ればこのように簡単に崩壊します。神谷希、あなたは素晴らしい体現者ですよ」
「っ!」
「さて、余計な間が入ってしまいましたが、続けましょうか。ゴゴゴゴライアスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、墓地から『ゴゴゴジャイアント』を手札に加えます。続いて手札から魔法カード『オノマト連携』を発動。『ゴゴゴゴースト』を墓地へ送り、デッキから『ゴゴゴゴラム』と『ガガガシスター』を手札に加えます」


〇ゴゴゴゴラム(Lv4 地)
岩石族/効果
攻2300/守0
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、このカードの表示形式を変更する。フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、デッキから「ゴゴゴ」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る。


 これを見て希は確信した。Zの使用しているデッキは、自分のものとほぼ同じであると。だが、Zのものは希のようにホープに焦点を当てておらず、様々なエクシーズモンスターを繰り出す仕様になっている。

「バトル!ゴゴゴゴライアスで、ゴゴゴゴーレムを攻撃!」
「だけど、守備表示のゴゴゴゴーレムは1ターンに1度だけ戦闘破壊から守られる!」
「ですが、2度目はありません。絶望皇ホープレスで、再びゴゴゴゴーレムを攻撃!」

 漆黒の大剣を振り下ろし、それが岩石の巨人を真っ二つに切り裂いた。守備表示であったため、希へのダメージは0で済んだが、モンスターが存在しないと言うだけでもかなりのディスアドバンテージとなっている。

「私はカードを2枚伏せてターンエンドです。さて、どうするつもりですか?」
Z→LP:8000 手札:2 デッキ:31 Mゾーン:2 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0


*TURN05
 一方、希はZのターンが終了してすぐに考え始めた。ホープレスに対抗する術を考えているのだ。

(確かに、ホープレスを相手にどうやって戦えば良いのか、私には分からない。ランクアップさせたホープで攻撃しても、次のターンでまた吸収されるだけ。正直、ホープ以外で戦うしかないのかもしれないけど、私はホープで最後まで戦う!)
「私のターン!罠カード『エクシーズ・リボーン』を発動し、墓地から『No.39 希望皇ホープ』を特殊召喚する!」

 たとえ希望がバラバラに砕け散ろうとも、それらの欠片を繋ぎ合わせてもう一度、いや、何度でも取り戻そうとするその意思は、彼女のデュエルを見ればすぐに分かる。そして、繋ぎ合わせた小さな欠片は大きな塊となる。

「まだまだ!私は手札から『RUM-アストラル・フォース』を捨てることで、エクストラデッキからモンスターを特殊召喚する!無数に散らばりし絆の断片。今ひとつとなりて、究極の友情に変わる!ハイパーエクシーズ・チェンジ!!降臨せよ、絶頂の希望!!『No.99 希望皇龍ホープドラグーン』!!」


〇No.99 希望皇龍ホープドラグーン(ランク10 光)
ドラゴン族/エクシーズ/効果
攻4000/守2000
レベル10モンスター×3
このカードは手札の「RUM」魔法カード1枚を捨て、自分フィールドの「希望皇ホープ」モンスターの上にこのカードを重ねてX召喚する事もできる。①:1ターンに1度、自分の墓地の「No.」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。②:このカードを対象とするモンスターの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その発動を無効にし破壊する。


 ホープドラグーンならば『希望皇ホープ』の名前を持たないため、ホープレスの蘇生効果には引っかからず、安心して攻撃を仕掛けることが可能となる。だが、先述したように希のエクストラデッキにはもうライトニングもドラグーンもいない。万が一、この状況が覆されれば一瞬で決着がついてもおかしくない。

「バトル!ホープドラグーンで、絶望皇ホープレスを攻撃!トゥルース・ホープ・バースト!!」
「そうはいきません。ホープレスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、攻撃してきたモンスターを守備表示に変更します!」

 Zもそう簡単には通させてはくれない。ホープレスの効果は「攻撃を無効にする」ホープとは異なり、攻撃してきたモンスターを守備表示に変更するもの。故に、攻撃を無効にされたことが起点となる速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』の発動も許されない。


〇ダブル・アップ・チャンス(速攻魔法)
モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスター1体を選択して発動できる。このバトルフェイズ中、選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。


「貴方もよく考えましたが、ホープドラグーンであってもホープレスを倒すことは不可能です。そして次のターン、あなたは更なる恐怖を味わうこととなるでしょう」
「わ、私は、これでターンエンド!」
(まずい。ホープドラグーンも破壊されちゃったら、今度こそ終わる!)
NOZOMI→LP:8000 手札:2 デッキ:31 Mゾーン:1 M・Tゾーン:0 Fゾーン:1 Pゾーン:0


*TURN06
 Zは今のままでもホープドラグーンを破壊することはできた。攻撃力は4000と高いが、守備力はその半分しかなく、ゴゴゴゴライアスでも確実に届いてしまうのだ。

「私のターン!ホープレスを対象に、手札から魔法カード『オーバーレイ・リジェネレート』を発動!これでまた、ホープレスにオーバーレイユニットが宿りました。ですが、これで終わりというのは味気がなくてつまらないものです。『ゴゴゴジャイアント』を召喚。その効果で、墓地から『ゴゴゴゴースト』を蘇らせます。残念ながら墓地に『ゴゴゴゴーレム』は存在しないので効果は不発でしたが、これで十分です」
「また、ランク4のモンスターをエクシーズ召喚するのね?」
「そうです。私はレベル4の『ゴゴゴジャイアント』と『ゴゴゴゴースト』でオーバーレイ!猛りし魂を喰らい尽くす、呪縛の鎧!エクシーズ召喚!ランク4『No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク』!!」


〇No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク(ランク4 闇)
悪魔族/エクシーズ/効果
攻0/守1200
レベル4モンスター×2
自分のメインフェイズ時、自分フィールド上のこのモンスターを、攻撃力1200ポイントアップの装備カード扱いとして自分フィールド上のエクシーズモンスターに装備できる。また、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手の墓地のカード1枚を選択してゲームから除外する。「No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク」のこの効果は1ターンに2度まで使用できる。



Zが召喚した3体目の『No.』、それは以前までカレンが使用していたものだった。小町に引き続いてカレンまでもが、Zの臣下となってしまっているのだ。

「やっぱり、カレンちゃんもあんたに授けたんだ」
「ええ。彼女たちは本当に従順でしたよ。希望にすがってばかりいる貴方とは違ってね」
「でも、人間は絶望したら心が死んじゃうのよ!だったら、希望に身を委ねた方が絶対に良いに決まってる!」
「お喋りがすぎますね。だったら黙らせてあげましょう!ラプソディ・イン・バーサークの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、墓地のホープレイを除外します!」

 今度は希の墓地にまで干渉する効果を使ってきた。ホープドラグーンが効果を使えるのは「自身を対象とする効果」のみ。逆に言えば、対象を取りさえしなければいいわけだ。フィールドだけでなく墓地までもズタズタにされてしまい、希はあと一歩のところで希望を失うところまで来ていた。だが、まだ完全に希望が潰えたわけではないため、どうにか挽回できるかと思ったが、Zは最後にとんでもないカードを出そうとしていた。

「さあ、あなたに絶望という2文字を与えましょう!私はランク4の『No.』3体でオーバーレイ!!」
「えっ?!レベルを持たないエクシーズモンスター同士でエクシーズ召喚?!」

 希自身、ランクアップやカオスエクシーズ・チェンジによるエクシーズ召喚は何度もやったことがあるのだが、エクシーズモンスターを複数体使用しての召喚は初の経験なのだ。といっても、そのような方法で召喚するには通常のエクシーズ召喚に比べてコストが馬鹿にならないくらい重いため、実際に行うのは極稀なのだ。しかし、Zはそれを成し遂げようとしていた。


































「万界に散りし魂よ! 今こそこの手に集いその姿を現せ!エクシーズ召喚!!『No.93 希望皇ホープ・カイザー』!!」


〇No.93 希望皇ホープ・カイザー(ランク12 光)
戦士族/エクシーズ/効果
攻2500/守2000
X素材を持った同じランクの「No.」Xモンスター×2体以上
①:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードのX素材の種類の数まで、エクストラデッキからランク9以下で攻撃力3000以下の「No.」モンスターを効果を無効にして特殊召喚する(同じランクは1体まで)。その後、このカードのX素材を1つ取り除く。このターン、相手が受ける戦闘ダメージは半分になり、自分はモンスターを特殊召喚できない。②:自分フィールドに他の「No.」Xモンスターが存在する限り、このカードは戦闘・効果では破壊されない。



「ホープ・カイザー?!あんなモンスターがいたなんて...」
「先ほどのターン、貴方はホープドラグーンが『No.』の終焉だと言いました。ですが、『No.』の真の皇は、このホープ・カイザーなのです!」

 「カイザー」、それはホープドラグーンさえも上回るランクを持つ最高のモンスターであり、全ての『No.』を統一できる力を秘めている。希が使用している『希望皇ホープ』モンスターの1体ではあるが、彼女には今のままでは到底扱うことはできないだろう。なぜならホープ・カイザーの効果はかなり癖が強く、異なる種類の『No.』をより多く採用しなければその力を十二分に引き出せないからだ。

「希望皇ホープ・カイザーの効果発動!エクストラデッキから現れよ!『No.9 天蓋星ダイソン・スフィア』『No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス』『No.6 先史遺産アトランタル』!!」


〇No.9 天蓋星ダイソン・スフィア(ランク9 光)
機械族/エクシーズ/効果
攻2800/守3000
レベル9モンスター×2
エクシーズ素材を持っているこのカードが攻撃されたバトルステップ時に1度だけ発動できる。その攻撃を無効にする。このカードがエクシーズ素材の無い状態で攻撃対象に選択された時、自分の墓地のモンスター2体を選択し、このカードの下に重ねてエクシーズ素材とする事ができる。また、このカードの攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターが相手フィールド上に存在する場合、自分のメインフェイズ1にこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、このターンこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる

〇No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス(ランク8 闇)
機械族/エクシーズ/効果
攻3000/守2000
レベル8モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターにストリングカウンターを1つ置く。次の相手のエンドフェイズ時、ストリングカウンターが乗っているモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。

〇No.6 先史遺産アトランタル(ランク6 光)
機械族/エクシーズ/効果
攻2600/守3000
レベル6モンスター×2
このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分の墓地の「No.」と名のついたモンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードの攻撃力は、この効果で装備したモンスターの攻撃力の半分の数値分アップする。また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、このカードの効果で装備したモンスターを墓地へ送って発動できる。相手のライフポイントを半分にする。この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。



 超大型の『No.』が一度に3体もZのフィールドを埋めてしまい、希との圧倒的な差を見せつけた。1体は沸き立つ火山を、1体は糸で操る機械仕掛けの巨大な人形、そしてもう1体は、はるか上空を覆い尽くす超巨大な星。そのモンスターだけはあまりにも大きすぎた故にZのフィールド外に出されてしまっている。
 そしてもちろんこの3体の内、ヘブンズ・ストリングスは【ギミック・パペット】を扱う、うららがよく切り札として呼び出しており、ここにはいないが、アトランタルも以前まで胡桃が【先史遺産】を使用していたため、希にはなじみ深いモンスターばかりだった。親友とのデュエルで刻まれた思い出のモンスター達が今、こうして希に牙をむいていることは、彼女にとってこれ以上無いくらいの悲しみであり、絶望だろう。希は崩れ落ちるように座り込んでしまった。


「貴方もようやく絶望を感じましたか。ですが、まだデュエルは終わっていません。バトル!ホープ・カイザーで守備表示のホープドラグーンを攻撃!」

完全に黙りこくり視線も落としたため、ホープドラグーンが破壊されても気づくことはなく、破壊された際に起きた爆風をまともに受けるだけだった。勝利を確信したZは、残り3体のモンスターで一気にダイレクトアタックを決めようとしていた。

「さあ行きなさい!3体の『No.』でダイレクトアタック!!」
「っ!」

希のフィールドにはモンスターはおろか伏せカードも1枚もない。彼女はただ、無抵抗で攻撃を受け続ける以外の選択肢は残されていなかった。総攻撃力は8400だが、ホープ・カイザーの効果で戦闘ダメージは半分になっているため、ワンターンキルは避けられた。
 怒濤の攻撃を諸に受けた希は心も体もズタボロであったが、それを見ていた親友達は洗脳されているためかなんとも思っていなさそうだった。その証拠に、彼女たちは一切表情を変えていない。
Zがターンエンドを宣言する直前、ようやく希が口を開いた。


「懐かしいなぁ。みーんな、私が昔戦ったモンスター達だから、忘れろっていう方が無理だよ。効いたなぁ、さっきの攻撃」
「なっ、貴方は絶望に屈したはずでは?」
「でも不思議だなあ。攻撃を受けた瞬間、皆との思い出がたくさんフラッシュバックしたんだ。やっぱり、カードにも思い出って宿るのかな?」

 驚くZを無視して、希は親友達に語りかけるように続けた。こうすればいつか絶対に心を開くことが出来ると、最初から信じているのだ。それが気にくわなかったZは、初めて声を荒げた。

「黙りなさい!貴方ごときが、友達の心に届かせることなど出来るはずがありません!私はこれでターンエンドです!」
「ううん。絶対に届かせる!闇の中で生きてきたあんたなんかに、負けるもんですか!!」




~現在の状況~
NOZOMI→LP:3800 手札:2 デッキ:31 Mゾーン:0 M・Tゾーン:0 Fゾーン:1 Pゾーン:0

V S

Z→LP:8000 手札:1 デッキ:30 Mゾーン:4 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0



次回予告(by希)
危ない。もう少しで完全に絶望しちゃうところだった。けど、あんな奴の思い通りになんかならない!相手はたくさんの『No.』を呼び出してくるけど、私がそれを上回りさえすればいいだけ!ホープドラグーンがいなくたって、私は最後まで諦めない!これが私の、かっとビングよ!!って、実際に言うとなんか恥ずかしいな。

次回 Episode48:希望の行方
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カズ
シリーズ説明を更新しました。 (2016-09-08 23:51)

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2 Episode20:初の対外試合 373 2 2015-09-20 -
1 Episode21:シンクロ封印 308 1 2015-09-22 -
4 Episode22:1つの答え 377 2 2015-09-24 -
1 Episode23:黒羽の誇り 402 2 2015-10-01 -
2 Episode24:ハイスピードバトル 369 3 2015-10-06 -
0 Episode25:超越する力 331 2 2015-10-11 -
3 Episode26:運命の決戦 306 3 2015-10-20 -
3 Episode27:来訪者、天導レイン 383 2 2015-11-03 -
3 Episode28:遊弥vsレイン 407 2 2015-11-09 -
5 Episode29:舞い降りた天使 361 2 2015-12-05 -
6 Episode30:天使と悪魔 434 3 2015-12-09 -
4 Episode31:禁断の無限暗黒竜 528 2 2015-12-12 -
6 番外編02:凛と紅葉が… 371 0 2016-01-05 -
6 Episode32:パワー・ツール 385 3 2016-01-29 -
6 Episode33:死した希望の使者 318 2 2016-01-31 -
5 Episode34:高貴の翼 397 4 2016-02-04 -
6 Epi35:戦慄のリバースビヨンド 355 1 2016-02-13 -
8 Epi36:加速するカウントダウン 401 2 2016-02-20 -
7 Epi37:希望のカード『V☆S』 398 3 2016-03-25 -
5 Episode38:朱色の夜 319 0 2016-04-11 -
5 Episode39:並び立つ盟友 385 2 2016-04-22 -
8 Episode40:精一と彩 452 2 2016-05-30 -
5 Episode41:漆黒の鎮魂歌 373 4 2016-06-22 -
5 Episode42:涅槃の境地へ 372 2 2016-07-02 -
4 Episode43:トワノキズナ 332 3 2016-07-23 -
2 Episode44:銀河と宇宙 350 3 2016-08-09 -
5 Episode45:銀河眼vs宇宙眼 333 0 2016-08-20 -
2 Episode46:絶望の凱旋 265 0 2016-08-24 -
4 Episode47:刻まれた記憶の欠片 258 1 2016-09-06 -
10 Episode48:希望の行方 245 0 2016-09-13 -
4 Episode49:悪夢の決戦前夜 252 0 2016-10-03 -
5 Episode50:創世の星屑竜 245 0 2016-10-25 -
0 Episode51:託された未来 256 0 2016-10-30 -
1 番外編03:遊弥と花奈の... 256 2 2016-11-02 -
3 未投稿オリカ紹介① 280 0 2016-11-09 -
2 未投稿オリカ紹介② 225 0 2016-11-26 -
2 未投稿オリカ紹介③ 267 0 2016-12-08 -
3 未投稿オリカ紹介④ 261 0 2016-12-20 -
6 未投稿オリカ紹介⑤ 215 0 2016-12-30 -
4 Episode52:極寒の夏 192 2 2017-01-01 -
31 Episode53:闇の邂逅 213 2 2017-01-07 -
3 Episode54:呪縛竜復活 180 0 2017-01-11 -
5 Episode55:届かぬ声で... 181 2 2017-01-15 -
2 Episode56:禁忌の目覚め 206 5 2017-01-19 -
3 Episode57:共鳴する四龍 210 4 2017-01-25 -
5 Episode58:本当の気持ち 204 3 2017-01-30 -
4 Episode59:真実への鍵 197 2 2017-02-08 -
4 IF01:バレンタインデー 247 6 2017-02-11 -
1 Episode60:エレンとアレックス 235 3 2017-02-16 -
30 ルール改訂と今後の進行について 340 2 2017-02-18 -
4 Episode61:想いの証 201 5 2017-02-21 -
3 Episode62:茨の道標 237 5 2017-02-27 -
5 Episode63:光と闇の花 187 3 2017-03-20 -
7 Episode64:渇望と葛藤 176 2 2017-03-23 -
5 Episode65:麗しき孤月 149 2 2017-03-29 -
44 Episode66:月夜のイリュージョン 223 2 2017-04-21 -
15 Episode67:常闇に消える月華 292 1 2017-05-05 -
10 Episode68:模索者たち 107 4 2017-07-22 -
12 Episode69:純黒の反逆者 119 0 2017-07-27 -
8 Episode70:紅と黒の禁呪 118 2 2017-08-07 -
7 Episode71:希望は往く 116 3 2017-08-17 -
9 Episode72:リリーの過去 103 2 2017-08-24 -
5 Episode73:異次元の亡霊 96 2 2017-09-13 -
4 Episode74:覚醒の鼓動 91 3 2017-09-22 -
5 Episode75:挑戦者の儀 96 0 2017-10-05 -
3 Episode76:神速の決闘 65 2 2017-11-14 -

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