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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第141話:精霊界への旅立ち

第141話:精霊界への旅立ち 作:光芒




 人間というものは中々どうして、複雑なようで単純な生き物である。それまで散々悩み揺らいでいたことであっても一度決心してしまえばそのことに悩んでいたことが随分と小さなことと思えてしまうものだ。
 光子竜に指示されたこととはいえ、千夏と詩織に黙って遊希を助けに行こうとした綾香とエヴァ。精霊の力を持たず2人ほど戦力して活躍できるかはわからないながらも、かつて自分たちを助けてくれた遊希を助けたいと思う千夏と詩織。
 友に嘘をついてしまう後ろめたさに揺れる2人と自らの力の無さに悶える2人であったが、彼女たちの心のしこりは完全に取り払われていた。

「どうぞー」

 ある朝、部屋のドアが3回ノックされる。綾香のどうぞ、という言葉を聞いてエヴァが入ってきた。制服をきちんと着こなしたエヴァは既に左腕にデュエルディスクを装着しており、いつでも戦えるといった様子だった。

「失礼しますデス。皆サン、お迎えに上がりまシタ」
「これはご丁寧にどうも。あ、やっぱり制服?」

 綾香の問いかけにエヴァは少し気恥ずかしそうな笑みを浮かべる。

「はい……どうにもオシャレして行くわけにはいきませんシ……」
「あら、みんな考えることは一緒なのね」

 エヴァが迎えに来る前に着替えを済ませていた綾香、千夏、詩織の3人もアカデミアの制服を身につけていた。エヴァ同様にもっと別の服装で、ということも考えたのだがこれから自分たちは遊びに行くわけではない。
 アカデミアの学生としてこの制服はアカデミアのデュエリストである自分たちの礼服であり勝負服なのである。またスポーツ選手が皆試合に際してユニフォームを着用するのと同じように、制服を着ることで改めて自分たちの目指すものが1つであることを再確認する意味合いもあった。

「さて、皆さん忘れ物はありませんか?」
「デュエルディスク、カード、その他もろもろ……全部持ったわ!」
「ちょっと、その他もろもろって何?」

 千夏の言うその他もろもろとは何か、と思った綾香が千夏の持つ鞄を開けてみる。するとそこには薬や絆創膏などが入っていた。
 光子竜やスカーライトのデュエルを見ていればわかることなのだが、精霊の力を持った者のデュエルではデュエリストの身体にもダメージが行く。精霊世界に行く以上、デュエルをするとなれば相手は全てが精霊相手となる。それは直接人体に被害を及ばすデュエルになる、ということだった。

「万全なデュエルをするには健康が一番よ! それこそどんな相手が待ち構えているかもわからないしね」
「千夏サン……」
「へへっ、私もこう見えて色々と考えているのよ!」
「流石千夏。その辺りまで気が回るのはあんただからかもしれないわね、ちっちゃいけど」
「ちっちゃいのは今関係ないでしょうがー!?」

 緊迫した状況に直面すればするほど何故だか笑ってしまう。凝り固まった身体と精神をほぐすための回避行動なのかもしれない。
 準備を済ませて部屋を出た綾香たちは横一線に広がってアカデミアの地下へと向かって歩いていた。部屋にいた時と違って雑談も何もなく、足音だけが閑静な廊下に響き渡る。そんな中、綾香がふと口を開いた。

「……こうして4人で歩いてるとさ。昔見た映画を思い出すな」
「どんな映画ですか?」
「ほら、地球に迫る巨大隕石を爆破するために男の人たちがシャトルに乗って宇宙に行くやつ」

 米国制作のその映画はスキンヘッドが特徴的な有名俳優が主演を務めており、大物バンドの主題歌のヒットも相まって日本でもヒットを飛ばした作品だった。劇場で直接見た訳ではないのだが、テレビで何度も放映されていることもあってその映画のことは誰もが知っている。しかし、その映画のことを聞いて1人エヴァは何処か不機嫌そうに顔を歪めた。

「……あの映画の話は今しないで下サイ」
「あれ、もしかしてあの映画嫌い?」
「いえ、まあ典型的なアメリカチックなヒロイズムが満載な映画とはいえ嫌いではないんデス。でもあの映画では隕石を破壊するために宇宙へ行った人たちは皆帰らぬ人となってしまいマシタ……」

 俯きながら歩いていたエヴァは早足で歩いては決意を秘めた表情を浮かべると、3人の前に立ちはだかるように回り込んだ。。

「私たちは……誰1人欠けることなく帰ってくるンデス!! あの映画とは違いマス! 皆さん……いや5人で!!」
「エヴァちゃん……」

 4人が望む光景。それはこの4人と本来ここにいるべきはずの1人を加えた5人でアカデミアで同じ時を過ごすこと。その時、その瞬間を目前に控える4人の少女は今改めてその心を1つにするのであった。











「待っていたよ、みんな」

 アカデミアの地下にはすっかり体調を戻したジェームズ、そして旅立つ4人を見送るべく彼女たちの近親者や詳細を知る一部の教師たちが集まっていた。

「綾香……」
「パパ、ママ……みんなどうして」
「子どもが戦いに赴くんだ。心配しない親がいないわけないだろう?」

 綾香を見つめる竜司のその目は教育者のものではなく、1人の親としての目になっていた。竜司や綾瀬からしてみれば幾つになっても綾香は可愛い娘であり、自分の命よりも大切な存在であると言っても過言ではないのだ。

「綾香……」

 綾瀬は旅立とうとする娘を両腕でぎゅっと抱きしめた。

「……絶対、絶対に帰ってきてね。ママとの約束よ?」
「ママ……うん。私、絶対に帰ってくる。5人でね」

 綾香のその言葉を聞いて目に涙を浮かべながら綾瀬は綾香の肩をポン、と叩いた。母の伝えたいことは言葉にせずとも愛娘に伝わっていた。綾香と同じように家族と別れの挨拶、および帰還を誓った千夏と詩織も綾香と同じように目の下を少し汚しながら次元転送装置の前に立つ。

「では起動するよ。精霊のカードを機械にセットして」

 初めてこの機械で精霊と会話した時と同じように、綾香たちは機械の中心部にあるカードをセットする箇所に3枚の精霊の宿るカードである銀河眼の光子竜、レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト、閃珖竜 スターダストの3枚をセットした。
 機械の起動と共にカードが輝き出し、やがて通常のソリッドビジョンと同じように機械の上に3体のドラゴンの姿が映し出された。それだけなら綾瀬たちも普段デュエルで見ているソリッドビジョンそのままなのだが、ドラゴンたちはそれぞれに目覚めの咆哮ともいえる雄叫びを上げると、まるで人間同士が喋るように会話を始めたのだ。

「うーん、やっぱりいつも使っているデュエルディスクの方が心地いいかな?」
「違い……あるの?」
「相変わらず贅沢だなお前は」
「相変わらずとか言わないでって!」
「……モンスターが……喋ってる?」

 竜司やミハエルら遊希たち精霊使いのデュエルに触れてきた者ならすっかり慣れた光景であるが、綾瀬ら一般のデュエリストだったり非デュエリストからしてみれば本当にこれは現実に起きていることなのか、と目を疑う光景だった。

「あの……綾香の……お母さんですよね。私、閃珖竜 スターダスト……と言います」
「あ、はぁ……これはご丁寧にどうも」

 見た目厳ついドラゴンだが、まるで10代前半の少女のような声で話しかけてくるスターダストに対して随分と気の抜けた返しをする綾瀬。彼女はこっそりと腕を抓ってみるが、普通に痛いためこれは夢ではない、現実のことであると改めて理解する。

「綾香の……精霊としてこの世に生を受けました。綾香にはすごく優しくしてもらっていて……」

 スカーライトが姉が妹を見るような暖かい目でスターダストを見つめる中、光子竜は小さく咳払いをする。

「ちょっとスターダスト! 今自己紹介する場面じゃないから!」
「あっ、ごめん……なさい」
「……さて、ジェームズ。装置の様子は?」
「あと30秒ほどでマキシマム。最大出力が出るね」

 最大出力が出るまでわずかに時間がある。それを聞いた光子竜は千夏と詩織を自分の目の前に呼び寄せると、2人を拾い上げて自分の背中に乗せた。ソリッドビジョンで映し出されたモンスターに直接触れるどころか背中に乗ることができるとは生きているうちに1度体験できるかできないかのことに千夏と詩織は嫌が応にも昂るというものだった。

「うわっ、凄い……!」
「しっかり捕まっていろよ。説明するまでもないと思うが、次元と次元を越えるんだ。遊園地のアトラクションと同じとは思わないことだ」
「はい。それにしても……やはり暖かいのですね」

 呼吸と共に点滅する光子竜の身体にはやはり生き物の温もりがあった。未知の精霊界に向かうとあってかなり緊張していた詩織であったが、その暖かさに少し心が落ち着いた。

「ほら、エヴァ。あたしたちも」
「綾香、乗って」

 光子竜と同じように差し伸べられた手を伝って綾香とエヴァもそれぞれの精霊の背中に乗る。スターダストもスカーライトも光子竜と同じように生命体特有の体温があり、ほんのりとではあるが暖かかった。

「スカーライト、スターダスト! 我らの力を1つにするぞ!」
「任せて!」
「うん」

 光子竜の号令と共に精霊たちの身体がそれぞれの色に輝きだす。精霊使いではない千夏と詩織も直に接しているだけあって光子竜の持つ迸る力がダイレクトに身体に伝わってくる。
 負担になるというわけではないが、千夏と詩織の身体には今まで感じたことのない強烈なエネルギーが流れ込んでくる、そんな感じだった。しかし遊希はいつもこんな力を受けながらデュエルをしていたのか、と思うとさすがの彼女たちも複雑に思わざるを得なかった。

(遊希……こんな強い力を受け続けたらあの子の身体は……)
(……道理で頻繁に倒れてしまっていたわけですね)

 3体の精霊の力が共鳴して臨界点を迎える。それに合わせてジェームズたち人間の科学力の結晶たる次元転送装置も持てる最大限の力を発揮せんと轟音をあげた。

「出力……最大!」

 精霊と科学。2つの相反する、本来出会うことのない2つの異なる力が1つとなった瞬間、天空に巨大な大穴が開かれる。その穴の正体を綾香たちは知っていた。その穴こそかつて遊望が遊希を連れ去る時に開いたワームホールと全く同じものであったことを。

「行くぞ! しっかり掴まっていろ!!」

 3体のドラゴンは2対の翼を羽ばたかせて天空へと舞い上がる。迫りくるワームホールに入ろうとした瞬間、綾香の眼には空に浮かび上がった自分たちを見つめる竜司と綾瀬の2人の顔が映った。

「パパ! ママ! 私……絶対に戻ってくる!! だから―――!!」

 最後の言葉を伝える前に綾香たちはワームホールの中へと消えていった。











 ワームホールの中に飛び込んだ綾香たちを待っていたのはよくSF映画やアニメで見るような典型的な空間だった。光線状の光と光が一本道を行き来する果てのないトンネルのような世界を精霊たちに乗った綾香たちは進んでいく。

「本当にSF映画ね……」
「……呼吸はできるみたい。ねえ光子竜、この先に遊希の連れていかれた世界があるの?」
「……ああ」

 光子竜は一呼吸おいてから答えた。光子竜としても人間を連れて時空と時空を超えるということはなかったため、最初は無事に通り抜けられるかという不安があった。しかし、自分だけではなく、スカーライトとスターダストという自分より若輩ながらも同じ精霊の助力があったことでその不安を払しょくすることができたのである。綾香たち以上に光子竜も強い緊張状態にあったのだ。

「時空竜によると私は精霊界にいた時の記憶を失っているという。だから精霊界がどのようなところであるかを覚えてはいない。だが、それでも案外わかるものだな。身体にひしひしと伝わってくるのだ。精霊界から溢れ出る精霊の力が……」
「この先に飛んでいけばあたしたちが本来いるはずの世界に辿り着くってことかー……やってけるかな?」
「スカーライトなら……大丈夫だと思うよ。私の方が……不安かも」

 何はともあれ、一度ワームホールを開いて入ることができたのであれば大丈夫だろう。そう思っていた光子竜たちであったが、ワームホールを数キロほど飛んだあたりで何かの気配を感じた。
 先頭を飛ぶ光子竜は後ろを飛ぶスカーライトとスターダストに腕と尻尾で合図を送った。彼の指示に気付いた2体は飛ぶのをやめて周囲をキョロキョロと見回し始めた。

「スカーライト? どうしたんデスカ……?」
「何かいるね、スターダストも気づいたっしょ?」
「うん……」
「……何者だ。いるのはわかっている! 出てこい!!」

 光子竜が咆哮すると、ワームホールの左右にまた大きな穴が開いた。そして空いた穴の片方からは騎士のようなモンスターが、もう片方から巨大なドラゴンのようなモンスターがゆっくりと姿を現わし始めた。

「あのモンスターは……」

 そのモンスターたちを見た詩織はデュエルディスクにセットされたデッキから2枚のカードを取り出した。そのモンスター2体を詩織はよく知っているからだ。

―――貴様らは……精霊か。だが妙だ。何故精霊が人間を連れている?

 左の穴から出てきた騎士のような姿をしたモンスター、カオス・ソルジャー-開闢の使者-が光子竜たちに問いかけた。

「人間と一緒にいちゃ悪いわけ? 誰と一緒にいようがあたしの勝手でしょ?」
―――……見ない顔だ。貴様、精霊界の者ではないな?

 スカーライトの返答には応えず、右の穴から出てきた禍々しいドラゴンのような姿をモンスター、混沌帝龍-終焉の使者-が首を傾げる。

「うん。私たちは……人間界で生まれた精霊だから」
―――精霊が人間界で? そんな話は聞いたことが無いのだが?
「精霊界では起こり得ぬことが起こる。それが我らの常識を超える余所の世界というものだ。ところでお前たちは何故ここにいる? 精霊たるものがワームホールの中に住まうなど随分と変わった趣味だな」
―――……質問をしているのは我らの方だ。質問に質問で返すな。
―――……待て、混沌帝龍。このままでは話が堂々巡りに終わってしまうだろう。我らは精霊界を統べる精霊皇の下で次元と次元を繋ぐワームホールの番人という使命を与えられている。

 精霊界でもワームホールというものの存在は認識されているようであり、基本的にこのワームホールを通って人間界と精霊界を行き来できるのは精霊界でも上位の力を持つ者だけだ。
 それでも本来関わるべきものではない人間と精霊が自由に互いの世界を自由に行き来することがまかり通ってはいけないと危惧した精霊皇によって次元と次元を繋ぐこの地を管理する者が必要とされ、その使命を受けたのがこのカオス・ソルジャー-開闢の使者-と混沌帝龍-終焉の使者-の2体の精霊なのである。

「そうか。精霊皇の命か……私は銀河眼の光子竜という。私のことを知っているか?」
―――銀河眼の光子竜?

 光子竜の名を聞いた2体の精霊が顔を見合わせる。その様子から彼らは光子竜について何か知っているようだった。

―――……銀河眼の光子竜殿。まさかあなたが生きているとは思わなかった。
「私のことを知っているのか?」
―――ああ、貴殿の処遇については精霊界でも波紋を及ぼしたからな。精霊皇の勅令に異を唱えて反逆罪となり、処刑されたと聞いていたが……

 時空竜から聞いたことと同じことを2体の精霊は口にした。そうなると時空竜があの時言っていたことに嘘はない、ということが現実味を帯びてくる。

「……そうか、私は精霊界にいた時の記憶を失っている。だからお前たちの話を聞けたのは良かった。では失礼するぞ」

 光子竜はそう言って先を急ごうとするが、その道を開闢と終焉の使者は立ちはだかるように塞いだ。

―――待たれよ。我々は貴殿らをこのまま通すとは一言も言っていない。
「……どういうつもりだ?」
―――仮に通すとしても光子竜殿、あなただけだ。精霊界ではなく人間界で生まれた精霊、そして人間……イレギュラーなお前たちを通すことは番人である我らには許されないことだ。
「っ! 何よそれ……あたしたちだって同じ精霊なのに!」
―――確かに後ろの小娘たちも我らと同じ精霊だ。しかし、人間界で生まれた精霊となれば話は違う。人間界と精霊界は交わらざることが正しきこと。それぞれの世界の秩序を守るために我らは存在するのだ。
「……そんな」

 何としてもまかり通らなければならない光子竜たちであったが、精霊界を統べる“精霊皇”に次元の番人という職位を与えられている以上、この2体の精霊の力はスカーライトとスターダストを大きく上回っていた。
 こちらは数では勝るものの、彼らと互角もしくはそれ以上の力を持つ光子竜がいたとしても光子竜はスカーライトとスターダスト、そして綾香たちを守りながら戦わなければならない。そのためどう足掻いてもこちらが不利であることは否めないのだ。

「ねえ……あなたたちは世界の秩序を守るためにここにいるんでしょ?」

 そんな時、今まで黙っていた綾香が口を開いた。

―――そうだ、それが我らの使命だ。
「ずっとここにいたなら……銀河眼の時空竜がここを通ったのは知ってる?」
―――七星将軍の1体、時空竜殿か。確かに数か月前ほどだろうか、ここを通られたな。
「その時、時空竜と一緒にいた精霊のことは知ってる?」
―――時空竜殿、と……あの龍人型の少女か。名前こそ知らないがその者がいるということは知っている。
―――時空竜殿の庇護下にある精霊なのであろう?

 番人たちのその言葉を聞いて綾香とエヴァは確信した。この2体の精霊は遊望の存在こそ知っているが、その正体は知らないのである。

「その精霊は……もとは人間だったのよ。時空竜の力で一度死んだのを精霊として新しい命を享けた!」
「そんな彼女もスカーライトとスターダストと同じ人間界で生まれた精霊なのデス! それはイレギュラーではないのデスカ!?」
―――!?
「そして時空竜とその精霊……天都 遊望は1人の女の子を攫って精霊界へ行った。それが私たちの親友、天都 遊希なのよ!!」

 次元の番人たちはこのワームホールを通る時空竜にも同じように声をかけていた。しかし、時空竜の力によって遊望の人間界の力は隠され、精霊界で生まれ育った人型の精霊としか感知することができないようになっていた。
 そして遊希についても時空竜は「精霊皇の命で人間に変身して人間界で調査していた精霊を連れ帰る途中だ」という理由で押し通したのである。精霊としての格も力も自分たちを上回り、何より精霊皇の命を受けて動いている時空竜を止めることが彼らにはやはりできなかった。
 しかし、自分たちの使命である「精霊界と人間界の秩序を守る」という使命を精霊皇そしてその配下である七星将軍が犯しかねない。そしてその一翼を自分たちが担ってしまっていた。その事実がが2体の精霊を動かした。番人たちはそれぞれ横に動いて道を開けた。

―――……先に進まれよ。
「えっ……通してくれるの?」
―――我らの使命は精霊界を守ること。お前たち人間が精霊界にいるということが精霊界にとって悪しき影響を及ぼすのであればそれを防ぐのが我らの使命。
―――我々としてはお前たちの友を連れ帰ってもらえれば精霊界の安寧を保てるというものだ。それに我々にも落ち度はある……
「ありがとうございます。あの……あまり自分を責めないでくださいね」

 そう言って詩織はデッキから抜き取ったカオス・ソルジャー-開闢の使者-と混沌帝龍-終焉の使者-のカードを見せた。彼女にとっては両親から受け取った大事なカードであり、詩織のデッキの切り札でもある。
 詩織はどれだけの強敵が相手であってもこの2枚をはじめとしたデッキのカードたちがあってくれるからこそ恐れず戦えるのだ。

「あなたたちと同じ姿をしたモンスターのカードです。あなたたちに私はいつも助けられています。今日こうして出会えたことを私は忘れません」
―――……人間の少女よ、心遣い痛み入る。
「番人たちよ、我らは宿願を成し遂げ必ず戻る。その時は……頼んだぞ」

 番人たちは無言で頷き、光子竜たちを見送った。光子竜たちは瞬く間に光の先へと消えていった。

―――結局通してしまったが、良かったのだろうか。
―――過ぎたことだ、気にしても遅いだろう。それに……光子竜殿には恩義がある。それに報いたと思えばいい話だ。

 2体の番人には忘れられない過去があった。精霊の中でも比較的強い力を持つ2体は絶えず戦いに明け暮れていた。開闢と終焉、光と闇―――相反する力を持つ2体は精霊界の辺境で敵対していた。意味も理由もない。生まれ持った本能で生死をかけていた。

「お前たちのその力を精霊皇のために活かしてみないか?」

 そんな彼らの前に現れたのが当時精霊皇の配下として政務に取り組んでいた光子竜であった。彼らの次元と混沌を自在に操る力に目を付けた光子竜によって推挙された彼らは精霊皇から「精霊界を守る」という使命を与えられたのである。
 刃と炎で世界を破壊しつくしてきた彼らにとって守るということは決して簡単なことではない。それでも自分たちですら意味を見いだせなかった戦いを終わらせてくれた光子竜はまさに恩人と言っても差し支えない存在なのであった。

―――しかし、光子竜殿もだいぶ雰囲気が変わられたな。初見では気づかなかったぞ。
―――人間の世界で人間と交わって変わるものがあったのかもしれないな。まあ、光子竜殿は記憶を失っている以上我らのことなど覚えていないだろうがな。

 番人たちはとうに見えなくなった光子竜たちの武運をその胸中で祈るのであった。











「ここが……精霊界?」

 ワームホールを抜けた綾香たちが辿り着いたのはまるでヨーロッパにありそうな古びた石の城が建つ森林地帯であった。ここだけ見れば人間の世界とほとんど変わらないため、精霊界に初めて来た光子竜以外の面々は少し拍子抜けしたようである。

「本当にここが精霊界なの? 私たちの世界とほとんど変わらないじゃないの」
「光子竜さん、精霊は近くにいるんですか?」
「……あの城の中から精霊の力を感じるな」

 光子竜が指差したのは石造りの古城。見たところ住むことができるかどうかはわからないが、綾香とエヴァには何処か光子竜たちから出るのと同じような力を微弱ながら感じることができた。

(あそこに精霊が……)
「よし! じゃあ行きますか」
「スカーライト、気を付けて下サイネ? さっきみたいに戦いになりかけたら……」
「大丈夫だって! そうそう襲われやしな―――」

 スカーライトがそう言いかけた瞬間である。


―――黒・魔・導・爆・裂・破!!


 詠唱と共に火球のようなエネルギーが光子竜たちに向けて放たれたのは。





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ター坊
スターダストと綾瀬さんの会話がなんとも和む。それを叱責するスカーライトのお姉さんぶりも板に付いてきましたな。
門番が開闢終焉コンビとは絶対強キャラだよね?個人的には戦いを見たかった…いや、やるとしたらやっぱり自分自身を召喚とかやるのか?そもそもデュエル出来るのか?そんな疑問も次回で明らかになりそうです。必殺技から察するに…男のボルテージが上がる! (2016-07-29 09:49)
光芒
>ター坊さん
すっかりスカーライトはお姉さんになってきました。スターダストは丁寧なようでどこか抜けてるキャラでもあるので、しっかりと導いてあげられるキャラが必要になると思いますね。

この2体とのデュエルも考えてはいましたが、尺の都合で没に。ただ仮にデュエルをするとなればやはり【カオス】デッキになっていたでしょうね。ちなみにモンスターがデュエルをするという展開はGXの覇王編で見られたようにモンスターがディスクをつけるわけではないですが、人間と同じようにデュエルをするという感じになります。

さて最後に出てきた技名を見れば……次回の登場人物はもうお判りでしょうね。 (2016-07-29 12:13)
名無しのゴーレム
どうやらすんなりと囚われのお姫様の下へは辿り着けないようで。最初に立ちふさがった(?)のはカオスコンビ。詩織関連で何かあるかと思ったけどそんなことはなかったぜ!
カオスソルジャーってGXで出てなかったっけ? と思って調べてみたら……あれはカオスソーサラーでしたか。あちらはヘルカイザー相手にグレートモスを出すという偉業を成し遂げましたが……もしかしてソルジャーの方も!?(違います) (2016-07-29 20:39)
光芒
>名無しのゴーレムさん
行ってすぐ出会えるほど甘くはないですね、さすがにそこは王道と言えば王道であります。
カオスコンビですが、詩織というより光子竜の人徳?竜徳?によって無事通り抜けられた感じですね。ただ詩織も詩織で最後にフォローを入れているので何もしなかったわけではないですが。

そうですね、カオス・ソーサラーが覇王十代の配下でグレートモス出してましたね。
なんでカオス・ソーサラーなのにグレートモスデッキなのかというツッコミを当時よくしていた記憶があります。ちなみに番人2体はデュエルをする予定はないので悪しからず。 (2016-07-30 11:08)

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110 第50話:誇りを賭けた戦い 1504 5 2015-12-08 -
37 第51話:昔からの相棒 1416 3 2015-12-11 -
114 第52話:超戦士降臨 1559 4 2015-12-15 -
62 第53話:綾瀬の正体 1504 2 2015-12-19 -
49 第54話:精霊と精霊 1334 4 2015-12-22 -
70 第55話:真剣勝負 1292 2 2015-12-25 -
40 第56話:反攻の遊希 1249 2 2015-12-27 -
103 第57話:満身創痍のふたり 1334 3 2015-12-30 -
122 第58話:幻惑、水の銀河眼 1571 3 2016-01-04 -
102 第59話:未知の敵 1546 4 2016-01-07 -
67 第60話:猛攻! スピードロイド 1453 2 2016-01-10 -
94 第61話:親友 1465 5 2016-01-12 -
65 第62話:死闘の果てに 1502 6 2016-01-15 -
87 第63話:二人の少女、そしてライバル 1412 2 2016-01-18 -
50 第64話:激突! 青眼VS真紅眼! 1403 3 2016-01-21 -
106 第65話:光の導き 1311 2 2016-01-24 -
103 第66話:立ち上がる時 1344 4 2016-01-27 -
85 第67話:不滅の戦士! 幻影騎士団 1407 2 2016-01-30 -
121 第68話:不可解なこと 1447 2 2016-02-02 -
77 第69話:千夏との誓い 1294 3 2016-02-05 -
69 第70話:あの日、あの時 1368 4 2016-02-08 -
122 第71話:黒幕との接触 1563 3 2016-02-10 -
136 第72話:決別の時 1637 3 2016-02-12 -
100 第73話:思いを一つに 1376 3 2016-02-15 -
97 第74話:邪なる同調 1447 2 2016-02-17 -
43 第75話:精霊の奇跡 1375 4 2016-02-19 -
108 第76話:星天の再会 1380 2 2016-02-22 -
111 第77話:ペンデュラムの脅威! 1429 4 2016-02-24 -
116 第78話:渾身のドロー 1611 2 2016-02-26 -
98 1万アクセス突破記念企画開催! 1838 0 2016-02-26 -
49 第79話:覇王黒竜の目覚め 1385 4 2016-02-28 -
42 第80話:進化する銀河龍 1469 2 2016-03-01 -
129 第81話:変わらぬ友情 1445 7 2016-03-03 -
104 第82話:集う決闘者 1680 6 2016-03-04 -
131 第83話:小さくたって決闘者 1691 7 2016-03-05 -
95 第84話:決意を秘めた決闘者 1421 9 2016-03-07 -
71 第85話:歩み始めた決闘者 1506 13 2016-03-08 -
112 第86話:真意を告げた決闘者 1560 7 2016-03-09 -
102 第87話:ポンコツ揃いな決闘者 1586 7 2016-03-10 -
57 第88話:とにかく可愛い決闘者・1 1477 10 2016-03-11 -
90 第89話:とにかく可愛い決闘者・2 1526 8 2016-03-13 -
87 第90話:五人五色な決闘者 1428 6 2016-03-14 -
122 遊希たちが4月改訂を語るようです 1454 8 2016-03-16 -
69 第91話:夕刻迎えし決闘者 1366 6 2016-03-16 -
86 第92話:解き放たれた決闘者 1605 6 2016-03-18 -
68 第93話:秘密を打ち明けた決闘者 1727 7 2016-03-20 -
62 第94話:一計案じる決闘者 1250 8 2016-03-22 -
74 第95話:絆深める決闘者 1431 10 2016-03-23 -
71 第96話:矛を交える決闘者・1 1376 9 2016-03-25 -
113 第97話:矛を交える決闘者・2 1307 6 2016-03-27 -
109 第98話:矛を交える決闘者・3 1402 7 2016-03-29 -
69 第99話:矛を交える決闘者・4 1385 7 2016-03-31 -
82 第100話:熱戦の決闘者・1 1362 6 2016-04-02 -
116 第101話:熱戦の決闘者・2 1400 10 2016-04-05 -
76 第102話:熱戦の決闘者・3 1414 11 2016-04-07 -
68 第103話:熱戦の決闘者・4 1367 6 2016-04-09 -
101 第104話:熱戦の決闘者・5 1496 6 2016-04-11 -
93 第105話:熱戦の決闘者・6 1435 6 2016-04-13 -
57 第106話:決戦に臨む決闘者・1 1368 6 2016-04-15 -
115 第107話:決戦に臨む決闘者・2 1438 11 2016-04-18 -
70 第108話:別れの時を迎える決闘者 1430 10 2016-04-20 -
65 番外編前編について遊希たちが語るようです 1464 6 2016-04-21 -
95 第109話:2通の手紙 1548 11 2016-04-23 -
92 第110話:青き眼のアトラクション 1474 6 2016-04-25 -
120 第111話:新時代のデュエル 1417 6 2016-04-27 -
79 第112話:ドラグーン 1337 6 2016-05-01 -
103 第113話:アクセラレーション! 1413 7 2016-05-03 -
105 第114話:熱気溢れしサーキット 1228 6 2016-05-06 -
126 第115話:新たなるブラックフェザー 1282 5 2016-05-10 -
128 第116話:疾走の果てに 1488 7 2016-05-12 -
47 第117話:ノンストップ・ガールズ 1510 6 2016-05-14 -
66 第118話:夏の終わり 1435 9 2016-05-16 -
111 第119話:謎の美少女 1490 4 2016-05-19 -
79 第120話:真・究極 1348 8 2016-05-21 -
54 第121話:遊希の動揺、遊望の微笑 1318 4 2016-05-23 -
56 第122話:聖夜の悲劇 1278 6 2016-05-25 -
50 30000アクセス記念企画を少々。 1206 5 2016-05-27 -
72 第123話:姉として 1324 3 2016-05-29 -
62 第124話:対峙する竜と龍 1362 3 2016-06-01 -
54 第125話:顕現せし遊望の精霊 1400 5 2016-06-03 -
54 第126話:No.(ナンバーズ) 1416 4 2016-06-06 -
101 第127話:届かぬ言葉 1402 7 2016-06-08 -
68 30000アクセス記念企画 1604 4 2016-06-10 -
58 第128話:白紙のカード 1338 6 2016-06-14 -
114 第129話:青空の下で 1227 3 2016-06-17 -
123 第130話:白いドラゴンとの邂逅 1496 4 2016-06-20 -
64 第131話:試練のデュエル 1332 4 2016-06-23 -
59 第132話:第四の精霊 1257 5 2016-06-26 -
105 第133話:舞い降りる閃珖竜 1385 4 2016-06-29 -
59 第134話:親友に託された力 1241 3 2016-07-02 -
95 第135話:涙の誓い 1310 4 2016-07-06 -
95 第136話:次元転送装置 1267 3 2016-07-09 -
90 第137話:新たなる竜星 1423 5 2016-07-12 -
53 第138話:綾香の忘れたもの 1240 4 2016-07-15 -
128 第139話:決闘者たちの選択 1214 5 2016-07-19 -
98 第140話:2人の真意 1276 7 2016-07-24 -
62 第141話:精霊界への旅立ち 1311 4 2016-07-28 -
57 第142話:黒き魔術師と弟子 1251 3 2016-08-02 -
115 第143話:七星将軍の襲撃 1312 3 2016-08-05 -
86 精霊界 登場キャラクター(9/14更新) 1333 0 2016-08-07 -
64 第144話:英雄と炎拳・1 1222 5 2016-08-10 -
67 第145話:英雄と炎拳・2 1194 4 2016-08-14 -
60 第146話:騎士王の覚醒 1206 6 2016-08-17 -
72 第147話:竜姫神と岩の合成獣・1 1271 3 2016-08-21 -
67 第148話:竜姫神と岩の合成獣・2 1247 2 2016-08-23 -
45 第149話:過去への鎮魂歌 1289 7 2016-08-26 -
85 50000アクセス記念企画~短編集・1~ 1321 3 2016-08-28 -
81 第150話:機械の身体に宿る心 1128 0 2016-08-31 -
52 第151話:空を超えて 1101 0 2016-09-03 -
112 第152話:竜と機械の大会戦 1181 0 2016-09-08 -
54 第153話:竜領域のナンバーズ 1201 0 2016-09-13 -
78 50000アクセス記念企画~短編集・2~ 1452 7 2016-09-17 -
102 遊希たちが10月改訂を語るようです 1281 4 2016-09-19 -
77 第154話:望まぬ戦い 1159 2 2016-09-23 -
63 第155話:正しさと過ち 1143 4 2016-09-27 -
54 第156話:少女の決意 1257 2 2016-10-01 -
115 第157話:遊希に起きた異変 1335 4 2016-10-05 -
109 第158話:未知なるデッキ 玻星光 1274 3 2016-10-08 -
108 第159話:玻璃の如く純粋に 1276 2 2016-10-12 -
105 第160話:限界を超えて 1247 3 2016-10-15 -
127 第161話:決戦 1256 3 2016-10-18 -
94 第162話:精神の成長 1226 2 2016-10-21 -
46 第163話:聖なる珖放つ神の竜 1254 4 2016-10-24 -
39 第164話:絆が紡いだ道 1355 6 2016-10-27 -
65 第165話:戦いの終わり 1320 4 2016-10-30 -
57 番外編 Trick or Treat 1193 5 2016-10-31 -
105 第166話:終わりの始まり 1377 9 2016-11-04 -
106 第167話:最期のワガママ 1432 4 2016-11-07 -
117 第168話:声なき再会の誓い 1308 4 2016-11-10 -
87 番外編:11月11日 1189 5 2016-11-11 -
68 第169話:七皇激突 1140 3 2016-11-15 -
47 第170話:怒りに生まれし竜 1117 3 2016-11-17 -
128 第171話:紅き新星竜 1409 5 2016-11-19 -
76 第172話:未来を賭けた戦い・1 1309 4 2016-11-22 -
115 第173話:未来を賭けた戦い・2 1216 3 2016-11-24 -
125 第174話:未来を賭けた戦い・3 1213 4 2016-11-28 -
132 第175話:神の目覚め(修正済) 1221 5 2016-11-30 -
147 第176話:ゴッド・ナンバーズ 1564 5 2016-12-02 -
97 第177話:次元を越える想い 1445 4 2016-12-05 -
137 第178話:天地創造の龍 1439 3 2016-12-07 -
102 第179話:希望への道 1344 3 2016-12-09 -
133 第180話:別れの時 1263 4 2016-12-11 -
103 第181話:少女たちの帰還 1204 5 2016-12-13 -
57 遊希たちが1月改訂を語るようです 1157 7 2016-12-15 -
121 第182話:バースデイ 1404 3 2016-12-17 -
94 第183話:星龍皇覚醒・1 1228 3 2016-12-19 -
102 第184話:星龍皇覚醒・2 1200 4 2016-12-21 -
80 第185話:星龍皇覚醒・3 1114 4 2016-12-22 -
95 番外編:一番のプレゼント 1204 5 2016-12-25 -
116 第186話:星龍皇覚醒・4(修正済) 1309 3 2016-12-26 -
97 星龍皇 設定・カード紹介 1293 0 2016-12-29 -
61 第187話:星龍皇覚醒・5 1208 4 2016-12-30 -
99 番外編:新年 1213 4 2017-01-01 -
74 第188話:星龍皇覚醒・6 1076 2 2017-01-04 -
114 第189話:星龍皇覚醒・7 1200 3 2017-01-07 -
56 第190話:神星龍皇と課せられた運命 1390 3 2017-01-09 -
125 エピローグ:未来 1655 10 2017-01-13 -
91 番外編:2月3日 1156 4 2017-02-03 -
89 番外編:愛と友情のチョコレート 1028 4 2017-02-14 -
77 番外編:桃(色)の節句 1078 4 2017-03-04 -
125 感謝とお知らせ 1248 2 2017-05-04 -
78 番外編:Gift 1105 2 2017-12-25 -
140 ゴブリンと青眼(ブルーアイズ) 1083 2 2018-01-14 -
112 アフターストーリー:星乃 綾香編・1 1739 2 2018-05-24 -
83 アフターストーリー:星乃 綾香編・2 983 2 2018-05-28 -
95 アフターストーリー:星乃 綾香編・3 908 2 2018-05-30 -
120 アフターストーリー:星乃 綾香編・4 1021 2 2018-06-03 -
112 アフターストーリー:星乃 綾香編・5 1069 4 2018-06-06 -
52 アフターストーリー:陽川 千夏編・1 829 2 2018-08-14 -
62 アフターストーリー:陽川 千夏編・2 825 3 2018-08-20 -
102 アフターストーリー:陽川 千夏編・3 859 3 2018-08-23 -
62 アフターストーリー:陽川 千夏編・4 819 2 2018-08-25 -
35 アフターストーリー:陽川 千夏編・5 759 3 2018-08-30 -
62 『雪と光竜と夢幻世界』コラボ・1 901 2 2018-09-01 -
203 『雪と光竜と夢幻世界』コラボ・2 1012 3 2018-09-07 -
92 『雪と光竜と夢幻世界』コラボ・3 733 0 2018-09-09 -
58 『雪と光竜と夢幻世界』コラボ・4 837 3 2018-09-12 -
117 番外編:願う幸福 1413 2 2018-12-25 -

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