第04話　悪の科学者？　作：風鼠

バット「…遊樹さま。少し用があるのですが、よろしいでしょうか？」

遊樹「…なんだ。また異世界関連の話しか？」

学校が終わり、帰宅した遊樹にバットは、ホバリングをしながら話しかける。

バット「えぇ、その通りです。アザトースを倒すために協力をしてｋ」

遊樹「だから、拒否するって言ってるだろ。遊華も放置すると心配だし」

バット「遊華様は快く協力を承諾してくれました。」

遊樹「あいつ…いつの間に…。なんでそこまで俺達に頼る？」

バット「…遊樹さま。私はこの世界に来たばかりで人脈がないのです。ですので遊樹さまたちにしか頼る事ができないのです。」

遊樹「…はぁ…仕方ねぇ。メンドクサイが協力してやるよ。」

バット「遊樹さま!」

バットは目を輝かせ羽をばたつかせる

遊樹「俺はデュエルはしないからな!」

遊華「遊樹～♪遊びに来たｙ…ふみゃ!?」

大量の荷物を持った遊華は玄関を勢いよく開けた際にその勢いで体勢を崩し、倒れこむ。その衝撃で背負っていたバックの中身をぶちまける。

遊華「ゆうきぃ～…たすけてぇ～…」

遊華は荷物に埋もれ、か細い声を上げる

遊樹「こいつは…手間のかかる…」

バット「…行く先が思いやられます…」

遊華「遊樹助けてくれてありがとぉ～♪」

遊樹「いつもの事だろ…っで、なんだ、この荷物は…食べ物ばっかし…」

バット「それも…袋菓子がたくさんありますね。」

遊華を助けた後、バックからこぼれた大量の袋菓子を一つずつ丁寧に入れ戻す。

遊華「?異世界に行くんでしょ？だから食べ物は必要かな～って♪」

遊樹「あのなぁ…確かに食料確保はもちろん必要だが…その前にいろいろやる事あるだろ。」

遊華「え？そうなの？」

遊樹「お前一人でデュエルするのか？」

遊華「え…無理かなぁ？」

バット「デュエルが苦手な私とのデュエルでも負けましたし…」

遊華「あ、あれは…ま、まぐれだもん。偶々手札が悪かっただけだもん」

遊華は幼い子供が拗ねる様に頬を膨らませ、言い訳を呟く。

遊樹「…ま、とにかくまともにデュエルでき、腕の立つ人材が欲しい。」
遊華「じゃあ、遊樹がでゅえｒむぐぅ」

遊樹「俺はしない。」

遊樹は遊華の両頬を寄せるようにして掴み口を塞ぐ

バット「…では…どうしましょうか…一刻も早く集めないと…」

遊華「じゃあ～♪とりあえず、公園に行ってみない？デュエルしてる人いるかも♪」

遊樹「…いるかもしらないが…腕が立つとは限らないだろ…」

遊樹は呆れたような口調で、楽しそうな口調で話す遊華の事を見つめる

遊華「いるかもしれないじゃ～ん♪行こ～♪」

遊樹「うわ！分かったから、腕引っ張るな！」

バット「(な、なんだかんだ、仲良しですよね。)」

公園

???「がーはっは!この世界はこのワシが世界侵略するぞ～！」

公園に到着すると、太陽光で頭が光る程スッキリした頭に白い口髭を蓄えた男性が、大声で高笑いを上げる。

遊華「あ、また博士来てる～。」

バット「あの…典型的な悪の科学者っぽい方は…」

遊樹「ん？…あぁ、アイツは…ホクバルっていう、科学者だ。…悪側のな。」

バット「そ、そうなんですか…。世界侵略って言ってますけど…」

遊樹「あぁ…それも大丈夫だ。多分もうすぐ…」

???→ホクバルＶＳ小学生1　ＬＰ　0：4000

???→ホクバル「ぐは…なんだと…わしが負けるだと…?!」

小学生1「やたー勝ったぞー」
小学生2「このオッサンよえ～」

遊華「あちゃ～…惨敗だね～」

遊樹「…デュエルの腕は残念だから、殆ど無害なんだ。」

バット「そ、そうですか…」

ホクバル「カード比率を間違えたか？それともデュエル理論に問題が…」

遊華「ホクバルのおじさーん！」

遊樹「…あ！あのバカ！」

遊樹が遊華から目を離した隙に、遊華はその場でぶつぶつと独り言を言いながら、デッキ内容を確認するホクバルに元気よく話しかける。

ホクバル「…ん？おぉ、遊華か。この天才科学者のワシに何か用か？」

遊華「今日何か売らないの～？」

ホクバル「そうじゃの…この全自動卵割り器なんかどうじゃ？1個1500円と安いぞ？」

そういうとホクバルはどこからか小型の機械を取り出し、遊華に見せる

遊樹「そんなモノ買う馬鹿がどこにいるんだ…」

ホクバル「おぉ。遊樹もいたのか。」

遊華「それ買った！」

遊樹「前言撤回。馬鹿がいた。」

ホクバル「お、2000円だから500円のおつりだな。」

遊樹「やった～♪今日は卵焼きだ～♪」

遊樹「(焼くのはどうせ俺だろうな…)…今日は他にどんなの持ってきてるんだ？」

遊華は財布から1000円札2枚をホクバルに渡し、おつりを受けとる。

ホクバル「ん？他にはだな…全自動新聞縛り機や、全自動牛乳パック切り機だったり…」

遊華「ほぇ～いっぱいある～」

ホクバルは手品のように次々と機械を並べ始める

遊樹「…どれも使えそうだが…自分でやった方が早いモノが多い気が…」

バット「機能はどうあれ、どれも技術力は高いモノばかりですね」

ホクバル「…ぬ？そのコウモリ…人の言葉を話せるのか？」

遊樹「！そ。それは…」

ホクバルの機械を眺めながら人の言葉を話すコウモリをホクバルは興味しんしんに見つめる。

バット「おっと、これは失礼。私は「バルトロメオ・トルネーぜ」と申します。「バット」と及び下さい。」

遊華「バットはね～いせｋ…むぐぅ！」

遊樹「こ、こいつはな、遊華が拾ってきてな、どこかで改造されたコウモリで人の言葉を話せるんだ。」

遊樹は全てを話そうとする遊華の口を塞ぎ、簡単にホクバルの質問に答える。

ホクバル「ふむ…そうか。」

遊樹「…そ、そういえば、この前、開発してた反重力装置はどうなったんだ？」

ホクバル「あぁ、あれか。もう完成して今特許申請中だ」

遊樹は話題を逸らす為、ホクバルの機械についての話題を切り出す。

遊華「すごい！後で遊ばせてね～♪」

遊樹「(こいつに遊ばせると壊れそうな気が…)」

バット「遊樹さま…ちょっとこちらへ。」

遊樹「？あぁ。」

遊樹はバットに呼ばれ、ホクバルの商品を興味深そうに眺める遊華を置いて、少し離れた場所で足を止める。

バット「(遊樹さま…デュエルとしての戦力としては期待できませんね…)」

遊樹「(あぁ…だが、こいつの開発力はきっと役に立つと思うが…)…ん？」

遊華「値引きしろ～！」

ホクバル「ふん！だれが好き好んで値引きをするものか！ワシの生活が懸かってるんだ！」

遊樹「おいおい、お前らなんで揉めてんだよ…」

遊華「だって、これ欲しいけどすっっっごく高いんだもん！」

遊樹「…100億か…」

遊華は手に持った商品を遊樹に見せる。

遊樹「…ちなみにこれ何の機械なんだ？」

ホクバル「2次元へと行ける機械『現実脱出器』だ。わしの傑作品だぞ！それをそうそう値引きなど…」

遊樹「(ものすごく需要がありそう。)」

ホクバルは偉そうな口調でドヤ顔をする。

遊華「欲しいのに～…そうだ！ホクバルのおじさん！デュエルして私が勝ったら値引きして！」

ホクバル「よかろう！だがワシが買ったら…今度の実験の実験台になってもらう！」

遊華「よし乗った！」

遊樹「…はぁ…」

遊華＆ホクバル「デュエル！」

本筋外

遊華「卵割り器で割った卵で作った卵焼きはどうかな～♪」

遊樹「(結局焼いたのは俺だが…)」

遊華「はむ♪…ひゃああぁおいしいぃよぉ♪」

遊樹「…」


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中年の天才科学者。デュエルの腕は残念だが、物を開発する技術力は非常に高い。