52 グロウアップ・コクーン！熱き力比べ　作：ギガプラント

夏武斗「俺のターンだ！ドロー！」


夏武斗「俺は、チューナーモンスター『ブルズアイ・フェアリー』を召喚！」星３・ＡＴＫ１０００


夏武斗「ブルズアイ・フェアリーの効果発動！手札の昆虫族モンスター１体を墓地へ送る事でデッキからカードを１枚ドローする！」


夏武斗「手札から『花蜜の踊り子』を墓地へ送り、カードを１枚ドロー！」


夏武斗「そして花蜜の踊り子が墓地へ送られた時、自分フィールド上に表側表示で存在するカード１枚につき４００ライフポイント回復する！」

ミツバチをモチーフとした衣装の踊り子が華麗に踊り出す。


夏武斗「俺の場にはタッグ・スタッグビートルが２体とブルズアイ・フェアリーが１体、よってライフを１２００回復！」ＬＰ４０００→５２００


光輝「モンスター効果を利用して別のモンスター効果も同時に…。」


夏武斗（今はとにかくダメージを稼ぐ！）


夏武斗「よし、こっちも行くぜ！俺はレベル３のタッグ・スタッグビートルにレベル３のブルズアイ・フェアリーをチューニング！」




逆巻く怒号の嵐！空を裂くこの腕に宿れ！


シンクロ召喚！切り裂け！『裂刃ストームシックル』！星６・ＡＴＫ２２００




茶ノ畑「負けじとシンクロ召喚！これはシンクロ同士の対決か！？」


夏武斗「バトルだ！俺は裂刃ストームシックルでＲ・Ｆ－ギアスフィアを攻撃！サイクロンスウィング！」


大振りの鎌に真っ二つに切り裂かれるギアスフィア。


光輝「くっ…！」ＬＰ４０００→３６００


光輝「だがこの瞬間、ギアスフィアのモンスター効果発動！デッキより攻撃力１５００以下のＲ・Ｆモンスター１体を攻撃表示で特殊召喚する！」


光輝「僕はデッキよりチューナーモンスター『Ｒ・Ｆ－ノヴァキッド』を特殊召喚！」星３・ＡＴＫ５００→１０００


夏武斗「またチューナー…！」


茶ノ畑「新たなチューナーモンスターの登場だ！これは次のターンで更なるシンクロ召喚が来るか！？」


夏武斗「それはさせないぜ！俺はストームシックルのモンスター効果発動！」


夏武斗「フィールド上に存在するこのカードより低い攻撃力のモンスター１体を破壊する！」


夏武斗「俺はこの効果で、Ｒ・Ｆ－ノヴァキッドを破壊するぜ！」


夏武斗「シェーバースフィア！」



光輝「僕はＲ・Ｆ－エナジー・コンダクターのモンスター効果発動！」


光輝「このカードの攻撃力が２９００以上の時、自分フィールド上に表側表示で存在するカード１枚を選択し、ターン終了時までカード効果による破壊を無効にする！」


夏武斗「何っ！？」


光輝「エナジー・プロテクション！」

鎌鼬の球体は光のバリアに受け流される。


夏武斗「くっ！」


光輝「君ならチューナーを狙ってくると思ったよ。けど、そう簡単に崩せると思わない事だね。」


夏武斗（攻撃も防御も隙がない…！）


夏武斗「俺はカードを１枚セット。ターンエンド…。」



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（ジェネシックスタジアム・客席）


アリス「っはは！！ざまーみろっつーの！！」


アリス「何が『それはさせないぜ～』よ、あっさり防がれちゃってｗあーダッサイ！」


アリス「まさか勝ち残ってるとは思わなかったけど、あれはまぐれで勝ち上がったに違いないわｗははは！」


ヴァルト「アリス様……。」


アリス「ねぇヴァルト？アイツあと何ターンで負けると思う？２ターンくらいかな？いや次のターンで終わっちゃうかしら？はは！」


ヴァルト「……今は作戦中で」


アリス「あたしがアンタに訊いてんのよ？あたしの言う事聞かない訳？」


ヴァルト「…申し訳ありません。」


ヴァルト「確かに現状況では彼の方が劣勢と言えるかもしれません。しかしその前のライフ補給、セットカード、後にどう響くか分からない要素もございます故、彼の負けを確信するのは早計かと。」


アリス「あーもう相っ変わらずつまんないわねアンタ！！」


ヴァルト「…申し訳ありません。」


アリス「その毎回毎回同じような謝り方も聞き飽きたっつーの！！」



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光輝「僕のターン！」


光輝「僕は『Ｒ・Ｆ－バリアグレア』を召喚！」星３・ＡＴＫ１００→６００


茶ノ畑「またモンスター一式が揃ったぞぉ！」


光輝「僕はレベル３のバリアグレアにレベル３のノヴァキッドをチューニング！」




強靭な肉体に秘めたる力！光の拳より放て！


シンクロ召喚！


『Ｒ・Ｆ－マッスル・ヒート』！星６・ＡＴＫ２０００→２５００




身体に比べやたらと大きな腕を持つ格闘戦士。


夏武斗「２体目のシンクロモンスターが…！」


光輝「バトル！Ｒ・Ｆ－エナジー・コンダクターで裂刃ストームシックルを攻撃！エナジー・エミッション！！」


夏武斗「ぐあっ！」ＬＰ５２００→４５００


光輝「続けてマッスル・ヒートでタッグ・スタッグビートルを攻撃！」


夏武斗「くっ…そっちは通さない！永続罠発動！『グロウアップ・コクーン』！」


カードビジョンから大量の糸のような物が放たれタッグ・スタッグビートルを包み込む。
何重にも巻かれたそれは一つの大きな繭となる。


夏武斗「このカードに包まれたモンスターは、攻撃と効果を封じられる代わりに戦闘によって破壊されなくなる！」


マッスル・ヒートの大きな拳に打たれても繭はびくともしない。


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竜太「あれ…戦闘破壊から守れるんだったらシンクロモンスターに使った方が良かったんじゃねーか？」


初「でもストームシックルは攻撃表示だから、守れてもダメージは受けちゃうよ？」


竜太「それもそうか…。」


楯山「攻撃と効果が封じられるデメリットも無視できない。そこまでして残す必要が無かったのかも知れん。」


楯山「さしずめ守備表示モンスターを壁にしてあの布陣を突破するカードを引くまでの時間稼ぎでもするつもりじゃないか？」


初「成程…。」




楯山「……ま、あの小僧が何を企んでるかなんて知った事じゃないがな。」


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天音「シンクロモンスターが２体も…！」


ロバート「あの繭が無かったら本気で危なかったな。」


仁「…だがそれも時間稼ぎにしかならん。」


天音「グロウアップ・コクーンが破壊される前に何か手を打たないと…ですね。」


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光輝「タッグ・スタッグビートルは守備表示……つまりそのカードを何とかしない限り、僕はダメージを与えられないという事か…！」


光輝「だがこの瞬間、Ｒ・Ｆ－マッスル・ヒートのモンスター効果発動！」


光輝「このカードが戦闘を行った場合、ダメージ計算後にこのカードの攻撃力を５００ポイントアップする！」ＡＴＫ２５００→３０００


夏武斗「また攻撃力が上がった…！」


光輝「カードを１枚セットしてターンエンド。」



夏武斗「俺のターン！ドロー！」


夏武斗「グロウアップ・コクーンの効果発動！」


夏武斗「自分のスタンバイフェイズ時、対象となっているモンスターのレベルは１つ上がる！」星３→４


光輝（レベルが上がった……中のモンスターが成長しているのか？）


夏武斗「俺はモンスターを裏側守備表示でセット…ターンエンド。」



光輝「ひとまず防御という事か…。」


光輝「僕のターン！ドロー。」


光輝（このカードでは永続罠を破壊できないな……だが）


光輝「モンスターが破壊できなくとも、戦う術はある！永続罠発動！『シンクロ・ブラスト』！」


光輝「１ターンに１度、自分のシンクロモンスターが相手モンスターを攻撃した時、相手に５００ポイントダメージを与える！」


夏武斗「くっ…。」


光輝「行かせてもらうよ！僕はＲ・Ｆ－エナジー・コンダクターでセットモンスターに攻撃！エナジー・エミッション！」


夏武斗「セットモンスターはガーディニアン…」


茶ノ畑「守備力は２０００！そのまま破壊されてしまいます！」


光輝「更に！シンクロモンスターが戦闘を行った事によりシンクロ・ブラストの効果が発動する！」


夏武斗「ぐあああ！！」ＬＰ４５００→４０００


光輝「続けてＲ・Ｆ－マッスル・ヒートでタッグ・スタッグビートルを攻撃！」


再び巨大な鉄拳を喰らわせる。しかし変わらず繭はびくともしない。


夏武斗「グロウアップ・コクーンの効果により破壊は無効だ！」


光輝「だがこの瞬間マッスル・ヒートの効果により、更に攻撃力が５００ポイントアップ！」ＡＴＫ３０００→３５００


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天音「なんとか身を護る事はできましたが…。」


仁「…シンクロ・ブラストの効果により毎ターンダメージが飛んでくる。」


ロバート「そんで相手のシンクロモンスターは攻撃力を上げ続ける。…なんにも安心できねえなこりゃ。」


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奏「………」


大駕「流石じゃのう。相手の戦術を崩してはおらんが場の主導権をしっかりと握っておる。」


大駕「といってもあの様子じゃとそんな事考えてなさそうじゃがな。」


奏「別に…このくらい普通よ。」


大駕「ほう、儂とて中々ここまでスマートには行かぬと思うがの。」


奏「あたしだってそうよ……でもあいつは光輝だもの。」


奏「いつも私の一歩上へ行く……上原光輝だもの。」


大駕「がっはっは！それもそうじゃな！」


大駕「あやつは強い。儂が今まで戦った中であやつほど強い信念と力を持ったデュエリストはおらん。」


大駕「むしろこれくらいしてもらわなければ拍子抜けじゃな。」


奏「そうよ…あいつは」


奏「ホントに強くて、ホントに真っ直ぐで、ホントに………んだから。」



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夏武斗（早くなんとかしないと…。）


光輝「カードを１枚セットしてターンエンド。」


光輝「夏武斗君、これは僕らの力比べだ。」


光輝「僕が君の布陣を突破するか、君が僕のモンスター達を乗り越えるか…どちらが先かで勝負が決まる。」


夏武斗「どちらが先か……そんな事考えるまでもねーぜ！」


光輝「っ！？」


夏武斗「俺のターン！ドロー！」


夏武斗「よっしゃ！スタンバイフェイズ！グロウアップ・コクーンの効果によって、タッグ・スタッグビートルのレベルは１つ上がる！」星４→５


夏武斗「そして俺は、グロウアップ・コクーンの更なる効果発動！」


夏武斗「このカードの対象となっているモンスターをリリースし、このカードを墓地へ送る！」


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初「更なる効果…！？」


竜太「おいおいせっかく盾になってるモンスターをリリースしちゃうのかよ！」


楯山「何を企んでる…楠夏武斗。」


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夏武斗「そして、リリースしたモンスターと同じ属性・種族のモンスターをデッキから特殊召喚する！」


夏武斗「リリースしたタッグ・スタッグビートルのレベルは５！よってデッキよりレベル５の『スターホーン・ビートル』を特殊召喚！」星５・ＡＴＫ１８００
正面から見ると星型に見える５本に分かれた角を持つカブトムシモンスター。


光輝「新たなモンスターを…やはりただ守っているだけじゃなかったか！」


夏武斗「そして俺は…魔法カード『貪欲な壺』を発動！」


光輝「貪欲な壺…墓地のモンスター５体をデッキに戻し、カードを２枚ドローするカード…。」


光輝（巻き返すことを確信しているっていうのか…。）


夏武斗「…２枚ドロー！」

代打バッター、花蜜の踊り子、タッグ・スタッグビートル、タッグ・スタッグビートル、裂刃ストームシックルがデッキに戻る。



夏武斗（これならいける！）


夏武斗「俺はビートルーパーを召喚！」星３・ＡＴＫ１５００


夏武斗「ビートルーパーが召喚に成功した時、手札か墓地からレベル３以下の昆虫族モンスター１体を特殊召喚できる！」


夏武斗「俺は『ブルズアイ・フェアリー』を特殊召喚！」星３・ＤＥＦ７００


光輝「チューナー…！」


夏武斗「俺はレベル３のビートルーパーにレベル３のブルズアイ・フェアリーをチューニング！」



シンクロ召喚！


再び現れろ！『裂刃ストームシックル』！星６・ＡＴＫ２２００



光輝（またあのモンスター…一体何を）


夏武斗「俺は魔法カード『弱体引力（ダウン・アトラクション）』を発動！」


夏武斗「相手モンスター１体の攻撃力は、相手フィールドで１番低い攻撃力のモンスターの攻撃力分ダウンする！」


夏武斗「ダウンするのはマッスル・ヒート！その攻撃力はエナジー・コンダクターの攻撃力２９００ポイント分ダウンだ！」


光輝「攻撃力を…。」ＡＴＫ３５００→６００


夏武斗「バトルフェイズ！ストームシックルでマッスルヒートを攻撃！サイクロンスウィング！」


光輝「があああ！！」ＬＰ３６００→２０００


夏武斗「そしてスターホーン・ビートルでエナジー・コンダクターを攻撃！」


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初「攻撃力の低いモンスターで攻撃を！？」


楯山「あーもー！次はどうするんだアイツ！」

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夏武斗「スターホーン・ビートルのモンスター効果発動！」


夏武斗「このカードが自分より高い攻撃力のモンスターに攻撃する時、その攻撃力の差分だけ自分のライフを回復する！」ＬＰ４０００→５１００


夏武斗「そしてこのカードはその戦闘では破壊されない！」


光輝「だが、結局同じ分のダメージを受ける！」


夏武斗「くっ…！スターホーン・ビートルのもう一つの効果発動！」ＬＰ５１００→４０００


夏武斗「自身の戦闘で受けたダメージ以下の攻撃力の昆虫族モンスター１体を墓地から特殊召喚する！」


夏武斗「もう一回来てくれ！『ブルズアイ・フェアリー』！」星３・ＤＥＦ８００


光輝「っ！」


夏武斗「まだまだ！俺は罠カード『シンクロ・ソニック』を発動！」


夏武斗「自分フィールド上のシンクロモンスターの数だけ、相手の魔法＆罠カードゾーンに表側表示で存在するカードを破壊する！」


夏武斗「俺の場のシンクロモンスターは１体！光輝球体を破壊するぜ！」


光輝「忘れたのかい？僕にはエナジー・コンダクターが居る！効果発動！エナジー・プロテクション！」


光輝「攻撃力が下がれば効果は使えない！だがエナジー・コンダクターは１ターンに１度カードを守る効果が………」


光輝「っ！？」


光輝（まさか…！！）


夏武斗「速攻魔法発動！『ヴィクトリー・リワード』！」


夏武斗「このターン戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送ったモンスターの攻撃力は、破壊したモンスター１体の攻撃力分アップする！」ＡＴＫ２２００→４２００


光輝「攻撃力４２００……はっ！？」


光輝「そういう事か！！」


夏武斗「ストームシックルの効果発動！このカードより低い攻撃力のモンスター１体を破壊する！」


夏武斗「今ストームシックルの攻撃力はエナジー・コンダクターを上回ってる！そのまま破壊だ！」


光輝（シンクロ・ソニックはおとり…エナジー・コンダクターをカード効果で破壊するのが本当の目的…。）


夏武斗「シェーバースフィア！！」


鎌鼬に斬撃によりコンダクターの全身が切り裂かれる。




光輝（流石だよ夏武斗君……その思い切りとタクティクス、ここまで勝ち残っているのも納得だ！）


光輝「だが！！ここを勝ち上がるのは僕だ！！」





終










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（次回予告）


夏武斗「う～む…どうするべきか…。」


天音「夏武斗君？どうかしました？」


夏武斗「あぁ天姉。いやぁデュエルしてる時って色々と悩む場面があるよな。」


天音「そうですね。どのモンスターを出すか、このタイミングでこれを使うべきか、今攻撃をするべきか……挙げ始めたらキリがないくらいですね。」


夏武斗「だよなぁ～やっぱ迷うよなぁ。」


天音「でもそんな時は変に考え過ぎずに自分らしく行動するのが一番ですよ。」


夏武斗「自分らしく…か。そうだよな！よし決めた！」


夏武斗「次回！『ラストターンの駆け引き』」


光輝「まさか、こんな形で終わらせる事になるとはね…。」
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・ブルズアイ・フェアリーさん過労死回
・シンクロ・ソニックはファイブディーズにてジャックが、シンクロ・ブラストは遊星が使用したカードです。
・書き始めて大体一周年くらいになるんだけど、一年分の話数が大体アニメ一年分と同じでびっくり。別に意識してたわけじゃないんだけどなぁ。