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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第08話 彼の手に握られるカードは…

第08話 彼の手に握られるカードは… 作:クトゥルフ大好きな人


 擂芽 南の転校によりしばらくの間、南ファンクラブのメンバー達は嘆き悲しんだ。中には精神的ショックにより一時不登校になるものもいたが今はみなきちんと登校している。目に生気のないものもいたりするが……まぁ大丈夫だろう。



※デュエル実技

「それではこれよりフリーバトルの時間にする。各自対戦相手を見つけて己の技術、戦略を磨くように」


「なぁ心、俺とデュエルしようぜ」
「ちょ、彰!?僕さまだデッキの調整中なんだけど」
「全く、心。いつも言っているが先に調整を済ませておくのが当たりm…」
「よし、彰デュエルしようか」
「話を聞けーーー!!」


 三人で集まりフリーデュエルの時間を過ごす。周りではすでにデュエルを開始している人達や互いのデッキを鑑賞し、戦術や構築の関連の話し合いをしている者とそれぞれだ。そうしている中、1人でデッキの調整している人が1人。数枚のカードを眺めながら何か考え事をしているようだった。


 彼の手に握られているのは『火あぶりの刑』『連弾の魔術師』『サンダーショート』の3枚。誰しもがしるカードであるそれらはバーンカードでありながら採用率は低く、人によってはゴミ扱いされる事も。『火あぶりの刑』は初期に登場したバーンカードであり、当時なれば優秀なカードであったが、その後はその上位互換に当たる『昼夜の大火事』さらには『火炎地獄』や『デス・メテオ』の登場により、『連弾の魔術師』を踏まえた《連弾バーン》などのバーンデッキですらその姿を見る事がなくなった。


 人によっては弱小カードの部類に入るカードをデッキに投入しているのを見た周りの勝率の低い男子2人はニヤニヤしながら彼の元へ歩みを進める。


「なぁ星影。よかったら俺達とデュエルしないか?」
「出来れば俺もデュエルして欲しいな~」


 こんなカードを採用しているデッキなど相手ではないと考えている二人の表情は獲物を見つけた獣のような、そんな顔だった。


 話しかけられたのに気付いた星影と呼ばれる彼は「僕でよければ」と笑顔で返す。『火あぶりの刑』が収められたデッキをデュエルディスクにセットすると星影はデュエルコートに入る。「俺が先だ」「いいや、僕だ」と言い争っている2人を見て星影は思わずため息を吐く。


「それなら折角だし2体1でどうかな?」


 その一言で教室が静まった。基本デュエルは1対1が鉄則であるが、彼はあえて自身が不利な状況を提示してきたのだ。それを聞いた二人は最初は驚いた表情であったが勝利を確信しその条件を飲む。



 無論、周りにいた生徒達もなかなか見られないハンデデュエルに興味津々のようで自分達のデュエルを中断し観戦しようと集まっていた。急に人だかりが出来た事に気付いた三人も何が始まるのかと野次馬に参加する。その中には友達の女子達と観戦しようとしている珠美の姿が見らた。


「ねぇ珠美さん、これって何が始まるの?」
「私もよく分からないのだけど…。なんだかハンデデュエルとか」


 そういって指指す方向を見るとデュエルコートに三人の姿が見て取れた。

「おいおい、あれって1対2でやるのか?てかあいつって確か…」

「星影 爆斗(ほしかげ ばくと)か。…なればこの試合はわざわざ見るほどでは無いな」


 一馬は一人で納得し野次馬の輪から抜けていく。心は何故見る必要が無いと言い切れるのか分からなかった。


 三人の準備が整った所でデュエル開始のブザーが鳴る。

「「「デュエル」」」


 爆斗 LP 8000 VS モブ1 LP 8000 & モブ2 LP 8000


※変則タッグのルール
・フィールドは2人で共用しない
・ライフポイントは2人で共用しない
・片方が敗北した時点ではパートナーは敗北とならない
・パートナーのモンスターを生け贄や壁にしたり、墓地のカードを利用することが出来ない
・《ライトニング・ボルテックス》等のフィールド全体に影響のあるカードは双方に適用される
・自分→相手1→パートナー→相手2→自分…とターンを行う
(今回は爆斗→モブ1→モブ2→爆斗の順)
・全てのプレイヤーは1ターン目に攻撃できない
・相談や手札の見せ合いはできない



《1ターン目》

「じゃあ僕のターンからだね。僕はモンスターをセット、そしてカードを4枚セットしてターンエンド」

爆斗 LP 8000
手札:0枚 フィールド:セット1 魔法・罠 セット4

モブ1 LP 8000
手札:5枚 フィールド:なし
モブ2 LP 8000
手札:5枚 フィールド:なし


《2ターン目》

「しゃあ俺のターン、ドロー。俺は手札から『カラクリ小町 弐弐四』を召喚! そして手札から『機械複製術』発動! 『弐弐四』を対象に、デッキから残り2体の『弐弐四』を特殊召喚! 『弐弐四』の効果で手札の『カラクリ守衛 参壱参』を召喚! さぁいくぜ、レベル4『カラクリ守衛 参壱参』にレベル3『カラクリ小町 弐弐四』をチューニング!シンクロ召喚! レベル7『カラクリ将軍 無零』! 『無零』の効果でデッキから『カラクリ忍者 七七四九』を特殊召喚! レベル5『カラクリ忍者 七七四九』にレベル3『カラクリ小町 弐弐四』をチューニング!シンクロ召喚! レベル8『カラクリ大将軍 無零怒』!『無零怒』の効果でデッキから2体目の『七七四九』を特殊召喚! レベル5『カラクリ忍者 七七四九』にレベル3『カラクリ小町 弐弐四』をチューニング! シンクロ召喚! レベル8『カラクリ大将軍 無零怒』!さらに『無零怒』の効果でデッキから『カラクリ無双 八壱八』を守備表示で特殊召喚! 『無零』の効果で『八壱八』の表示形式を変更する! それにより『無零怒』の効果でデッキからカードを2枚ドローする」


 モブ1の有するデッキはカラクリ。カラクリの展開力でフィールドには『無零怒』2体と『無零』、そして『八壱八』が出現する。


「どの道攻撃が出来ない。俺はカードを2枚セットしターンエンドだ。」


爆斗 LP 8000
手札:0枚 フィールド:セット1 魔法・罠 セット4

モブ1 LP 8000
手札:3枚 フィールド:『カラクリ将軍 無零』『カラクリ大将軍 無零怒』『カラクリ大将軍 無零怒』『カラクリ無双 八壱八』 魔法・罠:セット2
モブ2 LP 8000
手札:5枚 フィールド:なし



《3ターン目》
「僕のターン、ドロー。僕は手札から『電磁石の戦士γ』を召喚! 『γ』の効果で手札より『電磁石の戦士β』を特殊召喚! 特殊召喚された『β』の効果でデッキから『電磁石の戦士α』を手札に加える。さらに魔法カード『同胞の絆』発動! フィールドの『γ』を対象にデッキから『α』『β』を守備表示で特殊召喚! さらに『α』の効果でデッキより『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』を手札に加えてターンエンドだ。」

モブ2 LP 8000 → 6000


爆斗 LP 8000
手札:0枚 フィールド:セット1 魔法・罠 セット4

モブ1 LP 8000
手札:3枚 フィールド:『カラクリ将軍 無零』『カラクリ大将軍 無零怒』『カラクリ大将軍 無零怒』『カラクリ無双 八壱八』 魔法・罠:セット2
モブ2 LP 6000
手札:5枚 フィールド:『電磁石の戦士γ』『電磁石の戦士α』『電磁石の戦士β』『電磁石の戦士β』 魔法・罠:なし




「流石にこれはまずいんじゃねぇか」


 三人のフィールドを見た彰は思わず顔をしかめる。爆斗のフィールドはモンスター1体のみ。それに対して相手のフィールドには8体のモンスターが存在する。これには思わず心も彰に同意せざるを得ない。


 モブ2人はこの有利な状況に満面の笑みを浮かべている。相手は守備で固めるしか手がないだろう。自分達のターンが回ってくれば勝利は間違いないと思っているのだから。だがそんな状況であっても爆斗の表情は変わらず、むしろ笑顔である。



《4ターン目》

「それじゃ僕のターン、ドロー。僕は手札より『連弾の魔術師』を召喚。さて、2人には申し訳ないんだけど、このターンで終わらせて貰うよ」


 そう言って彼が反転召喚したモンスターは『メタモルポット』だった。


「こいつの効果で互いに手札を全て捨てて5枚ドロー。さて、まずは魔法カード『デス・メテオ』発動! これにより2人は1000のダメージ。さらに『連弾』の効果で400の追加ダメージだ」


 モブ1 LP 8000 → 6600
 モブ2 LP 6000 → 4600


「さらに2枚目の『デス・メテオ』発動! 1400のダメージ」


 モブ1 LP 6600 → 5200
 モブ2 LP 4600 → 3200


「さらにリバースオープン! 罠カード『停戦協定』お互いのフィールドの効果モンスターの数は10体。計5000のダメージ」


 モブ1 LP 5200 → 200
 モブ2 LP 3200 → 0



「そして最後に魔法カード『火あぶりの刑』発動!これで1000のダメージだよ」


 モブ1 LP 200 → 0
 モブ2 LP 0





「さて、気は済んだかい?僕はデッキを調整中だからこれで失礼するよ」


 爆斗はデュエルデスクをしまうとその場を後にする。残された2人は何が起きたか分からない。そんな顔でその場から動けずにただただ歩いていく爆斗を見ているだけだった。



 あっという間の出来事に周りの反応すら遅れていた。しばらくの静寂の後、俺も戦いたいと挑む人や自分は何も見なかったと現実逃避する人もいたり。





「爆斗が使うデッキは《フルバーン》だ。だから私は見る必要はないと言ったんだ」


 野次馬の中から出てきた心と彰を迎えた一馬は2人に説明を始めた。彼は元々、色々な大会に参加しており数々の成績を残している。舐めてかかれば返り討ちにされるのは当然だと。何故フルバーンといったデッキになったかは定かではないが、あえて他の人が使わないバーンカードを使用しているのには何か意味があるのだろうと話していた。


「バーンデッキか……」

「ん?どうした心」


 心の呟きに気付いた彰は思わず尋ねてみる。


「え?いや、僕の彼女が《チェーンバーン》のデッキを使ってるんだ。爆斗くんだっけ?彼のデュエルを見てたら不意に思い出しちゃって…」


 ちょっと恥ずかしそうに話す心に詰め寄る彰と一馬。

「なんだなんだ?自慢か?ご自慢の可愛い彼女のアピールか?w」
「心、そんな腑抜けた思考回路ではろくなデュエルが出来ないぞ。今から私が叩きなおしてやる! 構えろ!」
「いや、ちょ! そんなんじゃないって!?ただ思い出しただけでって話聞けよ!…あ、珠美さん助けt」

「…はいはいリア充リア充」


「珠美さーーーーん(泣)」




 2人に揉みくちゃにされる心を尻目に珠美は友達とデュエルを始める。今日も心のクラスは平和である。
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クトゥルフ大好きな人
かなり遅くなりましたが、第8話です。前回の7話を間違って8話と書いていたので修正しました。今回はかなり短いのですが、今思えば自分の書くデュエルってかなり速攻で終わりすぎてるし……

もう少しじっくり戦う感じで書いていかないとダメですね^^;時間を掛けてゆっくり考えますね (2016-05-08 23:51)
白金 将
バーンデッキのデュエルは得てして早く終わる物だと思います(うちのSSの団長を見つつ
いやしかし大量のモンスター相手に〈停戦協定〉は気持ちイイですねぇ!
実はこの回で【連弾バーン】というデッキを知りました。知らないデッキに出会うのって楽しい!

爆斗君がこの後どのように心君たちに絡んでくるんでしょうか(`・ω・´)
男の子同士の絡みも拝見したいのでいろいろ楽しみですな(一応私はノーマルです (2016-05-09 00:20)
クトゥルフ大好きな人
>白金 将様
停戦協定1枚でこの火力……楽しいれす(^p^)
「連弾バーン」なるデッキを知ったのは、この回を書く為に調べたのがきったけです。「連弾の魔術師」の存在自体忘れてた何て口が裂けても言えない(´・ω・`)

>男の子同士の絡みも拝見したいのでいろいろ楽しみですな(一応私はノーマルです

アレですね?心×彰の時のような絡みを(このコメントは削除されました) (2016-05-09 05:24)
ター坊
これは爽快。
カラクリと電磁石相手によくぞ焼き切った。トドメが火あぶりの刑というのも味があって面白かったです。
それに珠実ちゃんが準レギュラー化してるっぽい。嬉しい限りですな。 (2016-05-09 07:03)
クトゥルフ大好きな人
>ター坊様
カラクリと電磁石に恨みとかはないんですよ?ただ展開力的にパッと思いついたのが彼らだったので(ry
これからも珠美さんにちょいちょい良い所で出てもらうつもりです(´・ω・`) (2016-05-09 10:11)
光芒
電磁石はまだどんな効果かはよくわからないのですが、カラクリの動きは実際に相手にすると頭が痛くなる動きをしていますね……

ただそんな相手でもフルバーンなら容赦なし。このルールなら停戦協定が上手く機能しますし、爆斗の作戦勝ち、といえば作戦勝ちなのかもしれません。

しかし心がリア充すぎて辛いんですがどうすれば(ry (2016-05-09 21:17)
名無しのゴーレム
心と彰、そして一馬がいい感じに友達してますね。おふざけが多い彰と生真面目な一馬の対比もなかなか面白いです。
多人数デュエルの場合はルール設定次第で一部のデッキが急激に強くなりますからねぇ……今回のデュエルはルールに助けられた部分も多そうですが、それを差し引いてもバーンデッキを完全に回しきった爆斗のドロー力はさすがの一言に尽きます。 (2016-05-09 21:43)
クトゥルフ大好きな人
>光芒様
電磁石に関してはデッキ圧縮とリクルートでの壁の維持、やろうと思えばヴァルキリオンとベルセリオンがほいほい出てくる何気に怖い感じですかね(個人的にめっちゃ組みたい)
>しかし心がリア充すぎて辛いんですがどうすれば(ry
とりあえず処方箋出しときますね(←何の!?)

>名無しのゴーレム様
楽しんで頂けているようで何よりです。この後でも幾度かこのような変則タッグマッチがあったりしますが、その都度ルールが変わるかもしれません。
>それを差し引いてもバーンデッキを完全に回しきった爆斗のドロー力はさすがの一言に尽きます。
やはり最初は弩派手に決めた方が気持ちいいと思いまして(やり過ぎた感が否めない
(2016-05-09 22:57)

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