48 響き合う力！天音VS奏　作：ギガプラント

（ジェネシックスタジアム）



楯山「こらお前達！何をもたついている！早くしないとデュエルが始まってしまうぞ！」


初「ま、待って……はぁはぁ。」


竜太「まだ時間あんだろ……何でこんな全力ダッシュしなきゃなんねんだよ…。」


楯山「何を腑抜けたことを！最前列の特等席を確保するならデュエル前後の観客がまばらとなっている今がチャンスなんだ！」


竜太「んなこと言ったって！前のデュエル見てた奴がそのまま座ってるかも知んないだろ！？」


楯山「僕の見立てでは今最前列に人はいない！だがそれも時間の問題だ！」

遠くの席を見据える楯山。


初「す、凄い視力……。」


竜太「大体、別に最前列に拘らなくてもいいだろ…ったく。」


楯山「恩師のデュエルを最前列で観戦しないなど！お前達にデュエリストの血は流れていないのか！！」


竜太「あ～も～分かったよ…熱っちぃ。」


初「の、喉カラカラ……。」



楯山（天音さん！この楯山、あなたの勇姿を最前列にてこの目に焼き付けます…！）





楯山「ほらもう少しだ走れ！ジュースなら後で買ってやる！！」



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奏「改めておはよう、天音ちゃん。」


天音「おはようございます。思っていたより早くぶつかりましたね。」


奏「そうね…多分あの子達も今頃びっくりしてるんじゃない？」


天音「あの子達…ですか？」


奏「ジュニアスペースの子達よ。私のデュエル見にきてくれてるみたい。」


奏「私とあなた…どっちを応援してくれるのかしら？」


天音「ふふ、これは頑張らなくてはいけませんね。」


奏「一応言っておくと、前回のデュエルはあなたの実力を確かめる為のもの…。」


奏「今回は本気、最初から全力で行かせてもらうから。子ども達の前で格好悪いところ見せないようにね。」


天音「当然です！私もあの時とは違います！全力で生きますよ！」


茶ノ畑「さて！こちらのブロックは女性デュエリスト対決！花のあるデュエルに期待しましょう！」


奏「行くわよ！」






dPhoneモードチェンジ！Ｄパッドモード！



ターゲットロックＯＫ！



ビジョンリンクＯＫ！



ファーストディールＯＫ！



デュエル！！




天音「先攻は頂きます！私のターン！」


天音「私はカードを２枚セット！」


茶ノ畑「おっと！いきなりカードセットから始まるとは珍しい！」


奏「…」


天音「そして、自分の魔法罠ゾーンにカードが２枚以上存在する時、このカードは手札から特殊召喚できる！」


天音「『波狼（ウェイブ・ウルフ）』を特殊召喚！」星６・ＡＴＫ２２００
波打つように逆立った毛並みの狼。


天音「更に私は『雨天使 レーゲン』を召喚！」星３・ＡＴＫ１５００


天音「そして魔法カード『倍雨前線（ダブルレインフロント）』を雨天使レーゲンを対象に発動！」


天音「倍雨前線の効果を受けたモンスターは、このターンエクシーズ召喚に使用する場合２倍のレベルとして扱う事ができる！」


奏「成程…つまりこれで実質レベル６が２体…。」


天音「私はレベル６の雨天使レーゲンと波狼でオーバーレイ！」


天音「２体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」



エクシーズ召喚！


現れよ！天光の海を翔る優しき翼！『晴天竜 クリアースカイ・ドラゴン』！ランク６・ＡＴＫ２８００




茶ノ畑「早速エクシーズ召喚が決まりました！なんと神々しいドラゴンだぁぁ！！」




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夏武斗「よっしゃ！天姉のエースモンスターだ！」


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座席でへばっている二人とやたら盛り上がっている一人。


楯山「流石天音さん！素晴らしいタクティクスです！！」


初「な、なんとか最前列だけど………はぁはぁ。」


竜太「ぜぇぜぇ…し、死ぬ…。」


初「でもまさか奏先生の相手が天音さんだとは思わなかったね……」


竜太「あぁ。運が悪いよなぁ…奏先生相手じゃあ流石に…」


楯山「ブラアアアボオオオ！！！」


竜太「…うるせえ」

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天音「私はこれでターンエンドです！」



奏「私のターン！ドロー！」


奏「いきなりそんな大型モンスターが出てくるとはね…楽しませてくれそうじゃない！」


奏「相手フィールドにのみカードが存在する時、このカードは手札から特殊召喚できる！」


奏「来て！『騎楽士（インスター） アレグレット』！」星５・ＡＴＫ１２００
落ち着いた雰囲気の男性騎士。トロンボーンを持つ。


奏「そして『騎楽士 マルチアーレ』を召喚！」星２・ＡＴＫ５００
鼓笛隊の格好をした少年。


奏「マルチアーレを召喚したターン、私はインスターモンスターをもう一度だけ召喚できる！」


奏「『騎楽士 オッタヴィーノ』を召喚！」星３・ＡＴＫ１３００
小さな笛を持つ小太りの青年。


天音「モンスターが一気に３体も…！」


奏「騎楽士マルチアーレの更なる効果発動。インスターモンスターが召喚された時、フィールドのモンスター１体の表示形式を変更する。」

鉄琴を鳴らしメロディを発する。


奏「この効果のターゲットはアレグレット！」ＤＥＦ１６００


奏「更にアレグレットの効果！このカードが自分モンスターの効果のターゲットとなった時、自分フィールドのモンスター１体のレベルを５にする！」

鉄琴に合わせトロンボーンを吹き始める。


奏「マルチアーレのレベルを５に変更！」星２→５


天音「効果の連鎖…来ましたか。」


奏「全力で行くっていったでしょ？私はレベル５のアレグレットとマルチアーレでオーバーレイ！」


奏「２体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」




エクシーズ召喚！


現れよ！荒々しき奏者『騎学極士（プレインスター） フェローチェ』！ランク５・ＡＴＫ２６００




大型ピアノを荒々しく奏でる騎楽士。


奏「そして私は騎楽士オッタヴィーノのモンスター効果発動！」


奏「自分フィールドのインスターモンスター１体の攻撃力をこのターン中５００ポイントアップする！」


奏「ターゲットはフェローチェ！」ＡＴＫ２６００→３１００


天音「また…！」


奏「この瞬間フェローチェの効果発動！このカードが自分のカードのターゲットとなった時、オーバーレイユニットを１つ使う事で、デッキからカードを２枚ドローしその後１枚を捨てる。」


茶ノ畑「なんという美しいメロディ！効果の連鎖と共に音色が重なります！」


奏「バトルフェイズ！騎楽極士フェローチェでクリアースカイ・ドラゴンに攻撃！」


天音「クリアースカイ・ドラゴンのモンスター効果発動！オーバーレイユニットを１つ使う事で、モンスター１体はこのターン戦闘で破壊されない！」


天音「クリアーシャイン・ウィンド！」


奏「でもダメージは受けてもらうわよ！」


天音「くっ！」ＬＰ４０００→３７００


奏「そうこなくっちゃね。あっさり倒せちゃ張り合いがないもの。」


奏「私はカードを１枚セット。ターンエンドよ。」フェローチェＡＴＫ３１００→２６００




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竜太「すっげぇ…。」


初「あれが奏先生の本気…。」


竜太「俺達の相手してくれてる時なんか、本気の半分も出してないのかもな…。」



楯山「天音さんナイスガアアアド！！」


楯山（ああ…マイスィートアンドロメダ天音さん…！燦々と照り付ける太陽にも負けぬ輝かしいお姿！我が心の奥底の８ミリビデオに刹那の隙も逃さず焼き付けます！！）


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天音「私のターン！ドロー！」


天音（攻撃力は再び勝りましたが…まだまだ安心はできませんね…。）


天音「私は『タービュランサー』を召喚！」星４・ＡＴＫ１７００


天音「このままバトルフェイ…」


奏「手札から『騎楽士 ダカーポ』のモンスター効果発動！」


奏「このカードを手札から墓地へ送り、インスターモンスター１体をターゲットとする！」


奏「そしてターゲットとされたモンスターは、このターン戦闘では破壊されない！」


天音「…っ！」


奏「フェローチェの効果も発動！オーバーレイユニットを１つ使い２枚ドロー！そして１枚を墓地へ。」


茶ノ畑「相手ターンにも連鎖コンボ！会場の皆さ～ん！！デュエルオーケストラの会場はこちらですよ～！！」


天音（戦闘破壊が封じられた…だったここはダメージを優先します！）


天音「バトルフェイズ！クリアースカイ・ドラゴンで騎楽士オッタヴィーノを攻撃！サンライズ・ノヴァ！」


奏「タダじゃやられないわよ！永続罠発動！『死力のタッグチェンジ』！」


奏「戦闘ダメージを無効にし、手札からレベル４以下の戦士族モンスター１体を特殊召喚する！」


天音「ダメージを防がれた…！」


奏「『騎楽士 ラルゴ』を特殊召喚！守備表示！」星４・ＤＥＦ１８００


天音「守備力１８００…タービュランサーじゃ届かない…！」


天音「私は…これでターンエンドです。」




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「かなでせんせーい！！」
「すっげえええ！！」
「がんばってええ！！」


楯山「おおう…いつの間にか後ろにチビッ子勢が…！」


初「奏先生人気だからね…。」


竜太「特にああいう子ども等からはな。」


楯山「成程。確かに以前ジュニアスペースを覗いた時も凄い賑わっていたな…やはり早めに来て正解だったようだ。」


竜太「…なんでジュニアスペースなんか覗いてんだよ？」


楯山「んっ！？ふ、深い意味はない！！けしてジュニアスペースのヘルプに入っていた天音さんを影から眺めていた訳ではないぞ！！」


竜太「………」


初「あ、あははは…。」


竜太「…チクられたくなかったらアイスも奢れ。」


楯山「…ぐぐっ！」


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奏「私のターン！ドロー！」


奏「魔法カード『増援』を発動！デッキから『騎楽士 ラメントーソ』を手札に加える！」


天音（よし！）


天音「この瞬間罠カード発動！『逆転の明札』！」


天音「ドローフェイズ以外で相手がカードを手札に加えた時、自分の手札が相手の手札と同じ枚数になるようにドローする！」


奏「私の手札は…３枚。」


天音「私の手札は０枚、よって３枚ドロー！」


奏（一気に手札を増やされたわね…。）


奏「でもまぁ増えちゃったものは仕方ない…騎楽士ラメントーソを召喚！」星４・ＡＴＫ１８００
悲壮感漂う寂しげなバイオリン奏者。


奏「そして私は騎楽士ラルゴのモンスター効果発動！」


奏「インスターモンスター１体のレベルを１つ上げる。ターゲットはラメントーソ。」星４→５


奏「更にラメントーソの効果発動！このカードが自分モンスターの効果のターゲットとなった時、相手フィールド上に表側表示で存在するカード１枚を持ち主の手札に戻す！」


天音「！？」



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天音「罠カード発動です！『モンスターン』！」


天音「相手モンスターの攻撃を無効にし、更に攻撃モンスターより低い攻撃力のモンスター１体を破壊します！」


奏「なるほどね…そう来たか。」


奏「戦闘での除去が難しいモンスターはカード効果で対処する。良いわね、正解よ。」


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天音（戦闘破壊が難しいクリアースカイ・ドラゴンをカード効果で…！）


天音「私はクリアースカイ・ドラゴンのモンスター効果発動！」


天音「効果対象はタービュランサー！クリアーシャイン・ウィンド！」

タービュランサーを輝くヴェールが包む。


奏「置き土産ってことね…でもラメントーソの効果はそのまま有効よ！」

悲壮感漂うメロディが奏でられ、クリアースカイ・ドラゴンの身体が徐々に消えていく。


天音「クリアースカイ・ドラゴンが……！」


奏「バトル！騎楽士ラメントーソでタービュランサーを攻撃！」


天音「ですがクリアースカイ・ドラゴンの効果により戦闘破壊されません！」ＬＰ４０００→３９００


奏「でもダメージは有効よ！続けて騎楽極士フェローチェでタービュランサーを攻撃！」


天音「くっ…！」ＬＰ３９００→３０００



奏「さっきのドラゴン中々素敵なモンスターだったわ。でも対処はそう難しくない…。」


奏「まだまだ私を倒すには足りないわよ？ターンエンド。」





終











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（次回予告）


夏武斗「うおっ！天姉のエースがあっさりやられちまった！」


天音「奏さん……前回より格段に強い…！」


夏武斗「多分まだ何か奥の手がある筈だ！よく分かんないけどそんな気がするぜ！」


天音「私だって以前と同じではありません！そう簡単には…やられませんよ！」


天音「次回！『戦律！騎楽極士フォルティッシモ！』」


楯山「天音さああん！ファイトですううう！！この楯山がついていまああす！！！」
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・『逆転の明札』はファイブディーズにて遊星が脅威の５枚ドローを実現したアニメオリカです。