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第02話 闇纏いし者と影背負いし者 作:クトゥルフ大好きな人
※香蓮が告白した日の夜
「夕食はいらないわ!部屋には誰も近づかないで!!」
家に帰宅した香蓮は執事やメイド達を振り切り自室へと駆け込んで行った。部屋には天井の付いたキングサイズのベッドがあり着替える事も忘れそのまま飛び込む。
大きな枕が三つ並べてあり、一つを手に取ると力一杯、何度も何度もベッドへと叩き付ける。
「なんでッ!どうしてッ!わたくしではッ!駄目ッ!ですのッ!」
何度も何度も同じ事を繰り返し繰り返し、まるで傷付いたCDが同じ所で勝手にリピートするかのようだった。
かれこれ30分ほど繰り返していると次第に疲れ、中身の偏った枕を手放しへたり込む香蓮。ぜいぜいと息を切らし、おもむろに自身の机へと歩みを進める。引き出しを開けると中から小さな箱を取り出す……
蓋を開けると音楽が鳴り始めた。オルゴールの中には小物が入っており、その中から古びたキーホルダーを取り出す。
「それ」は色褪せており、一部が折れてしまっている。彼女はそれをまるで宝石を扱うかのように丁寧に取り出し両手で包むように持つ。
見た目からして女性の好ましい物ではない。なぜなら「それ」は『ワーム・ヤガン』を模った物だから……
「わたくしを迎えに来てくれると、結婚してくれると約束してくれたのではなかったのですか………。……心…くん………」
誰にも知られずに流した涙は「それ」を濡らした…………
※翌朝 心宅にて
時刻は朝5時…………心 起床
一 心の朝は早い。夜遅くに帰ってきた母を起こさぬように一階へおり、洗面所で顔を洗った後、朝食及びお弁当の用意を始める。キッチンに掛けてあるフリフリの白いエプロンを身に着ける心。
朝6時半…………愛 起床
「おはよぅ~心ちゃん」
大きな欠伸をしながら降りてくる愛。パジャマのままでテーブルに着いた愛の元へ淹れたてのコーヒーを持ってくる心。
「おはよお母さん、コーヒー置いとくよ。熱いから気をつけて」
コーヒーを渡した心はそのままテーブルに朝食を並べていく。今日は簡単にサラダとトースト、ハムエッグ(+ソーセージ)を用意した
2人がテーブルに着き、朝食をいただく。心が食べるスピードに対して愛は少々ゆっくり目に食べる。故に心が食べ終わっても愛はまだ半分ほどしか食べ終わっていない。心は自分の食器を片付けると櫛を手に愛の元へ。
「お母さんまたお風呂入ってすぐ寝たでしょ、寝癖酷いよ」
そう言いながら髪を梳かす心
「ん~」
これは返事なのか髪を梳かされるのが気持ちよくて声を出しているのか心には今だわからない。寝癖が綺麗になったところで時間を見ると大体7時くらい。
「じゃあ僕は準備してくるから」と二階へ上がっていく。部屋に入ると天井にはまだワーム・ゼロがいた。嗚呼、夢じゃなかったのかと落胆しながらカバンに教科書等を詰めていると肩にポタリと何かが落ちてきた。
触ってみるとそれは液体に近いスライムのような粘り気をもった物だった。視線をゆっくり上げると天井に居たはずのワーム・ゼロが肩のすぐ傍まで降りてきていたのだ
(………、どうしよう。)
心は悩んだ。少し後ろに下がるとゼロはそれに合わせて付いてくる。右に寄れば右に、左に寄れば左にと付いてくるのだ。このままだと学校にまで付いて来るのではと悩む心。
ふとデュエルディスクを見ると時間は7時18分……急がなくては。
カバンを掴むとダッシュで部屋と飛び出し部屋の扉を閉める。ゼロも反応が遅れたのかそのまま部屋の中にいた。これで大丈夫だと確信しそのまま家を出た。
部屋の窓の隙間から液体状になったゼロが溢れ出てきている事にも気付かずに………
※登校中
心の通う県立アカデミア高校は全校生徒が約300名程。これでもかなり少ないとかなんとか
家から歩いて大体15分と近く、入試試験のデュエルに関しては詩織さんに教わった事を活かし試験官相手に攻撃力8000オーバーの毒蛇神ヴェノミナーガでオーバーキルをかますなどさらっと凄い事をやらかしてたりする。でもそのせいであんまりクラスの人が近寄って来なかったり………
色々考えているうちに学校へと到着し、そのまま自分のクラスへ。教室にはすでに10名程先客がおり、わいわいと話していた。心が入ってくるのを見ると一瞬静まるがまた賑わいだす
まぁいつもの事だしなと思い席に座る。今日は1時限目からデュエルの実技なのでデッキの調整をしておこうと思った心はデッキを取り出し机の上に一枚一枚並べていく。
「へぇ~、これが試験で猛威を振るった蛇神様か~」
突然すぐ近くで声が聞こえたもんだから驚かない訳ながい。ビクリと体が跳ね、声のした方向へ振り向く。
そこにはこちらのカードを覗き込むように見ている上下ジャージのイケメンが居た。心が振り向くのに合わせて「よっ」とフレンドリーに挨拶する彼。
「えっ!?あの、えっと。おはようございます」
とりあえず挨拶する。名前を覚えてなかったためワタワタしている心を見て「あぁ」と察した彼
「俺は東郷 彰(とうごう あきら)だ。彰でいいぜ。よろしくな!」
これまた突然な事で「僕は一 心です。僕も心でいいです。」
「おっけぃ心、それで聞きたい事があるんだけどな……」
そう言いながら隣の席に座る彰。
「心はさ、スポーツやるのか?」
「ま、まぁ人並みには。あ、でも球技はちょっと苦手ですね」
そっかそっかと言いながら心のカードを手に取る。
「これってさ、『ワーム』だよな?結構マイナーなカテゴリだけど使い心地ってどんな感じ?」
これ返すなと渡しながら聞いてくる
心は少し悩んだ。昔から使っている馴染み深いカードである『ワーム』。ほかのカテゴリを触った経験が皆無に等しく個人的にどうかと聞かれてすぐには答えられなかった。
「昔から『ワーム』ばっかり使ってるから使いやすい……のかな?うん、僕にとっては使いやすいカテゴリだよ。彰はどんなデッキを?」
彰は待ってましたと言わんばかりの笑顔でデッキを取り出した。
「俺が使ってるのは『U.A.(ウルトラアスリート)』ってカテゴリなんだよ。ほら、俺ってスポーツが好きだろ?だからこれがしっくりくるんだよ」
彰はかなりスポーツマンであり、男女問わず人気がある。話した事がない心でも知っているくらいだ。「そんでこのカードがさ」と話し込んでいると………
「…そこ私の席なだけど…」
誰も居なかった場所から声が聞こえた。彰が振り向くとそこには一人の女子が立っていた。黒く艶やかな黒髪で腰辺りまで伸びており、前髪も長く目元が隠れていて顔をハッキリ見ることが出来ない。
制服のブレザーの胸元のボタンが今にも限界を迎えんとばかりに強調されるふくよかな胸元。一部の男子から絶大な人気を誇っているらしい(彰談)そんな彼女の席に他の人が座っていた為困っているようだった。
「悪い悪い、ちょっと心と話込んじまって」
そういいながら席を離れる彰。座りやすいようにある程度椅子を引いた状態でおいて置く辺り、彰なりの心遣いが見られる。
「…そう。」
彼女をそう呟くと席に座り本と読み始めた。
席に座る時に前髪が揺れ、一瞬ではあったが青い目が見えた。あまりに綺麗だったものだから思わず見とれてしまった心
「…どうしましたか?」
彼女はこちらをずっと見ている心に質問する
「あ、いや。その、綺麗な青い瞳が見えたものですから思わず見とれてしまって。」
ワタワタしながら答える心から視線を外す彼女
「…あんまり顔、見ないで…」
そう返す彼女にごめんなさいと一言謝り、心はデッキを片付け始めた
~?目線~
「あ、いや。その、綺麗な青い瞳が見えたものですから思わず見とれてしまって。」
(私の目が綺麗?そんな事初めて言われた)
今まで回りに忌み嫌われてきたこの瞳。家族にすら言われた事がなかった故に反応に困る
「…あんまり顔、見ないで…」
思わずそっけなく返してしまった
少ししょんぼりしている彼をみて少しだけ申し訳なく思った
※1時限目 デュエル実技
実技用の教室、ソリッドビジョンシステムを搭載した特別な部屋に移動したクラスの全員は己の番はまだかまだかと待ちわびていた。中には別にデュエルに対してそこまで熱心ではない者のいるが。早く終わって欲しいと考える者が多かったりする
「よし、それじゃあ早速始めるぞ。組み合わせはランダムで決まるが誰が相手でも手を抜いたりするなよ」
講師が生徒の前に立ち、一頻り説明を始める。実技の講師のモットーは「基礎が大切。疎かにする者は上達出来ない」故に毎回毎回同じ説明をしだすのだ
長い話も終わり、いよいよ組み合わせが始まる。
第一試合 「一 心」VS「毒田 珠実」
と電工掲示板に表記される。
(なんて読むんだろう?どくだ?)
そんな事を考えているとコートに今朝の女子が上がってくる。
「あ、朝の人。どうぞよろしく」
「…毒田 珠実(ぶすだ たまみ)。よろしく…」
2人は握手を交わす
お互いがデュエルディスクを展開する
「「デュエル」」
心 LP 8000 VS 珠美 LP 8000
《1ターン目》
先行は珠美のようだ
「……私のターン、私は手札から『レスキューラビット』を召喚。そして効果発動、このカードを除外しデッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体『ヴェルズ・ヘリオロープ』を攻撃表示で特殊召喚!」
「珠美さんのデッキってまさか」
「そのまさか…。私はレベル4の『ヴェルズ・ヘリオロープ』2体でオーバーレイ!邪念を具現化し邪悪な思念体よ、封印されし氷結界の龍に乗り移りてその力を我が元に示せ!エクシーズ召喚!ランク4『ヴェルズ・オピオン』」
珠美のフィールドに《氷結界の龍 グングニール》だったモンスターが降臨する。その体は漆黒に染まり、元の姿からは想像できない威圧感を放っていた
「私は『ヴェルズ・オピオン』の効果発動、エクシーズ素材を一つ取り除きデッキから『侵略の汎発感染』を手札に加える。……、カードを2枚セットして私はターンエンド」
珠美 LP 8000
手札:3枚 フィールド:『ヴェルズ・オピオン(ORU 1)』 魔法・罠:セット2枚
心 LP 8000
手札:5枚 フィールド:なし
《2ターン目》
「僕のターン、ドロー。モンスターをセット、さらにカードを1枚セットしターンエンド」
普段の心であれば初手からゼクスヤガンのコンボや大量墓地肥やしを行うが、相手のフィールドにはあの『ヴェルズ・オピオン』がいる。お互いにレベル5以上のモンスターを特殊召喚が出来ないと言う事は『ワーム・クイーン』の連続リリースによる墓地肥やしや蘇生系カードで大型モンスターを出すことが出来ない。
故に心はまず『ヴェルズ・オピオン』を優先的に除去する為の準備に入る。
珠美 LP 8000
手札:3枚 フィールド:『ヴェルズ・オピオン(ORU 1)』 魔法・罠:セット2
心 LP 8000
手札:4枚 フィールド:セット 1 魔法・罠:セット1
※第03話へ続く……
「夕食はいらないわ!部屋には誰も近づかないで!!」
家に帰宅した香蓮は執事やメイド達を振り切り自室へと駆け込んで行った。部屋には天井の付いたキングサイズのベッドがあり着替える事も忘れそのまま飛び込む。
大きな枕が三つ並べてあり、一つを手に取ると力一杯、何度も何度もベッドへと叩き付ける。
「なんでッ!どうしてッ!わたくしではッ!駄目ッ!ですのッ!」
何度も何度も同じ事を繰り返し繰り返し、まるで傷付いたCDが同じ所で勝手にリピートするかのようだった。
かれこれ30分ほど繰り返していると次第に疲れ、中身の偏った枕を手放しへたり込む香蓮。ぜいぜいと息を切らし、おもむろに自身の机へと歩みを進める。引き出しを開けると中から小さな箱を取り出す……
蓋を開けると音楽が鳴り始めた。オルゴールの中には小物が入っており、その中から古びたキーホルダーを取り出す。
「それ」は色褪せており、一部が折れてしまっている。彼女はそれをまるで宝石を扱うかのように丁寧に取り出し両手で包むように持つ。
見た目からして女性の好ましい物ではない。なぜなら「それ」は『ワーム・ヤガン』を模った物だから……
「わたくしを迎えに来てくれると、結婚してくれると約束してくれたのではなかったのですか………。……心…くん………」
誰にも知られずに流した涙は「それ」を濡らした…………
※翌朝 心宅にて
時刻は朝5時…………心 起床
一 心の朝は早い。夜遅くに帰ってきた母を起こさぬように一階へおり、洗面所で顔を洗った後、朝食及びお弁当の用意を始める。キッチンに掛けてあるフリフリの白いエプロンを身に着ける心。
朝6時半…………愛 起床
「おはよぅ~心ちゃん」
大きな欠伸をしながら降りてくる愛。パジャマのままでテーブルに着いた愛の元へ淹れたてのコーヒーを持ってくる心。
「おはよお母さん、コーヒー置いとくよ。熱いから気をつけて」
コーヒーを渡した心はそのままテーブルに朝食を並べていく。今日は簡単にサラダとトースト、ハムエッグ(+ソーセージ)を用意した
2人がテーブルに着き、朝食をいただく。心が食べるスピードに対して愛は少々ゆっくり目に食べる。故に心が食べ終わっても愛はまだ半分ほどしか食べ終わっていない。心は自分の食器を片付けると櫛を手に愛の元へ。
「お母さんまたお風呂入ってすぐ寝たでしょ、寝癖酷いよ」
そう言いながら髪を梳かす心
「ん~」
これは返事なのか髪を梳かされるのが気持ちよくて声を出しているのか心には今だわからない。寝癖が綺麗になったところで時間を見ると大体7時くらい。
「じゃあ僕は準備してくるから」と二階へ上がっていく。部屋に入ると天井にはまだワーム・ゼロがいた。嗚呼、夢じゃなかったのかと落胆しながらカバンに教科書等を詰めていると肩にポタリと何かが落ちてきた。
触ってみるとそれは液体に近いスライムのような粘り気をもった物だった。視線をゆっくり上げると天井に居たはずのワーム・ゼロが肩のすぐ傍まで降りてきていたのだ
(………、どうしよう。)
心は悩んだ。少し後ろに下がるとゼロはそれに合わせて付いてくる。右に寄れば右に、左に寄れば左にと付いてくるのだ。このままだと学校にまで付いて来るのではと悩む心。
ふとデュエルディスクを見ると時間は7時18分……急がなくては。
カバンを掴むとダッシュで部屋と飛び出し部屋の扉を閉める。ゼロも反応が遅れたのかそのまま部屋の中にいた。これで大丈夫だと確信しそのまま家を出た。
部屋の窓の隙間から液体状になったゼロが溢れ出てきている事にも気付かずに………
※登校中
心の通う県立アカデミア高校は全校生徒が約300名程。これでもかなり少ないとかなんとか
家から歩いて大体15分と近く、入試試験のデュエルに関しては詩織さんに教わった事を活かし試験官相手に攻撃力8000オーバーの毒蛇神ヴェノミナーガでオーバーキルをかますなどさらっと凄い事をやらかしてたりする。でもそのせいであんまりクラスの人が近寄って来なかったり………
色々考えているうちに学校へと到着し、そのまま自分のクラスへ。教室にはすでに10名程先客がおり、わいわいと話していた。心が入ってくるのを見ると一瞬静まるがまた賑わいだす
まぁいつもの事だしなと思い席に座る。今日は1時限目からデュエルの実技なのでデッキの調整をしておこうと思った心はデッキを取り出し机の上に一枚一枚並べていく。
「へぇ~、これが試験で猛威を振るった蛇神様か~」
突然すぐ近くで声が聞こえたもんだから驚かない訳ながい。ビクリと体が跳ね、声のした方向へ振り向く。
そこにはこちらのカードを覗き込むように見ている上下ジャージのイケメンが居た。心が振り向くのに合わせて「よっ」とフレンドリーに挨拶する彼。
「えっ!?あの、えっと。おはようございます」
とりあえず挨拶する。名前を覚えてなかったためワタワタしている心を見て「あぁ」と察した彼
「俺は東郷 彰(とうごう あきら)だ。彰でいいぜ。よろしくな!」
これまた突然な事で「僕は一 心です。僕も心でいいです。」
「おっけぃ心、それで聞きたい事があるんだけどな……」
そう言いながら隣の席に座る彰。
「心はさ、スポーツやるのか?」
「ま、まぁ人並みには。あ、でも球技はちょっと苦手ですね」
そっかそっかと言いながら心のカードを手に取る。
「これってさ、『ワーム』だよな?結構マイナーなカテゴリだけど使い心地ってどんな感じ?」
これ返すなと渡しながら聞いてくる
心は少し悩んだ。昔から使っている馴染み深いカードである『ワーム』。ほかのカテゴリを触った経験が皆無に等しく個人的にどうかと聞かれてすぐには答えられなかった。
「昔から『ワーム』ばっかり使ってるから使いやすい……のかな?うん、僕にとっては使いやすいカテゴリだよ。彰はどんなデッキを?」
彰は待ってましたと言わんばかりの笑顔でデッキを取り出した。
「俺が使ってるのは『U.A.(ウルトラアスリート)』ってカテゴリなんだよ。ほら、俺ってスポーツが好きだろ?だからこれがしっくりくるんだよ」
彰はかなりスポーツマンであり、男女問わず人気がある。話した事がない心でも知っているくらいだ。「そんでこのカードがさ」と話し込んでいると………
「…そこ私の席なだけど…」
誰も居なかった場所から声が聞こえた。彰が振り向くとそこには一人の女子が立っていた。黒く艶やかな黒髪で腰辺りまで伸びており、前髪も長く目元が隠れていて顔をハッキリ見ることが出来ない。
制服のブレザーの胸元のボタンが今にも限界を迎えんとばかりに強調されるふくよかな胸元。一部の男子から絶大な人気を誇っているらしい(彰談)そんな彼女の席に他の人が座っていた為困っているようだった。
「悪い悪い、ちょっと心と話込んじまって」
そういいながら席を離れる彰。座りやすいようにある程度椅子を引いた状態でおいて置く辺り、彰なりの心遣いが見られる。
「…そう。」
彼女をそう呟くと席に座り本と読み始めた。
席に座る時に前髪が揺れ、一瞬ではあったが青い目が見えた。あまりに綺麗だったものだから思わず見とれてしまった心
「…どうしましたか?」
彼女はこちらをずっと見ている心に質問する
「あ、いや。その、綺麗な青い瞳が見えたものですから思わず見とれてしまって。」
ワタワタしながら答える心から視線を外す彼女
「…あんまり顔、見ないで…」
そう返す彼女にごめんなさいと一言謝り、心はデッキを片付け始めた
~?目線~
「あ、いや。その、綺麗な青い瞳が見えたものですから思わず見とれてしまって。」
(私の目が綺麗?そんな事初めて言われた)
今まで回りに忌み嫌われてきたこの瞳。家族にすら言われた事がなかった故に反応に困る
「…あんまり顔、見ないで…」
思わずそっけなく返してしまった
少ししょんぼりしている彼をみて少しだけ申し訳なく思った
※1時限目 デュエル実技
実技用の教室、ソリッドビジョンシステムを搭載した特別な部屋に移動したクラスの全員は己の番はまだかまだかと待ちわびていた。中には別にデュエルに対してそこまで熱心ではない者のいるが。早く終わって欲しいと考える者が多かったりする
「よし、それじゃあ早速始めるぞ。組み合わせはランダムで決まるが誰が相手でも手を抜いたりするなよ」
講師が生徒の前に立ち、一頻り説明を始める。実技の講師のモットーは「基礎が大切。疎かにする者は上達出来ない」故に毎回毎回同じ説明をしだすのだ
長い話も終わり、いよいよ組み合わせが始まる。
第一試合 「一 心」VS「毒田 珠実」
と電工掲示板に表記される。
(なんて読むんだろう?どくだ?)
そんな事を考えているとコートに今朝の女子が上がってくる。
「あ、朝の人。どうぞよろしく」
「…毒田 珠実(ぶすだ たまみ)。よろしく…」
2人は握手を交わす
お互いがデュエルディスクを展開する
「「デュエル」」
心 LP 8000 VS 珠美 LP 8000
《1ターン目》
先行は珠美のようだ
「……私のターン、私は手札から『レスキューラビット』を召喚。そして効果発動、このカードを除外しデッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体『ヴェルズ・ヘリオロープ』を攻撃表示で特殊召喚!」
「珠美さんのデッキってまさか」
「そのまさか…。私はレベル4の『ヴェルズ・ヘリオロープ』2体でオーバーレイ!邪念を具現化し邪悪な思念体よ、封印されし氷結界の龍に乗り移りてその力を我が元に示せ!エクシーズ召喚!ランク4『ヴェルズ・オピオン』」
珠美のフィールドに《氷結界の龍 グングニール》だったモンスターが降臨する。その体は漆黒に染まり、元の姿からは想像できない威圧感を放っていた
「私は『ヴェルズ・オピオン』の効果発動、エクシーズ素材を一つ取り除きデッキから『侵略の汎発感染』を手札に加える。……、カードを2枚セットして私はターンエンド」
珠美 LP 8000
手札:3枚 フィールド:『ヴェルズ・オピオン(ORU 1)』 魔法・罠:セット2枚
心 LP 8000
手札:5枚 フィールド:なし
《2ターン目》
「僕のターン、ドロー。モンスターをセット、さらにカードを1枚セットしターンエンド」
普段の心であれば初手からゼクスヤガンのコンボや大量墓地肥やしを行うが、相手のフィールドにはあの『ヴェルズ・オピオン』がいる。お互いにレベル5以上のモンスターを特殊召喚が出来ないと言う事は『ワーム・クイーン』の連続リリースによる墓地肥やしや蘇生系カードで大型モンスターを出すことが出来ない。
故に心はまず『ヴェルズ・オピオン』を優先的に除去する為の準備に入る。
珠美 LP 8000
手札:3枚 フィールド:『ヴェルズ・オピオン(ORU 1)』 魔法・罠:セット2
心 LP 8000
手札:4枚 フィールド:セット 1 魔法・罠:セット1
※第03話へ続く……
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早く応募して頂いたキャラに出ていただきたいと思い、一気に書きました。
名無しのゴーレム様の「東郷 彰」、ター坊様の「毒田 珠実」に登場して頂きました。
長くなりそうなので一旦区切らせて貰いました。明日か明後日には3話を書こうと思っています。ネタは思い浮かんだその時に書かないと忘れてしまうので(笑顔 (2016-04-21 23:08)
そして、おお!珠実ちゃんが喋ってる。しかも物静かな雰囲気や巨乳まで取り入れてくれるとは設定を考えた甲斐がありました。デュエルの方も理想的な動きで場を固めましたな。…あれ?ヴェルズ、あまりワームに刺さらない? (2016-04-22 00:14)
心ちゃんは元々ゼクスとヤガンのワンセットで持っていたのですが・・・おっと、これ以上はネタバレになってしまいますね。
>…あれ?ヴェルズ、あまりワームに刺さらない?
それがおもったより (2016-04-22 06:44)
思ったより刺さるんですよ(´・ω・`)
W星雲隕石やリミリバ、ヴィイパ-リボ-ンと言った特殊召喚系で高レベルモンスを出せないのが結構痛いんですよね。まぁ、アドバンス召喚なら何とかなりますけど……
珠美さんが簡単にオピオンを退場させてくれる訳がないんですねどね( ̄▽ ̄)
もしイメージと違うような点がありましたらお知らせ下さい。即修正に入りますので
(2016-04-22 06:50)
そして始まった初デュエル。ヴェルズの最終兵器にして通常攻撃とも言えるオピオンが早速登場。詰まるデッキはとことん詰まる布陣ですが……まあワームなら問題ないだろう(慢心) (2016-04-22 06:52)
爽やかなイケメンとかもうね、モテない訳がないんですよ(血涙)
先行オピオン、これ今の環境なら余裕でぶっ刺さりますね(黒い笑顔)
彰のデュエルも絶賛構築中です(´・ω・`)U.A.って回した事ないので中々難s(このコメントは削除されました)
>詰まるデッキはとことん詰まる布陣ですが……まあワームなら問題ないだろう(慢心)
そうですよ、ワームがオピオンで止まる訳……あっ…(察し) (2016-04-22 07:30)
2話→アイエエエッ、ヤガン!ヤガンナンデェェェェッ!!
まさか心と香蓮が旧知の間柄だったとは。しかし、同じワームのぬいぐるみを持っているのにそれを忘れちゃってるなんて地味に酷いぞ心くん……あっ、勝手に恋仲にしちゃった自分が悪いのか(え
ター坊さんと名無しのゴーレムさん応募のキャラですが、キャラ紹介通りの2人ですね。
ワームVSヴェルズというターミナルの敵役同士のデュエルですが、確かにリバース主体のワームとオピオンはあまり噛み合いませんね。クィーンの効果を防げる、という点はありますが……クトゥルフ大好きな人さんがどんなデュエルを描くのか楽しみです。
(2016-04-22 11:24)
少々分かりにくいかも知れませんが、
・ 心→加蓮をよく知らない
・加蓮→心を知っている
この時点で少し矛盾が生じているんですよね(´・ω・`)これから書いていくのですが、2人の関係と心ちゃんが男の娘として育てられた事が関係してくるんです(これ以上はネタバレの為カット)
デュエルがシンプルな構成になりそうで少々悩んでいるのですが、デッキの特性を活かして行きたいと思っております (2016-04-22 12:20)
先に書いたものとしては、【U.A.】は一方的になりがちで書き方も使用者も選びますが、まあこのイケメン君なら見栄えよく回してくれるでしょう(投げやり)
しかし本編といいコメントの中身といい、心くんと香蓮の関係が気になりますな…… (2016-04-22 14:27)
【 U.A.】に関しては現在友人らに意見を聞きつつ回し方を検討しております(´・ω・`)(攻撃特化だ防御特化だで口論になりつつ)
>しかし本編といいコメントの中身といい、心くんと香蓮の関係が気になりますな……
光芒様のコメントにも記載してありますが、心が男の娘として育てられるきっかけであり、心の為でもあるのです(さらに気になるように書いていくスタイル) (2016-04-22 15:07)
4話でワーム・ゼロの正体を明かすのですがもうネタバレしてもいいk(このコメントは不思議な粘液で溶かされ読むことが出来ない) (2016-04-24 07:18)