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第12話 事件の火種 作:イベリコ豚丼
パシャ!
パシャパシャ!
「ぐふふ、これはいい記事になるわよぉ」
レンズの向こうの二人を撮りながら呟く。
「噂になっておきながら自宅で密会とか、危機感無さ過ぎじゃないかしらぁ?まぁ私としてはネタに出来て嬉しいんだけどぉ」
パシャパシャパシャ!
少し開いたカーテンの隙間から見える多田野くんと剛田くんに、再びシャッターを切った。
「さぁて、どんな記事にしようかしらぁ。こことここを少し脚色してぇ……。とりあえずもう一枚程撮っておきましょうかぁ」
そう思ってカメラを構え直し、ファインダーを覗くと、目の前が真っ暗になった。
「きゃ!もうちょっと何ぃ!?」
「いつまでこんなことやっとるんじゃおんしは。もうやめぇ言うたやろうに」
「何でこんな所まで来てるのよ根黒くぅん!まさか私のストーカーァ?それともあの二人のぉ?」
「阿呆か。今日はそこのカードショップに寄る用があったち、この道通ったら、たまたまおんしを見付けただけじゃ」
「あっそ、じゃあさっさと私のカメラ返してくれるぅ?それ高かったんだからぁ」
「カメラは返しちゃる。けんど」
カメラの裏蓋が外され、8TBのメモリーカードを引き抜かれた。
「こっちは預からせてもらうぞ」
「はぁ!?その中には大事な写真がいっぱい入ってるのよぉ!?あの娘のあんな写真とか、あの娘のムフフな写真とか…」
「それがあかん言うとるんじゃ。確かに新聞部には報道の自由があるがのぉ、おんしはそれを乱用し過ぎじゃ。生徒会にも被害届が何件も来とるんじゃぞ」
「そんなの知ったこっちゃ無いわぁ。撮られるのが嫌なら、そもそも疚しい事をしなきゃいいのよぉ」
「そうは言うても被害が出とる以上生徒会として何もせん訳にはいかんからな。とりあえずこの中に入っちょる写真を検分させてもらうき」
「嫌だって言ったらぁ?」
「元々おんしに断る権利は無いんじゃがな…。まぁそうじゃな、どうしてもと言うんならデュエルで決めるか?」
「そうねぇ、私達はデュエリストだものぉ。揉め事が起こったならそれが一番手っ取り早いわぁ」
ま、家のパソコンにバックアップは取ってあるんだけどねぇ。でもこのまま素直に持って行かれるのも癪だものぉ。
「「デュエルディスク、セット!D-ゲイザー、セット!」」
『ARビジョン、リンク完了』
「「デュエル!!」」
SAKAE LP 4000
―――VS―――
LP 4000 MASAYA
「私はモンスターを裏守備表示でセットするわぁ」
??? ☆? DEF ?
「そしてカードを2枚伏せて、ターンエンド」
「なんじゃ、えらい逃げ腰やないか。そない酷い手札やったんか?」
「さぁね、どうかしらぁ?」
「………ま、こっちは容赦無く行かしてもらうがのぉ!儂のターン、ドロー!儂は手札から特攻戦兵アサルトを召喚!」
特攻戦兵アサルト ☆4 ATK 1900
「アサルトの効果により、デッキから装備カードを手札に加えさせてもらうき。そいから、戦士族モンスターが召喚に成功した時、手札の装備カードを墓地に送ることで、このモンスターを特殊召喚できる!行くがや、チューナーモンスター、獣身宿戦兵ホース・イヤリング!」
獣身宿戦兵ホース・イヤリング ☆3 ATK 300
「さらに、ホース・イヤリングが特殊召喚に成功したことで、今墓地に送った装備カードを手札に戻す!」
「レベル4、特攻戦兵アサルトに、レベル3、獣身宿戦兵ホース・イヤリングをチューニング!」
2体のモンスターが1つとなって光の道を作り上げる。
「天地を貫く螺旋の槍!その鋭きこと雷の如し!シンクロ召喚!嘶きぃ、聖槍戦長ユニコーンランス・ナイト!」
聖槍戦長ユニコーンランス・ナイト ☆7 ATK 2600
「バトルじゃ!ユニコーンランス・ナイトで、裏守備モンスターに攻撃!」
「うっ……!」
聖槍戦長ユニコーンランス・ナイト ATK 2600 VS パールディン・ポエット DEF 1800
「ユニコーンランス・ナイトが守備表示のモンスターを攻撃した時、その守備力を越えた分だけ相手にダメージを与える!」
「貫通攻撃ですってぇ!?」
SAKAE LP 3200
―――VS―――
LP 4000 MASAYA
「カードを2枚セットして、儂はこれでターンエンド。どうじゃ?守ってばっかりじゃあかんいうことが…」
「その瞬間、破壊されたパールディン・ポエットの効果発動ぉ。フィールド上にパールトークンを1体特殊召喚するわぁ」
パールトークン ☆1 DEF 0
「パールトークン…?何じゃそいつは?」
「うふふ、可愛いでしょぉ?でもそれだけじゃないのよぉ。―――この子があなたを敗北に導くことになるわぁ」
「そんなトークン1体で何ができるんじゃ」
「それを今から教えてあげるぅ。私のターン、ドロー。相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドに通常モンスターが存在する時、このモンスターはリリース無しで召喚できるわぁ。やっちゃってぇ、パールディン・ペガサス!」
パールディン・ペガサス ☆6 ATK 2200
「さらに罠発動ぉ、パールディン・ピラー」
パールディン・ピラー 通常罠
「手札からパールディンと名の付いたモンスターをアドバンス召喚するわよぉ。私はパールトークン1体をリリースして、パールディン・プリマを召喚」
パールディン・プリマ ☆6 ATK 2300
「そしてパールディン・プリマの効果を使うわぁ。このモンスターがアドバンス召喚に成功した時、その為にリリースした通常モンスターの数までフィールド上のカードを破壊する!」
「トークンは通常モンスター扱い…!」
「まずはその邪魔な伏せカードを破壊しましょうかぁ」
右のセットカードを指差して言う。
「むぅっ…!」
「まだ終わりじゃないわよぉ。私はレベル6のパールディン・ペガサスとパールディン・プリマで、オーバーレイネットワークを構築!」
2体のモンスターが重なり合い、小さな宇宙を生み出した。
「深海眠る宝玉よ!荒ぶる波を掻き分け、陸をも統べる王となれ!エクシーズ召喚!浮上しなさぁい、ピンクパールディン・プレジデント!」
ピンクパールディン・プレジデント ★6 ATK 2800 ORU 2
「ピンクパールディン・プレジデントがエクシーズ召喚に成功した時、パールトークンを1体特殊召喚できるわぁ」
パールトークン ☆1 DEF 0
「またそいつか…」
「ピンクパールディン・プレジデントのオーバーレイユニットを1つ使用し、効果を発動ぉ。フィールドのパールトークンとあなたのユニコーンランス・ナイトを破壊する!」
「ユニコーンランス・ナイト!!」
「さぁこれでモンスターはいなくなったわねぇ。ピンクパールディン・プレジデントでダイレクトアタック!」
「ぬおぉぉぉ!」
SAKAE LP 3200
―――VS―――
LP 1200 MASAYA
「そしてエンドフェイズに破壊した自分のモンスターの数だけパールトークンを特殊召喚できるのよぉ」
パールトークン ☆1 ATK 0
「ちまちまとうっとおしいのぉ…!」
「そういうデッキだものぉ。文句があるなら勝ってからにしてくれるかしらぁ?私はカードを1枚セットして、ターンエンド」
「ちいっ!儂のターン!工兵戦兵ツールを召喚!」
工兵戦兵ツール ☆3 ATK 800
「ツールの効果により、儂は通常魔法カードを1枚墓地に送ることで、デッキから装備カードを手札に加える!続けて罠カード、戦装開始を発動!」
戦装開始 通常罠
「ツールの効果で墓地に送った通常魔法、戦装準備を除外することで、手札から獣身宿戦兵ドッグ・を特殊召喚する!」
獣身宿戦兵ドッグ・スティック ☆1 DEF 100
「この効果で特殊召喚したドッグ・スティックの攻撃力は400アップし、レベルは1つ上がる」
獣身宿戦兵ドッグ・スティック ☆2
「レベル3、工作戦兵ツールに、レベル2になっとる獣身宿戦兵ドッグ・スティックをチューニング!空を切り裂く雄々しき翼!その疾きこと風の如し!シンクロ召喚!駆けぇ、天翔戦長ペガサスヘルム・ソルジャー!」
天翔戦長ペガサスヘルム・ソルジャー ☆5 ATK 2600
「毎ターンシンクロ召喚…。さすが生徒会役員ってとこかしらぁ。でもその攻撃力じゃ私のピンクパールディン・プレジデントちゃんは倒せないわよぉ?」
「安心せぇ。生徒会役員の真の実力、すぐに見せたるき!儂は戦装・黒錆の手裏剣をペガサスヘルム・ソルジャーに装備!」
戦装・黒錆の手裏剣 装備魔法
「さらに、ペガサスヘルム・ソルジャーの効果発動!このモンスターに装備されとる戦装カードを墓地に送ることで、相手モンスター1体をスタンバイフェイズまで除外する!」
「除外ぃ!?」
「除外されたモンスターエクシーズのオーバーレイユニットは除外されるき、次のターンからピンクパールディン・プレジデントはただの木偶じゃ!」
「なら速攻魔法発動ぉ、パールディン・パッセージ!」
パールディン・パッセージ 速攻魔法
「ピンクパールディン・プレジデントを破壊して、代わりにデッキからパールディン・パンサーを効果を無効にして特殊召喚するわぁ」
パールディン・パンサー DEF 1100
「上手いこと凌いだのぉ」
「私だって3年間新聞ばっかり書いてた訳じゃ無いのよぉ」
まぁデュエルしてる時間よりスキャンダル探してた時間の方が多かったのは確かだけどねぇ。
「黒錆の手裏剣は、戦長の名を冠するモンスターによって墓地に行った時、デッキの一番上からカードを1枚墓地に送ることで、手札に戻すことができる!」
根黒くんのデッキから、モンスターカードが墓地に送られた。
「さぁバトルフェイズじゃ!ペガサスヘルム・ソルジャーで、パールディン・パンサーにアタック!」
ペガサスヘルム・ソルジャー ATK 2600 VS パールディン・パンサー DEF 1100
「あ~あ、破壊されちゃったぁ」
「どうせ儂のエンドフェイズにまたパールトークンが湧いて来るんじゃろ」
「ま、そうなんだけどねぇ」
パールトークン ☆1 DEF 0
「それじゃあ私のターン、ドロー」
あらぁ……?
これは決まりかしらぁ♪
「私はパールトークン2体をリリースして、パールディン・プリンセスをアドバンス召喚!」
パールディン・プリンセス ☆8 ATK 2800
「通常モンスター2体を生け贄として召喚されたパールディン・プリンセスには、一つ面白い効果があるのよぉ」
「面白い効果…?」
「えぇ、フィールド上のこのモンスター以外の効果モンスターを全て破壊するっていうねぇ!」
「なっ…!?無茶苦茶やないか!!」
「私のフィールドにはパールディン・プリンセス一体だけ!さぁ全部飲み込んじゃいなさぁい!スプラッシュ・クレスト!」
「くっ!墓地の獣身宿戦兵マウス・トゥースの効果を発動!ライフ4000以下の状態で儂のモンスターが相手によって破壊された時、手札の戦装・黒錆の手裏剣を墓地に送ることで特殊召喚できる!」
獣身宿戦兵マウス・トゥース ☆4 DEF 400
「そして、儂は次のドローを放棄する代わりに、ターンを強制終了させることができるがや!」
「あらぁ、耐えられちゃったぁ」
「そんな訳の分からん効果で負けてたまるかい!」
「でもぉ、次のドローを放棄するってことは、今のあなたの手札に逆転の要素が無かったらどっちみち根黒くんの負けよぉ?」
「そうじゃのぉ。―――けんど、この特殊召喚が通った時点で儂の勝ちは決まった」
「!?」
「儂のタァァン!手札から轟砲戦兵キャノンを召喚!」
轟砲戦兵キャノン ☆4 ATK 0
「攻撃力0ぉ?そんなモンスターでいったい何が…」
「儂は、レベル4、轟砲戦兵キャノンに、レベル4、獣身宿戦兵マウス・トゥースをチューニング!」
「その子チューナーだったのぉ!?」
「闇を蝕む蛇蝎の猛毒!その止めど無きこと沼の如し!シンクロ召喚!這い出しぃ、邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ☆8 ATK 2600
「さらにメデューサポイズン・アサシンに装備カード、戦装・二本一組の錆剣を装備!」
戦装・二本一組の錆剣 装備魔法
「これにより、メデューサポイズン・アサシンの攻撃力は800ポイントアップする!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ATK 3400
「それでパールディン・プリンセスの攻撃力を越えたつもりかしらぁ!?甘いわよぉ!罠発動、パールディン・ピルム!」
パールディン・ピルム 通常罠
「このカードは発動後装備カードとなって、パールディン・プリンセスの攻撃力を700アップさせるわぁ!」
パールディン・プリンセス ATK 3500
「どぉ?これでまたこっちが攻撃力を…」
「残念じゃったのぅ。この装備カードはパールディン・プリンセスを倒す為のもんじゃなか」
「………!?だったら何の為に…」
「おんし自身を倒す為じゃ!行きぃ、メデューサポイズン・アサシン!パールディン・プリンセスを攻撃!!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ATK 3400 VS パールディン・プリンセス ATK 3500
「攻撃力の高いパールディン・プリンセスを攻撃ぃ!?まさか破壊された時に何か効果が…」
「この瞬間、メデューサポイズン・アサシンの効果発動!戦装カードを装備したこのモンスターが、機械族以外のモンスターとバトルする時、その相手の攻撃力は0になる!!」
「そんなっ…!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ATK 3400 VS パールディン・プリンセス ATK 0
「終わりじゃ、3400のダメージを受けぇ!」
「いやぁぁぁん!!」
SAKAE LP 0
―――VS―――
LP 1200 MASAYA
『WIN! MASAYA NEGURO』
「ほいじゃあ約束通りこれは預からせてもらうき」
「ちょっとぉ、レディーに相手に手加減ってものはないのぉ?」
「おんしから突っ掛かって来たんじゃろ。とにかく、これに懲りてもうこげなこつはやめるんじゃな」
「嫌よぉ!そんなことしたら私死んじゃうわよぉ!?」
「何でそうなるんじゃ…。もうこの話は終いじゃ。明日中には返したるき、また生徒会室に取りに来ぃ」
「あ、ちょっとぉ…!」
そのまま根黒くんは立ち去って行ってしまった。
「このままじゃ終わらせないわよぉ…!絶対ゴシップ探し出してやるんだからぁ…!」
―――
目的のカードショップに着いた頃には、もう20時じゃった。
(えらい遅ぅなったのぉ…。目的のもんさっさと買ってはよぉ帰らんとのぉ)
店ん中を散策して、モンスターカードのゾーンを捜す。
(なんじゃ、入口にあったんかいな。さてと……。ありゃあ、ペンデュラム・マジシャンえらい下がっとるのぉ。やっぱり次の制限改定が響いとるんか…)
欲しいカードはショーケースの一番下にあった。
(お、あったあった。………ん?あれは…)
ふと横見ると、ウチの制服を着た男が何やら怪しい動きをしとった。
(はぁ……。この歳なって万引きとは…。世話焼けるのぉ…)
そのまま見過ごす訳にもいかず、男に声を掛ける。
「おいおんし、今すぐそれを元の場所に戻すんじゃ。今なら見んかったことにしといたる」
「………っ!!」
そいつは慌てた様に周りを見渡し、持っとったもんを儂に押し付けて逃げ去りよった。
「あ、おいこら……!」
呼び掛けに応えるはずもなく、仕方なくその背中を見送った。
「まったく、しゃあないのぉ…」
男から渡されたカードをケースに戻そうとしたその時。
「ちょっと君、何してるのかな」
「あ?」
「それ、ウチの商品だよね?」
「あぁそうじゃが…」
「とりあえず、事務所まで来てもらえるかな?」
「はぁ?まさかおんし儂が盗ったと思うちょるんか!?儂はただ預かっただけじゃ!」
「いいから来なさい!」
「ちょ、ちょお待ちぃ!儂は何もやっとらん!無実じゃ!」
抵抗虚しく、そのまま店の奥へと連れて行かれてしもうた。
「あらぁ?これはいい記事になりそうねぇ♪」
パシャパシャ!
「ぐふふ、これはいい記事になるわよぉ」
レンズの向こうの二人を撮りながら呟く。
「噂になっておきながら自宅で密会とか、危機感無さ過ぎじゃないかしらぁ?まぁ私としてはネタに出来て嬉しいんだけどぉ」
パシャパシャパシャ!
少し開いたカーテンの隙間から見える多田野くんと剛田くんに、再びシャッターを切った。
「さぁて、どんな記事にしようかしらぁ。こことここを少し脚色してぇ……。とりあえずもう一枚程撮っておきましょうかぁ」
そう思ってカメラを構え直し、ファインダーを覗くと、目の前が真っ暗になった。
「きゃ!もうちょっと何ぃ!?」
「いつまでこんなことやっとるんじゃおんしは。もうやめぇ言うたやろうに」
「何でこんな所まで来てるのよ根黒くぅん!まさか私のストーカーァ?それともあの二人のぉ?」
「阿呆か。今日はそこのカードショップに寄る用があったち、この道通ったら、たまたまおんしを見付けただけじゃ」
「あっそ、じゃあさっさと私のカメラ返してくれるぅ?それ高かったんだからぁ」
「カメラは返しちゃる。けんど」
カメラの裏蓋が外され、8TBのメモリーカードを引き抜かれた。
「こっちは預からせてもらうぞ」
「はぁ!?その中には大事な写真がいっぱい入ってるのよぉ!?あの娘のあんな写真とか、あの娘のムフフな写真とか…」
「それがあかん言うとるんじゃ。確かに新聞部には報道の自由があるがのぉ、おんしはそれを乱用し過ぎじゃ。生徒会にも被害届が何件も来とるんじゃぞ」
「そんなの知ったこっちゃ無いわぁ。撮られるのが嫌なら、そもそも疚しい事をしなきゃいいのよぉ」
「そうは言うても被害が出とる以上生徒会として何もせん訳にはいかんからな。とりあえずこの中に入っちょる写真を検分させてもらうき」
「嫌だって言ったらぁ?」
「元々おんしに断る権利は無いんじゃがな…。まぁそうじゃな、どうしてもと言うんならデュエルで決めるか?」
「そうねぇ、私達はデュエリストだものぉ。揉め事が起こったならそれが一番手っ取り早いわぁ」
ま、家のパソコンにバックアップは取ってあるんだけどねぇ。でもこのまま素直に持って行かれるのも癪だものぉ。
「「デュエルディスク、セット!D-ゲイザー、セット!」」
『ARビジョン、リンク完了』
「「デュエル!!」」
SAKAE LP 4000
―――VS―――
LP 4000 MASAYA
「私はモンスターを裏守備表示でセットするわぁ」
??? ☆? DEF ?
「そしてカードを2枚伏せて、ターンエンド」
「なんじゃ、えらい逃げ腰やないか。そない酷い手札やったんか?」
「さぁね、どうかしらぁ?」
「………ま、こっちは容赦無く行かしてもらうがのぉ!儂のターン、ドロー!儂は手札から特攻戦兵アサルトを召喚!」
特攻戦兵アサルト ☆4 ATK 1900
「アサルトの効果により、デッキから装備カードを手札に加えさせてもらうき。そいから、戦士族モンスターが召喚に成功した時、手札の装備カードを墓地に送ることで、このモンスターを特殊召喚できる!行くがや、チューナーモンスター、獣身宿戦兵ホース・イヤリング!」
獣身宿戦兵ホース・イヤリング ☆3 ATK 300
「さらに、ホース・イヤリングが特殊召喚に成功したことで、今墓地に送った装備カードを手札に戻す!」
「レベル4、特攻戦兵アサルトに、レベル3、獣身宿戦兵ホース・イヤリングをチューニング!」
2体のモンスターが1つとなって光の道を作り上げる。
「天地を貫く螺旋の槍!その鋭きこと雷の如し!シンクロ召喚!嘶きぃ、聖槍戦長ユニコーンランス・ナイト!」
聖槍戦長ユニコーンランス・ナイト ☆7 ATK 2600
「バトルじゃ!ユニコーンランス・ナイトで、裏守備モンスターに攻撃!」
「うっ……!」
聖槍戦長ユニコーンランス・ナイト ATK 2600 VS パールディン・ポエット DEF 1800
「ユニコーンランス・ナイトが守備表示のモンスターを攻撃した時、その守備力を越えた分だけ相手にダメージを与える!」
「貫通攻撃ですってぇ!?」
SAKAE LP 3200
―――VS―――
LP 4000 MASAYA
「カードを2枚セットして、儂はこれでターンエンド。どうじゃ?守ってばっかりじゃあかんいうことが…」
「その瞬間、破壊されたパールディン・ポエットの効果発動ぉ。フィールド上にパールトークンを1体特殊召喚するわぁ」
パールトークン ☆1 DEF 0
「パールトークン…?何じゃそいつは?」
「うふふ、可愛いでしょぉ?でもそれだけじゃないのよぉ。―――この子があなたを敗北に導くことになるわぁ」
「そんなトークン1体で何ができるんじゃ」
「それを今から教えてあげるぅ。私のターン、ドロー。相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドに通常モンスターが存在する時、このモンスターはリリース無しで召喚できるわぁ。やっちゃってぇ、パールディン・ペガサス!」
パールディン・ペガサス ☆6 ATK 2200
「さらに罠発動ぉ、パールディン・ピラー」
パールディン・ピラー 通常罠
「手札からパールディンと名の付いたモンスターをアドバンス召喚するわよぉ。私はパールトークン1体をリリースして、パールディン・プリマを召喚」
パールディン・プリマ ☆6 ATK 2300
「そしてパールディン・プリマの効果を使うわぁ。このモンスターがアドバンス召喚に成功した時、その為にリリースした通常モンスターの数までフィールド上のカードを破壊する!」
「トークンは通常モンスター扱い…!」
「まずはその邪魔な伏せカードを破壊しましょうかぁ」
右のセットカードを指差して言う。
「むぅっ…!」
「まだ終わりじゃないわよぉ。私はレベル6のパールディン・ペガサスとパールディン・プリマで、オーバーレイネットワークを構築!」
2体のモンスターが重なり合い、小さな宇宙を生み出した。
「深海眠る宝玉よ!荒ぶる波を掻き分け、陸をも統べる王となれ!エクシーズ召喚!浮上しなさぁい、ピンクパールディン・プレジデント!」
ピンクパールディン・プレジデント ★6 ATK 2800 ORU 2
「ピンクパールディン・プレジデントがエクシーズ召喚に成功した時、パールトークンを1体特殊召喚できるわぁ」
パールトークン ☆1 DEF 0
「またそいつか…」
「ピンクパールディン・プレジデントのオーバーレイユニットを1つ使用し、効果を発動ぉ。フィールドのパールトークンとあなたのユニコーンランス・ナイトを破壊する!」
「ユニコーンランス・ナイト!!」
「さぁこれでモンスターはいなくなったわねぇ。ピンクパールディン・プレジデントでダイレクトアタック!」
「ぬおぉぉぉ!」
SAKAE LP 3200
―――VS―――
LP 1200 MASAYA
「そしてエンドフェイズに破壊した自分のモンスターの数だけパールトークンを特殊召喚できるのよぉ」
パールトークン ☆1 ATK 0
「ちまちまとうっとおしいのぉ…!」
「そういうデッキだものぉ。文句があるなら勝ってからにしてくれるかしらぁ?私はカードを1枚セットして、ターンエンド」
「ちいっ!儂のターン!工兵戦兵ツールを召喚!」
工兵戦兵ツール ☆3 ATK 800
「ツールの効果により、儂は通常魔法カードを1枚墓地に送ることで、デッキから装備カードを手札に加える!続けて罠カード、戦装開始を発動!」
戦装開始 通常罠
「ツールの効果で墓地に送った通常魔法、戦装準備を除外することで、手札から獣身宿戦兵ドッグ・を特殊召喚する!」
獣身宿戦兵ドッグ・スティック ☆1 DEF 100
「この効果で特殊召喚したドッグ・スティックの攻撃力は400アップし、レベルは1つ上がる」
獣身宿戦兵ドッグ・スティック ☆2
「レベル3、工作戦兵ツールに、レベル2になっとる獣身宿戦兵ドッグ・スティックをチューニング!空を切り裂く雄々しき翼!その疾きこと風の如し!シンクロ召喚!駆けぇ、天翔戦長ペガサスヘルム・ソルジャー!」
天翔戦長ペガサスヘルム・ソルジャー ☆5 ATK 2600
「毎ターンシンクロ召喚…。さすが生徒会役員ってとこかしらぁ。でもその攻撃力じゃ私のピンクパールディン・プレジデントちゃんは倒せないわよぉ?」
「安心せぇ。生徒会役員の真の実力、すぐに見せたるき!儂は戦装・黒錆の手裏剣をペガサスヘルム・ソルジャーに装備!」
戦装・黒錆の手裏剣 装備魔法
「さらに、ペガサスヘルム・ソルジャーの効果発動!このモンスターに装備されとる戦装カードを墓地に送ることで、相手モンスター1体をスタンバイフェイズまで除外する!」
「除外ぃ!?」
「除外されたモンスターエクシーズのオーバーレイユニットは除外されるき、次のターンからピンクパールディン・プレジデントはただの木偶じゃ!」
「なら速攻魔法発動ぉ、パールディン・パッセージ!」
パールディン・パッセージ 速攻魔法
「ピンクパールディン・プレジデントを破壊して、代わりにデッキからパールディン・パンサーを効果を無効にして特殊召喚するわぁ」
パールディン・パンサー DEF 1100
「上手いこと凌いだのぉ」
「私だって3年間新聞ばっかり書いてた訳じゃ無いのよぉ」
まぁデュエルしてる時間よりスキャンダル探してた時間の方が多かったのは確かだけどねぇ。
「黒錆の手裏剣は、戦長の名を冠するモンスターによって墓地に行った時、デッキの一番上からカードを1枚墓地に送ることで、手札に戻すことができる!」
根黒くんのデッキから、モンスターカードが墓地に送られた。
「さぁバトルフェイズじゃ!ペガサスヘルム・ソルジャーで、パールディン・パンサーにアタック!」
ペガサスヘルム・ソルジャー ATK 2600 VS パールディン・パンサー DEF 1100
「あ~あ、破壊されちゃったぁ」
「どうせ儂のエンドフェイズにまたパールトークンが湧いて来るんじゃろ」
「ま、そうなんだけどねぇ」
パールトークン ☆1 DEF 0
「それじゃあ私のターン、ドロー」
あらぁ……?
これは決まりかしらぁ♪
「私はパールトークン2体をリリースして、パールディン・プリンセスをアドバンス召喚!」
パールディン・プリンセス ☆8 ATK 2800
「通常モンスター2体を生け贄として召喚されたパールディン・プリンセスには、一つ面白い効果があるのよぉ」
「面白い効果…?」
「えぇ、フィールド上のこのモンスター以外の効果モンスターを全て破壊するっていうねぇ!」
「なっ…!?無茶苦茶やないか!!」
「私のフィールドにはパールディン・プリンセス一体だけ!さぁ全部飲み込んじゃいなさぁい!スプラッシュ・クレスト!」
「くっ!墓地の獣身宿戦兵マウス・トゥースの効果を発動!ライフ4000以下の状態で儂のモンスターが相手によって破壊された時、手札の戦装・黒錆の手裏剣を墓地に送ることで特殊召喚できる!」
獣身宿戦兵マウス・トゥース ☆4 DEF 400
「そして、儂は次のドローを放棄する代わりに、ターンを強制終了させることができるがや!」
「あらぁ、耐えられちゃったぁ」
「そんな訳の分からん効果で負けてたまるかい!」
「でもぉ、次のドローを放棄するってことは、今のあなたの手札に逆転の要素が無かったらどっちみち根黒くんの負けよぉ?」
「そうじゃのぉ。―――けんど、この特殊召喚が通った時点で儂の勝ちは決まった」
「!?」
「儂のタァァン!手札から轟砲戦兵キャノンを召喚!」
轟砲戦兵キャノン ☆4 ATK 0
「攻撃力0ぉ?そんなモンスターでいったい何が…」
「儂は、レベル4、轟砲戦兵キャノンに、レベル4、獣身宿戦兵マウス・トゥースをチューニング!」
「その子チューナーだったのぉ!?」
「闇を蝕む蛇蝎の猛毒!その止めど無きこと沼の如し!シンクロ召喚!這い出しぃ、邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ☆8 ATK 2600
「さらにメデューサポイズン・アサシンに装備カード、戦装・二本一組の錆剣を装備!」
戦装・二本一組の錆剣 装備魔法
「これにより、メデューサポイズン・アサシンの攻撃力は800ポイントアップする!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ATK 3400
「それでパールディン・プリンセスの攻撃力を越えたつもりかしらぁ!?甘いわよぉ!罠発動、パールディン・ピルム!」
パールディン・ピルム 通常罠
「このカードは発動後装備カードとなって、パールディン・プリンセスの攻撃力を700アップさせるわぁ!」
パールディン・プリンセス ATK 3500
「どぉ?これでまたこっちが攻撃力を…」
「残念じゃったのぅ。この装備カードはパールディン・プリンセスを倒す為のもんじゃなか」
「………!?だったら何の為に…」
「おんし自身を倒す為じゃ!行きぃ、メデューサポイズン・アサシン!パールディン・プリンセスを攻撃!!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ATK 3400 VS パールディン・プリンセス ATK 3500
「攻撃力の高いパールディン・プリンセスを攻撃ぃ!?まさか破壊された時に何か効果が…」
「この瞬間、メデューサポイズン・アサシンの効果発動!戦装カードを装備したこのモンスターが、機械族以外のモンスターとバトルする時、その相手の攻撃力は0になる!!」
「そんなっ…!」
邪蛇戦長メデューサポイズン・アサシン ATK 3400 VS パールディン・プリンセス ATK 0
「終わりじゃ、3400のダメージを受けぇ!」
「いやぁぁぁん!!」
SAKAE LP 0
―――VS―――
LP 1200 MASAYA
『WIN! MASAYA NEGURO』
「ほいじゃあ約束通りこれは預からせてもらうき」
「ちょっとぉ、レディーに相手に手加減ってものはないのぉ?」
「おんしから突っ掛かって来たんじゃろ。とにかく、これに懲りてもうこげなこつはやめるんじゃな」
「嫌よぉ!そんなことしたら私死んじゃうわよぉ!?」
「何でそうなるんじゃ…。もうこの話は終いじゃ。明日中には返したるき、また生徒会室に取りに来ぃ」
「あ、ちょっとぉ…!」
そのまま根黒くんは立ち去って行ってしまった。
「このままじゃ終わらせないわよぉ…!絶対ゴシップ探し出してやるんだからぁ…!」
―――
目的のカードショップに着いた頃には、もう20時じゃった。
(えらい遅ぅなったのぉ…。目的のもんさっさと買ってはよぉ帰らんとのぉ)
店ん中を散策して、モンスターカードのゾーンを捜す。
(なんじゃ、入口にあったんかいな。さてと……。ありゃあ、ペンデュラム・マジシャンえらい下がっとるのぉ。やっぱり次の制限改定が響いとるんか…)
欲しいカードはショーケースの一番下にあった。
(お、あったあった。………ん?あれは…)
ふと横見ると、ウチの制服を着た男が何やら怪しい動きをしとった。
(はぁ……。この歳なって万引きとは…。世話焼けるのぉ…)
そのまま見過ごす訳にもいかず、男に声を掛ける。
「おいおんし、今すぐそれを元の場所に戻すんじゃ。今なら見んかったことにしといたる」
「………っ!!」
そいつは慌てた様に周りを見渡し、持っとったもんを儂に押し付けて逃げ去りよった。
「あ、おいこら……!」
呼び掛けに応えるはずもなく、仕方なくその背中を見送った。
「まったく、しゃあないのぉ…」
男から渡されたカードをケースに戻そうとしたその時。
「ちょっと君、何してるのかな」
「あ?」
「それ、ウチの商品だよね?」
「あぁそうじゃが…」
「とりあえず、事務所まで来てもらえるかな?」
「はぁ?まさかおんし儂が盗ったと思うちょるんか!?儂はただ預かっただけじゃ!」
「いいから来なさい!」
「ちょ、ちょお待ちぃ!儂は何もやっとらん!無実じゃ!」
抵抗虚しく、そのまま店の奥へと連れて行かれてしもうた。
「あらぁ?これはいい記事になりそうねぇ♪」
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Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
シンクロの口上まで作っていただきありがとうございます! (2016-03-26 08:53)
戦装とパールはパワーVSテクニックの勝負なので実際にOCGになっても面白そう。 (2016-03-26 09:51)
万引きを止めたら万引き犯にされる…しかもスクープ!?クッソ胸くそ悪い展開の予感がプンプンしてきますね。
そしてオリカのみの縛りでやってる世界でocgのカードとリミレギュが普通に出てきてちょっと面白かったですw (2016-03-26 15:05)
》ター坊さん
皆さんの創って下さったオリカにはそれぞれにそれぞれしかない特徴があって、デュエルを構成していて本当に楽しいです!
ただどのオリジナルテーマにするか選ぶ時、中身よりもそのキャラのイメージからチョイスするので、闘う2つのテーマが圧倒的に相性が悪いことがたまに…(苦笑)
》風鼠さん
そちらのキャラにはまた別の方のオリカを当てさせていただきます。
風鼠さんからは今回もう一つお借りさせていただく予定なのでよろしくお願いしますm(__)m
》ギガプラントさん
この章はこのSSにこれからちょいちょい出現するグロポイントの一つ目になる予定です…。
OCGネタはデュエル関係無いところでたまに絡めていこうと考えていますw
こっちの世界でも猿もヒグルミもジャグラーも禁止なんだ!
あいつらは次元を越えてまで悪事を働いたんだ! (2016-03-27 11:10)