第50話決勝前夜 それぞれの思い 　作：こんにゃく

ジョーカー「よく集まってくれたね我が娘達」

そこには張り付けになったレイナ

周りにハート、ダイヤ、スペード、クローバーの姿が

しかしクローバーは横たわっている

ジョーカー「とは言えクローバーは虫の息だけど」ｸｽｸｽ

ジョーカー「まぁ…予想外のことが合ったからね…クローバーは良くやってくれた」

ダイヤ「まさか…クローバーこのまま決勝に出すつもりか！？」

ジョーカー「当たり前じゃないか…私達の計画はもうすぐで成就する…ここで引いてはダメだと思わないかい？」

ダイヤ「っ！！それは…」

ジョーカー「それにね…君達にはこれから力を与えようと思う」

ハート「力…？」

ジョーカー「そう…ソロモンズを越えた…異世界の力だ」ｳｩﾝ

ジョーカーの瞳が輝くとハート達の瞳もまた輝く

ハート「ぐぅ…！？ぐぁぁぁ！！！！」

スペード「こ…これは…なんで…すの…ぐぅぅ！！！」

ダイヤ「くっ！！クローバー…！！くぅ！！！」

クローバー「がぁぁぁ！！！ぐぁぁぁ！！！！」

ハート達全員が目を押さえ苦しむ

そしてジョーカーから発せられる光を全身に浴びたハート達はさらに苦しむ

そして…

ハート達四姉妹全員に１枚ずつ新たなカード…力が授けられる

ハート「はぁ…はぁ…こ…これは」ｽｯ

ジョーカー「これが君達の新たな力だ…この力でソロモンズを集めなさいそして…」

ジョーカー「邪魔な人間を全て…排除しろ」

ﾌﾞﾜｯと闇の光がハート達を包む

その闇に触れたハート達から苦しみの表情が消える

ハート「…わかった…」

スペード「…全ては」

ダイヤ「全ては」

クローバーはフラフラと立ち上がりながら

クローバー「全ては我が計画のために」

ジョーカー「くふふ…それでよろしい…」

…

一騎「…」

一騎はすでにホテルへと戻っていた

一騎「あの時…俺は…」

クローバーとの戦いで自分の身におこったあの現象を思い出していた

一騎「まるで…まるで自分の記憶のような…そんな感じがした…」

一騎「だけど…俺にそんな記憶は無いはずなのに…」

このは「どうしたでござるか？いっき」

一騎を覗きこむこのは

一騎「うぉぉ！？こ…このは！！ビックリしたぁ」

このは「？変ないっきでござるなぁ…それよりそろそろでござるよ」

一騎「へ？」

ユキ「予選は今日で終わり…明日からは決勝だからねその前夜祭が始まっちゃうよ？」

一騎「ああ…そうか…そうだったな…よしそれじゃあ行くか」

このは「おぉ！！なのでござるです！！」

ユキ「僕は決勝出れないけどね」ﾄﾞﾖｰﾝ

一騎「ゆ…ユキ…」

…

ﾜｲﾜｲ…

一騎「前と同じ場所だし…迷わなかったな」

このは「当たり前でござるよ」

ユキ「それで？…今回はどういう…」

通「一騎！」

一騎「ん？通にキルヴィスじゃないか！」

キルヴィス「！」

このは「お前は…！あの時の！！」

キルヴィス「君は…黒霧の…これも運命か…」

一騎「お前たち知り合いだったのか？」

このは「い…いえ…そういうわけでは…」

通「というかよぉ一騎！！てめぇこんなに女の子はべらせやがって！遊姫が見たら泣くぞ？」

一騎「遊姫…」

通「お？遊姫と何かあったのか？」

一騎「まぁ…色々とな」

通「…俺も自分の道は決めたぜ？」

一騎「え？」

通「だからこの集会でそれを確かめてやるんだ…アイツは絶対にくる」

一騎「通…」

通「何があったか知らねぇが…お前はお前らしくやれよ！」

一騎「通…ああ！わかった！」

バチン

突然辺りが真っ暗になる

一騎「な…なんだ？」

通「どうやら…始まったようだな」

ジョーカー『皆さん…こんにちわ…あれ？こんばんわかな…まぁいいや』

一騎「っ！あれが…ジョーカー…！！」

…

ジェイド「…」

…

遊姫「…」ｷﾞｭｯ

…

ジョーカー『今回はこのシンクリスのフューチャーフレンドカップに集まってくれてありがとう』

ジョーカー『それでは…決勝に進んだ…名誉ある戦士を見ていこうか』

ジョーカー『見てください！なんと20名の戦士が決勝に進みます！！』

そこには一騎やシンクリス四王女の名前の他に

ベクトそしてメーアの名前が入っていた

一騎「なっ！？ベクト！！？」

ベクト「なーに驚いてんだよ」

一騎「！！ベクト！！お前！！」

ベクト「お前が言ったんじゃねぇか…道を決めろってよぉ…だから俺はコイツにでて…アイツらを止める」

ベクト「コイツはメーアと決めたことだ…まぁ俺の場合はお前ともう一度戦いたいってのもあるけどよ！」

一騎「ベクト…」

ベクト「だからよ…今日のうちに8人ぶった押してやったぜ！！！」

一騎「さ…流石だな！」

…

ジョーカー『…さて…今回は特に注目している人がいるんだよねぇ』

ジョーカー『もちろんうちの子はそうなんだけど…ジェイド…そして一騎君』

一騎「…」

ジェイド「…」

ジョーカー『君達には是非決勝にまで来てほしいね』

ジョーカー『これればだけどね』ﾎﾞｿｯ

ジョーカー『さぁ！！皆さん！今宵は最後の晩餐です！！ぜひ楽しんでいってください！！』ﾌﾟﾂﾝ

ベクト「最後の晩餐…ねぇ」

このは「…これが挑発というやつでござるか」

一騎「最後の晩餐ってことはやっぱり確実に異世界の扉を開こうとしているってのか」

ベクト「…どうやらな」

このは「それにしても…」ｽｯ

このはの目の前を何者かが通る

それを見たこのはは

このは「いっき…少しいいでござるか？」

一騎「どうした？」

このは「ちょっと用事が出来たでござるよ」ｽﾀｽﾀ

ベクト「…お前にも用事があるんじゃねぇのか？」ｽｯ

一騎「え？」

ベクトが指を指す方向にはフリフリはしているがいつもの服装よりもきちっとしたハートの姿だった

ハート「…」

一騎「ハート…」

…

ジェイド「…」ｽｯ

メーア「まて」

ジェイド「なんだ」

メーア「先程…噴水の前でスペードをみた」

ジェイド「…だったらなんだ」

メーア「…」

ジェイド「…俺達はもう…覚悟を決めている」

メーア「分かっている…だからこそだ」

ジェイド「…まったく…お人好しだよ…あんたは」

メーア「フッ…悪かったな」

…

通「…」

キルヴィス「…またダイヤか？」

通「ああ」

キルヴィス「ここにいればいずれは…」

ダイヤ「通」

通「っ！！ダイヤ！！」

ダイヤ「うう///そんなうれしそうな顔をするな///」

通「やっと会えた…」

ダイヤ「たった１日だろうが…まったく」

通「…ダイヤ」

ダイヤ「分かっている…少し話そうか」

…

遊姫「…」キョロキョロ

トラクリボー『…クローバーはいないんじゃない？』

遊姫「やっぱりそうかなぁ」

トラクリボー『あれだけのダメージだものそんな簡単には…』

遊姫「このカード…返さないといけないのに」ｽｯ


そこには『友への思い』というカードが遊姫の手に握られていた

トラクリボー『！！遊姫！！あれ！！』

遊姫「えっ！？…あ！！クローバー！！」

そこにはクローバーの姿があった


…


このは「なぜお前がここにいるのですか？」

暁「何かな？僕に興味あるの？」

そこにはフードそして仮面を着けた男、暁の姿が

このは「私はお前に貸しがあるでござるよ」

暁「嫌だなぁ…僕は君に何もしてないじゃない勝手に君がやったことだろう？」

このは「貴様！！」シャキン

暁「あっ！？ちょっとまってよ！！暴力は無しだろう！！？」

暁「…まぁこういうのはデュエルで決着をつけようよ…実は僕…この大会に出てるんだよねぇ」

このは「なに？」

暁「まぁ出なきゃここにいないだけどね♪」

このは「…」

暁「あんまり怖い顔で睨むなよ…潰したくなるだろ」

このは「っ！！」ﾌﾞﾜｯ

表情こそ読み取れないが得たいの知れない薄気味悪いオーラをこのはは肌で感じ取った

このはの肌に冷や汗が吹き出る

暁「まぁ…この続きは決勝決定戦でやろうよ…それまでやられないように…ね」ｸｽｸｽ

バサッという音ともに姿を眩ます

このは「暁…！！」

…

場所は薄暗い通路にあるベンチ

そこに二人の男女が座っている

ダイヤ「…」

通「…」

ダイヤ「話は…分かっていると思う」

通「ああ」

ダイヤ「何となくだが…貴様はもう…私が…私達がやろうとしている事を…」

通「ああ」

ジッと通がダイヤの目を見る

ダイヤ「フフッ…お前はいつでも真剣な顔で私を見る」

通「当たり前だ…今回は事が事だしよ」

ダイヤ「そう…だな…」

通「…」

ダイヤ「私は昔…キルヴィスに憧れていた…」

通「…」

ダイヤ「私は越えようと思っていた…だが越えられなかった…だが」

ダイヤ「そんな時…貴様が現れた」

ダイヤ「貴様はキルヴィスと同じデッキを使い…そして私の想像を越えるデュエリストだった」

ダイヤ「だからこそ…私は」

ダイヤはグッと立ち上がる

ダイヤ「お前を越える」

通「…」

ダイヤ「貴様はきっと私達の計画を知れば私を止めるだろう…お前はそういうやつだ」

ダイヤ「だからこそいずれ戦うことになるだろうと思っていた」

通「…そうだな」

ダイヤ「だからこそ」カチャ

ダイヤのデュエルディスクから剣が飛び出す

それを通に突きつける

ダイヤ「私は貴様を越える」

通もまた立ち上がる…そしてダイヤの剣の剣先を優しく払い

通「…俺はお前を止める…だが…同時にお前も取り戻す」

ダイヤ「え？」

ダイヤにとって予想外の返答だった

通「この戦いが終わったらまた遊びにいくためにな」

ダイヤ「…フッ…お前と言うやつは…だが…」ｽｯ

ダイヤの顔から笑顔が消える

ダイヤ「戦う時は…真剣勝負だ」ｷﾞﾛｯ

通は彼女がどれだけこの事に真剣なのかが痛いほど分かった

だからこそ

通「当たり前だ」

…

真夜中の噴水

そこに美しい男女がいた…事情を知らない人間が見たらまさに物語の王子と王女のよう…

ジェイド「…」

スペード「…来たんですわね」

ジェイド「下らん世話好きのヤツがいたのでな」

スペード「…貴方とこうして静かに話すのは久しぶりですわね」

ジェイド「そうだな」

スペード「…」

ジェイド「俺は…俺は急いでいたようだな」

スペード「え？」

ジェイド「レイナを救うためなら貴様も…貴様達姉妹も始末すると決めていた…だが」

ジェイド「フッ…俺も割りきれていないようだな」

ジェイドはスペードの肩に両手を置いてスペードを見つめる

スペード「うっ//」

ジェイド「俺は今はアリーシャ…君を助けたいとも思っている」

スペード「…それは…」

ジェイド「…分かっている…だからといって俺もソロモンズを渡せない」

スペード「…」

ジェイド「俺は…お前達の父親を助けることは分からない…だが」

ジェイドの頭に一騎の姿が映る

ジェイド「バカが一人…解決してくれるようだ」フッ

スペード「ジェイド…」

ジェイド「だからこそ…俺は俺の…やるべきことを…全力でお前に答えるつもりだ」

スペード「…フフッ…やっぱり…ジェイドはジェイドね」

ジェイド「ああ…俺は…俺だ」ｽｯ

その言葉と同時にジェイドはその場から…去っていった

…

クローバー「…」

遊姫「クローバー！！」

クローバー「！遊姫…」

遊姫「もう大丈夫なの？怪我は…？」

クローバー「…大丈夫だよ」

遊姫「よかった…あのさ」

クローバー「分かってるよ…一騎とかとのデュエルのことでしょ」

遊姫「う…うん」

クローバー「うちは遊姫を利用した…遊姫にもソロモンズ集めるの手伝わせたよね」

遊姫「…」

クローバー「最低だ…友達なのに」

遊姫「で…でも！！それは！！」

クローバー「そうだよ！！パパを助けるためだ！！」

遊姫「っ！！」

クローバー「だけど…それには…人の命が必要なんだ…遊姫はうちの為に死んでくれる？」

遊姫「それは…」

クローバー「遊姫だけじゃない…一騎も通も…シンクリスの人間みんな…うち達のために死ぬんだ…」

遊姫「クローバー…」

クローバー「遊姫だったらきっと…止めるよね」

遊姫「…」

クローバー「だから…友達ごっこはもう終わりだ」

遊姫「え？」

クローバー「もう遊姫とうちは友達じゃない！！」

遊姫「く…クローバー！？何言ってるの！！？」

クローバー「だから…うちの…うち達の邪魔をするなら全力で倒す」ｷﾞﾛｯ

遊姫「っ！！」ﾋﾞｸｯ

遊姫はクローバーの目に恐れて一歩身を引いてしまう

クローバー「そういうことだから…」ｽｯ

その場からクローバーが去ろうとする

遊姫「まっ…まって！！こ…これ！」ｽｯ

遊姫は去ろうとするクローバーにカードを渡そうとする

遊姫「これ…さっきクローバーが落としたカードだよ…ほr」ﾊﾟｼｯ!!

遊姫の手が払いのけられる

クローバー「そんなもの…」

フラフラと落ちていくカード

クローバー「いらない」

そしてそのまま去っていくクローバー

落ちていったカード…『友への思い』

遊姫「クローバー…」

…


シンクリスを一望できるラウンジそこにいるのは奇妙な関係の男女

一騎「ハート」

ハート「ん…ここまで来たんだね…一騎」

一騎「ハート…俺は」

ハート「分かってるよ…僕たちを止めるきでしょ？」

一騎「それだけじゃない…きっと君達のお父さんを助ける方法は他にもある」

ハート「ないよ」

一騎「そんな事無い」

ハート「どうして言い切れるの！？」

ハート「一騎はあたし達の何を知ってるの！！？」

一騎「…何も知らない」

ハート「だったら口を挟まないでよ！！」

一騎「確かに…そうかもしれない…だけど…知っちまったんだ…ハート！！君って言う存在を！！」

ハート「っ！？」

一騎「お前が人を楽しませたいって思っているのは本当だ！それに家族思いってことも知ってる…！！だから俺は…！！」

一騎「もっともっと！！君のことを知りたいんだ！！」

ハート「なっ！？」

一騎「だからこそ…心優しい君が…こんな…こんな人の命を犠牲にしてまでするなんて見たくない！！」

ハート「……『僕』が優しい…ね」

一騎「ハート…？」

ハート「それは…君の錯覚だよ…僕は…人の命なんてどうでもいい道化師だよ」ニコッ

その笑顔は悲しくも美しい…そんな顔をしていた

ﾌﾜｯ

ハートはそのままラウンジから飛び降りる

一騎「ハート！！」

ハート「一騎！！君とデュエルをすることを楽しみにしているよ！！」

一騎「ハート…」

ハートはカイトを開き飛び去っていく

ハート（僕は…優しくなんか無い…そうだ…僕は…悪魔だ）

…


ベクト「なるほどなぁ…お前たちにはそんな事が…」

ユキ「はいそうなんですよぉ！」

ベクト「おっと…どうやら帰ってきたようだな」

そこには真剣な顔をした二人の姿が

ユキ「このは…ちゃん？」

このは「ハッ…すみません考え事をしていました」

ベクト「一騎…ハートは…」

一騎「ああ…あいつは腹をくくっていたよ…だから俺達は戦わなければならない」

ベクト「そうかい…俺も覚悟を決めねぇとな」

一騎「ああ…俺は必ず…止めて見せるよ」

…





そして


晴れ渡る空の下

超巨大なドームの中に何千…何万人という人間が集まっていた

大歓声の中にこの大会を勝ち抜いた20人の 人間が集まる

大会MC『さぁ！やって参りました！！シンクリス！！フューチャーフレンドカップ決勝決定戦！！』

大会MC『MCを勤めるのは私！！MCカンザキが勤めさせていただきます！！』

カンザキと名乗った男は観客達を喜ばせる

カンザキ『この決定戦では20人のデュエリストがこのデュエル・バイク…通称Ｄ・ホイールに乗っていただき…』

カンザキ『このシンクリスハイウェイを道なりに進んでいただきます！！その間に接触したデュエリストとは必ずデュエルをしなければなりません！！』

カンザキ『勿論！その時に敗北した場合脱落となります！』

カンザキ『そしてハイウェイを抜けた先には巨大な迷路がありますそしてそこを抜けるとランダムに設置された6つのステージ！』

カンザキ『花畑・聖堂街・クリスタルパレス・空中庭園・古城・夕暮れのサーキット』

カンザキ『どれか１つに辿り着くのみの場合も有りますし…全ての場所に行ってしまう不運な方もいらっしゃるかと思います！！』

カンザキ『負けたら即終了！！フューチャーフレンドカップ決定戦！！まもなく開始します！！』



一騎達はそれぞれの個室でライディングスーツに着替える

一騎「まさか…本当にライディングデュエルが出来る日が来るとはな…」バタン

ｷｭｯと手の部分をピッチリとはめる

一騎「…何だろうな…夢にまで願ってたライディングデュエルだってのに…」ｽｯ

一騎の目は鋭く前を向いていた

ワァァ！！

大歓声の中に飛び出していく

そしてそこには

通「…」ｶｯ

ダイヤ「…」ｶｯ

遊姫「…」ｶｯ

クローバー「…」ｶｯ

ジェイド「…」ｶｯ

スペード「…」ｶｯ

このは「…」ｶｯ

暁「…」ｶｯ

ベクト「…」ｶｯ

メーア「…」ｶｯ

ハート「…」ｶｯ

一騎「…」ｶｰﾝ

全員が配置につきＤ・ホイールに股がる

カンザキ『それでは皆さん！！準備は宜しいですね！！』

一騎達「…」

カンザキ『ライディングデュエル！！！』

一騎達「アクセラレーション！！！」

ブォォン！！！

こうしてフューチャーフレンドカップ決定戦が始まった

…

続く

一騎「うぉぉぉ！！！自動運転とはいえ怖えぇ…遊姫も苦戦してるようだし…そんな中で俺のソロモンズを狙ったジョーカーの刺客が俺を狙ってくる…どうやらジェイドにも…」

一騎「次回『決定戦開幕 ライディングデュエル』一気に駆け上がれ！！」