第４０話　初日　「師弟」ＶＳ「盟友」②　作：白金　将

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少し経った後の残り残機
剣士　　２
訓練生　１
スカ黄　１
スカ青　２
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～昼　死闘場～
剣士「……」
訓練生「はぁ……はぁ……」
スカ黄「ひぃ、ひぃ」
スカ青「……」

剣士（このままじゃ埒が明かない……先に青を潰さなければ）
スカ黄（剣士さんのフォローで訓練生さんが落とせない……こうなったら剣士さんから）

剣士「訓練生！　お前は青い方を狙え！　私は黄色をやる！」
訓練生「わかりました！」
スカ黄「色で呼ぶなー！　こっちも受けて立つんだから！」
スカ青「いつも呼ばれてる癖に……」
スカ青（……喧嘩上等）

剣士（だが黄色の動きは素早い……まともに戦ってたらこっちが持たないぞ）
剣士（ん……体力が持たない……？）
スカ黄「とおりゃ！」ﾌﾞﾝｯ
ｶﾞﾝｯ
剣士「簡単にやられてたまるかってよ！」



賢者「接戦ですね……剣士もそろそろ疲れてきてるんじゃ」
吹き矢兵「いや、アイツはまだやれる。問題は訓練生だな……結構キテるだろ」
賢者「スカウトちゃんたちもそろそろかしら……」

女戦士「ながーい」
射手「ここから一気に決着がつくんだし。しっかり見るんだし」
女戦士「む……あっ」



スカ黄「てえいっ！」ﾌﾞﾝｯ

ｶﾞﾝｯ

剣士「ちいっ！」
弩級隊隊長「一本！」

スカ黄「次で終わらせるんだから！」
剣士「……それはどうかな」
スカ黄「……！」


訓練生（リーチは向こうの方が長いけど、速さだったら負けない！）
スカ青（障害物をうまく……）ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ
訓練生「あーっ、もう！　ちょこまか動き回るんだからー！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
スカ青「……ｸｽｯ」ｼｭﾊﾟｯ
訓練生「わわっ」ｻｯ

訓練生（障害物の上に乗って届かない……）
訓練生（……障害物？）



女王「二人とも何かに気が付いたみたいね」
聖戦士「女王もわかりましたか」
女王「やっぱり大会はお酒を飲みながら見ないと……聖戦士も飲む？」
聖戦士「私は昨日の頭痛がまだ……」
聖戦士（それは嘘だ……飲んだら大変な事をしてしまうかもしれないからだ）
女王（酔った聖戦士も可愛いのに残念ね……）ｸｲｸｲ



剣士「やっぱり黄色はまだ経験が浅い……今の状況が分からないかな？」
スカ黄「な、まさか、そう言って心を動揺させるって」
剣士「違うんだよなァ！」ﾌﾞﾝｯ
スカ黄「きゃっ」ｶﾞﾝｯ
スカ黄（えっ……今までとは段違いの強さ……抑えきれない！）ｻｯ

スカ黄「どういう……こと……」ｾﾞｪｾﾞｪ
剣士「考えてみるんだな」
スカ黄「……あ！」
スカ黄（一方的に体力を削られてる……さっきまで連撃を繰り返してたから……！）

剣士「今度はこっちの攻撃を耐えられるかなァァァ！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
スカ黄「あ……」

ｶﾞﾝｯ

格闘戦士「一本！　スカウト黄色、脱落！」


訓練生（障害物の上に乗ってるんだったら、それを……こう！）
訓練生「そいやぁ！」ｺﾞﾝｯ
スカ青「！？」ｸﾞﾗｯ
スカ青（体当たり……まずい、バランスが……！）
訓練生「今だ！」ﾌﾞｩﾝ

ｶﾞﾝｯ

格闘戦士「一本！」
スカ青（逃げないと……いったん立て直さないと……）
剣士「おっと、ここは通さないぜ」
スカ青「！？」

剣士「弓が上手だからと言って、はさみうちの相手を同時に撃つことは出来ねぇよな」
スカ青「……！」
訓練生「行きますよ、剣士さん！」
剣士「おうっ！」

二人「とおりゃぁぁぁぁ！」ﾌﾞﾝｯ

ｶﾞﾝｯ

格闘戦士「一本！　スカウト青、脱落！」
スカ青（……負けた）ﾊﾞﾀｯ

格闘戦士「勝負あり！　勝者、剣士＆訓練生！」



女戦士「す、凄い……一瞬で勝負がついちゃった」
女戦士「でもスカウトちゃんたち大丈夫かな……訓練生ちゃんもケガしてないかな」
射手「医療テントに行ってみるんだし」
女戦士「はーい」

賢者「……ふぅ」
吹き矢兵「落ち着いたか？」
賢者「大分、ね。本当にドキドキさせるんだから……」
吹き矢兵「ま、良かったじゃないか。終わったんだし、声でもかけてきたらどうだ？」
賢者「そうするわね。ありがと」ｽﾀｽﾀ

吹き矢兵「もう賢者は剣士と大分長い付き合いになるのか……私も年を取るわけだ」