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遊☆戯☆王V☆S(ファイブスター)/Episode31:禁断の無限暗黒竜 作:カズ

〜現在の状況〜
YUMI→LP:3700 手札:4 デッキ:31 Mゾーン:0 M・Tゾーン:1 Pゾーン:0

HOMURA→LP:2800 手札:2 デッキ:34 Mゾーン:2 M・Tゾーン:0 Pゾーン:0

とりあえずライフポイントでは勝ってるけど、展開的には微妙って感じだな。ここは守りを固める必要があるかな?だったら…。
「俺のターン、ドロー!俺はスケール3の『スターダスト・ヴァルキリー』とスケール8の『スターダスト・アッパーウィング・ペガサス』でペンデュラムスケールをセッティング!!」
手札を充分に確保している今だからこそ、ペンデュラム召喚は行いやすい。それにエクストラデッキにもこのスケールで召喚可能なモンスターもいる。ここは…2体いればいいか。
「ペンデュラム召喚!エクストラデッキから『スターダスト・ヴァルキリー』『スターダスト・ソルジャー』!」
遊弥はヴァルキリーの効果を使い、デッキから『エビル・シンクロン』を手札に加えた。するとこれで何度目か、またもや『エビル・シンクロン』が脳内に語りかけてきた。
(いいか、まずは封印竜を呼び出せ。だがモンスターを破壊しても効果は使うな。)
ーーはぁ?んなことしたら相手にチャンスを与えるようなもんじゃねぇか。
(ツベコベ言わずに黙って従え。)
ーーへいへい。
これ以上会話を続けても面倒だったので強制的に話を打ち切った。
「俺はレベル4の『スターダスト・ヴァルキリー』にレベル4の『スターダスト・ソルジャー』をチューニング!太古より語られし伝説の竜よ、白銀の翼を広げ、世界を呪縛より解放せよ!シンクロ召喚!レベル8『封印竜 ソニック・スター』!!」
とりあえず言われるがままにシンクロ召喚してみたが…いつもより気が乗らない。やっぱ他人に操られるのって不快なんだな。って、そんなことよりデュエルに集中だ。
「ここで俺は『スターダスト・ヴァルキリー』のペンデュラム効果発動!ペンデュラムモンスターがシンクロ素材としてエクストラデッキに送られた場合、ペンデュラムゾーンのこのカードを破壊し、エクストラデッキのペンデュラムモンスターをセット出来る!」
今まで使ってこなかった、というより使う機会が少なかったが上手くヴァルキリーのペンデュラム効果を活かせた。遊弥はこの効果で再び『スターダスト・ソルジャー』をペンデュラムゾーンに置いた。これでターン終了時に自壊すれば、また新たなペンデュラムモンスターをデッキから探せるのだ。
「ソニック・スターの効果発動!リードブローの効果を無効にする!」
「なんやと?!それじゃあ攻撃力が2200に戻ってまうわ…。」
これでリードブローを破壊すれば「今までのデュエルでは」ソニック・スターの効果を使ってデュエル終了なのだが、今回は別方向から何かしらの圧力(主にエビル・シンクロンが原因)が加わっているので、思うような形になりそうになかった。
「バトルだ!ソニック・スターでリードブローを攻撃!コズミック・ソニック!!」
「くっ…コイツだけは死んでも守ったるわ!頼むで、リードブロー!」
ほむらを肩に乗せてリードブローは動くが、このスピードでは間に合わない。アクションカードはすぐ近くにある。だったら…飛ぶしかない。
「っ…うおりゃぁぁっ!!」
ダイビングキャッチでアクションカードを無理やり取りに行った。そのカードは…?
「よっしゃ!アクションマジック『回避』を発動!ふぅ〜危ねぇ危ねぇ。」
…何なんだこの人は。いくら何でもアクションマジックに恵まれてるっていうか…幸運の神様でも取り憑いてるんじゃないのかってくらいにベストタイミングでアクションマジックを引き当ててくる…。でも、だからってそれで勝ったとはいえない。最終的にライフが0になればデュエルは終了するんだから。それに…
「….俺はカードを2枚伏せ、『スターダスト・ソルジャー』のペンデュラム効果発動!このカードを破壊し、デッキから『スターダスト・ブライトホーン・ユニコーン』を手札に加える。これでターンエンド!」
…幸運の女神なら、俺も持ってるからな。
YUMI→LP:3700 手札:3 デッキ:28 Mゾーン:1 M・Tゾーン:3 Pゾーン:1



ふぅ…捨て身の作戦がさっきから上手くいっとるわ。にしても封印竜なんてモンスター、初めてみたわ。東京にはあんなカードを扱うデュエリストがおるんやなぁ。よっしゃ!ワイも一発やってくか!
「ワイのターンや!ドロー!」
HOMURA→LP:2800 手札:3 デッキ:33 Mゾーン:2 M・Tゾーン:0 Pゾーン:0
早速ほむらが動こうとしたのだが、先に遊弥から仕掛けた。
「俺は永続罠『スターダスト・ヴェール』を発動!これで俺のフィールドのスターダストはカード効果で破壊されなくなる!ソニック・スターはスターダスト・ドラゴンでもあるからな…このカードは有効なんだ。」

*スターダスト・ヴェール(永続罠)
「スターダスト・ヴェール」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。①:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分フィールドの「スターダスト」モンスターは効果では破壊されない。②:1ターンに1度、自分フィールドの「スターダスト」カードを対象としたモンスター効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にする。その後、そのカードを手札に戻す。


なんや…オモロイカード持っとるやないか。だったら…。
「ワイは『BK ヘッドギア』を召喚!さらに効果で『BK グラスジョー』を墓地へ送る。そしてグラスジョーの効果で、墓地からシャドーを回収や!」
…う、上手い。しかもまだ新星のカイザーの効果があるから、墓地からグラスジョーをオーバーレイユニットにすることだって出来る。あの少ない手札で、よくもまああんなに動くな…って、感心してる場合か!こっちはちょっとピンチかもしれないのに!
遊弥の予想通り、その後ほむらは新星のカイザーの効果を使い、墓地からグラスジョーをオーバーレイユニットにした。
「バトルや!リードブローでソニック・スターを攻撃!」
「罠カード『くず鉄のかかし』を発動!これでリードブローの攻撃は無効だ!」
「だったら…新星のカイザーでソニック・スターを攻撃!」
今の新星のカイザーの攻撃力は2600…。ソニック・スターの2800にはわずかに届かないけど…やっぱり何かあるな。仕方ない、ここは様子見ってことでアクションマジックは拾わないでおくか。
「拾わないでええんやな…?この瞬間、ワイは手札の『BK カウンターブロー』の効果発動!このカードを除外することで、新星のカイザーの攻撃力は1000アップする!」
「しまった!ぐっ…!」
幸い、ソニック・スターを戦闘破壊することはいくらNo.でも不可能だったが800のダメージを通してしまったのはやや痛手か。
「しゃあない…ワイはこれでターンエンドや。」
HOMURA→LP:2800 手札:2 デッキ:32 Mゾーン:3 M・Tゾーン:1 Pゾーン:0

*BK ヘッドギア(Lv4 炎)
戦士族/効果
攻1000/守1800
このカードが召喚に成功した時、デッキから「BK」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る事ができる。フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードは、1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。

*BK カウンターブロー(Lv3 炎)
戦士族/効果
攻0/守1100
自分フィールド上の「BK」と名のついたモンスターが戦闘を行うダメージステップ時に手札または墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。そのモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。「BK カウンターブロー」の効果は1ターンに1度しか使用できない。


(いいか…ヤツは次のターンでもエクシーズ召喚を決めてくるぞ。ま、このターンはソニック・スターに恐れをなしたか知らねぇがやってこなかったがな。)
ーーけっ、言わせておけば。それで、次はどうすんだよ?
(そうだな……)
遊弥は再度エビル・シンクロンの声を聞いたあと、すぐにカードをドローした。
「俺のターン!俺はセッティング済みのスケール8の『スターダスト・アッパーウィング・ペガサス』とスケール1の『スターダスト・ブライトホーン・ユニコーン』でペンデュラムスケールをセッティング!」
これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能となり、遊弥はエクストラデッキからハルモニア・トランペッターとヴァルキリーをペンデュラム召喚した。さらにヴァルキリーの効果でデッキから『スターダスト・オーロライーグル』を手札に加え、ハルモニア・トランペッターの効果でデッキから『スターダスト・マジシャン』を特殊召喚した。そしてオーロライーグルは、自分フィールドに「スターダスト」モンスターがいれば手札から特殊召喚できるのだ。これで遊弥のフィールドに5体のモンスターが揃った。
「俺はレベル4の『スターダスト・マジシャン』にレベル2の『スターダスト・ハルモニア・トランペッター』をチューニング!定めを分かつ天空の星々よ、女神の加護によりて我に勝利をもたらさん!シンクロ召喚!レベル6『スターダスト・フェイト・フォルトゥーナ』!!」
またしてもドラゴン族以外の「スターダスト」モンスターが出てきた。しかしこれだけでは終わらない。フィールドにはレベル4のモンスターが2体。
「さらに俺は、レベル4のヴァルキリーとオーロライーグルでオーバーレイ!無限の宇宙を彷徨いし竜よ、生命の宿る青き星に降臨せよ!エクシーズ召喚!ランク4『リトルスター・ドラゴン』!!」
ペンデュラム召喚を駆使し、遊弥のフィールドにも3体のモンスターが並んだ。レインとのデュエルでは急ぎすぎたせいで自滅という結果を招いたが、今回は1ターンずつ着実にフィールドにモンスターを整えている。それにエクストラデッキからのペンデュラム召喚をメインに行っているので手札が枯渇しない。
「よっし…バトルだ!ソニック・スターで新星のカイザーを攻撃!コズミック・ソニック!!」
いつもならバトルに入る前にソニック・スターの効果を使うのだが、エビル・シンクロンが考えた作戦に従うために使わなかった。そこに勝利への鍵があるのだが、遊弥には全く理解出来なかった。
「くっ…せやけど新星のカイザーが破壊されたことによって、オーバーレイユニットの数だけ墓地からBKモンスターを特殊召喚や!戻って来い!グラスジョー2体とスパー!」
結局、200ダメージしか与えられなかっただけでなく、ほむらのフィールドに5体のモンスターが埋まってしまった。一体エビル・シンクロンが何を考えているのか全く読めない。
「俺は、『リトルスター・ドラゴン』の効果発動!オーバーレイユニットを2つ使って、エクストラデッキから『スターダスト』モンスター1体を守備表示で特殊召喚する!」
遊弥は目を閉じ深呼吸したあと、ついにあのモンスターを呼び出した。
「俺は、『スターダスト・ダークマター・ドラゴン』を特殊召喚!」
黒く染まった翼を広げ、闇のスターダストが降臨した。


*スターダスト・オーロライーグル(Lv4 風)
鳥獣族/効果
攻1000/守1600
「スターダスト・オーロライーグル」の①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか使用できない。このカードはS素材にできない。①:自分フィールドに「スターダスト」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②:このカードが墓地へ送られた場合に発動する。デッキからレベル5以上の「スターダスト」モンスター1体を手札に加える。

*スターダスト・フェイト・フォルトゥーナ(Lv6 風)
魔法使い族/シンクロ/効果
攻2100/守2600
チューナー+チューナー以外の魔法使い族モンスター1体以上
①:相手がデッキからカードをドローした場合に発動できる。自分は相手がドローしたカードの種類を宣言する。②:このカードの①の効果で宣言した種類のカードと同じだった場合、以下の効果を適用する。●モンスターカード:相手フィールドのモンスター2体までを対象として発動する。そのモンスターの攻撃力は自分ターン終了時まで半分になる。●魔法カード:相手に800ダメージを与える。●罠カード:相手フィールドのモンスターを全て破壊する。


〜〜
場面は変わり、遊弥の精神世界。今彼は、学園主催のデュエルトーナメントで凛と最初にデュエルした時のビジョンを見ている。もちろん、自分がダークマター・ドラゴンを使って暴走したことも。その時も「勝ちたい」と強く願ったから、そしてまだ自分が未熟だったからこその結果だった。
(そういや、あんな事あったっけ。凛には悪いことしちゃったな…。最終的に残りライフ50にまで追い詰められたんだよな…それでも勝ちたいって思ったから、あの時はああなってしまった。でも今回は、天導さんとのデュエルで学んだ「勝利する事を考えない」デュエルでどうにかコントロールできた。でもそれで喜んじゃダメだ。俺が召喚しなきゃならないのは、もっと強力なモンスター、それもダークマター・ドラゴンなんかじゃ比べ物にならないほどの「無限暗黒竜」なんだ…。その時、俺ならどうする…?多分、「勝利を考えない」だけじゃダメだ。もっと大事なものを……。)
〜〜


再び場面は変わりデュエルへ。遊弥がターンエンドを宣言し、いよいよほむらのターン。お互いにライフは減っていないが、ここら辺で仕掛けておかなければヤバいとほむらは感じ取った。
「ここらで一発決めたるか!ワイのターン!ドロー!」
「相手がドローした瞬間、俺はフェイト・フォルトゥーナの効果発動!俺は ドローしたカードの種類を宣言する…。俺が宣言するのは…魔法カード!」
「なっ?!何で分かったんや?!」
なぜ分かったかも何も、エビル・シンクロンは「外れても構わねぇから魔法カードを宣言しろ」って言っただけで、本当に魔法カードを引くなんて思わなかったのだ。何はともあれ、フォルトゥーナの効果が発動し、ほむらに800ダメージが入った。
「くぅ〜!アンタ、オモロイなあ!ワイも気合い入れ直すで!レベル4のグラスジョー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4『BK 拘束蛮兵リードブロー』!!」
ここでリードブローをエクシーズ召喚してきた。しかもフィールドに残っていたスパーとヘッドギアで3体目のリードブローを守備表示でエクシーズ召喚してきた。次に『エクシーズ・ギフト』を発動したから、リードブローのオーバーレイユニットが一気に無くなったうえに2枚もドローされた。俺も負けじとフォルトゥーナの効果を使って、2回とも魔法カードを宣言したのだが1回しか当たらなかった。
「まだ終わらんで!ワイは手札から魔法カード『バーニングナックル・スピリッツ』を発動や!デッキの一番上を墓地へ送って…再び蘇れ!『No.79 BK 新星のカイザー』!」
そして復活したカイザーの効果を使い、墓地からスパーをオーバーレイユニットにした。
…こりゃどうにもならないかもな。とりあえず封印竜には破壊耐性はあるけど、他の3体はそれがない。どうしろってんだよ……そうだ!こんな時のために伏せておいたカードがあったんだ!
「罠カード『スターライト・フラッグ』を発動!このカードは、俺のスターダストモンスター選択し、相手の攻撃表示モンスターは、そのモンスターにしか攻撃できなくする!」
これでソニック・スターにわざと集中砲火を浴びせることで、他のモンスターへのバトルを回避することに成功した。だが問題はリードブロー2体の怒涛の攻撃にソニック・スターと俺が耐えてくれるか…だけどな。
「そういうことなら遠慮なく行きまっせ!リードブロー2体でソニック・スターを攻撃!!」
「うぐっ…!一気に2000も持ってかれるとなるとキツイぜ…!」
「まだ終わらんで!新星のカイザーで攻撃や!そしてもう一丁カウンターブローの効果発動!攻撃力を1000アップ!」
この攻撃もまともに喰らってしまい、遊弥のライフは残り1100になった。だがほむらのライフも、フォルトゥーナの効果で1000にまで減っている。つまり全くの互角だ。
「ワイはこれでターンエンドや!自分、ここまで楽しいデュエルは久々やわ!融合にシンクロ、エクシーズにペンデュラムを扱うデュエリストがおるなんて…やっぱ東京は最高や!」
HOMURA→LP:1000 手札:0 デッキ:28 Mゾーン:4 M・Tゾーン:0 Pゾーン:0


*エクシーズ・ギフト(通常魔法)
自分フィールド上にエクシーズモンスターが2体以上存在する場合に発動できる。自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ取り除き、デッキからカードを2枚ドローする。

*バーニングナックル・スピリッツ(通常魔法)
デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。自分の墓地の「BK」と名のついたモンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚する。「バーニングナックル・スピリッツ」は1ターンに1枚しか発動できない。

*スターライト・フラッグ(通常罠)
①:自分フィールドの「スターダスト」モンスター1体を対象として発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターはこの効果の対象としたモンスターにしか攻撃できない。


(よし…仕掛けるぞ。)
突然エビル・シンクロンが語りかけてきた。
ーー仕掛けるって…まさか。
(おうよ、お互いに準備は整ったぜ。あとはお前次第だがな。)
ーー言ってくれるじゃねぇか。でもよ、今思ったんだが…「無限暗黒竜」なんてモンスター、俺のエクストラデッキにねぇぞ?
(なぁに、無いなら創ればいい。)
ーー……おい。
(心配してる暇あったら仲間のことでも考えてろ。でねぇと、また闇がお前を支配するぞ?)
ーー……!なるほど、だから俺はあの時、闇に呑まれたのか。
(あ?)
ーーいや、何でもねぇよ。

「俺のターン!ドロー!」
YUMI→LP:1100 手札:3 デッキ:24 Mゾーン:4 M・Tゾーン:2 Pゾーン:2
遊弥は深呼吸を2回ほど繰り返し、いよいよこのデュエルに終止符を打とうとしていた。
「俺はチューナーモンスター『エビル・シンクロン』を召喚!」
ついにやるのか…と思ったがその時、遊弥のエクストラデッキから黒い霧が溢れ出し、遊弥を呑み込んでしまった。

〜〜
再び遊弥の精神世界へ。
自分がなぜダークマター・ドラゴンで暴走したのか、その答えがようやく分かった。あの時は「闇の力」という、どれほどのものか分からなかったものに抗おうとしたから負けた。だったら今度は、その闇の力を受け入れてしまえばいいんだ。もちろん、その行為が超ハイリスクなのは承知の上だけど、俺がもっと強くなるには絶対に必要な事だ。それに俺はもう1人でデュエルしてるんじゃない。精一さん、命慈さん、凛、花奈、それに紅葉。俺には皆がいるからもう怖くなんかない!
〜〜

「俺はレベル9の『スターダスト・ダークマター・ドラゴン』にレベル1の『エビル・シンクロン』をチューニング!…永遠の闇を彷徨いし竜よ、その漆黒の翼はためかせ、刃向かう敵を全て消し去れ!シンクロ召喚!出でよ、レベル10、究極の力秘めし竜!『無限暗黒竜ブラックホール・スターダスト』!!」
遊弥を覆っていた霧が晴れ、ついに遊弥のフィールドに誰も見た事のない漆黒の竜が降臨した。しかし攻撃力はなんと0。せっかく対戦相手が呼び出したモンスターの攻撃力が0だと知って、ほむらはガッカリした。
「何や自分、あれだけ大げさなことしといて、攻撃力0かいな。」
「いいや…ブラックホールは全てを呑み込む。『無限暗黒竜ブラックホール・スターダスト』の効果発動!」
するとどうしたことだろうか、遊弥とほむらのモンスターが全て消し飛んでしまった。これは破壊ではなく除外。封印竜は破壊できないが除外することならできる。しかもリードブローの効果が発動するのは破壊の時のみ。これにはほむらも驚愕せずにはいられなかった。
「どないなっとんねん!ワイのモンスターだけじゃなく、アンタのモンスターも吹っ飛んでもうた!」
「まず1つ目、ブラックホール・スターダストが『エビル・シンクロン』をシンクロ素材とした場合、このカード以外の全てのモンスターを除外する!」
「じょ、除外やと?!せやけど攻撃力0じゃあ、ワイにダメージは与えられへん!」
「2つ目の効果!この効果で除外したモンスター全ての攻撃力と守備力をこのカードに加える!」
今除外したモンスターは『封印竜 ソニック・スター』『リトルスター・ドラゴン』『スターダスト・フェイト・フォルトゥーナ』『BK 拘束蛮兵リードブロー』×3、『No.79 BK 新星のカイザー』の計7体。その攻撃力の合計は…
2800+2000+2100+3800+3800+2400+2200=19100
そして守備力の合計は…2300+2000+2600+2000+2000+2000+1600=14500
よって今の無限暗黒竜のステータスは今までのモンスターの中でもズバ抜けて、というより明らかにおかしいレベルで高い。
「なっ…攻撃力19000オーバーって…どないやねん!」
これだけでも十分規格外なのだが、無限暗黒竜にはさらなる追加効果があった。それを遊弥が言った。
「3つ目!このターン無限暗黒竜は、この効果で除外したモンスターの数だけ攻撃できる!」
「ちゅーことはえっと…19100×7で、え〜っと……トータルダメージ133700やと?!バケモンか!」
「いいや、『エビル・シンクロン』をシンクロ素材としたモンスターが相手に与える戦闘ダメージは倍になるんだ!」
つまり133700×2=267400ダメージが入るということになる。これは8000ライフでデュエルが開始した場合、単純計算で33人を同時に倒してしまうのと同じダメージ量だ。
こうなってしまってはもうどうしようもない。もしこのターンを凌いだとしても、次のターンから攻撃力19100のモンスターを毎回相手にしなければならないのだ。
そして遊弥は最後の攻撃宣言をした。
「ブラックホール・スターダスト!!ほむらさんにダイレクトアタックだ!エクスティンクション・ソニック!!」
この攻撃を防ぐ術はどこにもなかったので、ほむらは潔くその攻撃を受けた。

このデュエルが終わった後、遊弥は極度の疲労で倒れてしまった。さすがにあそこまで強大な力に遊弥自身が耐えられなかったのだろう。彼はほむらによってそのままベンチへと運ばれた。それから「誰か遊弥を見ていた方がいい」とほむらに言われたので、精一、凛、命慈の推薦で紅葉が彼のそばについてあげた。
あと、凛に小声で
「せっかくだから膝枕してあげたらどうですか?その方が遊弥先輩も早く起きると思いますよ?」
と嬉しい提案をされたので、お言葉に甘えてそうすることにした。遊弥を膝枕して頭をナデナデしながら寝顔を見るのは紅葉にとって至福のひとときだったが、
(無限暗黒竜かぁ…私はあんなモンスターとは戦いたくないなぁ。そもそも攻撃力19000オーバーなんて聞いたことないわ。反則よ。)
とも思ったりした。

何はともあれ、遊弥たちはこれで3連勝したので自動的に勝利は決まったのだが、まだあと2戦残っている。次は霧野 命慈vs櫻井 亘(さくらい わたる)。一体どのようなデュエルになるのか。そして、遊弥のデュエルによって破滅へのカウントダウンが大きく進んでしまったことなど、この時の遊弥たちは知る由もなかった……。



次回予告(ver.命慈)
遊弥くんのデュエル、凄かったな。まさかあそこまで強くなるなんて。でも無限暗黒竜って…ちょっと強すぎじゃない?あれって普通じゃ禁止級なんだけど…。なんて事を考えても仕方ない!よし!僕だって皆に負けていられないよ!僕の新しい力を見せてやる!

次回 Episode32:パワー・ツール
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ター坊
7回連続攻撃で二万近い攻撃力なら死ぬって!
暴走した様子はないにしろ最後の破滅のカウントダウンが嫌な予感しかしない。切り札になるかそれとも…? (2015-12-12 12:40)
カズ
ター坊さん
コメントありがとうございます。何というかもう…覇王黒竜もビックリなほどの火力インフレになっちゃいました。覇王黒竜涙目。そして無限暗黒竜の召喚によって遊弥達に何がもたらされるのか、それはまだ秘密です…。 (2015-12-12 13:52)

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2 Episode56:禁忌の目覚め 206 5 2017-01-19 -
3 Episode57:共鳴する四龍 210 4 2017-01-25 -
5 Episode58:本当の気持ち 203 3 2017-01-30 -
4 Episode59:真実への鍵 197 2 2017-02-08 -
4 IF01:バレンタインデー 247 6 2017-02-11 -
1 Episode60:エレンとアレックス 234 3 2017-02-16 -
30 ルール改訂と今後の進行について 339 2 2017-02-18 -
4 Episode61:想いの証 201 5 2017-02-21 -
3 Episode62:茨の道標 237 5 2017-02-27 -
5 Episode63:光と闇の花 187 3 2017-03-20 -
7 Episode64:渇望と葛藤 176 2 2017-03-23 -
5 Episode65:麗しき孤月 149 2 2017-03-29 -
44 Episode66:月夜のイリュージョン 223 2 2017-04-21 -
15 Episode67:常闇に消える月華 292 1 2017-05-05 -
10 Episode68:模索者たち 106 4 2017-07-22 -
12 Episode69:純黒の反逆者 119 0 2017-07-27 -
8 Episode70:紅と黒の禁呪 118 2 2017-08-07 -
7 Episode71:希望は往く 116 3 2017-08-17 -
9 Episode72:リリーの過去 103 2 2017-08-24 -
5 Episode73:異次元の亡霊 96 2 2017-09-13 -
4 Episode74:覚醒の鼓動 91 3 2017-09-22 -
5 Episode75:挑戦者の儀 96 0 2017-10-05 -
3 Episode76:神速の決闘 65 2 2017-11-14 -

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