27 未知の強敵達　作：ギガプラント

（？？？）




少女「あぁ～そういえばもう始まってるんだっけ？アストベリーカップ。」


青年「はい。本日午前１０時半より正式に開会です。」


少女「まぁまだ始まったばっかだからあたし等にはカンケーないけどさ。」


少女「んで？あいつらはどうなってんの？」


青年「二人とも予選は順調に通過中とのことです。」


少女「ま、そ～だよね～。いっその事ソッコー負けちゃってたら面白かったのに。」


青年「お止め下さいアリス様。言霊という言葉もございます。」


アリス「……ああん？何よヴァルト、あんたあたしに文句でもあんの？」


ヴァルト「……申し訳ございません。生意気な口を。」


男「口が過ぎるぞアリス。」


アリス「ちっ…！ただのジョーダンじゃないの！堅物ばっかりなんだから！」


アリス「あたしだってあの二人が負けるだなんて本気で思っちゃいないわよ！」


男「少なくとも彼らには盛大に本戦を盛り上げてもらわなければならない。」


アリス「ま、あたし等の仕事無くなっちゃうしね～」


男「そういう問題ではない。」



男「これは我らが主『ラーナ』…そして我ら７人の目的の一歩となる。失敗などする訳にはいかない。」










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（Ｍ.Ｃ.Ｃデュエルセンター・ロビー）



天音（もうデュエルが終わっていてもおかしくない時間帯ですが…。夏武斗君の方は大丈夫でしょうか…。）




初「夏武斗兄ちゃん！あそこにいるのって…。」


夏武斗「ん？おっ！天姉だ！お～い天姉ぇ！！」



天音「あ、夏武斗君！……とあっちの二人は確か、初君と竜太君でしたっけ。」


駆け寄る三人


夏武斗「そっちももう終わっちまってたか。まだやってるようなら見に行こうと思ってたんだけどな。」


天音「はい、たったさっき。ちょっぴり危なかったけどなんとか勝てました。…お二人ともこんにちは。」


初「こんにちは天音さん。」


竜太「えっ…あ、……ども。」


夏武斗「そっか勝ったのか！俺の方は…」

天音「ふふ、その顔を見ればわかりますよ。おめでとうございます。」


夏武斗「へへっ！ありがとな天姉！けどまだまだこれからだ。大会は始まったばっかだしな！」


天音「そうですね。まずは一勝という事で。」


天音（どうやら間に合ってくれてたみたいですね………良かった。）


初「にしても凄かったねさっきの風。」


竜太「あぁあのシンクロん時の…ちょっと演出過度だよなぁ。」


天音（風…。）


初「やっぱりdPhoneって凄いんだね。」


夏武斗「へへっ！今度は嵐を起こしてやるぜ！」


竜太「…それは勘弁してくれ。マジで。」


夏武斗「あ～まだまだ暴れ足りねえぜ！次の試合はまだかなぁっと。」

dPhoneを確認する夏武斗


夏武斗「確か試合の通知は全部dPhoneに来るようになってんだよな。」


天音「えぇ。ですけど暫くは来ないと思いますよ。」


夏武斗「えっ？」


天音「そろそろお昼時ですから。一旦お昼休みに入るんですよ。」


夏武斗「え～まだ一戦しかしてねえのにか？」


天音「これくらいの大会になると人数が多いですし、何より開会式なりなんなりでスタッフの方々は朝から頑張っていますしね。」


夏武斗「それもそうだな…。じゃあ仕方ないか。」


初「それじゃあ…次の試合はいつごろなのかな？」


竜太「こんだけ人数も居るしなぁ…まだ結構先じゃねえの？」


天音「はい。昼食をとるくらいの時間はありますよ。」


夏武斗「そっか。そういや腹減ってきたな…。よっしゃ！飯食いに行こうぜ。」


天音「はい。」


初「僕たちも一回戻ろうか。」


竜太「だな。」





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（デュエルスペース・Ｃブロック）



男「バトルだあああ！インフェルノイド・アドラメレクで、冥獄の猛将 ナイトメア・エッジを攻撃！」


男「こいつは連続攻撃可能なモンスター！このターンで終わりだああ！！」


仁「罠発動。『オーバーレイ・プロテクション』！」


仁「自分のエクシーズモンスターが攻撃された時、その攻撃を無効にする。」


男「何だと…！？」


仁「そして自分フィールド上のエクシーズ素材の数×８００ライフポイント回復する。」


仁「俺のフィールドのオーバーレイユニットの数は１つ、よって８００ポイントのライフを得る。」ＬＰ１２００→２０００


男「くそっ、面倒なもん使いやがって…。」


男「ふんっ！ターンエンドだ。」



仁「俺のターン…ドロー。」


仁「俺は『常闇のファントム』を召喚。」星４・ＡＴＫ１０００


仁「…バトル。常闇のファントムで、インフェルノイド・アドラメレクを攻撃。」


男「はあぁ！！？たった攻撃力１０００で攻撃力２８００のアドラメレクを攻撃ぃ！？」


男「さてはてめぇ勝てねえと踏んで自滅に走ったか！！こりゃお笑いだぜ！！」


仁「………」ＬＰ２０００→２００


仁「…常闇のファントムが墓地へ送られた事により効果発動。」


仁「インフェルノイド・アドラメレクを守備表示に変更する。」


男「なっ！？」ＤＥＦ０


仁「…ナイトメア・エッジでインフェルノイド・アドラメレクを攻撃！」


仁「そしてこの瞬間罠発動。『ストライク・ショット』」


仁「ナイトメア・エッジの攻撃力は７００ポイントアップし、更にこのターン守備モンスターを攻撃した時その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値分貫通ダメージを与える。」ＡＴＫ２５００→３２００


男「か、貫通効果…はっ！？まさか守備力０に貫通攻撃を与えるため敢えてその罠を温存して……！！」


仁「…今更気づいても遅い。デモニック・ランス！」


男「があああ！！」ＬＰ３０００→０





ＷＩＮ・仁










ロバート「おおう！頑張ってんじゃねえか仁！」


仁「…おまえか。」


ロバート「…たまには愛想良くしてくれてもいいんだぜ？とりあえず負けてなくて良かった良かった。心配したんだぜぇ？」


仁「…くだらん前置きはいい。」


ロバート「あれまお見通しか…。ま、お前が負けてるとは思ってなかったがなぁ。」


仁「要件はなんだ？わざわざお前が出向いてくるならなんかしらの用があるだろう。」


ロバート「まぁな。俺の方はサクッと１ターンで終わらしちまったんでちょっと他の様子を見てきたのよ。」


ロバート「事前に調べた事も含め…今のうちに情報共有しとこうと思ってな。」


仁「…情報共有？」


ロバート「要はこいつは強いって奴を予め教えとくってこった。」


仁「そんなことをしてお前になんの得がある？」


ロバート「なんの得って…そりゃお前が勝ち上がりやすくなるじゃねえか。」


ロバート「いいか仁。俺かお前…いやお前のダチでも良い。身内の誰かが優勝すりゃ俺の目的は達成される。」


ロバート「ま、そういう事だからよ。頑張って優勝しようぜって話だ。」


仁「………」


ロバート「悪いな…約束は守る。絶対に。」


仁「………それで？」


ロバート「ん？…ああそうそう！今回の大会でヤバそうな奴の話な。」


仁「…毎年参加層も変わってくる大会だ。目ぼしい奴などホントに分かるものなのか…？」


ロバート「強い奴ってのはそういう臭いがするもんだ。まぁ勘ってのも無くはないがな。」


仁「………」


ロバート「まぁとりあえず聞いとけって！」



ロバート「まず最低限目を光らせといてほしい奴が居る。」


ロバート「やったらひょろ長の『マイティ』とかいう男…。そして男型の女優やってるっていう『グレイシア平留（ひらどめ）』だ。」


仁「…外見だけ派手でも大会は勝ち上がれないぞ。」


ロバート「俺もそう思ってたよ。だがこの二人…ちょっと只者じゃなさそうなんだ。」


仁「……根拠は。」


ロバート「こいつらが戦った相手、ちょっと調べてみたんだ。」


ロバート「一人は元プロデュエリスト、もう一人は大手デュエル塾の師範代だ。とても楽に勝てるような相手じゃない。」


ロバート「それをマイティはノーダメージ完封。グレイシアに至っては１キルだ。」


ロバート「対戦相手の二人、強敵になると思って前から警戒してたんだがな……ったくせっかく集めてた情報が水の泡だぜ。」


仁「………」


ロバート「グレイシア平留がそんな強いデュエリストなんて話聞いた事なかったんだがな…。きっと本戦が中継される頃にはメディアが動いてＴＶで取り上げられまくる事だろうぜ。」


ロバート「こいつらに関しちゃ色々と未知数だ。俺ももっと調べるつもりだが一応気に留めといてくれ。」


ロバート「…っとそろそろ昼時か。続きは飯でも食いながら話そうぜ。」


仁「……ふん。」

歩き出す仁。


ロバート「あれま相変わらずこれかい…。ま、いいか。」





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（Ｍ.Ｃ.Ｃデュエルセンター・ロビー）



夏武斗「ふぅ～食った食った～！」


天音「ほんとに凄い量食べてましたね…。お腹が痛くなったりしてませんか…？」


夏武斗「大丈夫大丈夫こんくらい余裕余裕！腹が減っては……なんとかって言うだろ？」


天音「『戦はできぬ』ですね。」


夏武斗「そうそうそれそれ！午後からの試合も気合い入れてかなきゃなんねえからな！食えるうちに食っとかねえと！」


天音「あはは……。」


天音のdPhoneが音を鳴らす。


天音「これは…次の試合の通知が来たみたいです。…えーっと、またＡブロックですね。」


夏武斗「えっ？俺んとこにはそんなの来てないぞ？」


天音「二戦目以降はいくらか時間のずれが起きるそうですよ？もしかしたら私の試合が終わる頃かもしれないですね。」


夏武斗「な～んだ、俺も早くデュエルしてえなぁ…ん？」


夏武斗「じゃあ今度は天姉のデュエル最初っから見られるってことか？」


天音「そうですね。最後まで見られるかは分かりませんが、少なくとも最初くらいは。」


夏武斗「そっか！じゃあ行かねえ手は無えぜ！よし！行こうぜ天姉！」

天音の手を引いてＡブロック方面へズカズカと歩き出す。


天音「は、はい…。あの夏武斗君…まだ時間はありますから…落ち着いて…。」



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（デュエルスペース・Ａブロック）


夏武斗「相手はどんなデュエリストかなぁ…！」


天音「夏武斗君…嬉しそうですけどデュエルするのは私ですからね？」


夏武斗「わ、わかってるよ…！！」


天音「うふふ…相手の方はもういらっしゃるでしょうか。」


夏武斗「えーっと…あー居た居た！眼鏡かけた女の人だな。」


天音「こ、この距離からそこまで分かるんですか…？」


夏武斗「へへっ！俺昔っから目は良いんだ！」


天音「へぇ…山育ちは目が良いとは聞いた事がありますけど。」


夏武斗「山っていうよりは島だな大天島は。」


天音「ふふ。確かにそうですね。」










電話に出る眼鏡の女性。

眼鏡の女性「……はい。こちらユニ。」


ユニ「はい。今のところは何も……。」


ユニ「承知しました。引き続き調査を続けます。」


ユニ「いえ。これも仕事ですので。…はい、感謝します。」


ユニ「では…これから試合ですので。失礼します。」

電話を切る。





フィールドへ近づく二人。

夏武斗「よっし！頑張ってこいよ天姉！」


天音「はい！勿論。」



ユニ「…こんにちは。私（わたくし）ユニと申します。あなたが対戦相手という事で宜しいでしょうか。」


天音「あ、はい。花田天音です。宜しくお願いします。」


ユニ「こちらこそ。…では時間も来たことですし早速始めても宜しいでしょうか。」


天音「えっ？はい。こちらはいつでも大丈夫です。」


天音（なんというか…とっても真面目そうな方ですね。）


夏武斗「………ど～うも周りと雰囲気が違う人だな。」


ユニ「感謝します。では……！」


天音「はい！行きます！」




dPhoneモードチェンジ！Ｄパッドモード！



ターゲットロックＯＫ！



ビジョンリンクＯＫ！



ファーストディールＯＫ！



デュエル！！





終















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（次回予告）


天音「二戦目の相手…ユニさん。一体どんな闘いを…」


夏武斗「おっ！チューナーモンスター！成程相手はシンクロデッキか！」


天音「相手にとって不足はありません！…あれ？シンクロ召喚して来ない？」


夏武斗「チューナーだけじゃシンクロはできない…あれは手札事故か？何はともあれチャンスだ天姉！」


天音「はい！…本当にそうなんでしょうか？」


夏武斗「次回！『チューナーの共闘者！電脳妖精！』」


天音「これは…シンクロデッキじゃない！？」

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・別にインフェルノイドに恨みがあるわけじゃないんだ…ただ偶然守備力が０だったから出しただけなんだ。
・ネタバレ系次回予告。一度やってみたかった。
・次回予告の『電脳妖精』は以前投稿したオリカテゴリ群です。