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HOME > 遊戯王SS一覧 > 血に濡れる緑の鮮花epilogue

血に濡れる緑の鮮花epilogue 作:にゃる

かつての故郷、緑豊かな森。その木の一本に、私は住んでいた。

平和な日々だった。安穏だった。

そんな幸せは、「非翠」の手によって砕かれた。

森が黒く染まる。逃げられた仲間はいない。私以外、皆いなくなった。必死で走った。必死で、森から抜け出した。

そして私は、やがて街へとたどり着いた。そこで今の仲間たちと出会い、「異貌騎士団」のメンバーとなった。

新しい仲間ができても、自分の中にはいつも過去の仲間たちがいる。それは、焦りであり……

目が開く。夢は終わり、現へと引き戻される。

ドリュアス「…………」

辺りを見渡す。救護室のベッドの上。包帯を巻かれた自分がそこにはいた。

ベンニーア「ようやく起きたね?ん?」

医療担当が話しかける。随分と眠っていたらしく、もう三日だと言う。謝罪すると、医療担当はベッドの端を指差す。

ベンニーア「謝るならアルルーナに言いなよ。そいつずっと看病してたんだぞ?」

とは言ってもアルルーナは寝ている。起こすことなんて無理だ。

ドリュアス「…………夢を、見た」

ベンニーア「夢ぇ?どんな?


ドリュアス「……過去の夢だ、昔の、仲間」

ベンニーア「……」

ドリュアス「……私は焦っていたのだな、あんなミスをするなど、らしくない……」

ベンニーア「ふむ?」

ドリュアス「どうしても、私の頭の中にはあいつらの顔が映るんだ。早く助けて、助けてと……」

ベンニーア「幻覚ね」

ドリュアス「ああ、幻覚だ。それもこれも、自分が未熟なだけだ」

ドリュアス「過去を割り切れない、弱みだ」

ベンニーア「それで?割り切ったの?」

ドリュアス「いや、この過去も私だ。割り切りなどしない。ただ折り合いをつけるだけだ」

ドリュアス(そう、私なんだ。乗り越えるべき私だ。見ててくれよ、いつかきっと仇は取るから)
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