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遊☆戯☆王V☆S(ファイブスター)/Episode14:友のために 作:カズ

〜現在の状況〜
YUMI→LP:900 手札:2 デッキ:27 Mゾーン:1 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0

HANA→LP:1800 手札:1 デッキ:27 Mゾーン:1 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0

「あれは4年前、私がこの学園に入ってすぐのことでした…」
花奈は昔のことを語り出した。

〜〜〜
ある日、まだ幼かった1年生の間に「元プロから学ぶデュエル講義」たるイベントが行われ、そこで演説を行ったのが遊弥の父「藤堂 遊仁」であった。もちろん、この世界で知らない人はいないくらい有名なデュエリストであった彼の演説は、1年生でさえも魅力されるほどであった。そのまま終わればよかったのだが、余談として話した内容が、当時の花奈でさえ印象に残っていた。
「ここからは講義とは関係ありませんが…君たちの4つ上の先輩に、遊弥という私の息子がいます。彼はまだデュエリストとして未熟ですが、私はいつか、彼が私と同じようにプロの世界で活躍してくれるだろうと信じています。事実、私が引退した理由の1つが、息子に賭けたからなんですけどね。ハハッ」
講義から1週間が経ったあと、花奈は遊弥という人がどれほどのものか気になり偵察をしたが…あれでも遊仁が託したデュエリストなのかと疑うほどにデュエルタクティクスが低く、定期的に行われているミニ大会でも1回戦負けが殆どだった。実際、当時の遊弥は「スターダスト」デッキの力を半分以下の力さえ引き出せずにいた。その理由を確かめたところ、彼は普段の授業において睡眠時間の割合が圧倒的に多く、ロクに勉強もしてこなかったからだと知り、花奈は憤りを覚えた。そして、いつかあの人を倒すと誓った…。
〜〜〜

「以上が、私があなたを憎む理由です。あなたは父の期待を長いこと裏切ってきたのですよ?!何とも思わないのですか?!」
だが、遊弥はこの質問に答えられなかった。なぜなら、彼は泣いていたのだ。後悔の涙で。
「父さん…ごめん…俺…。」
「泣いている暇があるなら、このデュエルを私が終わらせます!ドロー!」
HANA→手札:2 デッキ:26
彼女は2体目の「フローラル・コクリコ」を召喚し、フレア・ローズの効果で手札と共に除外した。これで彼女が除外したカードは6枚。これでClear Diamondとフレア・ローズの攻撃力は、それぞれ0と3800になった。
「この攻撃で終わりです!ブラック・ローズ・エクスプロージョン!」
遊弥は完全に戦意を失っている。もしこのまま何もしなければ、今度こそ本当に負ける。だが友の呼び声が、彼を目覚めさせた。
「遊弥!勝ってって言ったでしょ!いつもの遊弥らしく戦って!」
ここでもやはり紅葉が彼を立ち直らせた。
「…分かってるよ紅葉!俺はまだまだ負けられないんだ!罠発動!くず鉄のかかし!フレア・ローズの攻撃を無効にする!」
その時、彼のエクストラデッキから一筋の光が放たれた。それはClear Diamondに呼応しているように、透明な輝きだった。
「ふう…まだ防ぎますか。ですが、私の除外されたカードが5枚以上なので、コクリコの効果発動!ターン終了時に、相手プレイヤーのライフを半分にします!私はこれでターンエンドです。」
HANA→LP:1800 手札:0 デッキ:26 Mゾーン:1 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0
「うぐっ…!」
YUMI→LP:450
どうにか伏せカードの効果で攻撃を無効にできたが、彼のライフは残り450。このままでは負けてしまう。だが先ほどの光が、もしも彼を勝利へと導くカードだとしたら…。
彼がエクストラデッキを確認したところ…知らないシンクロモンスターがいた。デュエルを始める前には存在しなかったカードだった。
「よし…見せてやるぜ花奈!これが俺の全力だ!ドロー!」
YUMI→LP:450 手札:3 デッキ:26 Mゾーン:1 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0

「俺は手札から魔法カード、死者蘇生を発動!再び舞い戻れ!封印竜 ソニック・スター!」
これで彼のフィールドに2体のシンクロモンスターが現れた。
「またしてもソニック・スターですか…」
「ああ!だが、本番はこれからだ!俺は墓地からストリーム・シンクロンの効果発動!Clear Diamondのレベルを1つ下げて、このカードを特殊召喚する!」
これでレベル8のモンスターが2体揃い、エクシーズ召喚…かと思いきや、彼はClear Diamondを素材としてシンクロ召喚を行った。
「俺は、レベル8のClear Diamondに、レベル2のストリーム・シンクロンをチューニング!その輝きは、真なる光を纏いて永遠となる!シンクロ召喚!スターダスト・ドラゴン Forever Diamond!」
Clear Diamondが、新たな姿となって生まれ変わった。これこそが、今の彼の真のエースだ。攻撃力はフレア・ローズにあと1歩届かないが、自らの効果により、その力は解放される。
「俺はForever Diamondで、フレア・ローズを攻撃!この瞬間、Forever Diamondの効果発動!俺の墓地からスターダストモンスター2体を除外し、自分のライフを半分にすることで、攻撃力を4000にする!」
YUMI→LP:225
当然、今の花奈にはこの攻撃を防ぐ術がないので、1400の大ダメージを受けた。
「ううっ…!ですが永遠罠、シンクロ・ウォールの効果で破壊は…?!」
HANA→LP:400
本来ならフィールドにいるはずのフレア・ローズが、跡形もなく消え去っていたのだ。これこそがForever Diamondのもう1つの力。
「Forever Diamondとバトルを行ったモンスターは、手札に戻る!だからフレア・ローズは墓地に行かずにエクストラデッキに行ったのさ!シンクロ・ウォールは破壊に対して無効になるカード。だから破壊しなくても、手札に戻せばいいだけのこと!」
これで花奈のフィールドはガラ空きとなり、いつでもライフを0にすることができるようになった。
「トドメだ!ソニック・スターでダイレクトアタック!コズミック・ソニック!」
これが決まれば遊弥の勝ちが決定するが…彼女はその予想をはるかに超える力を持っていた。
「速攻魔法!「クイック・ビヨンド・バトル」を発動!自分のエクストラデッキからモンスター1体を除外し、そのモンスターと同じか、それ以下の‘‘グレード”を持つ‘‘ビヨンドモンスター”1体を‘‘ビヨンド召喚”する!」
「ビヨンド召喚?!何だそりゃ?!」
この召喚法は中等部では取り入れられていないからか、紅葉や凛も知らなかった。だが精一がビヨンド召喚の説明について知っていたので、2人に説明した。
「ビヨンド召喚…自分フィールドのモンスターをゲームから除外し、そのモンスターよりもグレードが同じか、それよりも低いグレードを持つモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できる。そしてこのモンスターの最大の特徴は…「除外されていてもビヨンドモンスターのビヨンド召喚が可能」なんだ。だからペンデュラムモンスターみたいに、何度でも復活できる。あとビヨンドモンスターには、レベルでもランクでもない、グレードと呼ばれるものがあるんだ。」

こうして、花奈のエクストラデッキからグレード5のビヨンドモンスター「万花の王 フローラル・ピヴワヌ・ドラゴン」が召喚された。攻撃力は3000と、ソニック・スターをあっさりと上回った。
「くそっ…ソニック・スターのバトルは中止だ!」
「出来ませんわ。クイック・ビヨンド・バトルの効果で召喚されたモンスターは、攻撃を行った相手モンスターと強制的にバトルします!」
このままでは、残りライフ225の遊弥のライフは残り25まで減らされるが、まだ0になった訳ではない。くず鉄のかかしも伏せてあるから、あれくらいの攻撃は防げる。と思ったが、彼女とピヴワヌ・ドラゴンにはそんな考えは通じなかった。
「ピヴワヌ・ドラゴンの効果発動!相手モンスターと戦闘を行う際、攻撃力を300ポイントアップする!さあ、ソニック・スターを返り討ちにしなさい!」
これで攻撃力は2800vs3300となり、この攻撃を止められず、遊弥のライフは0になった。
「うわぁぁ〜〜っ!!」
YUMI→LP:0

WINNER:HANA

遊弥のデュエルを見守っていた4人は呆然と立ち尽くした。まさか彼が負けるなんて思ってもいなかったのだ。4人は彼を心配し、急いで彼に駆け寄った。同時に花奈も彼らの所に詰め寄り、キツイ一言を放った。
「これが今のあなた達の実力です。残念ですが、今のままでは呪縛竜に対抗できません。それどころか、私に勝つことすら不可能です。」
これを聞いた4人は黙っているはずもなく、花奈に勝負を挑んだが、凛はおろか学園首席の精一や、その弟の命慈でさえも歯が立たなかった。
「やはりあなた達はこの程度…つまらないですわ。」
「ま…待ちなさいよ!」
立ち去ろうとした花奈の前に立ちふさがったのは、紅葉だった。
「あなたは…藤堂さんとタッグデュエルをした…」
「赤城 紅葉よ。遊弥が、私の友達がやられているのに、黙って帰ろうとするなんて気に入らないわね。」
花奈はデュエル中、遊弥に励ましを送っていた紅葉のことを少しは気にしているようで、
「紅葉さん…あなたは藤堂さんの彼女か何かですか?」
「なっ…?!///ち、違うわよ!友達!///そういうのは…まだ…これから…///」
「はあ…そうですか。ところで、あなたとはまだ対戦をしていませんでしたわね。」
そう。凛も精一も命慈も遊弥も倒され、残すのは紅葉だけとなっていた。彼女は花奈のデュエルを間近で見ていたが、その腕は小学生とは思えないほど卓越しており、紅葉が到底敵う相手ではないと思い知らされたのだ。だが、今の彼女には負けるという恐怖を上回るものを持っていた。
「私はみんなより弱いかもしれない…でも、あなたにだけは負けたくない!遊弥やみんなのため…友達のために!」
それは「友」の力。その力は、どんな壁をも乗り越えられることもある。目には見えないが、無敵の力ともいえる。
「…いいでしょう。では、始めましょうか。そのような力は、私の前には通用しないことを思い知らせてあげますわ。」
こうして、紅葉と花奈の波乱のデュエルが始まろうとしていた。

「「デュエル!!」」
KUREHA→LP:4000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0

HANA→LP:4000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M・Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0


次回 Episode15:紅蓮魔竜解放
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