DRAW:４６ フレグランス・ストーム　作：人喰い

〜前回のあらすじ〜
権利戦第2回戦！ ☆3フィールドは明日人VS栗須！
やたらといがみ合う明日人と栗須。お互いに火群との再戦に向けて闘志を燃やすが…、先に仕掛けたのは栗須！ 『魔封じの芳香』と『始祖神鳥 シムルグ』により、明日人は動くにも動けない状態になってしまったのだった！






明日人【LP 8000】
場:ボタニカル・ライオ[攻 1900]
伏せ:なし
手札5枚


栗須【LP 8000】
場:始祖神鳥 シムルグ[攻 2900]
罠:魔封じの芳香
伏せ:1枚
手札:2枚



◉TURN:０３◉


栗須「ーーー始祖神鳥 シムルグでボタニカル・ライオを攻撃！ 烈風の斬撃〝ゴッド・バード・サイクロン〟！！」




始祖神鳥 シムルグ
[攻 2900]
ーーーVSーーー
[攻 1900]
ボタニカル・ライオ


シムルグの放つ烈風がボタニカル・ライオに襲いかかる。ボタニカル・ライオの身体は耐えきれず消滅し、防ぎきれなかった風が明日人に向かい吹き荒れる。



明日人「…くぁ…っ！？」【LP 8000→7000】




栗須「…そっか、2回戦からはライフが8000のデュエル…！ 長期戦になりそうだな」



明日人（魔封じの芳香がある限り、長期戦はなるべく避けたい…、だが、魔封じの芳香の効果を受けるのは相手も同じ。こっから巻き返す…！）




栗須「…ターンエンドだ！」





明日人【LP 7000】
場:なし
伏せ:なし
手札5枚


栗須【LP 8000】
場:始祖神鳥 シムルグ[攻 2900]
罠:魔封じの芳香
伏せ:1枚
手札:2枚



◉TURN:０４◉



明日人「…俺のターン！ ドロー！！」【手札:6枚】



明日人「…俺は、モンスターをセットし、カードを3枚伏せてターンエンドだ！」


栗須「…甘いぜ！ 伏せカードオープン！『砂塵の大竜巻』！ お前の伏せカードを1枚破壊する！」


明日人「…くっ！ 『超栄養太陽』がっ！」


栗須「どうやら次のターンで発動するようだったが、残念だったなァ！ そして砂塵の大竜巻の効果で、俺は魔法罠カードを1枚、セットする！」


明日人（…しまった！ あいつの伏せたカードはおそらく魔法カード！ 俺のエンドフェイズに伏せてしまえば、魔封じの芳香下でも、魔法を発動するまでのタイムラグはほぼ無いに等しい！）


栗須「…さ、次は俺のターンだぜっ！」



明日人（なにも考えていない様で、あいつのデッキは、コンボは、かなり完成されているーーー！）












遊戯王 Ph.X DRAW:４６
《フレグランス・ストーム》













明日人【LP 7000】
場:【裏守備】x1
伏せ:2枚
手札:2枚


栗須【LP 8000】
場:始祖神鳥 シムルグ[攻 2900]
罠:魔封じの芳香
伏せ:1枚
手札:1枚



栗須「はっはっはーっ！ こりゃますます俺のペースだな！ 俺のターン！」



◉TURN:０５◉



栗須「ドロー！」【手札:2枚】


栗須「…ここで伏せておいたこのカードを発動させてもらうぜ！ 『ワン・フォー・ワン』！
手札の『ドラゴンフライ』を捨てることで、デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する！ 現れろ！『ドロール＆ロックバード』！」[守 0]



栗須「更に、始祖神鳥が場にいる限り、風属性モンスターのアドバンス召喚に必要なリリースは1体少なくなる！ ドロール＆ロックバードをリリースしーーー巻き起これ、嵐！ 『神鳥 シムルグ』を召喚！！」




シムルグ『『キョエェエエァァアァ！！』』




明日人「…2体のシムルグが共鳴している…！」



栗須「…さぁさぁ行くぜ行くぜぇ！ バトルフェイズ！
神鳥シムルグでセットモンスターを攻撃！
〝ゴッド・バード・アタック〟！！」



神鳥が突風を纏い明日人の壁モンスターに向けて豪速球で飛んでいく。
伏せモンスター『薔薇恋人』を一瞬で破壊し、明日人の脇を抜け再び栗須の元へとんぼ返りで戻って行く。
明日人は物凄い突風に吹き飛ばされそうになるが、なんとか踏みとどまり、顔を上げ栗須に視線を向ける。まだ、眼は勝負を捨てていない。



明日人「……！」



栗須「続いて始祖神鳥の攻撃！
〝ゴッド・バード・サイクロン〟！！」



始祖神鳥は翼を大きく羽ばたかせ、巻き起こった竜巻が明日人へ向かい四方から襲いかかる。


明日人「……！！ っがぁぁあッ！！」【LP 7000→4100】



明日人「……負けて、たまるかっ！ 伏せカードオープン！『ダメージ・コンデンサー』！」

通常罠 自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を１枚捨てて発動できる。 受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター１体を デッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。


明日人「手札の『思い出のブランコ』を捨て、デッキから受けたダメージ…攻撃力2900以下のモンスターを特殊召喚する！
ーーーその精神の美しさは、やがて花を咲かせすべてを魅了する！ 咲き誇れ！『桜姫 タレイア』！！」[攻 2800]



明日人「タレイアの攻撃力は、場の植物族モンスター1体につき100ポイントアップする！」

タレイア[攻 2800→2900]



栗須「…何…！ 始祖神鳥と攻撃力が並んだ…！？ クッ、俺はこれでターンエンドだ！ だがこのエンドフェイズ時、神鳥シムルグの死の風が互いを襲うぜ！」


明日人「…何…？」


突如、神鳥の周りを黒い竜巻が渦巻き始める。その風は敵味方関係無しに、フィールド全体押し寄せる。

だが、明日人の伏せカード1枚と、栗須の魔封じの芳香のカードがそれぞれ起き上がり、それぞれのコントローラーを守る形で死の風に立ち塞がる。



明日人「…ぐぁあぁっ！」【LP 4100→3600】

栗須「…ぎゃぁぁっす！」【LP 8000→7500】


神鳥の死の風はまだ勢いを完全に落としておらず、2人の身体をかすめる形で通り過ぎる。





栗須【LP 7500】
場:神鳥シムルグ[攻 2700]
始祖神鳥シムルグ[攻 2900]
罠:魔封じの芳香(永続)
伏せ:0枚
手札:0枚


明日人【LP 3600】
場:桜姫タレイア[攻 2900]
伏せ:1枚
手札:1枚



◉TURN:０６◉




明日人「俺の…ターン！ ドロー！」【手札:2枚】


明日人「…バトルだ！ タレイアで神鳥シムルグを攻撃！〝桜花繚乱〟！！」



桜姫タレイア
[攻 2900]
ーーーVSーーー
[攻 2700]
神鳥シムルグ


桜姫から解き放たれた桜吹雪が神鳥を包み込む。
神鳥は、身体にまとわりつく桜吹雪を取っ払おうと暴れるが、抵抗虚しく全身を桜の花弁で覆われてしまう。
そこで桜姫が指を鳴らすと、花弁と共に神鳥の姿は跡形もなく散ってしまう。




栗須「…くっ…！」【LP 7500→7300】



明日人「カードを1枚伏せてターンエンド！」



明日人【LP 3600】
場:桜姫タレイア[攻 2900]
伏せ:2枚
手札:1枚


栗須【LP 7300】
場:始祖神鳥シムルグ[攻 2900]
罠:魔封じの芳香(永続)
伏せ:なし
手札:なし



◉TURN:０７◉



栗須「俺のターン！ ドロー！！」【手札:1枚】



栗須（…次のターン、明日人が植物族モンスターを引いたら、タレイアの攻撃力が上がり、一気に場を制圧されちまう…！ 今引いた『貪欲な壺』も、魔封じの芳香のおかげで次のターンにならないと発動できねぇし…）


栗須「…こうなったら仕方ねぇ！ バトルだ！ 始祖神鳥で、タレイアを攻撃！
〝ゴッド・バード・サイクロン〟！！」




始祖神鳥シムルグ
[攻 2900]
ーーーVSーーー
[攻 2900]
桜姫タレイア



始祖神鳥は再び翼を羽ばたかせ、周囲に竜巻を発生させる。
桜姫はそれを見て、より挑発的な視線を始祖神鳥へと向けると、両手を大きく広げ攻撃の準備動作へと移った。



明日人「…来るか…！ 迎え討て！ タレイアーッ！
〝桜花繚乱〟！！」



明日人の意思に呼応するように桜姫の周囲に桜吹雪が舞い始め、竜巻と激しく衝突する。
やがて爆風を起こし、両モンスターとも破壊されてしまう。




栗須「…っ…！ カードを1枚伏せてターンエンド！」



栗須【LP 7300】
場:なし
罠:魔封じの芳香(永続)
伏せ:1枚
手札:なし


明日人【LP 3600】
場:なし
伏せ:2枚
手札:なし



◉TURN:０８◉



明日人「…だんだん余裕無くなってきたんじゃないか？ 栗須くんよ」


栗須「…るっせーっ！ これも作戦のうちなんだよ！」



明日人「…よく言うぜ。俺のターン！ ドロー！」【手札:1枚】




明日人「ーーー来た！ 『ローンファイア・ブロッサム』召喚！」[攻 500]



栗須「げぇ！ マジかよ！？」


明日人「ローンファイアの効果！ 自身をリリースし、デッキから、2体目のローンファイアを特殊召喚！」[攻 500]



明日人「もう一度ローンファイアの効果発動！ デッキからギガプラントを特殊召喚！ 」[攻 2400]



明日人「更に、伏せカードオープン！ 装備魔法『スーペルヴィス』！ ギガプラントに装備！」


明日人「デュアル状態となったギガプラントの効果！ 墓地のローンファイアを復活させる！」[攻 500]


栗須「……！」


明日人「ローンファイアの効果で自身をリリースし、デッキからギガプラントを特殊召喚！」[攻 2400]



明日人「バトルだッ！！ 2体のギガプラントでダイレクトアタック！！〝ハード・プラント〟！ 2連打ァ！」



ギガプラント[攻 2400]


ギガプラント[攻 2400]



明日人が宣言すると、2体のギガプラントの巨大な木の幹が地を履い栗須へと襲いかかる。




栗須「…ぎゃぁああああぁああっっ！！！」【LP 7300→2500】





明日人「……よっしゃ！
俺はカードを1枚伏せてターンエンド！」



明日人【LP 3600】
場:ギガプラント[攻 2400]@スーペルヴィス
ギガプラント[攻 2400]
伏せ:2枚
手札:なし


栗須【LP 2500】
場:なし
罠:魔封じの芳香(永続)
伏せ:1枚
手札:なし



◉TURN:０９◉



栗須「…くっそぉおお！ 負けてたまるかぁああっっ！ 俺のターン！ ドロー！」【手札:1枚】



栗須「伏せカードオープン！ 『貪欲な壺』！」


明日人「…貪欲な壺っ！ まだそんなカードを残してたのかっ！」


栗須「俺は墓地の
2体のドラゴンフライ、
神鳥シムルグ、
暴風小僧、
ドロール＆ロックバード
をデッキに戻しぃぃ、2枚、ドローする！！」【手札:3枚】


栗須「ーーー！ このカードは、相手フィールドに同じ属性のモンスターが2体以上いる時、手札から特殊召喚できる！ 現れろぉ！『神禽王 アレクトール』！」[攻 2400]


栗須「そして神禽王 アレクトールのモンスター効果！ 1ターンに1度、場に表側表示で存在するカード1枚を選択し、その効果をターン終了時まで無効にする事ができる！」


明日人「…！？ 俺の場のギガプラントかスーペルヴィスの効果を無効にしても特に意味はないはず……」


栗須「…はっ！ 誰がお前の場のカードを対象にするって言ったよ？ 俺が選択するのはーーー俺の場の魔封じの芳香だっ！」


明日人「……なるほど、な。ここまできてお前のコンボは成立するってわけか…っ！」



栗須「…行くぜ！ 魔法発動！『死者蘇生』！！
墓地より現れろぉ！ 始祖神鳥 シムルグ！！』


シムルグ『キョエェエエァァアァーーッ！！』[攻 2900]



明日人「…くっ……！」


栗須「…それだけじゃない…！ 俺の“嵐”はまだまだ止まらねーっ！！ まだ俺は通常召喚権を残してる！」


明日人「…あいつの手札は1枚…！ 一体何を残しているんだーーー！？」



栗須「場の始祖神鳥は風属性モンスターのアドバンス召喚のリリースを1体軽減する能力を持っている…！
神禽王 アレクトールをリリース！
再び巻き起こり対を成せーーっ！！ 2体目の始祖神鳥シムルグを召喚っ！！」



シムルグ『キョエェエエァァアァーーッ！！』[攻 2900]



2体の始祖神鳥の雄々しく鋭い眼が、明日人へと容赦なく向けられる。



明日人「…やるじゃ、ねーか…！」


栗須「…俺もここまで本気を出した事は無かったかも知んねーなぁ！」



明日人「…ここまでデュエルしてて、1つだけ考えが変わった」


栗須「…奇遇だなっ？ 俺もだ」



明日人「……俺はーーー」

栗須「……俺はーーー」





明日人
「「火群までの通過点じゃないーーーお前に勝つんだ！！」」
栗須





栗須「…いっけえええぇええっっ！ シムルグーーーっっ！！」




明日人「………来いッ！」










ーーー-ーーー-ーーー-ーーー-ーーー-ーーーTo Be Continued…






〜おまけ〜



. . 人人人.人人人.人人人.人人人.
＜教えて！ スッキーせんせー！＞
. . Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y



◉このコーナーは、読者のみんな(少数)から寄せられた質問(多分無い)に、『美 好先生(以下スッキー先生)』が一刀両断！ 快刀乱麻の回答をしていくコーナーだ！
質問が無い場合は自問自答をしていく痛々しいコーナーになるから気をつけな！(ドン☆)
＊質問をいただいた時点で、本SSに載せる事を承諾したものと見做します。あらかじめご了承ください。
匿名希望の場合は言ってくださいね！



質問待ってるぜ！！(切実)




好「…今日は、他校の子の紹介だそうだ(≖ω≖`)
特にアタシから言うことはないねー」



『斬波 戒(ざんば かい)』＊DRAW:４６現在
・年齢:14歳
・身長:153cm/体重:45kg
・生年月日:9月9日
・白髪(“しらが”じゃないよ“はくはつ”だよ)
・使用デッキ
『雷神騎』DRAW:０６〜２７
↓
『聖騎士』DRAW:２８〜
・主な使用カード
『騎雷鳥 エターナル・ブレイド』＊オリカ
『聖騎士 モルドレッド』
『聖騎士王 アルトリウス』
『輝光子 パラディオス』
『カオスソルジャー-開闢の使者-』

・様々な分野で企業を展開している『38(サーティエイト)グループ-クロスナイツ・カンパニー』の御曹司。
幼少の頃より父である『斬波 無双(ざんば むそう)』の厳しい教えを受け育ったため、プライドが高く、負けず嫌い。
剣道により身につけた〝真剣一体〟の精神はデュエルにおいても、“常に落ち着いたプレイングと容赦のない攻め”のスタイルを実現させている。
火群とは小学生の頃に1度大会で対戦しており、その時は火群が勝利。その時のハプニングにより火群は戒の記憶を失ってしまうが、約2年の時を経て再開、再戦。そのデュエル後、デュエルの結果に納得のいかなかった戒の父、無双は、未来のカードを使う無双の秘書と戒をデュエルさせる。
そのデュエル後、一時的に記憶を失ってしまった戒は、女性警官の『白河 優香(しらかわ ゆうか)』と出会う。優香と関わるうちに、今まで父の言いなりで父の為だけにデュエルをしてきた戒が、大切な人の為に、そして自分の信念を貫く為に初めてカードを切る。そしてそれを転機に戒は新しい戒となるための一歩を踏み出す事になる。
火群の前に再び現れた時には、『騎雷鳥』なるカードの精霊を携え、『断罪の剣』という通り名を冠していたのだがーーー？







《次回予告》


遂に牙を剥くダークホース、『東雲 竜貴』！
その実力はーーー！？




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:４７ 旋風のドラグニティ！



「〝魂〟が宿ってないぜ、お前のデッキ」