side凉花：銀河の光VS影の闇　作：名無しのゴーレム

「待ちなさい！ 融合次元の刺客！」
「…あなたは。」

…やっと見つけた。私から『あの子』を、故郷を奪った敵を。

「あなたたちの好きにはさせません！」
「エクシーズ次元の残党ですか。いいでしょう。相手になります。」


「「デュエル！！」」


凉花 LP4000 手札5枚
月詠 LP4000 手札5枚


「私のターン！ 私の場にモンスターがいないとき、このモンスターは手札から特殊召喚出来ます。来て、フォトン・スラッシャー！ フォトン・クラッシャーを召喚！ 私はレベル4のフォトン・スラッシャーとフォトン・クラッシャーでオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚！ No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング！ 私はこれでターンエンド。」


凉花 LP4000 手札3枚 No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング（守備表示）
月詠 LP4000 手札5枚


「私のターン、ドロー。モンスターをセット。カードを1枚セットして、ターンエンド。」


凉花 LP4000 手札3枚 No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング（守備表示）
月詠 LP4000 手札4枚 伏せモンスター1体 伏せカード1枚


「私のターン、ドロー！ 私の場にエクシーズモンスターが存在することにより、手札からフォトン・スレイヤーを特殊召喚！ さらに私の場に攻撃力2000以上のモンスターが存在することにより、手札からオーバーレイ・ブースターを特殊召喚！私はレベル5のフォトン・スレイヤーとオーバーレイ・ブースターでオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚！ No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー！ バトル！ クリムゾン・シャドーで伏せモンスターを攻撃！」
「…伏せモンスター、シャドール・ヘッジホッグの効果発動。このモンスターがリバースしたとき、デッキからシャドールと名のついた魔法・罠カードを手札に加える。私は影依融合を手札に。」

……『融合』。……来るのか。


「カードを1枚セット。ターンエンド。」


凉花 LP4000 手札1枚 No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング（守備表示） 伏せカード1枚
月詠 LP4000 手札5枚 伏せカード1枚


「私のターン、ドロー。手札から通常魔法、影依融合発動。相手の場にエクストラデッキから特殊召喚されたとき、デッキから融合素材を墓地に送って融合召喚できる。私はデッキから…」
「リバースカードオープン！ 永続罠、融合禁止エリア！ このカードが場に存在する限り、融合召喚は行えない。よって影依融合は不発となります！」
「…モンスターをセット。カードを1枚セットして、ターンエンド。」


凉花 LP4000 手札1枚 No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング（守備表示） No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 融合禁止エリア
月詠 LP4000 手札3枚 伏せモンスター1体 伏せカード2枚


「私のターン、ドロー！ 手札から通常魔法、エクシーズ・ギフト発動！ クラブ・キングとクリムゾン・シャドーからオーバーレイユニットを1つずつ取り除いて2枚ドローする。バトル！ クリムゾン・シャドーで伏せモンスターを攻撃！」
「…伏せモンスター、シャドール・ドラゴンの効果発動。クリムゾン・シャドーを手札に戻す。」

…やられた。エクシーズモンスターは手札ではなくエクストラデッキに戻る。完全に封印された。

「…私はこれでターンエンド。」


凉花 LP4000 手札3枚 No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング（守備表示） 融合禁止エリア
月詠 LP4000 手札3枚 伏せカード2枚


「私のターン、ドロー。リバースカードオープン。速攻魔法、サイクロン。融合禁止エリアを破壊。」

しまった！？

「そして速攻魔法、神の写し身との接触発動。手札のシャドール・ビーストとシャドール・ハウンドを融合。影に呑まれし風の巫女よ、今こそ次元の狭間より現出せよ！ 融合召喚！ エルシャドール・ミドラーシュ！」

くっ…融合召喚を許してしまった。しかし攻撃力は2200。それほどの脅威では…

「融合素材となったシャドール・ビースト、ハウンドの効果発動！ カードを1枚ドローして、クラブ・キングの表示形式を変更します。」
「そ、そんな！？」

通常時のクラブ・キングの攻撃力は0。このままでは大ダメージを受けてしまう。

「さらにミドラーシュがフィールドに存在する限り、お互いのプレイヤーは1ターンに1度のみ特殊召喚できる。」

…基本的に、エクシーズ召喚を行うには1ターンに複数回特殊召喚を行う必要がある。間接的にエクシーズ召喚を封じられた訳か。

「リバースカードオープン。通常罠、グリザイユの牢獄発動。次の相手のターン終了時まで、お互いにシンクロ、エクシーズ召喚を行うことはできず、シンクロ、エクシーズモンスターの効果は無効になり、攻撃を行えない。これであなたのエクシーズモンスターの効果も無効になりました。」

…本当に、どこまでもエクシーズ召喚を封じてくる。エクシーズ使いとのデュエルには慣れているというのか…

「さらに手札からシャドール・リザードを召喚。バトル。ミドラーシュでダイレクトアタック。」
「くうっ…」

凉花 LP4000→1800

「シャドール・リザードでダイレクトアタック。」
「手札の護封剣の剣士の効果発動！ このモンスターを特殊召喚して、攻撃モンスターの攻撃力がこのモンスターの守備力以下ならそのモンスターを破壊します。シャドール・リザードを破壊！」

…なんとか凌ぎきった。

「…シャドール・リザードの効果発動。このモンスターが墓地に送られたとき、デッキからシャドール1体を墓地に送る。私はシャドール・ヘッジホッグを墓地に。ヘッジホッグの効果で、デッキからシャドール・ドラゴンを手札に。私はこれでターンエンド。」


凉花 LP4000 手札2枚 護封剣の剣士（守備表示）
月詠 LP4000 手札1枚 エルシャドール・ミドラーシュ 伏せカード1枚


「…私のターン、ドロー！ 手札から通常魔法、フォトン・サンクチュアリ発動！ 私の場に攻撃力2000のフォトントークンを特殊召喚。そして2体のフォトントークンをリリースして、銀河眼の光子竜をアドバンス召喚！ バトル！ 銀河眼の光子竜でエルシャドール・ミドラーシュを攻撃！」
「リバースカードオープン。永続罠、デモンズ・チェーン。銀河眼の光子竜の効果を無効にして、攻撃不可にする。」

銀河眼の光子竜が鎖に締め付けられる。こちらの攻撃が抑え込まれてしまった…

「…私はこれでターンエンド。」


凉花 LP4000 手札1枚 銀河眼の光子竜、護封剣の剣士（守備表示）
月詠 LP4000 手札1枚 エルシャドール・ミドラーシュ デモンズ・チェーン（銀河眼の光子竜対象）

「私のターン、ドロー。手札から装備魔法、フュージョン・ウェポン発動。ミドラーシュの攻撃力・守備力を1500ポイントアップさせる。」

エルシャドール・ミドラーシュ 攻撃力2200→3700

ミドラーシュの攻撃力が光子竜を上回った。しかも光子竜の効果が無効化されている今、光子竜の効果で相手の攻撃を防ぐこともできない。

「バトル。ミドラーシュで銀河眼の光子竜を攻撃。」
「手札の銀河暴竜の効果発動！ 相手が攻撃を宣言したとき、このモンスターを特殊召喚します。」
「…攻撃を続行。お願い、ミドラーシュ。」

ミドラーシュ本体、さらに騎乗している竜からの連続攻撃に、光子竜が倒れていく。

「銀河眼の光子竜！」

凉花 LP1800→1100

「…モンスターをセット。これでターンエンド。」


凉花 LP4000 手札0枚 銀河暴竜（守備表示）、護封剣の剣士（守備表示）
月詠 LP4000 手札1枚 エルシャドール・ミドラーシュ、伏せモンスター1体


「私のターン、ドロー！ 私はレベル8の銀河暴竜と護封剣の剣士でオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚！ 現れろ、全てを照らす光の化身！ No.62 銀河眼の光子竜皇！」

フィールドが光子竜皇の放つ光に照らされる。ミドラーシュの周囲だけが、闇を保っていた。

「バトル！ 銀河眼の光子竜皇で…」



「……あ、ああ、ああ！！」



突然、相手の近くにいた少女が叫びだした。……え？ ちょっと、まさか…

「…望！？ なんで！？ どうしてあなたがここに！？」
そんなはずがない。だって望は、融合次元の襲撃のときに、私を守って…

「日向！？ どうかしたんですか！？」
相手も望の異変に動揺を見せた。…『日向』？



「あ、……凉花、月詠、？」


「望！ やっぱり望なんですね！」
「日向！ 思い出してくれたんですね！」
私たちはほとんど同時に喜びの声を上げた。しかし、その言葉を最後に、望は糸が切れたようにパタリと倒れてしまった。

「望！！」
「日向！！」
私たちは望の元へと駆け寄った。しかし…


「は～い。月詠、時間稼ぎご苦労様～。後は私が連れていくから、月詠は適当に切り上げていいよ～。」
「…心希。」

森から現れた心希と呼ばれた少女が、倒れた望を抱き抱える。

「…あなた、望をどうするつもりですか！？」
「ん？ おかしいな～。この子、この次元では美愛って呼ばれてたはずだけど。……そうか、となるとやっぱりマスターの仮説は…」
彼女は望を抱き抱えたままブツブツと独り言を呟いている。
「…何を言ってるのか分かりませんが、その子を渡すわけにはいきません。」
「わあ、こわ～い！ まあ、あなたが何て言おうが関係ないんだけどね。それじゃあ、バイバ～イ！」
そのまま望と共に、彼女は光となって消えていく。
「…ま、待って！？ 望！！」
私の叫びも届くことなく、望は完全にこの場から消えてしまった。


「…これで私の任務は終了しました。さようなら。もう2度と会うことが無いことを祈っています。」

そうして、森の中に私1人が残された。町中に大音量のサイレンが鳴る。どうやらバトルロイヤルが終了したようだ。




「……あ、ああ、うわぁぁぁぁ！！！」