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12:全てを見通す者『Known』 作:ほーがん
第12話「全てを見通す者『Known(ノーン)』」
ヘラルドは立ち上がる。
「3番隊の連中が言っていた少年というのは、こいつのことか・・・。ただのサイコデュエリストかと思っていたけど、なるほど、DRだったとはね。攻撃の実体化能力を持っているのも頷ける訳だ。」
遊牙は手から落としたカードを拾い集めて、それを抱きしめた。
「・・・全て・・思い出した・・・。みんな・・・くっ・・。」
ヘラルドは一人で言葉を続けた。
「しかし、何故だ。なぜ始末したはずの『0041』が生きている・・・?あそこから逃げる術なんて・・・」
その疑問の先にたどり着いた人物に、ヘラルドは憎悪に満ち表情を浮かべる。
「あいつか・・・まんまと逃げ果せたと思ったらそういうことか・・・厄介な男だね全く・・・!!!」
カードをD・ディスクに戻した遊牙は、床を踏みしめ立ち上がる。
「ヘラルド、俺は貴様を許さない・・・。」
遊牙はヘラルドを睨みつけ、デッキから1枚のカードを取り出した。
「俺の仲間達の痛み、苦しみを思い知れ・・・!!!行け!!デッドジャック!!!」
叫びと共にそのカードをD・ディスクに叩き付ける。遊牙の目の前に閃光を断ち切り、闇の騎士が出現した。
「叩き斬れ!!!あの悪魔を!!薄汚い畜生を!!!」
激昂した遊牙はヘラルドを指差した。しかし闇の騎士は動かない。
「動けデッドジャック!!!あいつを斬るんだ!!あいつは生きて居てはいけない存在なんだ!!」
遊牙の叫びにもデッドジャックは依然として動こうとはしなかった。
「ちっ、ならば俺がやる!!剣を貸せ!!」
遊牙は騎士の手から剣を奪い取ると、それを引き摺り歩き出した。
「殺してやる・・・!!!殺してやる!!!」
体格の倍はある巨大な剣を遊牙は振るい上げた。それを見たヘラルドはたじろぐ。
「や、やめろ!!私が居なければ、お、お前は生まれすらしなかったんだぞ!!」
それを掻き消すほどの声で遊牙は叫んだ。
「黙れ!!!黙れ黙れ黙れ!!!これで全て終わりにしてやる!!」
遊牙の手から剣が振り下ろされる。それはヘラルドの体を正面から斬りつけた。
ように思われた。が、直前で遊牙の手が止まる。
”今まで自分が知らなかった自分を知る事になる!それでも、本当の自分を見失わないで欲しい!”
遊牙の手から剣が落ちる。それと同時に闇の騎士は姿を消した。
「・・・ホーガン・・・俺は・・・。」
自分の胸に手を当て荒い息を整える。遊牙は自分に向かって”落ち着け”と言い聞かせた。
「ヘラルド・・・。一つ聞きたい。」
遊牙の言葉にヘラルドは萎縮したような顔をする。
「な、なんだ、『0041』?今更、貴様と昔話をする気はないぞ!」
遊牙は静かに言った。
「何故、こんなことをする。自らが創った命を自ら奪い、また新しい命を創る。こんな行為に何の意味がある。」
ヘラルドは平然と言った。
「へっ、私は貴様らDRに命があるとは思っていないがね。全ては私の求める理想の為。そして、それを必要とされるノーン様の為だ。」
遊牙は叫ぶ。
「ノーンとは何者だ!!一体何をしようと企んでいる!!」
鬼の形相になったヘラルドは声を荒げる。
「貴様ごとき虫けらが、ノーン様の名を軽々しく口にするな!!!お前がそれを知る必要はない!!!」
その時、ヘラルドは腰から銀色に光る物体を取り出した。
「遊牙!」
それを見た凛香が叫ぶ。
ヘラルドは手に持った拳銃を遊牙へ向けた。
「どうせあそこで死ぬはずだったんだ。さっさとくたばれ!出来損ないが!」
遊牙はたじろぐ。凛香はミシェルの腕の中、かすれた声で叫ぶ。
「やめてぇぇぇ!!!」
しかし、そんな声を意にも介さずヘラルドは引き金を引いた。
「さらばだ『0041』。」
弾丸が銃口から飛び出したその刹那。遊牙のD・ディスクから突如、激しい光が放たれる。
瞬時に実体化した”死者の騎士(コープスナイト)”は構えた剣を振り下ろし弾丸を弾く。道を大きく逸れた弾丸は部屋の天井にのめり込んだ。
その騎士の姿を見て遊牙は口を開く。
「・・ウェイス・・・。」
騎士は振り向き、頷く。
ヘラルドはその様子に驚愕する。
「ば、馬鹿な・・!モンスターが独りでに動くだと・・・・!!ふざけた真似を!!」
もう一度引き金を引こうとしたヘラルド。だが、その瞬間、遊牙の後方、通路側から凄まじい爆音が響いた。
「ぐぁぁああっ!!(LP4000→0)」
ボロボロになったカケルが倒れ込む。遊牙はカケルに寄った。
「どうした、カケル!」
カケルはかすれた声で言った。
「デュエルを・・挑まれて・・・あいつ強すぎる・・・。」
その時、倒れたカケルを踏み越えるように一人の人物が姿を現した。
「決闘者相手に拳銃を向けるとは恥を知れ、ヘラルド。」
和装に身を包み、腰に刀を差したその男は手を振りカードを投げた。そのカードは銃を持つヘラルドの手に刺さる。
「ぐっ!」
その衝撃にヘラルドの手から拳銃が離れる。足下に飛んできたそれをミシェルは拾い上げた。
「そいつの言う通りさ、ヘラルド。あんたもデュエリストならデュエルで勝負したらどうだい?」
そう言うとミシェルは後ろのゴミ回収箱に銃を放り投げた。
和装の男はヘラルドの手から刺さったカードを抜き取った。
「貴様も戦士なら、相手と同じ土俵で戦う。それが道理というものだ。」
ヘラルドはその手を抑えながら言った。
「ちっ、お前らのこの愚行、ノーン様に報告してやるからな!」
和装の男は調子を崩さずに言う。
「勝手にするがいい。このくらいの事で我が主は動じん。」
ヘラルドは遊牙を一瞥すると、逃げるように部屋を出て行った。
「さて、愚か者が退散したした所で、少年よ手合わせ願おうか。」
カケルを立ち上がらせた後、遊牙は言った。
「待て。お前は何者だ。」
和装の男は静かに答える。
「某か。某はカゲロウ。我が主、ノーン殿に仕える四賢人の一人。」
その言葉に凛香が呟く。
「この人も四賢人なの・・・。」
遊牙はその男—カゲロウ—の言葉にD・ディスクを構えた。
「来るなら来い!俺は先に進まなければいけない!」
その様子を見てカゲロウはフッと笑った。
「なるほど、貴様は戦士か。その威勢の良さ、某の好む姿勢だ。いいだろう。この勝負に貴様が勝った時、ノーン殿について教えるとしよう。」
遊牙はその言葉に驚く。
「それは本当か!」
カゲロウは腰の刀を抜き、遊牙に向けた。
「ただし、某が勝った時、貴様らには潔くここを去ってもらおう。」
遊牙の目に迷いは無かった。
「望む所だ。」
その目を見てカゲロウは笑う。そして、右手に持つ刀を左腕にあてがった。その瞬間、刀は変形しD・ディスクへと姿を変えた。
遊牙の後ろ、壁にもたれて立つカケルは言った。
「気をつけろよ遊牙。そいつ只者じゃないぜ・・・!」
カケルの言葉に遊牙は頷く。カゲロウは息を整える。
「では、いざ尋常に・・・。」
『デュエル!!(LP4000 VS LP4000)』
先に動いたのはカゲロウの方だった。
「先攻は頂こう!某のターン!某は手札から《剣激武者 ニノタチ(☆4/風/戦士/1100・1400)》を召喚!」
カゲロウの場に二振りの刀を持つ武者が出現する。
「《剣激武者 ニノタチ》の効果発動!このモンスターの召喚に成功したターン、自分はもう一度「剣激武者」モンスターを召喚できる。この効果により、某は《剣激武者 イッセン(☆4/風/戦士/1700・100)》を召喚する!」
続いて現れたのは、光り輝く一本の刀を持つ武者。
「《剣激武者 イッセン》の効果発動!このモンスターの召喚に成功した場合、デッキから「剣激武者」モンスターを手札に加えることができる!某はデッキから《剣激武者 ゴコウ(☆4/風/戦士/1500・1500)》を手札に加え、そしてこのモンスターを特殊召喚する!」
長い矛を携えた武者がカゲロウの場に降り立った。
「《剣激武者 ゴコウ》は某の場に「剣激武者」モンスターが2体以上存在する場合、手札から特殊召喚できる!」
遊牙の額に汗が伝わる。
「(これで同じレベルのモンスターが3体・・・来るのか・・・。)」
カゲロウは不敵な笑みを浮かべ言った。
「では、早速。某はレベル4の《剣激武者 ニノタチ》、《剣激武者 イッセン》、《剣激武者 ゴコウ》の3体でオーバーレイ!!」
3人の武者は1つになり、光の渦へ飛び込んで行く。
「妖刀携えし邪鬼の武将よ!陣風引き連れ戦場を駆け抜けよ!エクシーズ召喚!!いざ、行かん!《剣激武将 シラヌイ(★4/風/戦士/エクシーズ/2600・1900)》!!」
漆黒の馬に股がった武将は只ならぬ邪気を纏い、2本の刀を構えた。
「やはり来たか、エクシーズ召喚・・・。」
遊牙はそのモンスターの放つ邪気に圧倒されそうになる。
「《剣激武将 シラヌイ》の効果発動!このモンスターのエクシーズ召喚に成功した時、デッキから「剣激武者」1体を特殊召喚できる!この効果により、某はデッキから《剣激武者 キリカゲ(☆4/風/戦士/1200・1300)》を特殊召喚!」
唐笠を被った武者は静かにフィールドに舞い降りる。
「某は《剣激武者 キリカゲ》の効果を発動する!このモンスターは自分の場に存在する風属性・戦士族のエクシーズモンスター1体のオーバーレイユニットにできる!」
武者の体は光の球となり、武将のオーバーレイユニットとなった。
「そして、オーバーレイユニットとなった《剣激武者 キリカゲ》の効果発動!このモンスターをオーバーレイユニットとしたエクシーズモンスターは、その攻撃力を1200アップする!!(ATK2600→3800)」
武将の纏う邪気がさらに強くなる。カゲロウはさらに手札のカードを取り出した。
「さらに某は手札から永続魔法《剣激合戦》を発動!場に「剣激武者」モンスターが存在する場合、相手フィールドのモンスターの攻撃力は800アップし、効果を無効化される!!」
カゲロウはニヤリと笑った。
「《剣激武将 シラヌイ》は「剣激武者」としても扱うことができる!これで貴様のモンスター効果は封じた!某はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
遊牙は自分のデッキに手を伸ばした。
「(みんな・・・いつも一緒だったんだな。俺はみんなの分も生きる・・・。生き抜いて、仲間を、ルナを救い出す!)」
そして勢いよくカードが引かれる。
「俺のターン!!」
一方、別の部屋にて。
ガラス管から出たルナは用意されたスーツを身に纏う。
「・・・。」
そして、元々着ていた白いワンピースをゴミ回収箱に入れようと持ち上げた時、ひらりと布のような何かが落ちた事に気づいた。
「・・・!」
それは、あの時のハンカチ。腕に怪我をした自分に遊牙が巻いてくれたハンカチだった。それを見た瞬間、ルナの表情は『0042』のそれから一人の少女”ルナ”に変わって行く。
「・・・遊牙・・・遊牙!」
ルナは思わず声を上げた。ルナはその場にしゃがみ込んだ。
「ここはどこなの!!私、なんでこんな格好してるの!!遊牙はどこ!!どこに居るの!!遊牙!!遊牙・・・!助けて・・・遊牙・・・。」
ルナの目から涙が溢れる。
だが、その時。
『運命に抗うな』
突然ルナの頭に声が響く。
「だっ、誰!?」
ルナは顔を上げ周りを見渡す。しかし、どこにも人影は見えない。
『自らの運命に身を委ねよ』
ルナは叫ぶ。
「いやっ!!黙って!!」
『余は全てを知る者 抗いなど意味は持たぬ さぁ その身を持って鍵となれ』
声を聞く内、ルナの瞳から段々と”ルナ”が消えて行く。
『己の運命に逆らうな 鍵となり門を開けよ』
そして、ルナは立ち上がった。
「仰せのままに、『Known』様。」
次回第13話「決着 武者vs騎士」
※デュエル構成にミスがあったので一部修正しました。お詫び申し上げます。
ヘラルドは立ち上がる。
「3番隊の連中が言っていた少年というのは、こいつのことか・・・。ただのサイコデュエリストかと思っていたけど、なるほど、DRだったとはね。攻撃の実体化能力を持っているのも頷ける訳だ。」
遊牙は手から落としたカードを拾い集めて、それを抱きしめた。
「・・・全て・・思い出した・・・。みんな・・・くっ・・。」
ヘラルドは一人で言葉を続けた。
「しかし、何故だ。なぜ始末したはずの『0041』が生きている・・・?あそこから逃げる術なんて・・・」
その疑問の先にたどり着いた人物に、ヘラルドは憎悪に満ち表情を浮かべる。
「あいつか・・・まんまと逃げ果せたと思ったらそういうことか・・・厄介な男だね全く・・・!!!」
カードをD・ディスクに戻した遊牙は、床を踏みしめ立ち上がる。
「ヘラルド、俺は貴様を許さない・・・。」
遊牙はヘラルドを睨みつけ、デッキから1枚のカードを取り出した。
「俺の仲間達の痛み、苦しみを思い知れ・・・!!!行け!!デッドジャック!!!」
叫びと共にそのカードをD・ディスクに叩き付ける。遊牙の目の前に閃光を断ち切り、闇の騎士が出現した。
「叩き斬れ!!!あの悪魔を!!薄汚い畜生を!!!」
激昂した遊牙はヘラルドを指差した。しかし闇の騎士は動かない。
「動けデッドジャック!!!あいつを斬るんだ!!あいつは生きて居てはいけない存在なんだ!!」
遊牙の叫びにもデッドジャックは依然として動こうとはしなかった。
「ちっ、ならば俺がやる!!剣を貸せ!!」
遊牙は騎士の手から剣を奪い取ると、それを引き摺り歩き出した。
「殺してやる・・・!!!殺してやる!!!」
体格の倍はある巨大な剣を遊牙は振るい上げた。それを見たヘラルドはたじろぐ。
「や、やめろ!!私が居なければ、お、お前は生まれすらしなかったんだぞ!!」
それを掻き消すほどの声で遊牙は叫んだ。
「黙れ!!!黙れ黙れ黙れ!!!これで全て終わりにしてやる!!」
遊牙の手から剣が振り下ろされる。それはヘラルドの体を正面から斬りつけた。
ように思われた。が、直前で遊牙の手が止まる。
”今まで自分が知らなかった自分を知る事になる!それでも、本当の自分を見失わないで欲しい!”
遊牙の手から剣が落ちる。それと同時に闇の騎士は姿を消した。
「・・・ホーガン・・・俺は・・・。」
自分の胸に手を当て荒い息を整える。遊牙は自分に向かって”落ち着け”と言い聞かせた。
「ヘラルド・・・。一つ聞きたい。」
遊牙の言葉にヘラルドは萎縮したような顔をする。
「な、なんだ、『0041』?今更、貴様と昔話をする気はないぞ!」
遊牙は静かに言った。
「何故、こんなことをする。自らが創った命を自ら奪い、また新しい命を創る。こんな行為に何の意味がある。」
ヘラルドは平然と言った。
「へっ、私は貴様らDRに命があるとは思っていないがね。全ては私の求める理想の為。そして、それを必要とされるノーン様の為だ。」
遊牙は叫ぶ。
「ノーンとは何者だ!!一体何をしようと企んでいる!!」
鬼の形相になったヘラルドは声を荒げる。
「貴様ごとき虫けらが、ノーン様の名を軽々しく口にするな!!!お前がそれを知る必要はない!!!」
その時、ヘラルドは腰から銀色に光る物体を取り出した。
「遊牙!」
それを見た凛香が叫ぶ。
ヘラルドは手に持った拳銃を遊牙へ向けた。
「どうせあそこで死ぬはずだったんだ。さっさとくたばれ!出来損ないが!」
遊牙はたじろぐ。凛香はミシェルの腕の中、かすれた声で叫ぶ。
「やめてぇぇぇ!!!」
しかし、そんな声を意にも介さずヘラルドは引き金を引いた。
「さらばだ『0041』。」
弾丸が銃口から飛び出したその刹那。遊牙のD・ディスクから突如、激しい光が放たれる。
瞬時に実体化した”死者の騎士(コープスナイト)”は構えた剣を振り下ろし弾丸を弾く。道を大きく逸れた弾丸は部屋の天井にのめり込んだ。
その騎士の姿を見て遊牙は口を開く。
「・・ウェイス・・・。」
騎士は振り向き、頷く。
ヘラルドはその様子に驚愕する。
「ば、馬鹿な・・!モンスターが独りでに動くだと・・・・!!ふざけた真似を!!」
もう一度引き金を引こうとしたヘラルド。だが、その瞬間、遊牙の後方、通路側から凄まじい爆音が響いた。
「ぐぁぁああっ!!(LP4000→0)」
ボロボロになったカケルが倒れ込む。遊牙はカケルに寄った。
「どうした、カケル!」
カケルはかすれた声で言った。
「デュエルを・・挑まれて・・・あいつ強すぎる・・・。」
その時、倒れたカケルを踏み越えるように一人の人物が姿を現した。
「決闘者相手に拳銃を向けるとは恥を知れ、ヘラルド。」
和装に身を包み、腰に刀を差したその男は手を振りカードを投げた。そのカードは銃を持つヘラルドの手に刺さる。
「ぐっ!」
その衝撃にヘラルドの手から拳銃が離れる。足下に飛んできたそれをミシェルは拾い上げた。
「そいつの言う通りさ、ヘラルド。あんたもデュエリストならデュエルで勝負したらどうだい?」
そう言うとミシェルは後ろのゴミ回収箱に銃を放り投げた。
和装の男はヘラルドの手から刺さったカードを抜き取った。
「貴様も戦士なら、相手と同じ土俵で戦う。それが道理というものだ。」
ヘラルドはその手を抑えながら言った。
「ちっ、お前らのこの愚行、ノーン様に報告してやるからな!」
和装の男は調子を崩さずに言う。
「勝手にするがいい。このくらいの事で我が主は動じん。」
ヘラルドは遊牙を一瞥すると、逃げるように部屋を出て行った。
「さて、愚か者が退散したした所で、少年よ手合わせ願おうか。」
カケルを立ち上がらせた後、遊牙は言った。
「待て。お前は何者だ。」
和装の男は静かに答える。
「某か。某はカゲロウ。我が主、ノーン殿に仕える四賢人の一人。」
その言葉に凛香が呟く。
「この人も四賢人なの・・・。」
遊牙はその男—カゲロウ—の言葉にD・ディスクを構えた。
「来るなら来い!俺は先に進まなければいけない!」
その様子を見てカゲロウはフッと笑った。
「なるほど、貴様は戦士か。その威勢の良さ、某の好む姿勢だ。いいだろう。この勝負に貴様が勝った時、ノーン殿について教えるとしよう。」
遊牙はその言葉に驚く。
「それは本当か!」
カゲロウは腰の刀を抜き、遊牙に向けた。
「ただし、某が勝った時、貴様らには潔くここを去ってもらおう。」
遊牙の目に迷いは無かった。
「望む所だ。」
その目を見てカゲロウは笑う。そして、右手に持つ刀を左腕にあてがった。その瞬間、刀は変形しD・ディスクへと姿を変えた。
遊牙の後ろ、壁にもたれて立つカケルは言った。
「気をつけろよ遊牙。そいつ只者じゃないぜ・・・!」
カケルの言葉に遊牙は頷く。カゲロウは息を整える。
「では、いざ尋常に・・・。」
『デュエル!!(LP4000 VS LP4000)』
先に動いたのはカゲロウの方だった。
「先攻は頂こう!某のターン!某は手札から《剣激武者 ニノタチ(☆4/風/戦士/1100・1400)》を召喚!」
カゲロウの場に二振りの刀を持つ武者が出現する。
「《剣激武者 ニノタチ》の効果発動!このモンスターの召喚に成功したターン、自分はもう一度「剣激武者」モンスターを召喚できる。この効果により、某は《剣激武者 イッセン(☆4/風/戦士/1700・100)》を召喚する!」
続いて現れたのは、光り輝く一本の刀を持つ武者。
「《剣激武者 イッセン》の効果発動!このモンスターの召喚に成功した場合、デッキから「剣激武者」モンスターを手札に加えることができる!某はデッキから《剣激武者 ゴコウ(☆4/風/戦士/1500・1500)》を手札に加え、そしてこのモンスターを特殊召喚する!」
長い矛を携えた武者がカゲロウの場に降り立った。
「《剣激武者 ゴコウ》は某の場に「剣激武者」モンスターが2体以上存在する場合、手札から特殊召喚できる!」
遊牙の額に汗が伝わる。
「(これで同じレベルのモンスターが3体・・・来るのか・・・。)」
カゲロウは不敵な笑みを浮かべ言った。
「では、早速。某はレベル4の《剣激武者 ニノタチ》、《剣激武者 イッセン》、《剣激武者 ゴコウ》の3体でオーバーレイ!!」
3人の武者は1つになり、光の渦へ飛び込んで行く。
「妖刀携えし邪鬼の武将よ!陣風引き連れ戦場を駆け抜けよ!エクシーズ召喚!!いざ、行かん!《剣激武将 シラヌイ(★4/風/戦士/エクシーズ/2600・1900)》!!」
漆黒の馬に股がった武将は只ならぬ邪気を纏い、2本の刀を構えた。
「やはり来たか、エクシーズ召喚・・・。」
遊牙はそのモンスターの放つ邪気に圧倒されそうになる。
「《剣激武将 シラヌイ》の効果発動!このモンスターのエクシーズ召喚に成功した時、デッキから「剣激武者」1体を特殊召喚できる!この効果により、某はデッキから《剣激武者 キリカゲ(☆4/風/戦士/1200・1300)》を特殊召喚!」
唐笠を被った武者は静かにフィールドに舞い降りる。
「某は《剣激武者 キリカゲ》の効果を発動する!このモンスターは自分の場に存在する風属性・戦士族のエクシーズモンスター1体のオーバーレイユニットにできる!」
武者の体は光の球となり、武将のオーバーレイユニットとなった。
「そして、オーバーレイユニットとなった《剣激武者 キリカゲ》の効果発動!このモンスターをオーバーレイユニットとしたエクシーズモンスターは、その攻撃力を1200アップする!!(ATK2600→3800)」
武将の纏う邪気がさらに強くなる。カゲロウはさらに手札のカードを取り出した。
「さらに某は手札から永続魔法《剣激合戦》を発動!場に「剣激武者」モンスターが存在する場合、相手フィールドのモンスターの攻撃力は800アップし、効果を無効化される!!」
カゲロウはニヤリと笑った。
「《剣激武将 シラヌイ》は「剣激武者」としても扱うことができる!これで貴様のモンスター効果は封じた!某はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
遊牙は自分のデッキに手を伸ばした。
「(みんな・・・いつも一緒だったんだな。俺はみんなの分も生きる・・・。生き抜いて、仲間を、ルナを救い出す!)」
そして勢いよくカードが引かれる。
「俺のターン!!」
一方、別の部屋にて。
ガラス管から出たルナは用意されたスーツを身に纏う。
「・・・。」
そして、元々着ていた白いワンピースをゴミ回収箱に入れようと持ち上げた時、ひらりと布のような何かが落ちた事に気づいた。
「・・・!」
それは、あの時のハンカチ。腕に怪我をした自分に遊牙が巻いてくれたハンカチだった。それを見た瞬間、ルナの表情は『0042』のそれから一人の少女”ルナ”に変わって行く。
「・・・遊牙・・・遊牙!」
ルナは思わず声を上げた。ルナはその場にしゃがみ込んだ。
「ここはどこなの!!私、なんでこんな格好してるの!!遊牙はどこ!!どこに居るの!!遊牙!!遊牙・・・!助けて・・・遊牙・・・。」
ルナの目から涙が溢れる。
だが、その時。
『運命に抗うな』
突然ルナの頭に声が響く。
「だっ、誰!?」
ルナは顔を上げ周りを見渡す。しかし、どこにも人影は見えない。
『自らの運命に身を委ねよ』
ルナは叫ぶ。
「いやっ!!黙って!!」
『余は全てを知る者 抗いなど意味は持たぬ さぁ その身を持って鍵となれ』
声を聞く内、ルナの瞳から段々と”ルナ”が消えて行く。
『己の運命に逆らうな 鍵となり門を開けよ』
そして、ルナは立ち上がった。
「仰せのままに、『Known』様。」
次回第13話「決着 武者vs騎士」
※デュエル構成にミスがあったので一部修正しました。お詫び申し上げます。
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101 | 17:死闘の果てに | 995 | 2 | 2015-06-12 | - | |
36 | 18:月の使者―ルナティックロイド― | 864 | 2 | 2015-06-15 | - | |
87 | 19:覚醒の証・月狂眼の覚醒龍 | 899 | 2 | 2015-06-16 | - | |
95 | 20:生きとし生ける者の希望 | 923 | 2 | 2015-06-17 | - | |
73 | 21:戻ってゆく日常 | 884 | 2 | 2015-06-18 | - | |
71 | 22:遊牙先生のデュエル教室 | 1039 | 4 | 2015-06-18 | - | |
82 | 23:意地の張り合い!昆虫レース開幕? | 880 | 3 | 2015-06-22 | - | |
109 | オリカ説明:リチャード編 | 758 | 2 | 2015-06-22 | - | |
87 | 23.5:輝岩鎧竜の逆鱗 | 821 | 4 | 2015-06-23 | - | |
40 | 24:開幕!チャリティーデュエル大会 | 863 | 3 | 2015-06-24 | - | |
70 | メインキャラ解説 | 693 | 4 | 2015-06-25 | - | |
96 | 25:ルナ、デュエルします! | 955 | 3 | 2015-06-25 | - | |
51 | 26:心に巣食う魔物 | 861 | 3 | 2015-06-26 | - | |
65 | 27:太古のデュエル!恐竜VSマンモス? | 893 | 3 | 2015-06-27 | - | |
72 | 28:銀河に響け!スペースアイドル再び | 907 | 3 | 2015-06-29 | - | |
112 | 29:二日目開始!誘惑される遊牙? | 845 | 3 | 2015-07-01 | - | |
86 | 30:ルナ、またまたデュエルします! | 887 | 3 | 2015-07-10 | - | |
114 | 31:光差す道となれ! | 940 | 5 | 2015-07-11 | - | |
93 | 32:ぶつかり合う本気 | 846 | 4 | 2015-07-20 | - | |
202 | 33:出揃った出場者 | 1950 | 3 | 2015-07-22 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/03/23 新商品 QUARTER CENTURY CHRONICLE side:PRIDE カードリスト 追加。
- 03/28 16:13 デッキ 罪宝狩り制限許さないビート
- 03/28 15:44 評価 5点 《タキオン・ギャラクシースパイラル》「 実質《ギャラクシー》か…
- 03/28 15:32 評価 7点 《時空混沌渦》「 《タキオン》新規でサーチできるならワンチャン…
- 03/28 15:00 評価 8点 《カオス・フォーム》「《カオス》専用の儀式魔法。 基本は往年の…
- 03/28 14:29 評価 9点 《星遺物の守護竜》「《守護竜》の名を持つ《星遺物》の永続魔法。…
- 03/28 13:03 評価 3点 《天下統一》「総合評価:シンクロ召喚デッキ相手に役立つかも程度…
- 03/28 12:44 評価 6点 《ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン》「トゥーン化したら海馬ボー…
- 03/28 12:18 デッキ ヴェルズ
- 03/28 11:29 評価 8点 《ナイト・ショット》「発動可能な伏せでもエンドサイクできるカー…
- 03/28 11:28 評価 8点 《聖刻龍-トフェニドラゴン》「《聖刻》の上級モンスター。 LV6…
- 03/28 09:15 評価 10点 《賜炎の咎姫》「OCGとMDでサプライズ同時実装されたリンクモンス…
- 03/28 09:11 評価 10点 《聖刻龍王-アトゥムス》「《聖刻》に属するランク6のエクシーズ…
- 03/28 03:04 評価 6点 《BF-暁のシロッコ》「一枚でガンダムを連想する要素がかなり多…
- 03/28 00:43 評価 10点 《ワン・フォー・ワン》「終身名誉制限カードかな。汎用性もパワ…
- 03/28 00:28 評価 8点 《倶利伽羅天童》「遅い代わりに後攻でキルを取りやすくしてくれる…
- 03/28 00:22 評価 10点 《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》「かつて2020…
- 03/28 00:00 コンプリート評価 ねこーらさん ⭐ストラクチャーデッキ-海皇の咆哮-⭐
- 03/27 23:49 評価 1点 《虚構王アンフォームド・ボイド》「 エクシーズ体最下位のモンス…
- 03/27 23:39 評価 6点 《Sin パラドクス・ドラゴン》「 《Sin パラダイム・ドラゴ…
- 03/27 23:21 評価 7点 《身代わりの闇》「 《スターダスト・ドラゴン》と《彼岸の黒天使…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
こういう武人系のキャラクターって結構好きだったりします。
次回はいよいよ決着です。 (2015-05-30 10:01)
「デッドジャック」っていう名前がもう色々と悲しすぎる。
そしてアンデット族カテゴリなのも芸が細かいですね。 (2015-06-21 05:52)
デッドジャックの名前の由来はそのまんまの意味ですね。アンデット族なのはある意味伏線でした。 (2015-06-22 09:30)