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フォルダ 皆の小説披露して♪
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ここでは以下の様な小説を大歓迎!

・中二病の時に書いた恥ずかしい小説
・ガチで小説家を目指す人の原石という名の小説
・趣味の一環で書いてる小説
・勢いで書いた読み切り小説

さあ!皆さん投稿どんどん投稿して下さい♪

とりあえず、他の人の作品とゴチャゴチャにならないように
作品タイトル、話数は必ず入れて下さいね(´Д` )

コメント数 82 閲覧数 4642
Re:皆の小説披露して♪
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※クリスマスイブ小説を書こうとしたら、クリスマスイブでも小説でもなかった。

 12月24日の午後、モアイ子は町を歩いていた。
 理由は簡単である。3日後にひかえる兄の誕生日プレゼントを探しに来たのだ。
「…寒いわね。これだけ寒いと、馬鹿にでもならないとかなわないわ」
 モアイ子は身を震わせた。
 モアイ子が歩く時は、いつも1人である。
 縦に長い顔、彫りの深い目、縦に薄く長い鼻。とてもではないが、顔とは思えない。
 しかし彼女が独りなのはそれだけが理由ではなかったし、それを全ての理由にする気は毛頭無かった。
 モアイ子は独り道を歩く。16時頃だというのに風は張り詰めるように冷たく、彼女は小学生の頃の縄跳びを思い出した。
 些細なことを考えながらしばらく歩くと目当ての百貨店があった。モアイ子は店に入る。扉を開けただけで、ふわぁっと熱気が追い出された。
 店内は憂さ晴らしのようにキラキラ光っていて、ところどころに横文字が並んでいる。
 モアイ子はエレベーターに乗った。エレベーターに乗りこむ人は少なかった。エスカレーターでゆっくり店内を見回る人が多いのだろう。
 モアイ子はエレベーター内の案内板を見て、5階に行くことにした。ボタンは既に押されている。
 チン…。5階に着く。モアイ子はここで降りた。ほかの人もゾロゾロと降りていく。モアイ子は兄の誕生日プレゼントを買いにくのだ。
 そこは宝石や時計のフロア。贈り主や贈られ主の性別を問わない階だ。
 モアイ子は店内を見て回る。予算は5000円。20の誕生日なのだ、少し位奮発してもいい。
 しかし、現実は冗談だった。
 そこに並べられていたのは5万円を超える時計達だった。予算の10倍である。
「ふぅ…世の中には買えることが勲章になるようなものがごまんとあるのね」
 モアイ子は、そう言うと白けた気持ちになった。
「…あぁ、聞かれないでよかった」
 モアイ子は呟くと早歩きでエレベーターに向かった。需要があるから供給があるのだ。
 エレベーターには一番乗りだ。しかし先客はいた。1階のボタンは押されている。
 チン…。エレベーターが1階に止まる。
 そしてゆっくりと扉が開く。
 そこでモアイ子が最初に目にしたのは、冗談のように本物みたいな銃口だった。


 こちらに突きつけられている。確実に。
 周囲を見回すと、ベビーカーを引いた女が子供に視線を合わせ、若い男女がボソボソ話し合い、中年の眼鏡かけたおじさんが震えながら後ろに下がっていた。
 モアイ子は銃について大して知らない。モデルガンの類かもしれないし、それどころかそんなことは暗黙の了解である可能性まである。
 しかしそんなことを考えたところで状況は何も変わらなかった。
 武装した男が銃を向けたままエレベーターに乗り込んだ。そして最上階の9階のボタンを押す。
 フルフェイスなので彼の人相は伺えない。視力を上げて伺ってもいいが、そんなことをしてもモアイ子にとって何の得にもならない。
「お前ら、動くなよ」
 武装した男は静かに厳かに言った。声を出しても素性はバレないだろうという判断だろうか。モアイ子は取り敢えずこの声を保存しておいた。完全に私怨である。
「…それで、これはなんだ?」
 後ろから落ち着いた少年の声がする。
「…」
 問われたであろう武装した男は何も話さない。
「…だんまりか。沈黙はフルーツとは、よく言ったものだな」
「ああああの、」
 中年男は震えながら口を開いた。
「なんだ?」
「き、帰宅が遅れると、家内に申しても宜しいですか?」
「好きにしろ」
「はははい、有難う御座います」
 中年男はペコペコと頭を下げながらスマートフォンをいじりだした。
 チン…。9階に着いた。武装した男に急かされるままにモアイ子達はエレベーターを降ろされる。
 そして武装したもう1人の男の迎えを早速受ける。
「おいおいこりゃあ大漁じゃねぇか」
 もう1人の武装した男はヘラヘラと笑っている。保存した。
「大漁の方が、網からは逃げやすいと思うが?」
「なんだとテメ?」
 先程ヘラヘラしていた男(以後、武装Bと呼ぶことにする)は少年を睨んだ。
「いやすまない。折角だからあなた達と雑談でもしようかと思ったのだが」
 少年は肩を竦めた。
「なめてんのかオイ?」
 武装Bは銃を少年に突きつけた。
「なめてないなめてない。あなたが銃を持ってなかったら私はここで盛大に自分語りを始めていたし、あなたが私の年下に見えたらあなたのことを君と呼んでいた」
「帰らないで自分語りをするんですね」
 少年の知り合いだろうか少女が淡々と言った。
「いやなに、凶器も持たずにエレベーターに入って9階に行けなんて言ってくるような人とは長々とお話したいからな」
「そんなことよりっ!」
 子連れの女が割って入ってきた。
「子供がいるんです。私達だけでも解放してくれませんか?」
 どこまで利他なのか分からないが、確かに正当な要求だ。
「駄目だ」
 武装Aは即答した。
「なんですって!」
「誰かを解放しようとすれば隙が出る。その隙を埋めるために労力を割けというのか?」
「あなたそれでも人の子なの!?」
 女は叫んだ。それに合わせるように、子供が泣き出した。
「あああああ、大丈夫よ、大丈夫だからね」
 女はしゃがんで子供をあやしだした。中年男が視界の端でホッとしている。
「…うーむ、暇だ。仙翁(センノウ)、何か持ってないか?」
 少年は仙翁と呼んだもう1人の少年に顔を向けた。
「峰年(ミネトセ)君、あんまり刺激するもんじゃないよ」
 仙翁は困惑の表情だ。
「安心しろ、自重している。それで、トランプは常備しているな?」
「はいはい、ありますよ」
 仙翁は肩掛けからトランプを取り出した。
「てめぇら、何してんだ?」
 武装Bは小学生のような質問をした。
「…トランプだ」
「だからなんでここでトランプ始めてんだっつってんだろ!」
 武装Bは叫んだ。
「怒らないでくれ。これでも発言量は圧縮したつもりなのだが」
 峰年は眉をひそめた。
「お遊びじゃねぇんだぞこのクソガキ!」
 武装Bは真上に向けて発砲した。
 キィィンと音を立てて武装Bに照明の破片が降り注ぐ。
「くっ!」
 武装Bは装備のおかげで怪我していないようだがそれでも怒りの表情だ。
「くそがっ!」
「落ち着け」
 武装Aは言葉を体で表すように言った。
「くそっ、けどよ、」
「我を失っているやつは邪魔だ」
「ぐっ…」
 武装Bは黙った。
「…それで、トランプは許可されたのか?」
「峰年君!」
 仙翁は叫んだ。
「そんなこと言っても、言うなら今だぞ?」
「好きにしろ。但し、不審な真似はするな」
「有り難い。…仙翁、トランプを出してくれ」
「はぁ…分かったよ」
 仙翁はトランプを再び取り出した。
「さて…」
 峰年はモアイ子達を見た。
「あなた達は混ざるか?」
「いい加減にしなさい!」
 女は叫んだ。
「あなた犯人を刺激してそんなに楽しいの!?」
「楽しくないと言ったら嘘になる」
「なんですって!?」
 女がヒステリックに叫んだ。
「落ち着いてくれ。楽しいのとやるのは別だ」
「そんな屁理屈を」
「勘違いしないで欲しいのだが、別に私は反抗に自分の価値を見出だしているわけでも、オンリーワンであることそのものに頼りきっているわけでもないのだよ」
 峰年はふぅと息を吐いた。
「…そこのあなたは、混ざるか?」
 峰年は顔面蒼白の男に顔を向けた。
「あああ、いいえ、いいですからいいですから!」
 男は早口でまくしたてた。
「ふぅむ、で、君は?」
 峰年はモアイ子に目を向けた。
「じゃあ、混ざらせて頂くわ」
 モアイ子は峰年達に近寄った。モアイ子も暇をもて余していたのだ。
「さて、君の名前は?」
 峰年はモアイ子に尋ねた。
「紫出雲(シイズモ) 藍子(アイコ)。…宜しく」
 いつもならを『私のことモアイと呼ばないで。せめてモアイ子と呼びなさい』と後ろにつけるのだが、そんなことを言うと妙なあだ名を付けられそうだったので抑えた。
「私は盗浦(ヌスウラ) 峰年(ミネトセ)だ」
「節黒(フシグロ) 仙翁(センノウ)です。宜しくお願いします」
「凌霄(ノウゼン) 葉蓮(ハレン)です」
「紫出雲 藍子か。私は同姓同名の有名人を知っているのだが」
 峰年は嬉しそうにニヤニヤしている。
「人違いね」
 モアイ子は素っ気なく返した。
「そうか?物理の得意な紫出雲 藍子だぞ?」
「峰年君」
 仙翁が割って入った。
「…やりすぎたか」
「このままだと暴走するでしょ?…ごめんなさい」
 仙翁はモアイ子に頭を下げた。
「守ってくれて有り難う」
 モアイ子は淡々と言った。彼女の中で峰年の評価が、『可哀想な人』から『危ない人』に変わった。なんだかよく分からないが、峰年はモアイ子のことを知っているようだ。
「配り終えました」
 声の方を見ると葉蓮が4等分した山の内の1つを手に取っていた。
「あ、有り難う」
「おぉ、有り難う」
 仙翁と峰年も山を1つずつ手に取った。
「…で、何をするの?」
 モアイ子は残りの山を取りつつ尋ねる。
「さぁ?暇だったから配っただけです」
 葉蓮は表情を変えずに答えた。
「大富豪…はローカルルールで揉めて日が暮れるかな?」
「いいわ。そっちのルールでどうぞ」
「了解した」
 それから峰年による説明が始まった。
「…まぁこんなところかな?」
「分かった。有り難う」
 4人は大富豪を始めた。


 4人が大富豪で盛り上がっている中、武装ABの様子が何かおかしい。それに下の階が騒がしい。どうも上手くいってないみたいだ。武装ABもモアイ子達に近づいている。
「…そろそろ潮時かな?」
 峰年は小声で囁きながら4を2枚を出した。
「…」
 モアイ子は黙って3を2枚出した。
「峰年君、刺激しないの」
 仙翁はそう囁いてジョーカーを2枚出した。場が流れる。 
 バタバタバタバタ!
 盾を持った警察らしき人物が急に雪崩れ込んできた。
「諦めろ!お前らは包囲された!」
「くっ!」
 武装ABはモアイ子達に銃を突きつけた。ひいっ!という声が聞こえる。
「てめぇら動くんじゃねぇ!」
 叫んだのはやっぱり武装Bだ。
「紫出雲…任せた」
 峰年は囁いた。確かに、この場ではモアイ子が動いた方がいいかもしれない。武装Bがヒステリーをおこしたらしゃれにならない。
 モアイ子は小さくため息をつくと視線を武装Bの銃口に向けた。
 モアイ子は目からレーザーを放った。武装Bの銃に大きな穴が空く。
 武装Aが驚いてる隙に返しの一撃で武装Aの銃にも穴を空けておく。
「かかれーっ!」
 警察達がわあああっと駆け込むと、武装ABはあっという間に捕まった。


「なかなか、貴重な体験だったな」
 警察に話をし終えてモアイ子達は各自解散となったので、モアイ子は峰年達と最寄りの駅まで同行した。全員地下鉄で来たらしい。
「そうね貴重ね。貴重だからもういらないわ」
 モアイ子は冷たく言った。
「まぁとにかく、あんまり人を刺激しちゃ駄目だからね?周りの人に迷惑がかかるから」
 仙翁は眉をひそめた。
「また必要な時に言ってくれ。頭から抜ける」
 峰年は反省する素振りを見せずに言った。
 モアイ子の視線にふと、白いものが見えた。
「雪…?」
 仙翁は呟いた。
「そのようだな」
 峰年はゆっくり手を広げた。
 雪が少しずつ空にまぶされていく。視界が僅かに白くなっていく。
「…ホワイトクリスマスなんていうのは、片想いか両想いの人がつくったに違いない」
 峰年が呟いた。
 今日はクリスマスではないが、モアイ子はつっこまなかった。
 それから沈黙が続いた。峰年は黙ることにしたらしい。
 百貨店を出てもその近くにはリースがかかっていた。そういえば駅の中に雑貨屋があったとモアイ子は連想する。
 モアイ子は3日後にひかえた兄の誕生日プレゼントをどうしようか、1人で思考を巡らせた。

鷹、今だ舞い降りぬ 第16話[仮]
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11月5日、蝦夷共和国(旧函館)若松町
函館西警察署署員と土方歳三ひきいる新撰組がせまってくる。3台の戦車に続く数十台の車列を睨む

海賊集団は幕府艦隊の猛烈な艦砲射撃にもかかわらず20台余りのT-72戦車を揚陸させた、その後十数両が脱落するも新撰組や警察では完全に阻止することはできなかった。

旧函館市役所前の最終防衛線にありったけかき集められた消防車が放水し海賊集団を蹴散らすが、そこにT-72戦車が現れる、虎の子のアームストロング砲3門が咆哮を上げ、1両のT-72戦車のキャタピラを直撃し破壊する…がたちまちRPG-7で反撃を受ける。


除雪車が、残っていたT-72を2両とも押し倒す…しかし、海賊たちは手に手にAK-47小銃を抱えとっしんする。



「土方さん…市役所前停留場から連絡がはいりました、もうもちそうにないそうです。」

旧函館市役所の4階にかまえられた作戦本部には次々と悲惨な報告が入る。


「そうか…」


粕屋 十郎からの無線を聞くと土方はトランシーバーを机に置き、スピーカーを取った。

「こちら、土方歳三だ、消防官及び、警察官の諸君らはもうここで下がれ…あとは俺たち新撰組の仕事だ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「総員戦闘用意!」

海賊も残りは30人ほどにはへったが全員が近代火器で武装しているので侮れない


土方は1865年型ガトリング砲のクランクに手をかけた。

鷹、今だ舞い降りぬ 第17話[仮]
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さて、海賊の首領アブディも思うように進まない戦況に攻めあぐねていた。

「まったく、エイルの町ごと見知らぬ地に飛ばされたばかりか、近海には狂暴な生物がうじゃうじゃいやがる、おまけに島を見つけて上陸したら、侍がいる、そして貴重な戦車は故障と損傷で全滅だ…戦えるものはあと30人ほどか…それにしても…なぜ、この町はやたら日本語が多いんだ?」


すると前方から突然、刀を構えた蒼服の集団が駆けてくる。


突如、スピーカーから日本語による警告が流れる。


〈海賊に次ぐ、ただちに武器を捨てて投降しろ〉



「投降しろと言われて投降するバカはいない」

アブディはAK-47でスピーカーを破壊した。


次の瞬間曲がり角からから古めかしいガトリング砲も1門と「誠」の旗が姿を現した。

鷹、今だ舞い降りぬ 第18話[仮]
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「貴様が族の親玉か?」

「人にものを尋ねるときは自分から名のるべきだぜ、おえらいさんよう」

「これは失礼した拙者は新選組副長、土方歳三である、してお主は何者だ」


「ずいぶんと古い言い回しだな…まあいい、俺はエイルの町の海賊を取りまとめるアブティってもんだ」

「エイルの町?だとそれはどこにある」

「この島の北の方の島に町ごと飛ばされてきちまったんだよ」

「なに、お主それは本当か?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二週間後、蝦夷共和国とエイル海賊連合は和解し、蝦夷共和国から政府から私掠船免状を発行されたエイル海賊連合は、北海道近海に出没するようになった新生代の海洋生物や国籍不明のガレオン船を狩りまくることとなる

鷹、今だ舞い降りぬ 第19話(改2)
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リナント号のナーセ船長は自室で独り,親代わりだったジョン提督をしのんでいた。
「馬鹿が最後ぐらいサーを付けろ!!っか、ジョンの親父らしいぜ」

翌日,彼はマストの頂点に登り一言『馬鹿野郎』とつぶやくと針路を南へとった。


そして…彼は驚くこととなる、すれ違あう帆もなしに航行する巨大な船舶のあまりの多さに、また小型船も発見したがあまりに高速であったため追いつくことも砲弾を当てることもできなかった…その船の船腹には交戦名が書かれていた「ドリームエメラルド」と、彼らは知らなかったその船が最高時速約90kmを誇る快速船だということを。

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一方、第四管区海上保安庁本部は津エアポートライン株式会社所属船として余生を送ることが決まり、津なぎさまち - 中部国際空港航路に再就航したばかりの旧大分ホーバーフェリー所属の「ドリームエメラルド」から、帆走の海賊船から砲撃されていると通報され大騒ぎとなっていた。

すぐさま付近にいたむらくも型巡視艇「やえぐも」が現場に急行したころ、すでにホバークラフトである「ドリームエメラルド」はその優れた速度性能を生かし、海賊船を振り切ることには成功し津なぎさまちに入港していた…が帆走とはいえ、大砲を積んだ海賊船が伊勢湾にとどまっているという事態は変わらない…探索は継続されたが、2日間に及ぶ探索でも結局海賊船を発見することはできなかった。


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海中に潜む「リナント号」の周りには魔法による障壁が張られていた、ナーセ船長は探知魔法によって迫ってくる「やえぐも」の存在を知り機転を利かせ障壁魔法により周りの海水をバラストにして潜水したのであった、それからは海水を少しずつ後ろに排出し潜水航行し、夜になると浮上航行するという潜水艦のようなスタイルをとっていたのであった。


「船名は読めなかったが、あの風車つきの船のことは忘れないでおこう…なんせ初めてこの船から逃げ切った獲物だ、にしても…ジョンの親父の言ってたことは正しかったってわけか」

ナーセ船長は狙った高速船の性能と砲弾をすべて回避したその乗り組み員の操船技術に対して感心すると同時にいかにこの島と技術力に差があるのかを痛感させられた。

鷹、今だ舞い降りぬ 第20話(仮)
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2月初頭、横須賀2号ドックから改装を終えた1隻の蝦夷共和国海軍所属艦が、津軽海峡へ向けて出港する前に、試運転を行っていた…艦の名は「咸臨丸」、かつてこの東京湾からアメリカまでの航海を成し遂げたこの艦は転移前蒸気機関を取り外され帆走艦へと変貌していた…しかし、転移後のソマリア海賊との戦闘で激しく損傷したこの艦は幸運にも蝦夷共和国海軍旗艦「開陽丸」近代化改修のテストヘッドとして修理兼大改修に出されたのであった。


「山本館長…すごいです、今30ノットを超えたそうです」

「ほう、俺が機関長だったころより、調子がいいな」


改装により石川播磨重工製のガスダービンとプロペラを取り付けた咸臨丸を操る山本 金次郎艦長はじめ全乗組員一同はまるで新鋭艦を任されたように目を輝かしていた。


そして、2日後、浦賀水道には 黒煙ひとつ出さず、巡航速度の23ノットで洋上を駆けぬける「咸臨丸」の姿があった。

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咸臨丸(改装後)


全長 54m (艦尾を延長)

全幅 10.1m (増加装甲を設置)

機関 IM-300型ガスタービンエンジン2基

推進器1軸

最大出力11,000ps

最大速力 39.0kt

兵装

・32ポンド砲10門

・高性能20mm機関砲(CIWS)2基

・90式 SSM 2連装発射筒 2基

・ボフォース 40mm4連装機銃4基

・ボフォース 375mm 4連装対潜迫撃砲(71式ボフォースロケットランチャー)

鷹、今だ舞い降りぬ 第21話(仮)
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リナント号は九州沖を通過し南下を続けたが、いくら南下しても常に海岸が視界にはいるため、南の海域はすっかり陸地になっていると思い込んだナーセ船長の決断によりサンホルヘ湾で回頭し北上し、2月13日午後11時現在、小笠原諸島を通過していた。


「船長、正面に巨大な船影が…」

それは晴れて小笠原航路に就航した「スーパーライナーオガサワラ」と「ドリームエメラルド」号事件の影響で護衛につく海上保安庁の巡視船の船団だった。


「どうしやす、食糧や水はまだりますが弾薬があまりのこってやせんぜ」

「よし、やるか」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方、船団側も混乱していた、海龍による襲撃を受け護衛にあたっていた巡視艇「やまづき」「はるづき」が横行不能になり、「はてるま」「しきしま」「もとぶ」の3隻で護衛を継続しなければならなくなったからだった。

短編読み切り小説 『火は暖め焼きつくす』
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 魔法と科学の違いは、実際のところ動力源以外になにもない。
 調理のために火を熾し、生身で無理なら道具を発明する。
 それは時に安全で平和な世の中のために。一方で血で血を洗う欲望のために。
 英知を積み、未来へ繋ぐ。やがて誰かが新たな発見をすることで、再び人類の知識に上乗せされる。
 そんな魔法の知識を学ぶため、いつかのどこかに学び舎が建てられた。その学び舎には子供が通い、大人が教える。その子供が大人になり、今度は指導する側に成り代わる。
 これが魔法なのである。
 この物語は、魔法を学ぶ一人の少女が、良き師に出会い、大人になる話。



「もう!どうして火遊びなんかしたの!?」
 私の名前はナノハ。今はお母さんに怒られている。でも、どうして怒られているのかがわからないで困っている。顔が怖いから見えないように私は床を見ていた。
 お母さんは火遊びしたことを怒ってるみたいだけど、それがどうして悪いのか、それが私にはわからない。火ならお母さんだってご飯を作るときに使ってるし、暖炉にだって火をつける。
 皆火を使ってる。なのに私だけ怒られる。大人はズルい。自分たちだけあんなに便利なものを独り占めしているのだから。
「黙っていてもわからないでしょ?なんでひをつけたの?答えて頂戴!」
「ダメですよ奥さん。そんな言い方じゃ子供は成長しない」
「え?あぁ!ダンブル先生。どうして?」
「いやなに、教え子の家の前をたまたま通りかかったら大きな声が聞こえたものでして」
 また大人が来た。今度はダンブル先生だ。先生は学校で私や友達に魔法や色々なことを教えてくれる。
 先生の授業は楽しいから好きだ。お母さんみたいに答えがわからない質問をしない。できない事をやれと言わない。私がキチンと理解するまで教えてくれる。
 でも、今回は先生も怒るかな?私は怖くてスカートの裾を強く握った。怒鳴られるのかな?叩かれるのかな?
 目を瞑って先生の次の行動を待った。
「ナノハ、お母さんは君が火という危険なモノを使った事を怒っているんだ」
「どうして危険なの?皆火を使ってるよ?」
「アナタなに言ってるの!?」
 やっぱり大人はズルい。火を独り占めして私にイジワルしてるんだ。危険だなんて嘘つくんだ。
「申し訳ありませんが、奥さんは席を外していたたけませんか?」
「でも」
「アナタはハッキリ言って私の教育に邪魔なんです」
「っ!……はい」
 お母さんは行っちゃった。先生は大人なのに、お母さんや他の大人の人と中が悪いみたい。普通に話しているのに、先生の一言で皆嫌そうな顔をする。
「さてナノハ。これを」
 そう言うと先生はマッチを取り出して火をつけた。子供が使えない火を見せびらかしてる。先生も皆も嫌いになってきた。
「ナノハ、この火を君にあげよう」
「え」
 先生は私の前に火を近づけてそう言った。良いの?私が火を持っても大丈夫なの?
「なに、躊躇することはないさ。持ってごらん?」
「う、うん!」
 先生はやっぱり良い人だ。イジワルなんかじゃなかったんだ。私の火、ギュッと握りしめてみよう。
「熱っ!?うぅ。な、なんでぇ?」
 これ、火なの?でも、キラキラしてて、赤くて、ユラユラしてて。間違いない、これは火だ。なのになんであんなに熱いの?手がヒリヒリするよ。
「ナノハ。これが火なんだよ」
「これが、火?」
 先生は床に落ちたマッチの火を足で踏んで消した。
 でも、どうしてこんなに熱いの?大人は普通に使えるのに、なんで私には使えないの?
「ナノハ。火というものは強い熱を持っているんだ。だから作りたてのご飯は温かいし、お風呂を沸かすときも、水からお湯に変える事ができる。だけど、こうして触れれば火傷をするし、家に燃え移れば火事になるんだ」
「怖い」
 知らなかった。火がこんなに危ないものだったなんて、だからお母さんは怒ったんだ。怖い、怖いよ。
「火なんて、いらないよ」
「そんな事はないさ。さっきも言ったように、人間は火を自在に使いこなせるんだよ。わかるかい?」
「うん、大人は皆使ってるから。でも、私には使えない」
 火が怖い。どうしても怖い。私に火なんて、もう。
「ナノハ、どんなものでも使い方次第なんだよ。木材や金属だって形を変えて道具になる。その道具も正しく使えば便利だし、間違って使えばとても危険なんだ」
「そう、なの?」
「そうだよ。ナノハが火傷したように、大人が自在に使うようにね」
 そっか。火は、モノは使い方次第なんだ。どんなもので危険になる。でも、便利にだってなれる。それって、凄い。とっても凄いや。
「それじゃ、危険なモノなんて一つも無いのかな?」
「っ!どうしてそう思う?」
「だって、火は誰でも使える。だったら、危険なモノは皆便利にできるって事でしょ?」
「ほぉ………」
 先生は黙ってしまった。目をおっきく開けて、固まっています。私、なにか変な事言っちゃったのかな?
「ナノハ。君は将来偉い人になれるかもしれない。その考えを大切にして、大きくなるんだよ」
「え?あぁ、はい!」
 よくわからないけど、先生の言う事だから間違いないよね!

~十年後~

「ひ、ヒュドラだぁ!?」
「逃げろぉ!!」
 私の職業は研究員。今、土地の調査中に怪物ヒュドラに襲われている。
 確かにこの怪物は見た目は怖いし、危険な毒を持っている。皆が逃げるのも頷ける。
 でも私は
「なにしてるんですか博士ェ!早く離れてください!」
「なんで?」
 逃げるなんて勿体無いと思っている。この歳になってわかったけど、私はイカれてるのだろう。でも、この怪物が危険な気がまるでしない。むしろ
「今逃げたら、この珍獣の調査がデキないじゃん?絶好のチャンスだよ!」
「「またですかァ!?」」
 助手一同が怒声をあげてしまった。そんなに怖いなら私を置いて逃げても構わないんだけど、誰もそんなことをしない。
 前に理由を聞いたら「私が美人で死ぬには惜しいから」と、答えられた。ウゼェ
「シュルルルル」
「大丈夫。私はアナタになにもしないよ?だから、安心して……」
「シャァァァァァァァァ!」
 私は噛み付かれました。ヒュドラに肩を噛み付かれてしまいました。今回ばかりは死んだかもしれません。なにせ相手はあのヒュドラですからね。
 でも、これだけは言っておこう。
「ね?大丈夫。私はアナタになにも…し…ない」
「博士ェ!!」
 案の定倒れました。意識が遠のいていきます。あー、先生の今までの教えが見えてきました。
 ガラスが割れる事を学びました。
 鉄が硬い事を学びました。
 空気を吸っている事を学びました。
 でも、一番印象に残っている事はやはり……
「あ、れ?」
 体に感覚が戻ってきます。痛みもありません。肩の傷は残っていますが。
「?あ、アナタ」
 目の前には、先程私を襲ったヒュドラがいました。傷口をチロチロと舐めてくれています。なら、なぜ私は無事なのでしょうか?まさかとは思いますが
「アタナが治してくれたの?」
「シュルルル」
「ちょっと、それ頂戴!」
 私は急いでヒュドラの舌先を脱脂綿で採取します。そして、近くで腰を抜かした助手に頼みます。
「ちょっと!この液体と肩の匂いを嗅ぎ比べてみて!」
「え?なんで?」
「良いから!」
 助手はしぶしぶ匂いを嗅ぎます。すると息を呑んで報告してくれました。
「同じ匂いです」
「やっぱり、ヒュドラは自身の毒を中和する体液を持っているのよ!」
 やっぱり逃げなくて大正解でした。これは世紀の新発見です!
「早く帰るわよ!急いでこの液体を研究しなくっちゃ♪」
「ちょ!お待ちくださいナノハ博士ェ!!」
 ダンブル先生、火の危険さと便利さを教えてくれてありがとう。今私は、危険を便利に変える仕事をしています。


『火は暖め焼きつくす』~完~

チョコレート破壊大作戦
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「うわぁああぁぁぁあぁあぁ!」
 僕は悲しみと焦り、そして絶望の思いで絶叫した。
 今日はバレンタイン。そう、バレンタインだ。自分の交友関係恋愛関係を洗いざらい晒されると噂のひかりで血を洗う祭りだ。
「どうしたの、兄(にぃ)」
 2段ベッドの下から、眠そうな弟の声がする。
「弟よ!お前は分かってないのか!今日が何の日か!」
「えぇと、今日は……あぁ、バレンタインか」
 弟は眠そうに答えた。
「そうだよバレンタインだよ!分かってるならなんで絶望しない!なぜ悲嘆に暮れて24時間眠り続けようと思わない!それとも今からその気なのか!」
「平日だから学校行くけど」
「だったら何故そこまで平然としてられるんだ!君は屈辱とは思わないのか!これはいわば残酷で冷血な知名度の資本主義そのものだぞ!」
「別に。そんなんで学校休んだらノートとかどうすんの?」
 弟はむくりと起き上がるとベッドから降りた。
「ぬわぁああぁあぁ!なぜ僕の心の叫びを理解しない!僕は千代子(チヨコ)ちゃんに特になんとも思われてないことを痛感しながらその一刻一刻を過ごし続けなければならないんだぞ!その時間たるやなんと24時間!1440分!84400秒!」
「86400秒でしょ」
「そんなことはどうだっていいだろ!?今大切なのは僕が煉獄のような時間を過ごさねばならないってことだ!お前もそうだろ!」
「俺はだから別にどっちでもいいって」
「なんだと!?まさか貴様本命チョコをもらう手筈が済んでいるとでも言うのか!?」
「っ!?……発想が飛躍しすぎだ、馬鹿」
 弟はそう言うと早口ですたすたと去っていった。
「……」
 僕はその様子を疑惑と不信の目で見ていた。
「……まさかあいつ!」
 いや、そうに違いない。僕は疑問を確信に変えた
「ぬぐわああぁああぁあぁ!!裏切られたぁああぁああぁぁあぁぁぁあぁ!!」
 僕はのどを削り取るように吠えた。
「あいつあいつあいつあいつあいつ!」
 いくら自分勝手と言われても構わない。僕は信じていた。弟は僕の孤独を孤独で誤魔化してくれると。しかしそれは裏切られた!何かを叩き壊したい気分だ!
「ふるっしゃああぁぁあぁぁ!!」
 僕は自分の枕を弟のベッドに思いきり叩きつけた。バフッっという篭った音がする。
「くそぅ!くそぅ!くそぅ!」
 僕は続いて枕をえらく射程の短いムチのごとく何度も何度もベッドに叩きつけた。何度も何度もぉ!
「にげぁああぁぁぁああ!!」
 僕は大声で叫んだ。そう、さっきまでの怒りや憎しみは、弟も独りだという前提からなるもの。その前提が決壊した今、僕の激情は堰を切ったダムの如く流れだし、全身に電力を流し込む。
「とても世界はほっときます愛下へ届く続きを得る為のことを下までの公然とした道筋が僕には足りないという意見を尊重して曲がらないことに意思を持って……」
「うっせえ!」
 下の階から叫び声がする。それが?それがどうしたっていうんだ?
「あーあー何も聞こえない感じないコオロギの靴下が緋色ならばそれは全然道ではないという結論が相乗して筋道を結論する上で本当に蠱惑的なコモンセンスを開放したとして君とあなたへ何を」
「うっせーっつってんだろ!」
「ごふぅっ!」
 僕は弟の飛び蹴りを食らって後ろに吹っ飛んだ。
「いじけんのはいいが迷惑かけんな」
 弟は僕を見下しながら言った。
「……持てし者は持たざる者の気の持ち方なぞ分からんということか」
「……ったく、大体、チョコもらえねぇって決めつけなくてもいいじゃねぇか」
「……」
 そう、今の発言は持てし者の当然のように奢った発言だ。
 だが、だからこそ、僕の心の中に甘くドス黒く染み込んでくる。
 やめろ……、やめてくれ……
「……どうした?」
「そうだ悪魔は自分の翼を白く塗って電器屋で照明を買ってくるんだ。惑わされてはいけない踊らされてはいけない」
「何言ってんだ?」
「そうだそうだ、大体僕がチョコをもらえる可能性なんて、万に一つしかないじゃないか」
 それなのにそれなのに、僕の中の天使は囁く。あなたは学校に行ったほうがいいわ、と。
 やめろ来るな近づくな来ないでくれ。やっぱり天使じゃない。悪魔と見間違えたのかも……
「……でも、万に一つあるのかなぁ?」
 何を僕は言ってるんだ、そんなことがある筈がない。騙されるな騙されるな騙され
「じゃあ、行こっかな?」
 うわぁああああぁぁぁあぁぁ!!僕は心の中で叫んだ。違う僕は惑わされているんだ。
「……じゃあ降りて来いよ、早く食べないと遅刻するぞ?」
 弟は部屋から出ていった。


 僕と弟は同じ高校だ。僕達は校舎に着いて、下駄箱から上履きを取り出した。
 それでふと後ろを見ると、弟がバツの悪そうな顔をしている。
「ずぬぅわっ!」
 僕は反射的に弟の下駄箱を齧り付くように掴んだ。
「なっ!」
 そして僕は四角い箱を掴む。綺麗なリボンが貼ってあった。僕はそれを何の躊躇いも無く地面に叩きつける。
「ちょっ!」
 なんとそれを弟がキャッチした。
「なんだとっ!?」
 僕は思わず苦悶の表情で叫んだ。
「おまえいきなり何すんだよ!」
 弟は僕に怒鳴った。
「わからないのか!?チョコレートなどという物質で表すからそうなる!もしそのチョコの送り主が秘めたる想いを表に出さなければ、想いの欠片を砕かれることは無かった!」
「わけわかんねーこと言って人に迷惑かけんなよ!」
「わけわかんないだと!?君には異種族間の価値観の相違について思いを馳せようという気持ちにはならないのいか!?」
「人のもの勝手に壊していいなんて言う種族はいねーから!」
「いいやここにいる!それとも君は僕の価値観を無視しそれを容赦無く踏みにじってドブに捨てる気かい!?もしそのつもりなら僕は全世界の人の価値観をゲシゲシに踏んづけてビリビリに引き裂いてグチャグチャに挽き潰してやる!」
「あのなぁ!」
 うるさいうるさいうるさい。こいつはチョコでその愛を表されているからこんなに優しい人ごっこが出来るんだ。いつも優しいのは富める者だ。
 あぁイライラするイライラするイライラする
「割れちまえ割れちまえ割れちまえ」
 僕は気づくとブツブツ呟いていた。そうしながら、気分の昂ぶりを感じていた。
「何言ってんだよ」
「チョコなんて全部割れちまえばいいんだ」
 僕の右手が早鐘を打つ。あれ、右手に心臓は無いのに?
「まずは弟のチョコだ、あれを握りつぶせばさぞスッキリするだろう」
 僕はゆっくりと右手を開いた。するとそこにさっきのリボンが、さっきの箱が見えた気がした。
「おいお前、縁起でもないことを……」
「割れちまえ割れちまえ割れちまえ」
 僕の中で血液が巡る。血液には何が溶けている?学校で習った。でも、本当にそれだけ?
「割れちまえっっっ!!!!」
 僕は指の第二関節が支障をきたす位に強く強く右手を握り締めた。
 パギャッ!
 それと同時に、弟のバッグから何かが壊れたような音が聞こえた。
「!!」
 いつもなら疑問しか湧いてこないだろう。だが今の僕は違う。
「……バッグの中を、見たほうがいいんじゃないか?」
 僕はニンマリと笑った。
「な、なんだよ……!」
 僕のその余裕タップリの表情に不安を感じたのか、弟が慌てたようにバッグを漁る。
 愉悦、愉悦。
 弟が先程の箱を持ち上げると、不揃いな欠片が転がるバララという音がした。さっきまではしなかったのにね!
「ハァーッハッハッハ!」
 僕は笑った。大いに笑った。僕を裏切った罪だ!罰だ!ドストエフスキーだ!
「兄てめぇ!」
 弟は僕を睨みつけた。
「ハッハッハ……いやぁすまない」
 僕は素直に謝罪した。
「別に君が第一被害者だからって、特別恨んでいたわけじゃぁないんだよ?」
「そういうことじゃねぇだろ!」
「ハハハハハ!吠えるのはいいよ!大歓迎だよ!もっと怒ってよ!もっと憎しみを僕に見せてよ!」
 そうか、富める者はこういう気分なのか。今まで石を投げられるのは怖かったけど、今そんなことをされても嫉妬にしか思えない。笑いすらこみ上げる。
「これ作るのにこの人がどれだけ苦労したのか……」
「知らぬ効かぬ堪えぬわぁ!違う違う違うんだよ!苦労して作った物を、汗水の結晶を、安全な場所に保管しないのが悪いんだよねぇ!そんなところに置いといたら下駄箱が燃えたり校舎が潰れたり流星群が襲いかかったりしたら一瞬でパーじゃないか!それとも君は!自分の心臓を!アマゾンのジャングルにでもほっぽり出す気かぁい!?」
「いいかげんにしろよ兄!」
「それはこっちの台詞だ!君のすることは1つ!それを送り主に返して、一生チョコを渡すなと釘を刺すことだけだ!それなのに君はいつまでもグチグチグチグチと無駄口ばかり!反抗はもういいから早く持っているチョコを全て持ち主に……」
「うるさい」
 その声はとても静かだった。でも僕の耳の中には一瞬で取り込まれ期待してもいいという信号を脳が発することに賛成だと脳が結論を出した。
「三手火神(みてかがみ)さん!?」
 そう、彼女こそ僕が心から愛して溶かしてやまない千代子ちゃんだ。
「ここはあなたの家じゃないの」
 千代子ちゃんはそれだけ言うとスタスタと去っていった。
「すみませんでした」
 弟の謝る声が聞こえる。だがそんなことはどうでもいい。それより今、千代子ちゃんの起こした空気の振動を耳で感じることが出来た。
「フフッヒヒャ……おっとっと」
 僕は慌てて口をつぐんだ。そうだ。千代子ちゃんの理想の一端を、僕が満たせるのだ。
「フフフ……、千代子ちゃん……、フフフ……」
 僕は千代子ちゃんを盗み見た。大丈夫だ。あの子は。
 ……大丈夫?本当に?
「……千代子ちゃんは、大丈夫だ。でもね、許さないよ、その他全員は!」
 僕は拳を握り締めると駆け出した。
「おい!兄!」
 弟が叫んでるけど無視だ無視。


 廊下では人目もはばからないうすのろばか共がチョコだの求婚だの好き勝手にしてる。
「キャー!黎人(レイト)様ーっ!」
「私のチョコを受け取ってー!」
「私のチョコの方が美味しいわよー!」
「黎人様の為に私、インドまで行ってきてカレールー作ったんですぅ!」
「はいはい押さないで」
 なんだあの男の苦笑しつつも嬉しそうな顔は!
 ああいう中途半端な顔をすれば、みんなが好意的に勝手に解釈してくれる。
 やつ程のかっこよさなら、それも出来る。
「ふざけるな砕けろおぉおぉ!」
 僕は節分の様に飛び交うチョコを右手に掌中に収めるイメージをすると、一気に握り潰した。
 パパパパギャッ!!
「愉快だよ粉々だよ無に帰したよ!」
 僕は笑った。
「……大丈夫だよ、みんなの思い、ちゃんと受け取るから」
 黎人とかいうやつはニコリと微笑んだ。
「なんだとふざけるなクソッ!」
 僕は落とし穴に落ちたような気分でそこを後にした。
「違う違う今のは違う!!」
 僕はそう自分に言い聞かせながら他の標的を探した。
「あの……これ」
 とかなんとか言ってたら女が男にマフラー渡してんじゃねぇか微妙にシーズン過ぎかかってんだよ!
「僕なんかで……いいの?」
 男が頬を赤くしながらそう尋ねると、
「……うん!」
 女は頬を赤くしてはにかむように頷いてって、
「砕けない物を見せつけ僕の非力さを煽ったつもりか?甘いんだよ!その油断が命取りになる!」
 僕は手の中にその青のマフラーをイメージする。
「千切れろぉっ!」
 そして思いきり握りつぶす!
 グシャアッ!
 僕に握りつぶされたマフラーは、無残にもバラバラとなり、その内部圧力によりバイクのマフラーに再構築された。
「ハハハハハハ!君はそれを首に巻くのか!?下らない気遣いとプライドで、それを首に巻いたまま無理して微笑むのか!?」
「……俺、決めた。暴走族やめる」
「素否緯度(スピイド)君……」
 女は目を潤ませた。
「俺のお前への想いより、暴走してるものなんて無いから……」
「素否緯度君っ!」
「早紗(ハヤサ)っ!」
 2人は熱い抱擁を交わしました……って、そんなのが必要じゃないんだよ僕は!!
「誠に不快だ!まったくもって不快だ!」
 僕は地団駄を踏みながらその場を後にした。
 世界は不幸と幸せで回っている。不幸が3連続で続く確率は八分の一!つまりそろそろ幸せが……
「って三手火神さん!?」
 僕は天井に登ったかの如く幸福だ!!だから数学は馬鹿にできない!
「あの……」
 千代子ちゃんはいきなりもじもじし始めた。
「なぬぁぬぁなんだ?」
 僕は内心の動揺を悟られぬように尋ねた。
「これっ!」
 千代子ちゃんは突き出すようにチョコを見せた。
「え!?」
 僕は蛙がひっくり返りそうな素っ頓狂な声を上げた。そうだ希望とは不意に現れ素敵な未来を連れてくるんだ。
「あなたの弟に、渡してくれない?」
「ぬぉををぉおぉおぉぉぉをおぉぉおおぉぉぉおぉををぉぉぉぉをおをぉを!!!!」
 僕は地獄の亡者の様に叫んだ。天上にいる弟よ、聞こえるか?君が煩いと思ってくれたなら何よりの幸せだよ。
「そ、そんな変な声出さないでよっ!」
 千代子ちゃんは恥ずかしそうだけど、僕はあいにく周りが眩しすぎて分からない。
「ははは千代子ちゃん君何言ってるのかわかってるよねそういうことを僕に頼むってことは地獄の1丁目から天国の99丁目にトラックを届けさせることより2000倍苦しいことだって分かってるよねぇえゑぇ!?」
 僕の心の中では怒りと絶望の炎がキャンプファイアーのようにメラメラと燃えている。懐かしいなキャンプファイアー。みんなで薪を集めたよねぇ!
「ちょっと、あなた、落ち着い……」
「大丈夫だよ千代子ちゃん君は騙されてるんだまずはこれを粉々に砕いてから君の洗脳をゆっくりと解いてあげるよ」
 そうかそれだけじゃないか千代子ちゃんは何も悪くない。さて、なんて素晴らしい能力を持ってるんだ僕は。千代子ちゃんの偽りの心を吹けば消し飛ぶ位に粉々に砕いてあげられるんだから!
「さぁ初めようか清らかで幸せで素敵な儀式をね……砕け散れぇ!!」
 僕は手の中にイメージした千代子ちゃんの偽の心を手から血が出る位強く強く強く握り潰
「うわぁぁぁあぁああぁぁぁぁあぁ!!」
 突然の激痛に僕は思わず手を開いた。
「ぁあぁあ、血が出てるぅ……」
 僕の手には多数の切り傷があった。それだけじゃない。砕けなかった!
「何故だ!何故なんだぁ!」
 僕は叫んだ。喉がひりつく。
「……あなたが私のチョコレートを砕こうとするのは読めていた」
 千代子ちゃんはポツリと口を開いた。
「!?」
「だから私は、チョコに無数の刃物をトッピングしたのよ」
「な……、んだと……ぉ」
 そうか、千代子ちゃんは自分が怪我するのも厭わないで、『自分の思いを絶対に届けること』を叶えようとした……
「ハハ……ハハハ……」
 僕はその場に崩れ落ちた。なんて鋭くしなやかな愛だ……
「欲しかった……」
 僕はカラカラの喉で掠れた声で呟いた。負け惜しみでも、三手火神さんに聞いて欲しかった。
「それだけの愛が……、弟じゃなくて……」
 僕はうなだれてすすり泣いた。

PS. バレンタインには特に興味無いです。

Re:皆の小説披露して♪
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 俺の名前は福田守。某県東大縞市は、西洞院家の屋敷で門番を務めている。
 門番と言うと、如何な仕事を思い浮かべるだろうか。ただ入り口でボーっとカカシになっている暇な職業のイメージが強いのだろうが、少なくとも俺は違う。なぜならば、
「よう福田! 今日も精が出るなぁ。この町は日本でも特に微笑ましいくらい平和だからやる事無いよな。哀れなお前を笑ってやるよ! アッハッハッハッハ♪ 」
「黙れ」
「ショボ~ン」
 ご覧の通り、ふてぶてしいほど笑い上戸な門がいるので暇ではなくむしろイライラする。
 こいつは最新鋭の人工知能だ。通称『GUARD』と呼ばれおり、屋敷の全てのセキュリティを管理しているらしい。家主の西洞院様が俺に気遣って対話機能をこの門に備えてくれたのだが、三拍子で評価するなら『いらない、くだらない、黙らない』に尽きる。
 これだけでも十分ウザいくらいなのだが、さらにウザい事に立体映像まで付いているので気持ち悪い顔面が目の前でチカチカしているのだ。しかも、表情も変化するため気持ち悪さまで追加されている。
「まぁ、そうつれない事言うなって~。そうだ! 恋バナしようぜ、こ・い・ば・な?」
「修学旅行のノリだろそれ」
「あ、メイドのローディアさんだ」
「ブゥ!? 」
 ローディアさんって、ロシアから親の都合で日本に移住し、メイドの仕事に憧れこの屋敷で働き、ナイスバディでキュートで俺が絶賛片思い中のあのローディアさんかァ!? 
 どうしたものだろうか、毎日門を通るから顔見知りではあるものの、こうも唐突に現れると緊張してしまう。顔は耳まで熱くなっている。今はとても会話できる状況では……。
「嘘だァ!! 」
「殺されたいのかな? かな? 」
 まったくもって腹立たしい。ウイルスにでも感染してしまえば良いのに。かといって本当にそうなったら屋敷の一大事のため口にはしない。この行き場のない怒りをどこに向ければ良いのだろうか。石があったらカチ割りたい。
「あ、本当にローディアさん来ちゃったよ」
「ふん、同じ手が何度も通じるとでも思っているのか? 」
「私が、どうなさいましたか? 」
「ブフッ!? 」
 この鈴を転がすような透き通った声は間違いない。振り返っても大丈夫なように、必死で気を落ち着かせ、顔の力を抜く事に専念する。だが、どういうわけか己の瞼がクッツイたまま離れようとしない。
「今開けますんで、はいど~ぞ~」
「どうも。福田さんもお疲れ様です」
「お、オチュカレサマです。ヤベ噛んだ」
「あらあら、フフフ」
 恥ずかしい、我ながら「オチュカレサマ」ってなんなのだろうか。しかし、ローディアさんの笑いの種となったならそれはそれで良いかもしれない。
 勇気を振り絞ってその笑顔を拝むとしよう。開け瞳!
「ローディアさん行っちゃったぞ~。ところで式はいつだ? 神社? 教会? 誓いのキスができないなら神社にしておけよ。デュフフフフ♪ 」
 殴りたい、この笑顔。

パシフィック・ウィンド 第一話
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別の世界の太平洋戦争。その中に連合国軍を勝利に導いた一隻の平凡なる旗艦がいた・・・その船には名前がなかった、しかしその船の船魂は太平洋中を駆け抜けた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1941年12月7日ハワイ・パールハーバーには太平洋艦隊のすがたがあった。

そして、総数数百隻に及ぶ巨大な機動部隊の旗艦に突如任命され困惑する輸送船の船魂の姿があった。


「わたしは輸送船。・・・名前はたぶんもらえない」



船魂は記憶を探る、確か・・・もともともと自分は宇宙戦艦だったはずだ・・・と


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ある宇宙戦艦はその元の主たる提督を失った・・・

そしてのちにヒンドゥー教の覇海神の名を冠することとなる戦いの中で己もまたヴァルハラへ
といざなわれようとしていることに気づいていた・・・


「提督・・・こんなことになるのならなぜあなたは和平の会談にむかうのにわたしをつかってくれなかったんですか?」


それが魔術師の鳥名を持つ提督の座乗艦の船魂
の最後の言葉となった。
ーーーーーーーーーーー


「目覚めよ、異国の神話の巨人の名を持っていた船魂よ」


「ここはヴァルハラですか?」

もと宇宙戦艦の船魂は目の前の老人にたずねた。


「ほう、お主はまだ戦い足りぬか・・・まあわからぬもない・・・主とともに沈むことも叶わなかったんじゃからな」

老人は船魂に3つの道があることを示した

1、ヴァルハラにおいてかつての主とともにララグナロクを戦う

2、別の世界に転生する

3、武神の元に天の艦隊の一員として仕える。


船魂は戦争嫌いの提督のことを思い2を選択した。

Re:皆の小説披露して♪
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地味に長いので覚悟してください。
ちなみにブログで書いてるのでよかったら見に来てくれたらうれしいです。


突然ながら、この話を聞いてもらいたい。

俺の名は『不業華丹(ふごう かたん)』。
とある学校……いや、わかりやすくM高校としよう。
俺の通うこの学校には、校則なのかは知らないが、こんな言葉がある。



『Tenokertelanを怒らせてはならない』


Tenokertelan……日本語で言うと、『テノカトラン』が、一番近い言葉らしい。誰かに聞いたことがある。
もちろんの事ながら、『テノカトラン』なんて名前の先生も生徒も一人も居ない。聞いたことも無い。
なら、何故、こんな校則があるのか。


そういうわけで、俺はとある倶楽部を作った。
その名も、『影探索倶楽部(Shadow members)』。『テノカトラン』を調べるためだけに結成した倶楽部である。

総員は以下のとおりである。

部長 俺
副部長 訃沢奈乃月(ふざわ なのつき)
ヒラ 喪手名井苧(もて ないお)
稔令覇毒(ねんれい はどく)

この4人だ。
奈乃月さんは凄く美人でいいのだが……名井苧と覇毒も狙っているらしい……。―――じゃなくて!

いつもは、屋上でこの4人でやっていたのだが、今日は新入生徒がいる。

「天華杜羅廼(てんかとらの)と、言います」
短いサイドテールの、背が低い子だ。
「おぉー」という声が、男性陣(2人)から出てくる。
「静かにしなさい……可愛い子だからって、あまりセクハラなんかしないように……」
奈乃月さんが警告する。安心を……俺はロリコンではないので。

一通り、自己紹介が終わった時、杜羅廼ちゃんがこんなことを言ってきた。

「先輩方、『明けない扉』って、知ってます?」
「『明けない扉』? 『開かずの扉』じゃなくて?」
奈乃月さんが聞き返す。男性陣(2人)も知らなかったようで、それを熱心に聞いている。勿論、俺も。

「そうです、『明けない扉』です。なんでも、旧校舎にあるって噂の……」
旧校舎とは、この新校舎の北側にある木造の校舎の事だ。
「ふ~む。そんなの、僕ちん聞いたこと無いでしゅねぇ」
「俺もだ。何処で聞いたんだ、そんなの」
名井苧に続いて、覇毒も訊く。俺も初耳だった。
「あ、えっと……たしか、3年生とか、から」
「3年生か……そういえば、一番近いものね」
「よ~し。隊長、行ってみましょう! 何があっても、ももしろいでしゅし!」
かつぜつの悪い名井苧が、そういってきた。
俺も実際、聞いてみて行ってみたくはなった。
でも、なんで『明けない』んだ?

「さぁ……それは、私も……」

……。『明けない』……恐らく、これがヒントに……。


いや、こんなところで考えていても、埒が明かない。

行こう。『明けない扉』へ――――。




先生にばれないよう、夜中に旧校舎の前に居る。
残念ながら、彼女―――杜羅廼ちゃんは風邪で休んだらしい。……大丈夫だろうか。
「その前に、提案者が休むのはどうかと思うぜ」
覇毒が皮肉に満ちた言葉を言う。
「うるっさいわねー……ほら、入るわよ!」

ギギィと、厭な音を立てながら昇降口扉は開く。立て付けが悪いのだろうか。

奈乃月さん、俺、覇毒、名井苧の順で歩く。
「何でてめぇがいっち番後ろなんだよデブ!!」
「だ、だってしゃぁ……こわいんだもにょ……」
……ほんとに、提案者が、なぁ…………。

暗闇の廊下を、一筋の光(ライト)が切り裂き、進む。
ギシギシという年期の入った音と、夜の黒で、ほぼお化け屋敷状態になっている。
「ふぁあ……ふぁあああああ……」
「だ・ま・れ・糞デブ! びびるぐれぇなら帰れ!!」
覇毒、その震えた右手は何だ。その青ざめた顔はなんだ。俺は奈乃月さんが居るから大丈夫だが。


たしか、彼女(杜羅廼ちゃん)が言った『明けない扉』って、ここだったか。そうですよね? 奈乃月――――――。

「お、おい! あの糞デブ……ほんとに帰りやがった!!」
あわてる覇毒。いや、俺も驚いている。
さっきから、奈乃月さんが何も言わないからどうしていたんだろうと思ってはいたが、実は、先程から『奈乃月さん』は居なくて、『俺』がライトを持っていたんだ。
「くそっ……おいデブ!!」
来た道を、覇毒が走って戻る。
おい、覇毒!!



声が響くが、返事は来ない。
俺一人に、なってしまった。
……。


いや、まて。待つんだ、俺。いや、俺の『手』。
何で、動いて、いる?
何で、扉に、向かう?
何で、『ノブ』を、触る?
何で――――――――





がちゃ。





ガチャって、いった。
響きのいい、音がした。
汗が、滝のように出ていたのに。もう、無い。
もうわかった。わかったんだ。



開けた先には、見知る『サンニン』の『シガイ』がころがっていた。



そして、彼女が『にやり』と笑っていった。


「アナタ ナリタイ ? コノ ヨニ ウマ――――」



「あああああああああああああああああああああああああああああ!!」


声を上げて走る。聞きたくない!!
来た道を戻る。走って!!!!! 走って!!!!!!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!!!!!!!

あんなふうに殺されたくない!!!
なんで死ななければならない!?
なんで!?
なんで!?
なんで死んだ!?
なんで殺した!?
なんで『コ』ろした!?
なんでコ『ロ』した?
なんでコロ『し』た。
なんでコロシタ。



なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなああああああああああああああんであああああああなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんであああなんでなんでなんでなんでなんであああああああああああああなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなああああああああああああああんでなんでなんでなんああああああああでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんああああああああああでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなああああああああんでなんでなんでなんああああでなんでなんでなああああああああんでなんでなんでなんあでなんでなんでなあああんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんであああああああああああなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなあんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんあでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア





ふと、見上げてみると、青い空が広がっていた。

彼女は、もう、追ってきていなかった。





俺は大人になった。

父の仕事を継いだ。

家族が出来た。

家庭が出来た。

有名になった。





テノカトランとあった。



父を殺した。
母を殺しタ
妻を殺シタ
我が子をコロシタ
キャクヲコロシタ

ゼンブコロシタ。





あはっ………TenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanTenokertelanんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!







アア ルロイ。
アア テノカ。
ソリトマステオナ。シネニノカニネト。
ロンダロンダ。
テノカトラン。
アア トラン。
アア ディーレ。


【揮われしTenokertelan―テノカトラン】完


唯一なる神の唯一なる僕、『Tenokertelan』
唯一なる神の飛翔生命『Aleass』
唯一なる神の卵『D』




彼らは罰を与えるものではない。
彼らは楽しむものではない。
神に『娯楽』は存在せず、神に『希望』は存在しない。



『此処より出でる生命(もの)、この世全てに憎しみのあることを』































































































































































生命よ。これは事実ではないが『事実』である。
世界は、貴方たちが思っている以上に。






狂っている

Re:皆の小説披露して♪
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なんだ、このスレッドは!
書きかけ之人………。

Re:皆の小説披露して♪
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これって自分の小説の宣伝スレ....なのか?

Re:皆の小説披露して♪
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此処をまた挙げるけど………再度起動させる? 
………まあ、また書きかけが増えそうですけどね(笑)。

Re:皆の小説披露して♪
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ここは自作小説の宣伝だろうと何だろうと構いませんですよ。

勿論、書きかけにしてもOK

Re:皆の小説披露して♪
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ネフィリム「今日のご飯はBFよ」
ミドラーシュ「わーい!」
エグリスタ「ヒャッハー!」
シェキナーガ「いただきます…」

シロッコ「やめろ!死にたくない!死にたくなぁぁぁい!」
ゲイル「旋風戻ってきた途端にこれだよ!」
ブリザード「環境の 力って すげー!」

というのを、想像しています。

Re:皆の小説披露して♪
遊戯王アイコン

ほぼ全部を読んでみました。
面白いかどうかとか人物の名前とか台詞とかダサすぎとかはそれぞれの好みなので言いませんが、
ともかくほとんどの作品(?)が誤字誤用ばかりで見るに耐えない……。
そもそもなぜ遊戯王関係のサイトでわざわざ遊戯王に関係無い小説を読みたがるのですか?
……理解ができません。

Re:一回修正するor作り直す?
遊戯王アイコン

放置されてもう、2カ月経つし 作り直すならやってみてはいかが?

Re:皆の小説披露して♪
遊戯王アイコン

その意見には私も同意しようかなあ。

なぜ小説を読みたいのか? 否。心の奥底にある願望を解き放ちたいので、書くのだと思います。


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