ＤＸ 元気な幼馴染み 赤槻 仄

黒壱(クロイツ)
「幼馴染みは報われない公式。いや、遊戯王では統計的に報われてる方ですかね。
多分商品パッケージの真ん中にいる、メインヒロインっぽいポジションの子。しかし背景でシルエットになってる真のメインヒロインが登場して不憫なことになったりならなかったり……。
主人公の性格ですが、無属性だと話を進めにくいので一人称にしてみました。若干色付けがされてます。



主人公の親友・友里からの評価：
「え？ ほのかちゃんについて聞きたい？ お前の方が良く知ってるだろーよ、◯◯？（主人公の名前）……ま、俺の情報網を頼りにしてるってんなら悪い気はしねーけど」
「赤槻 仄。十和野学院高校2年生。身長154センチ、体重48キロ。スリーサイズは上から78のB、58、86。ちと胸が控えめなのと安産体型なのを気にしてるっぽいぜ」
「家事全般が得意で、しかもあの明るくて優しー性格だからか、この学院の『お嫁さんにしたい女子ランキング』トップ5常連だな。……あ？ 何それ知らない？ バッカおめー、リア充に選挙権があると思うなよ」
「家族構成は両親と、意識不明で入院してるお姉さんがいるらしいな。……へぇ、遥（はるか）さんっていうのか。中学までエースとして活躍してた陸上を辞めちまったのもそれが理由なのかな。……ちなみに事情とか知ってるか？ あぁ、詳しく知らないなら別に良いって」
「好きなものはニチアサキッズタイム……割と意外な趣味だな。嫌いなものは『諦め』。趣味はボランティア、人助け、パトロール。……パトロールぅ？ マジでヒーローか何かか？ いや、からかってるわけじゃないけどさ」
「誰にでも優しいし、笑顔が可愛いし、時折見せる危うくて儚い自己犠牲精神も、ギャップがあって良いよなぁ〜。……え？ 割と良く殴られる？ お前だけだろそんなの。はぁ〜、やだねぇ鈍感さんはよ〜」
「尊敬する人はお姉さん、夢は『お姉ちゃんみたいになりたい』だそうだぜ。……どんな人だったんだ、その遥さんってのは？」


†

その日の朝は、まるで自分が死ぬなんて思いもよらないほどいつも通りだった。
「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」なんて言葉もあるが、いやいややっぱり死にたくは無い。
どうせ死ぬなら惚れた女に膝枕されながら畳の上で死にたい。公園でシリアルキラーに刺されて野垂れるなんて真っ平だ。

「◯◯、朝だよ〜」
勝手知ったる幼馴染みの家。いつものように、仄が起こしに来た。
ベッドに腰掛けた彼女は、僕の耳を摘まんでくいくいと引っ張る。
昔は起こしに来ると大体布団を引っぺがされて転がされていたが、高校に上がってからは何故か起こし方に優しさが見えるようになった気がする。急にお淑やかさにでも目覚めたか？
寝返りをうつ振りをして腕で顔を隠し、薄眼を開ける。
すると、赤髪ボブカットの幼馴染みが妙に眩しそうな微笑でこちらを見つめていた。何か、貴重な瞬間を噛み締めるような。
……そんな表情もするんだな。

さて、僕はーー。

①：今起きた振りをして挨拶する。
②：二度寝する。
③：寝惚けた振りをして胸を揉む。
④：ベッドに引っ張り込む。


†

「朝は良いね〜。きちんと眠れた後って、世界が輝いて見えるよっ！」
えへへ、と太陽のような笑顔で、隣を歩く仄は言った。
登校中、ちらほらと友人同士連れ立って歩く学生は結構いるが、異性2人で並んでいるのは流石に僕たちぐらいだ。
微妙に面映ゆいせいか、少し彼女を弄る言葉にもトゲが混じる。
「お前の場合、そのセリフ授業の後にも使えるよな」
「そそそ、そんなこと無いよぅ！？ まるであたしが授業中居眠りばっかりしてるような疑いを！ 訂正したまえよっ」
「事実無根で無いことは、昨日の小テストの結果が物語っていると思うが」
「うぐぁっ」
ずーん、と肩を落とす。髪に結わえられた黒いリボンも萎れているみたいだ。
……そう言えば、このリボンって昔は遥さんのものだった気がする。現在は妹が愛用しているようだ。
「べ、弁明しても良かとですかー？」
「許可しよう」
「最近バイトが忙しくてね？」
「言い訳としては下の下だな」
「ひどい！」
「成績に影響あるならシフトを減らせ。出来ないならそれは職場に問題がある」
仄は唇を尖らせた。
「はいそうですかって、減らせないんだよなぁ……」
「辞めてしまえよそんなブラックカンパニー。遥さんの元の職場だか何だか知らんが、それでお前が苦しむのは問題外だ。少しは自分を労われ」
「……心配してくれるんだ？」
「するとも。お前が寝坊すると目覚ましが無くなる」
「ですよねーっ！ 好感度上げて損したーっ！」
暫くぶーたれていた仄だったが、何かに気付いたように、はっと表情を変えた。
「何だ？」
「……カバンお願いっ！」
脱兎駆け出す。流石に元陸上部、速さが段違いだ。
「おい待て。このプリキュアのストラップが付いたカバンを僕に持たせるな。変態の汚名を被るだろうが」
言いながら追いかける。

2秒で追いつけないと諦めた。
「いやいや無理だこれは……」
幾ら何でも速過ぎる。中学の頃は「羽が生えているかのようだ」と“エンジェルステップ”なんて厨二な異名を付けられた彼女だったが、引退したはずの現在で尚これだけ成長できるものだろうか？
ぜぇはぁと運動不足及び苦労の元凶（ほのかさん）を呪いながら、どうにか彼女を発見した。
町中を流れるそれなりに広い川、そこにかかった橋の上に仄はいた。
飛び降りた。
「待てこら遺書ぐらい残せッ！？」
慌てて土手を駆け下りる。
水面に仄が顔を出し、僕も何とか安堵した。
すいすいと着衣水泳を披露した彼女は、何やら川の中を流されていた小汚いダンボール箱に追いついた。
それを抱き抱えて、岸辺に戻ってくる。
春とはいえ、まだ川遊びには早い。
くしゃみをしながら歩いてきた仄は、岸に箱を置き、蓋を開けた。
「にゃー」
子猫である。
「捨て猫か」
「そうみたい」
猫に触れようとして、自分がびしょ濡れなことに気付いたのか、仄は難しい顔になった。
「川に捨てるなんて、ひどすぎる」
「お前も命を捨てるところだった」
「きゃん！？」
びすっ、と頭頂部に手刀をかます。
「な、何するのっ」
「何するの？ は僕のセリフだ。いきなりダイブしやがって、ここには飛び込み台も審査員も居ないぞ」
「この子が泣いてるのが聞こえたから……」
あの距離で？
冗談にしては突拍子も無く、仄の顔は本気過ぎた。
やれやれ。
頭から制服まで濡れねずみになった幼馴染みを見て、僕はーー。

①：学生服の上着をかけてやる。
②：ヘッドロックをかけて頭をぐりぐりする。
③：猫を撫でるのに没頭する。
④：服を脱がす。
」(2016-08-02 00:34)

海藻
「随分とまあ一生懸命な女の子で…。まあ、報われて欲しい気もするけど悪堕ちして欲しい気もする。どうしたらいいんだ…！そして、選択肢の最後wよし、レッツゴー！そしてダブルクロスがどんなのかこれだとよくわからない。

ダブルクロスはPテーマな模様。絆カウンターを乗っける効果は結構ありがたいかもですね。Pゾーンからの召喚条件も非常に緩いのでいざという時の防御札、展開要因としても使いやすい。ダメージを受けなかったターンということは自分ターンでも溜まるのか…。②の効果によって普通に殴っていける様になるので凶悪ですね〜。死んでもリカバリーできるのでとりあえず出せばOKなカード」(2016-08-02 01:31)

黒壱(クロイツ)
「海藻さん＞
ちなみに、どっちの選択肢でも④を選ぶと顔を真っ赤にした仄にぶん殴られます。（笑）
とりあえず大量の伏線をばら撒いていくスタイル。暫くはまだ日常編が続くのでご容赦下さい。
カウンターが溜まる基準は、ダメージを受けない＝日常を守ることに成功した、というイメージですね。」(2016-08-02 11:14)

名無しのゴーレム
「これはいいSSが見られそうだ……え、オリカの背景ストーリー？ はたまた、ご冗談を～。
選択肢は選ぶために存在する！ ここはド定番ルート、順に①、①でいくぜ！ いや、でも幼馴染なら通常じゃあり得ない展開も許容範囲内なのか……？
彼女の笑顔を守り抜けたなら絆が深まる……これは陰で主人公（=プレイヤー）が血反吐吐いてるパターンっスねぇ。③のモンスター効果はあの悪名高いヒグルミを大幅に調整したようなサーチ効果。こんな性能だったらEmもあそこまで殺されずに済んだのでしょうか……あ、でもクラウンがいるからジャグラーは逃げられないか。」(2016-08-02 20:53)

廃人
「ＳＳでやれ(巨大貫通ブーメラン)
私もほのぼのストーリー書きたいぜ……でも展開的に無理か(自業自得)
選択ルートによってＣＧの内容が変わるのなら、全ルート周回してＣＧ回収に勤しむ他あるまい(真顔)
そのターンダメージが０だった場合のみ使えるという中々珍しい効果。カウンターを重ねて展開していくテーマのようですね。Ｐでカウンター使うテーマって最近オリカで多い気がしますね。流行りでしょうか？
割と展開の中核になりそうな感じの効果ですね。このカードを起点にどんな動きをしていくのか楽しみですね、サザンクロス(間違い)」(2016-08-02 22:28)

黒壱(クロイツ)
「名無しのゴーレムさん＞
テキスト量が想定の倍ぐらいになってしまいました。もうちょっと息抜きしたかったのに！




選択肢1-①
普通に起きることにした。
朝からエキセントリックな真似をして無駄に殴られる必要もあるまい。
「ん……あぁ、仄。おはよう」
「はい、おはよう◯◯。朝御飯の支度、出来てるよ」
「そうか、助かる」
「おじさんが単身赴任してるからって、気を抜き過ぎだぞ〜」
ぐりぐりと頬を突かれた。
余談だが、僕の父は防衛隊（編注：DX世界の自衛隊）の隊員であり、年がら年中家に居ない。母は幼い頃に他界した。つまり、現在この家には僕1人しかいないわけだ。
仄が家事をしてくれなかったら、僕は1週間でゴミと脱ぎ散らかした服に埋もれていただろう。
「お前がこの家で暮らせば良い。それならわざわざ迎えに来なくて済む。ずっと僕に味噌汁を作ってくれても良いんだぞ？」
起き上がり、あくびをしながら言う。
にわかに仄の顔が赤くなる。
「えっ？ それって……」
「もちろん給金も出すぞ。家政婦だからな」
「一生寝てろ、このばかーっ！？」
結局殴られた。


選択肢2-①
まったく、仕方のない奴だ。
僕は来ていた学生服を脱ぎ、仄に被せた。
「わっ」
「勘違いするな。お前をそのまま放置したら、余人に何を言われるかわからんからな」
猫の入った箱も抱え上げる。
「ついでにコイツも頂いていく。どうせおばさんがアレルギー持ちの赤槻家では飼えんだろう」
「あっ……◯◯、良いの！？」
「独り暮らしには飽きたところだしな。……ククク、たっぷりと可愛がってやる」
ニヤリと悪役っぽく笑う。
「……顔、デレデレしてるよ？」
「おっと」
いかんいかん、猫好きなどと思われたら僕のパブリックイメージを崩してしまうでは無いか。
こう見えても学校ではクールでドSなイケメン鬼畜眼鏡として知られているのだ（誇張）。
「兎に角、一旦家に戻るぞ。荷物も増えたし、お前もそのままでは風邪を引くやもしれん。……いや、馬鹿だから可能性は低いが」
「まぁ最近全然風邪とか引かないけど、それはあたしのIQと何の関係も無いからね？」
頬を膨らませてむくれていた仄は、ふと気付いたように僕の学生服に鼻を寄せた。
「すーはーすーはー。……えへへ、◯◯の匂いだぁ」
「……その服を返して貰おうか変態め」
「いやですー。返しませんー」
仄は纏った学生服の襟をぎゅっとかき合わせてにやにやした。
「まったく。ナニに使っても構わんが、ちゃんと洗って返せよ」
「何に使ってもって、何に使うのさ？」
きょとん、と無垢な顔で返される。
くそッ。その無知が眩しいぜ。
「……でも、ありがとね、◯◯」
「ふん、さっさと行くぞ。遅刻してしまう」
「あ〜い」
」(2016-08-02 22:47)

黒壱(クロイツ)
「廃人さん＞
多分2周目以降に主人公のデータを持ち越すと、④の選択肢を選んだ際にボーナスシーンが入るかも知れません。詳細は製品版で！（出ない」(2016-08-02 22:50)